魔剣士「お姫様の家出に付き合うことになった」【現在完結】

Naminagare-波流-

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第七章【氷山帝国】

7-7 人知れない気持ち

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………………………………………………
―――そして。
結局、白姫の強引な行動によって魔剣士は白姫と混浴の貸切風呂へとチェックインし、二人はついに脱衣所へと足を踏み入れていた。セージの宿泊部屋は相当な一等室だったのか、部屋番号を言うだけで2時間もの時間、浴場を貸し切ることが出来たのだった。

魔剣士「……マジかよ」

貸し切り風呂は、予測していたがやや狭めのうえ脱衣所も共同。サービスとしてタオルや、サイズ別で宿場刺しゅうの入った滞在用ウェアである魔法衣、下着まで準備してあったことには驚いた。

魔剣士「ここまでくると、過剰なサービスだな」

辺りをきょろきょろと見渡しながら、整理される備品を適当にイジる。どうにも、魔剣士はこの状況が落ち着けない。白姫と一緒に"温泉"に入るなんて考えてなかったのだから緊張も当然であるが。
もちろん、一方の白姫は緊張の様子もなく当たり前のように―――…。

白姫「入ろー♪」
魔剣士「うおっ!!?」

生まれたままの姿で、真っ白な身体を魔剣士にさらけ出す。

魔剣士「ばっ…!た、タオルで隠せアホッーーー!!」
白姫「最初は隠そうとしたんだけど、そこにほら……」
魔剣士「あん…?」
白姫「注意書きに……」

彼女が指さした方向には、木製のプレートで入浴心得その弐に"タオルを着用して浸かるべからず"の文字があった。

魔剣士(余計なことを…ッ!!)
魔剣士(……って!)

プレートに寄り、注意書きを読む白姫の後ろ姿は、もちろん何も巻くはずはないので。

魔剣士「さ、先に入ってろボケェェッ!それと向こう側を向いてろよ!こっち向くな、いいなっ!?」
白姫「お、怒らないでよぉ!」
魔剣士「早く入ってろーーーっ!!」
白姫「わ、分かったってばぁ!」

彼女を怒鳴りつけ、先に浴場へと送り、魔剣士も「仕方ねぇな」と呟きながらも服を脱ぎ始めたのだった。

魔剣士(ったく、何でこうなったのか……)
魔剣士(羞恥心とかの以前の問題だろうが、前にも言ったのにアイツはまるで聞いちゃいねぇ)
魔剣士(成長しろってのによ……!)

ぶつぶつと文句を言いながら、魔剣士は服を脱ぎ終えると戸を開き、浴場へと入室した。見た限り木造で、どことなくいい香りが漂い、かけ流しで床を流れ足へと触れるお湯はわずかに熱かった。

魔剣士(っと、しかし慣れりゃいい温度になるな。それにお湯がしっとりしてるし、これが温泉なのか)

考えてみれば、自分にとっては"温泉"というものは初体験であることに気が付く。話は聞いていたが、入る機会なんかないと思っていたし、こんなリゾートのように訪れるなんて思ってもみなかった。
また、当たり前だがそれは"向こうを向いていろ"と言われたのに魔剣士が素っ裸で現れたのを凝視していた白姫も一緒だったのだが。

魔剣士「……おいコラ」
白姫「うん?」
魔剣士「お前は何故、こちらを向いている」
白姫「つ、つい……」
魔剣士「面白いものはありましたか、姫様」
白姫「……お、大人だなって!」

魔剣士「…」
魔剣士「……こ、このっ!!」

白姫「ひゃっ…!」
魔剣士「……はぁ」
白姫「ふぇ…?」
魔剣士「もういい、もうちょっと詰めろ。俺も入るぞ」
白姫「あ、う…うんっ」

浴槽の中で白姫は身体をずらして魔剣士が入りやすいようスペースを作ると、魔剣士は簡単にかけ湯を済ませて"ザボン!"と湯船へと飛び込んだ。すると、波立ったお湯は白姫の顔へと直撃し、彼女はそれを飲みこんでしまったようで思わず咳き込む。

白姫「ごほっ!」
魔剣士「ククク、ばぁーっか」
白姫「ひ、ひどい~!ケホケホッ…!」
魔剣士「俺と風呂に入りたいなんか言うからだ」
白姫「う~…」
魔剣士「はぁ…。お前さぁ、ホントに色々抜け落ちすぎるよな」
白姫「う?」

