おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる

シンギョウ ガク

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最終章 そして、伝説へ

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「にしても、ここまでやるとはな……これは色々と語り継がれることになるぞ。閉山していたとはいえ、結構な規模の鉱山を魔法で吹き飛ばしたとか」

「……緊急事態だからと、領主の許可と所有者の許可は取ったぞ」

「確かに緊急事態だが……それにしたって……」

 絶望都市への偵察拠点を設営し終えた頃、連絡を受けたジェイミーたちが新たな冒険者たちを引き連れて拠点に到着していた。

「ちゃんと被害が外に及ばないように鉱山内部で爆発させ、がれきが道を塞がないように高温で石ごと焼き尽くすって手間はかけたんだからな」

「だから、地面が妙に金メッキされたように光ってたのか……採取量が減っていたとはいえ、元金山だったからな。鉱石が溶けて金だけまとまって地面に落ちたってことか」

「そんなことまで頭は回らなかったが、結果的にはそうなったようだな。取れそうなら、この事案が解決したあとの保証金の原資にすればいいと思う。メラニアにも許可は取ったからな」

「へいへい。お前はそういうやつだって知ってるから、手配はしてあるさ」

「すまんな。それよりも、拠点づくりもある程度進んだから、そろそろ偵察活動を始めたいと思っているが、こっちは任せていいか?」

「おぅ、拠点もある程度できているし、ブラックミルズからの補給も鉱山が無くなった今、心配するほどの苦労もないしな。グレイズたちには絶望都市近辺まで偵察に出て欲しい」

 鉱山が吹き飛んだ跡地に物資保管所と休憩場所を兼ねた拠点ができ上がってきていた。

 ここを冒険者たちの拠点として、絶望都市への攻略部隊を送り出す予定をしていた。

「ジェイミー、すまんが後は任せる。一度、監獄の状態を偵察して戻ってくる予定だ」

「おぅ、気を付けて……っていうほどお前らは弱くねぇな。それに心配性のグレイズが行くんだから問題はないな」

「グレイズさぁーん!!! 準備できたっすー!! みんな先に行っちゃいますよー!」

 ジェネシスが、準備ができたことを大声でこちらに告げていた。

 本来なら連れて行っていい身分の男じゃないが、置いていくと無茶をして付いてくる可能性があるので、連れて行った方が身近で守れるため諦めて連れて行くことにしていたのだ。

「おぅ、すぐ行く。じゃあ、ジェイミー頼むぞ!」

「任せろ」

 俺は自分の荷物を担ぐと、絶望都市へ向け、ジェネシスたちの後を追って歩き出した。



 絶望都市は高山に囲まれた盆地の中に発見されたダンジョンで、まだ見つかって十年に満たないとても若いダンジョンである。

 前領主だったクレストン家がその見つけたダンジョンを囲むように監獄を作り、王国から引き渡された犯罪を行った冒険者や犯罪者などを探索奴隷として雇い、ダンジョンが若いため、浅い場所に湧く強い魔物の素材を収益としていた。

