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しおりを挟む「では、こうしましょう」
相変わらずの笑顔で、真は言う。
ただ、その内容は物騒だった。
「遠田さん。今から10発、私を殴ってみてください。それまでに私が倒れずにこらえたら、お引き取りを」
「これはまた、面白い趣向だな」
「もし10発こらえたら、最後に私が1発だけ遠田さんを殴りますよ」
「ははは! いいだろう。俺も若い頃は、武闘派で通ったからな。覚悟しろよ!」
何てことを、と詩央は青くなった。
「北條さんを、止めないと」
「待ってください、詩央さん。真さんには、何か考えがあるんだと思います」
杏の、詩央を握る手が強くなった。
詩央は、その目を見た。
杏の眼差しには、信頼しかない。
(この子は。杏くんも、覚悟してるんだ)
この場にいる以上、もし真が気絶でもしたら杏もまた、遠田の餌食だ。
それを解っていながら、杏は真に賭けていた。
「解ったよ、杏くん。北條さんが勝つように、祈ろう」
「はい」
その場にいる全員が、固唾を飲んで見守っている。
ゆるゆるに緩んでいるのは、遠田だけだった。
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