魔剣士「お前自身、嫌な気持ちは出来てきたんだろう?」
魔剣士「なのに、男に身体を見られたら恥ずかしいとか…そういうのはないのかよ」

白姫「……嫌なことだってあるよ」
魔剣士「ん…」
白姫「色々聞いて、やっぱり変なことなんだとか、触られたりするのも…今は他の人に見られるのは嫌だなって思ってるよ…」
魔剣士「俺だって男だぞ?」
白姫「魔剣士は嫌じゃないもん。何度も言ってるよ」
魔剣士「俺がお前に欲望をぶちまけたらどうするつもりだよ」
白姫「欲望をぶちまけるって?」
魔剣士「そ、そりゃお前…あれだよな。あれ」
白姫「あれ…?」

狭い浴槽、密着しつつある身体。透き通るような水に、白姫の身体を直視してしまい、その言葉と併せ魔剣士は意識をし始める。

魔剣士「俺も…男だってことだ」
白姫「おとこ…」

魔剣士「その気がありゃ、俺は今すぐお前を傷つけることだってできるんだ」
魔剣士「お前の行動は、いつもそれを加速させるものばかり。気づけよ」

白姫「あぅ…」
魔剣士「俺は…お前を傷つけたくない」
白姫「そんなこと…」
魔剣士「だが、俺は男だ。止まらなくなることだってある。流されやすいって、自分でわかっているんだ」
白姫「それは…」
魔剣士「お前が楽しくしたいのは分かる。だけどな、お前の行動は、俺が流され、お前自身が傷つくような……」
白姫「わ、分かってる!」
魔剣士「あ?」
白姫「魔剣士の言ってること。傷のこと、欲望のこと!」
魔剣士「はぁ?」
白姫「勉強したから。"身体"のことだよね…?」
魔剣士「お、お前…」

予想外な言葉。白姫は、魔剣士が濁していた言葉のそれを…その意味を既に分かっていた。

白姫「ブレイダーくんが私にしようとしたこととか、ハンターに捕まったらどうなるかとか…」
白姫「猛竜騎士さんが、女性の身体として分かってろって教えられたんだ」
白姫「……あ、でもね!製本とかで教えてもらっただけだよ!?そうじゃないからね!」

魔剣士「はぁ!?じゃあ、全部分かってて風呂に誘ったりしたのか!?」
白姫「……うん」
魔剣士「どうしてだ!」
白姫「ごめんなさい…」
魔剣士「意味が分からなねぇって!」
白姫「あのね、半分嘘で、半分は本当でね…」
魔剣士「はァ!?」

白姫「あ、あのね……」
白姫「それを知って、魔剣士が最初に一緒に泊まった宿でやろうとしたことも分かったんだ……」

魔剣士「あ…!」

最初の夜、金貨と引き換えに一緒に宿泊をした宿の出来事。忘れかけていた、魔剣士の行動は、白姫の心にしっかりと残っていた。
彼は何も知らなかった白姫をベッドへと押し倒し、何も知らない彼女を…引き裂こうとしたことがあった。
……………………………
魔剣士「……さっき言っただろ!もしかしたら俺が悪者だったかもしれないってな!」
魔剣士「そうさ、目が優しいからって何もないわけじゃないかもしれないんだぜ……!」

白姫「え、えっ…?」

魔剣士(この姫様は何もしらないんだ。この世が残酷なことを、俺が教えても……)
……………………………

魔剣士(あ、あの時は俺が白姫に抱きしめられて温もりだと言われて…思わずそれを止めた)
魔剣士(今まではそれを知らなかったから良いけど、その行動を理解したってことは、まさか白姫は俺のことを……)

白姫「"嫌い"になるんだったら、こんな場所に一緒にいないからね?」

魔剣士「うっ!?」
白姫「そういう…目をしてたから。そんな疑問の目…」
魔剣士「う、うるせっ!」
白姫「ご、ごめん…」 
魔剣士「いちいち謝るなっての!それより、半分嘘で半分本当ってどういう意味だよ!!」

