おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる

シンギョウ ガク

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日常編 探索時の俺の仕事

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オフの日を終え、新たに補充物資を持ち、いつものように第一〇階層で売り物を荷下ろしすると、次の出店候補地である第一五階層にきていた。

 以前は、中堅冒険者たちが稼ぎ場としてかなりの数が潜っていた場所だが、最近の政策変更で人影がまばらになった場所である。

 ただ、今後若手が成長すれば、再び人が集まってくると思われ、事前に出張所の場所探しを行うことにしていたのだ。

「この階層はどうやら魔物溜まりができてるぞ。みんな、油断するなよ。ファーマ、ハク、敵の数と方向は?」

「前方からたくさん! こっちに気付いてるよ~。後ろからはこないみたい!」

「わふぅう(数は五〇、動物系、ゾンビ系、不死生物系も混じってます)」

 最前列で敵の偵察をしているファーマとハクからの報告で、みんなが武器を手にして身構える。

 魔物溜まりは魔素マナが高濃度に溜まった階層で生成される物で、現在俺たちが潜っている第一五階層はここまで潜る人が一時的に減ったため、魔素マナが滞留して魔物溜まりが生成されたようだ。

 この辺りを縄張りにして潜っていた中堅の冒険者パーティーの解散が相次ぎ、新規パーティーとなって、低層階での依頼を受けるようになったので、この階層は閑散としている。

「ファーマ、ハク、クイーン、メリーに攻撃力向上と回避向上を飛ばす。その後、ジェネシスに防御向上と体力自動回復飛ばすから待つが良い」

 カーラが忙しく口を動かしながら、支援魔法を詠唱し始めると、すぐに前衛の四人に支援が飛ぶ。

 俺が指示を出すまでもなく、カーラは最適な判断を下し、敵集団への対応を始めていた。

「まずは私が先制範囲攻撃で攻撃するので、前方を開けてください。ファーマちゃん、カウントよろしくです」

 アウリースも敵の数を減らすための先制魔法をぶっ放すため、飛び込んでくる敵の目前へ範囲魔法を打ち込む準備を終えていた。

「はーい! いくよー。三、二、一、来るよっ!」

 ファーマのカウントに合わせ前衛四人が壁に張り付くと、アウリースが魔物溜まりのできている部屋の手前に向けて、連鎖電撃チェインライトニングの魔法を放った。

 眩しい光を纏った電撃が通路を一直線に進むと、こちらに向けて走ってきていたホブゴブリンに命中し、姿を浮かび上がらせたかと思うと、電撃が連鎖して眩い光に包まれていた。

「あら、盛大にヒットしたみたいね。さすが、奮発した甲斐があったってところかしら」

「魔物の皆さんは感電されてしまったようですわね……。スゴイ威力」

「メラニア―、妾もあの魔法なら使えるのじゃ、使ってよいか?」

「今の状態だと、メラニアの魔力が枯渇するから、ダメだな。もうちょっとメラニアが成長するか、クイーンに力が戻ってきたら使ってもいいが」

 召喚獣となったノーライフキングのクイーンであるが、魔法を行使する場合、多くの魔力を宿主であるメラニアに依存することになる。

 そのため、クイーンが強力な魔法を行使すれば、メラニアの魔力を使い果たして昏倒させてしまうと思われた。

 ただ、おばばの旦那さんが残した資料によれば、召喚獣として長く使役すれば、成長し召喚コストの低減や魔法行使コストも低減されると書かれていたので、メラニア、クイーンが共に成長すれば更に強力な召喚獣へなるはずなのだ。

