おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる

シンギョウ ガク

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最終章 そして、伝説へ

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 夜明けとともに馬車を走らせ、数日が経った。

 日が進むにつれてブラックミルズを含むロザーヌ地方からの救援の依頼は加速度的に増えていた。

 ただ、事前に手を打ったことと、ヨシュアたちが動いてくれたため、絶望都市周辺にある村からの避難は怪我人こそ出ているものの死者が出たとの報告はない。

 それに他の地方のギルドマスターへの書簡も効果を発揮して、各地からロザーヌ地方に向かって救援の依頼を受けた冒険者が集まってきているらしい。

 このまま、溢れ出した魔物たちを絶望都市に押し返していけるかと思っていた矢先――。

「ブラックミルズへの枝街道へ向かう最後の宿場街コーリアンでこの有様か……」

 温泉街として有名なコーリアンは、本街道の物流が滞ったことで人と馬車で溢れ返っていた。

「予想していたとはいえ、これほどまでに人と馬車が滞っていたとはな……」

「サイアスに指示しといた王国軍もそろそろ王都を出立するんで、一旦交通整理しないとブラックミルズにも、ロザーヌ地方にも入れないっすね」

「ジェネシス様の言う通り、これから他地方の冒険者の数もまた増えますしね。せめて本街道を通行できるようにしないとまずい気がします」

「アルマの言うとおりね。物流も滞っているみたいだし、ロザーヌ地方に物資を入れる道も確保しないと」

 幸い、ブラックミルズは元々周辺の村からの供給で食料等は自給できている街なので、村を防衛しつつ持久戦で持ちこたえられるとの回答がジェイミーからきていた。

 まずは、本街道上の魔物退治が優先事項か……。

「おーし、まずは本街道の魔物を一掃するぞ! この辺でたむろってる冒険者たちも集めてくれ! 『追放者アウトキャスト』としてのお仕事もたんまりこなすとしよう! 俺も頑張るから、みんなも頼むぞ!」

 溢れ出した魔物は数こそ膨大なものの、さして強い魔物ではないとのことだ。

 相手が数で攻め寄せるなら、こっちも相応の数で対応した方が危険度は減る。

「はーい! お久しぶりにファーマとハクちゃんとクィーンちゃんで暴れるよー!」

「わふううっ! (お仕事っ! お仕事ですねっ!! 王都で美味しいもの食べ過ぎて太りすぎちゃいましたからねー。ダイエットです)」

「えー、妾は美味しい者だけ食べればいいのじゃー。お仕事は面倒なのじゃー」

 王都では大人しく食い倒れツアーをしていた三人だったが、久しぶりの本業復帰にやる気を見せていた。

 ハクは絶対に太り過ぎだな。

 狼の精悍さがなくなって、ただの太ったわんこになっているぞ。

「三人には期待してるからな。俺も最前線で突っ込むからサポートを頼む」

「はーい!」

「わふぅ(殺戮、殺戮ぅううっ!! 闘争本能が滾るうううっ!)」

「メラニアー、妾はパスなのじゃー!」

「クィーンちゃん、食べた分運動しないと、また食べれませんよー。最近、また服のお腹がきつくなったって言ってましたよね?」

 クィーンもそう言えば、ぽっちゃり度が増している気がする。

 メラニアもクィーンの食べ過ぎを気に始めているようだ。

「王都でパワーアップした私が援護するので問題ない。ファーマもハクもクィーンも存分にやるがよい」

「私も王都で新しい魔法を覚えましたので、皆さんを大いに援護しますよ」

 どうやら、うちのメンバーたちはやる気がみなぎっているようだ。

「さって、オレもこの剣でバッサバッサと魔物狩りに勤しむかぁ!! うぉおお腕が鳴るぜ!!」

「はい、ジェネシスは居残りで交通整理係な! これは『追放者アウトキャスト』のリーダーである俺からの指示だからキチンと聞くように! 王様権限使ってもいいから街道の安全が確保されたら一気に待機している馬車たちが動きださないように整理してくれ。頼んだぞ」

「ええっ!? そんなっ! 絶好の狩り時っすよ! 冒険者として逃す手は――」

「無理! ちゃんとサポートメンバーの仕事をするように! ヨシュア、後を頼むぞ! 絶対に暴走させるな」

「承知しました。我が一族の名誉にかけ、陛下には交通整理の指揮を執ってもらいます」

 そう言ったヨシュアと、彼の一族から選りすぐった護衛たちがジェネシスを連れていった。

 ナイスだ、ヨシュア。

 ダンジョン内なら守る自信はあるが、外のしかも乱戦だと俺もあいつを守り切れるか分らんからな。

「アルマは冒険者たちの割り振りを頼む。セーラはジェネシスを助けてやってくれ!」

「分かりました。この街に仮設の冒険者ギルドを設置して、単体ソロは不可として即席でもパーティー割り振って討伐に出るように徹底させます」

「あたしは陛下の指示を現場でお手伝いしますね」

 戦闘力に不安の残る二人は、自分の持ち場での仕事に専念してもらうことにした。

 やはり乱戦では目配りが行き届かずに事故が起きかねないので、天啓子という才能を開花させたメンバーだけ連れていくことにする。

「すまんな。二人にも感謝する!」

 その後、討伐の装備を整えたメンバーを引き連れ、俺は本街道上にたむろう魔物を討伐に出ることにした。
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