白姫「あ、えっとね!それはその、だから!こうやって二人きりになれる機会が欲しかったの!」
魔剣士「あぁん?」
白姫「半分はね、本当の意味で今まで通り私は魔剣士と楽しくおしゃべりしたり、こうやって一緒にいたい」
魔剣士「おう」
白姫「でも、もう半分はそれを知ったから今日、怒られるのを分かって誘ったの。二人きりになれる場所があったらいいなって思って」
魔剣士「は?」

白姫「あのね、魔剣士がそういうことをしたいんだって分かったから……」
白姫「いつも戦って、守ってくれて、傷ついて…!」
白姫「でも、魔剣士もそういう欲があって、私のことで満足できるならって…!」

魔剣士「な…!」
白姫「魔剣士に触られるのは嫌じゃないから。だからね、満足できるなら私で……」
魔剣士「前も似たようなことをしたりもしたが、今度は全てを理解したうえでその話をするのか」
白姫「う、うん……」
魔剣士「覚悟があるって…ことなんだな」
白姫「魔剣士のため…なら」
魔剣士「そうか…」
白姫「うん、だから私……」

白姫は、話をしながら隠す気もないように、魔剣士に身体が見えるように立ち上がった。

魔剣士「いっ!?」
白姫「だから、私……」

そして、魔剣士のもとへと近づくと傷跡の残る胸板へとそっと手を当て、顔を近づけて囁いた。

白姫「魔剣士の…したいこと…やって……」
魔剣士「いっ……!?」

それはゾワゾワと全身の毛が逆立つ程、女性と意識させるがまでの声色だった。元々、誰しもがそそられるくらいの可愛らしさを持ち、男としてはこの場で流れに任せることは最大の特権で、羨まない奴はいないだろう。

白姫「魔剣士っ……」
魔剣士「おま…!」

流される。白姫の行動に、血液がドクンと唸りながら彼女を抱きしめろと全身が反射のレベルで勝手に動きだすようだった。だが、魔剣士は寸でのところでそれを何とか正気を保つ。

魔剣士「……お、お前はそれで満足なのか!幸せなのか!?」
白姫「私の今の幸せは、魔剣士が笑顔なこと。魔剣士が満ちることだから」
魔剣士「それがお前の傷になったとしてもか!」
白姫「魔剣士が望むことに、私の傷にはならないから…」

魔剣士(息が近い、熱い……!)
魔剣士(オッサンの考えじゃ、それを知って抑えるつもりだったんだろうが……)
魔剣士(こいつはそれを優しさにしようとして、俺のために行動したんだ!)
魔剣士(男よりもよっぽど男らしいというか、姫様らしくて素直なんだろうがよ……ッ!)

男として、飲まれる。全身の血が沸き立つ、過去にない最低で最高の事態に魔剣士は思わず白姫の背中へと手を回しそうになった。
―――しかし。
それより早く白姫が先に魔剣士の身体を抱きしめたことで、魔剣士はようやく我へと返るきっかけとなったのだった。

魔剣士「はっ…!」

その瞬間、あの日の宿場で「母の温もり」と放った言葉、あの日の大事な思い出が魔剣士の脳裏を駆け巡ったのだ。
間違いを犯そうとした自分に、優しく抱きしめてくれた白姫。初めて、他人を心から信頼できるんじゃないかと、他人を見下すだけじゃない、彼女を大事な人だと認識したあの日のことを。

魔剣士「……やめろ、白姫ッ!!」

魔剣士は彼女の身体を振り切り、距離を置いた。

白姫「あうっ…!」
魔剣士「やめろ白姫!そんなことは、やめろっ…!」
白姫「魔剣士…」
魔剣士「もっと自分を大事にしろ!流されるな、そんな簡単に自分を売るようなマネはやめてくれ……」
白姫「ま、魔剣士……」
魔剣士「決して嫌なわけじゃない。いや、正直言えば流されたい。お前を俺の欲のままにしたいとは思う!」
白姫「望むのなら、私…!」
魔剣士「だけど、こうじゃない!!」
白姫「え…?」

魔剣士「こんな情に流されたような形じゃ、俺は満足は出来ねぇよ!」
魔剣士「もし今、そうなっていたら!最後に俺に残るのは、きっと後悔だけになる!」
魔剣士「本当にお前のことが大事だと思ってる。だから俺は……」