 もちろん、劣悪な装備しか与えられないため、監獄からダンジョンに送り込まれた犯罪者たちの生還率は低い。

 これから向かう監獄は、俺たちをハメたムエルたちが探索奴隷として収監された場所でもあった。

「あれが、絶望都市と呼ばれている場所です」

 先導を頼んだ冒険者が、指差す先には焼け落ちた監獄らしき建物に囲まれた廃墟の都市がチラリと見えた。

「監獄は外観こそ保っているが、焼け落ちているか……」

「グレイズさん、都市を囲っている塀はまだ壊れてないわね」

「わふうう(強い魔物の匂いもプンプンしますしねー)」

「ここに来るまでにも、けっこうな数の魔物いたもんねー。ファーマもちょっと疲れたー」

「確かに弱い奴が多かったが、数は居た。一旦、休憩を提案する」

「ですね。このままだと疲れもあるし、一旦ここで作戦会議としたほうが」

「わたくしがお茶を沸かす準備をしましょう。メラニアちゃん手伝って」

「やったー。おやつー! おやつーなのじゃ!」

「じゃあ、オレが石集めてきまっす。姉上は準備よろ~」

 確かにここに来るまでに弱い魔物であったが、十数度ほど戦闘をこなして来ているため、ここで一旦休憩を入れて、監獄の偵察への作戦会議をした方がよさそうだ。

「カーラの提案を受け入れて、一旦休憩にする。ファーマとハクは休憩の準備ができるまで周囲の警戒を頼む」

「はーい! ハクちゃん、周囲の偵察いくよー」

「わふうう(了解)」

 ハクとファーマが周囲の偵察に出ると、みんなは休憩の準備を始めていた。

 すでに冒険者として成長し、手早く何をするべきか判断ができるようになっているため、俺が口を出すことは最近めっきり減ってきている。

 ジェネシスが石を集めてくると、すぐにメラニアとアウリースが火を起こして、メリーによってお茶と軽食が配られ休憩の準備が整った。

 そこへ、偵察を終えたハクとファーマが戻ってきた。

「周囲に魔物の気配はなしだよー。匂いもなしー」

「わふうう(魔物動きなしです)」

「お疲れ様、お茶と軽食よ」

 メリーが二人に飲み物と食い物を配った。

「じゃあ、休憩しながら作戦会議といこう。さっき見た通り、絶望都市の拡張に合わせて作られてきた監獄はすでに焼け落ちて廃墟と化しており、周囲を覆っていた巨大な壁がかろうじて強い魔物流出を防いでいると思われる」

「私はすでに監獄もダンジョンに取り込まれたと見ている。神器の所持者を喰っての急成長、魔物大量放出、その次はダンジョンの大進化と書かれた資料が残されていた」

「わふうう(カーラちゃんの言う通りですね。ダンジョン主は力を増してますから、魔物をいっぱい作り出したあと、ダンジョンを広げる作業に入ります)」

「監獄がダンジョン化してるとなると、厄介よね……囚人が脱走しないように色々と仕掛けてあるだろうし……」

 確かに厄介だな……。

 脱走除けの罠はかなりの数にのぼるだろうし。

 探索にかかる時間が膨大な物になるかもしれないな……。

「クレストン家が所有していたと思う監獄の見取り図とか手に入れた方がいいかもしれませんね。罠の位置さえ分かっていれば、避けれますし」

 そうか! ここを作ったクレストン家に監獄の見取り図が残っているかもしれん。

 そうすれば、無駄に気を遣わずに探索ができるしな。

 早速、捜索してもらうように手を……。

「ああ、それでしたらわたくしから代官をしている者に必要になるだろうからって、こちらへ出発する前に捜索する指示は出してありますわ」

 って、メラニアがすでに動いていたか……。

 最近、俺の相談役って肩書きも有名無実化してきているな。

「確かに今までの見取り図があれば、ダンジョン化による変化もまだあまり発生してないだろうから、探索も進むだろうな」

「あと、絶望都市は廃墟型ダンジョン。ダンジョン主は廃墟の中心に居座っているはず。周囲は最強クラスの魔物がうろうろしているって話」

「ああ、それに関しては同意だ。俺もダンジョン主には会ったことはないが、ブラックミルズのダンジョンの第三十一階層はボスクラスの魔物しかいなかったからな」

「わふうう(ボスクラスだけとか燃えます)」

「強い子たちだけって楽しみだよねー。ハクちゃん」

 二人だけ、なんか違う感想をもっているようだが……。

 ボスクラスの連戦はかなりきついんだぞ。

 きちんと準備を万全にしておかないと、即消し炭ってことになるんだ。

「油断はしちゃだめだぞ。それにそこに到達するまでも激しい戦いが予想されるしな。まずは見取り図を入れて監獄前に補給ポイントを作った方がいいかもしれん。今回は候補地探しとしよう」

「異議なしね。急がないといけないけど、無茶もしないようにことを進めた方がいいと思うわ」

「私も異議なし。後続の冒険者にも補給と休息できる場所は必要」

「私も異議はないです。周囲を魔物に囲まれているんで、この場所がすでにダンジョンと同じですからね。安心して休憩できる場所は欲しいです」

「わたくしも異議なしです。クレストン家の見取り図を手に入れるまでに監獄攻略への補給ポイントを構築はしておいた方が」

 メンバーたちからも賛同が得られたため、休憩を終えた俺たちは監獄を攻略をするための補給場所を探すため監獄へと近づいていった。


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