「わたくし頑張ります! といっても戦闘ではお役に立てなそうですが……」

「そこは妾がバリバリ敵を捕食してくるから、安心するのじゃ。さて、妾が一番乗りじゃー」

 クイーンが電撃が連鎖してピカピカと光っている魔物溜まりに向けて、突撃を開始する。

「私も吶喊するわね。ファーマとハクに獲物を持っていかれちゃうから」

 メリーも盾を構えるとクイーンに続いて吶喊を開始した。

「はっ! 抜け駆けされてるよー。ハクちゃん、急がなきゃ!」

「わふう! (いきますよ。ファーマちゃんっ!! それはあたしたちの獲物ですっ!!)」

 一番乗りを逃すまいとファーマとハクも続いていく。

 すでにアウリースの連鎖電撃チェインライトニングの魔法ダメージが入って弱っている魔物たちであるため、油断をしなければ怪我を負うこともないだろう。

「グレイズさん、オレも行っていいっすか? よゆーそうっすけど」

 待ちかねているジェネシスが、チラリと俺の顔を見てきていた。

 ダンジョンでは俺の指示に従うことを義務付けているため、律儀に突入のお伺いを立ててきていたのだ。

「そうだな。後衛のみんなと一緒にゆっくりと前進する。討ち漏らしはジェネシスがトドメを刺すように」

「おっけーっすっ! みんな、前進するって」

 ジェネシスは得物の剣と短剣を引き抜くと、先頭にたちゆっくりと魔物溜まりの部屋へ向かって進んでいく。

 前衛が飛び込んでいった魔物溜まりの部屋には、ゴブリンウォーリアー、ホブゴブリン、スケルトンウォーリアー、ブラッドハウンド、パイソン、ビッグスライムなど様々な魔物がひしめき合うように存在していた。

 だが、すでにアウリースの魔法によって多大なるダメージを受け、傷ついている者が多数いる。

 そして、前衛の者たちによって、すでに半数近くは討ち取られてドロップ品に変化していた。

「やべえ、メリーさんたち張り切り過ぎっしょ! グ、グレイズさん、オレも行っていいっすか?」

「ジェネシスははぐれ狩りを任せる。対多数になったら、俺が援護するからな。ちゃんと見定めて敵を選べよ」

「おっけっす。承りっ!!」

 部屋に入ったジェネシスが、メリーたち前衛が討ち漏らしたはぐれ魔物を探して攻撃を開始していた。

 今のジェネシスならタイマンであれば、苦戦しそうな魔物はいなさそうである。

 ダンジョンでの戦闘で一番怖いのは多数の魔物に囲まれることだ。

 敵が弱くとも多数に囲まれてしまえば、攻撃を回避する逃げ場を失い、なぶり殺しにされることもある。

 どんなに強い冒険者も一〇や二〇の魔物は一気に葬ることはできない。

 ただ、範囲魔法と組み合わせればやれないことはないが、魔法職は多数の魔物に接敵された時点でほぼ詰みになるのでお勧めはしない。

 なので、なるべく敵を分断して数を減らし、数の優位を持たせないことを心がけた戦闘をしなければ長生きできないのだ。

「ジェネシスさんを援護します」

「任せる。はぐれになるように敵の魔物を分断してやってくれ」

 アウリースが気を利かせて、はぐれ狩りをするジェネシスの援護を申し出ていた。

 後衛から攻撃できるのはアウリースだけなので、敵を分断する指示を出す。

 みんなとの約束で俺はメンバーの誰かが危機的状況に陥るまで、指示しか出せないことになっていた。

 神器の力を持つ俺が前面に出て戦うと自分たちが成長できないという理由であるため、ムエルたちの件もあり無理には却下できないでいる。

 その代わり、全神経を巡らして味方の動きを精査し、危機が起きるのを未然に察知することにしていた。

 アウリースは魔法で敵を分断させ、孤立させると、ジェネシスがはぐれになった魔物を一体ずつ倒していく。

 国宝の短剣で敵の攻撃をいなし、バランスを崩して剣でトドメを刺す二刀流が冴えを見せていた。

「ジェネシス君も来ちゃったよー。ハクちゃん、これは大変だ。殲滅スピードあげるよー」

「わふうっ!!(おっけー。ファーマちゃん、行くよ!)」

「ファーマ、ハク! 妾のご飯を取るでないっ!!」

「あら、みんなヤル気ね。私も負けないわよ」

 ジェネシスの参戦を見た前衛四人が、負けじと敵の殲滅スピードを上げていく。

 ファーマの爪、ハクの牙、クイーンの捕食、メリーのメイスが次々に魔物の血で染まっていった。

 ほどなくして、魔物溜まりの魔物は殲滅され、その身をドロップ品に変化させられていた。


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電子書籍版配信開始されました。こちらは特典SS付きとなってます(`・ω・´)ゞ 書籍版も好評発売中です。

次回更新日は3月18日(月)
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