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しおりを挟む「杏くん! どうしたの、今日は」
「詩央さん。良かったぁ」
まだオープンしていない店内に詩央の姿を見つけ、杏は安堵した。
「あの。真さんに、お弁当を。それから、これ皆さんに」
杏の右手にはランチボックスが、左手には風呂敷で包んだ重箱が下げられている。
「ああ、重かったでしょう? 差し入れ、ありがとう」
「お口にあえばいいんですけど」
そこへ、頭を掻きながら不景気な顔の真が現れた。
営業部長は、手強いのだ。
「北條さん、杏くん来てますよ」
「え!?」
途端に、笑顔になる真だ。
「真さん、お弁当持ってきました」
「ああ、すまない。今夜は遅くなるから、先に寝ててくれ」
そこへ、詩央が重箱を掲げて見せた。
「差し入れ、もらっちゃいました!」
「それはいい。皆で、いただこう」
休憩室へ持って行きます、と詩央は先に立って歩き始めた。
「杏も、よかったら一緒に食べて行かないか?」
「いいんですか?」
「少し、息抜きがしたいよ」
二人で休憩室へ入ると、そこには数名のスタッフがくつろいでいた。
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