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しおりを挟むバスから出てきた詩央は、すっかり元気を取り戻していた。
「杏くんの、おかげだよ」
「僕、何にもしてません」
こういう謙虚なところも、素敵だ。
「北條さん、杏くんは素敵な人ですね」
「え? ああ、そうだな」
てっきり、詩央が杏に敵愾心を燃やすかとハラハラしていた真だ。
予想外の展開に、喜んだ。
「発情期、まだだそうだけど。最近、体調は?」
「特に、変わったことはありません」
心配だなあ、と詩央は手を腰に当てた。
「北條さん、発情期もまだの少年を、毎晩いじめてるんですね? この人でなし」
「あんまりな言われようだな!」
それにはいたずらっぽい笑顔で応え、詩央は改めて杏に向き直った。
「オメガ同士、仲良くしてね。解らないことや、困ったことがあったら、何でも相談して」
「ありがとうございます!」
ああ、何だかお兄さんができたみたい!
杏は、友好的な詩央に喜んだ。
詩央のまなざしは、とても優しく慈しみ深いものだった。
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