おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる

シンギョウ ガク

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アルガド視点

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 ※アルガド視点

「アルガド様、治安維持部隊のメンバーは揃え終えました。すでに全員がブラックミルズ入りを果たしております」

 ブラックミルズの居館に定めた屋敷の執務室にフラマー商会のヴィケットを呼び出していた。

 わたしがブラックミルズに赴任した最大の理由である闇市の復活の実行を任せた責任者が目の前にいるヴィケットである。

 元々はわたしの家の使用人であったが、わたしの意を汲むことに長けており、仕事も手際良く片付けてくれるので、父上から独立した際に組織したフラマー商会の会頭職を与えてやった男だ。

 そのヴィケットに解散させたブラックミルズの冒険者ギルドの治安維持部隊の後任になる組織の人選を任せていたのだ。

「報告は受け取っている。それに喜べ、冒険者ギルドの治安維持部隊を統括していたジェイミーの奴を首を獲ったぞ。部下の職の安堵を条件に冒険者ギルドから解雇してやった。治安維持部隊の連中も内勤に回すから、これからはやりたい放題だ」

「これは、アルガド様に御足労をおかけしました。冒険者ギルドの治安維持部隊は闇市関係者にとっては眼の上のたんこぶでしたからなぁ。彼らが活動しなくなれば、闇市も多いに繁盛することになるでしょう」

「期待しておるぞ。闇市に関しては、新設される治安維持部隊の宿舎予定地に開設する予定だったな。そちらの準備は進んでおるのか?」

「ご安心くださいませ。ブラックミルズの街外れの屋敷を手に入れております。周囲に知られぬように街からは少し離れておりますし、目隠し用の防壁も巡らせてありますし、街道からも入りやすい位置にある絶好の物件を押さえました。すでに開設準備を始めており、数日後には再開できる手はずになっております」

「ふむ、相変わらず仕事は早いな。治安維持部隊の発足式は街中で大々的に行うぞ。後ろ暗いことは全くないからな。ハハハ、隊員になるやつらには制服をキチンと着るようにと言っておけ」

「はは、アルガド様が冒険者ギルドマスターを務めるブラックミルズの治安を守る大切な職員ですからなぁ」

 追従の笑みを浮かべたヴィケットが揉み手をしていた。

 新たにこのブラックミルズに配置される治安維持部隊の隊員は、他の街で冒険者をしていた者、元軍人などといった人材で、今まで雇っていた二流の人材はすべて廃して、本物の一流の者たちだけで編制したと聞いている。

 その分、出費もかかっているが、闇市が復活して商いの量を増やせるのであれば、すぐにでも償還できるくらいの額である。

 それに、アルマに協力を求めた裏金も入る目処が立てば、幾ら贅沢しても使い切れない金がわたしのもとに集まってくるはずだ。そうなれば、資産を溜め込み婚約者殿ともおさらばして、父親の寿命を待ちクレストン家の当主としてマリアンを正室にしてお気楽な生活を送れるはずだ。

「ヴィケットが人選した者たちが、前任者みたいなポンコツどもでないことを祈っておるぞ」

「はは、今回は人選を慎重に行いました。皆、一流のプロフェッショルで固めており、前回の見かけ倒しのSランク冒険者どもとは違います。失敗の要因になったグレイズの介入も想定した戦力を整えさせてもらっております。奴がノコノコと首を突っ込んできたら、今度こそ人知れずに息の根を止めてやれるはずです」

 ヴィケットは前回の闇市壊滅に尽力したと言われるグレイズという商人崩れの冒険者の名前を出していた。

 わたしとしても優雅な独身生活を崩してくれた男の名である。その名前を聞いただけで腸が煮えくり返る怒りが沸々と沸いてくるのだ。

「そうであったな。グレイズとかいう男がこのブラックミルズにはいたな。だが、そいつもわたしがブラックミルズのギルドマスターになったからには、自由にはやらせてやらんよ」

 苛立ちを思い出させられる名を聞いたことで、ブラックミルズの冒険者ギルドマスターとしてのやるべき仕事が一つ増えた。

 だが、相手は所詮浅はかな商人崩れの冒険者。わたしが本気で手を回せば直ぐにでも冒険者としての活動を封殺できる権限を持ち合わせているのだ。

 グレイズがこちらにちょっかいを出そうとしたら、わたしはギルドマスター権限を行使して、グレイズを冒険者として抹殺することにした。

 ただ、ちょっかいを掛けてこないのであれば、冒険者ギルドへの利益も出しているため、腹立たしい存在であるが放置をしておくつもりである。

「アルガド様のお力を借りずにことを進められるように頑張らせてもらいます」

「うむ、だが困ったら早めに言え。すぐに対応をする」

 ダンジョンからの巨額の利益を上げるこのブラックミルズの表も裏も仕切るのはわたしだ。誰にも邪魔はさせない。父上にも婚約者にも、グレイズとかいう男にもだ。

 わたしは追従の笑みを浮かべて揉み手をしているヴィケットに対し、顎先を動かし退室を促した。
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