白姫「魔剣士……」
魔剣士「だから、そういうことはやめてくれ…。もし、俺がそう望んでいたと分かっても、そういうことは……」
白姫「……そっか」
魔剣士「白姫を大事にしたい。今の俺は、そういう人ができただけで充分幸せだと思ってる。それだけで満ちてるっての」
白姫「わ、私…?」

魔剣士「…」
魔剣士「……って、何言わせるんだうぉぉぉああああっ!!」
魔剣士「クッソ!でも言わないと納得しねぇし…!本音だが、本音だが!!」

白姫「お、落ち着いてよっ!」
魔剣士「お前がこんな状況にしたんだろーがぁっ!!」
白姫「うぅ~…」
魔剣士「……クッソォ!だけどどのみち、こう言わないと納得もしねぇかお前は!」
白姫「ま、魔剣士の気持ちを知れただけで私も嬉しいよっ…」
魔剣士「……そうだ。だからな、お前ももっと自分を大事にしてくれ」

白姫「分かった…」
白姫「うん、魔剣士が私をそう思う日まで、私はいつでも待ってるね!」

魔剣士「うん、そうだな」
魔剣士「…」
魔剣士「って、分かってねぇぇっ!?」

白姫「そうだよね、私はいつでもって覚悟だったし…!」
白姫「魔剣士に満足してほしいのはずっと変わらない気持ちだし♪」

魔剣士(はぁぁ、やれやれ……)
魔剣士(アホの子というか、これがこいつの真剣なんだろう…な)
魔剣士(あれはあいつの覚悟だし、俺もいつか自分の気持ちとか向き合って、決めないといけない日は来るんだろうか)
魔剣士(……もしそうなれば、俺は)

白姫「えへへ、やっぱり魔剣士は優しいね…♪」
魔剣士「フン、どうだかな」
白姫「うん、優しいよ…」
魔剣士「ハイハイ。んじゃ、ずっと風呂入ってるとのぼせちまうし、身体洗ったりして出るか」
白姫「あ、私が背中洗うよー!」
魔剣士「……そういえばずっと言ってたな」
白姫「うん!全部洗ってあげる!」
魔剣士「何も成長していないなお前は」
白姫「そ、そうかな……」
魔剣士「ククッ…!本当に……」

―――良かった。
俺は間違いはしない。もしそうなっていたら、こんな会話も二度とできなかったかもしれないのだから。魔剣士は、自分を抑えられたことに本気で安堵をしていた。

魔剣士「……ハハ、それじゃお世話になりますかね」
白姫「うんっ♪」

…………
……


………………………………………………
―――20分後。
お風呂を済ませ、ようやく部屋に戻ってきた二人は、横になった猛竜騎士が寝息を立てていることに気が付いた。

魔剣士「あら、オッサン寝てるじゃないの」
白姫「本当だ…珍しいね」
魔剣士「いやオッサンも寝ることはあるだろ」
白姫「そうじゃなくて、私たちが起きてる時に熟睡してるのって珍しいなって」
魔剣士「……そう言われてみれば確かに。オッサンって意外とアグレッシヴに動いてるからな」
白姫「うん…。もしかして疲れてたのかな」
魔剣士「俺らの面倒も見てるしな。たまには油断して寝ちまうんじゃねーの」
白姫「そうだね…。いつもありがとうございます、猛竜騎士さん!」
魔剣士「大声で言うことか、起きるぞ?」
白姫「あ、あわわっ!そうだねゴメンなさいっ…」
魔剣士「それにお礼は起きてる時に言ったほうがいいだろ」
白姫「あ、そっか…。じゃあ起きたら改めて言っておこうっ」
魔剣士「ハハ…。じゃあどうするかな、まだ夕方にもならないしオッサン寝てるし……」
白姫「また外に出る?」
魔剣士「出たいか?」
白姫「ちょっとだけ♪」
魔剣士「……ふむ」

外に出る危険性は、セージによればほとんどないとは言っていた。ここはS区で秘密厳守、確かに外で見かけた人や警備隊ですらこちらに関心を向けてはいなかった。しかし……。

魔剣士「確か、商業区っていうか店があるのはBランク区だったな」
白姫「うん」
魔剣士「あそこも厳守してもらえるのかね。俺らの存在がバレてハンター来たら面倒くせぇんだよな」
白姫「……そっか」
魔剣士「ん~…でもココにいてもつまらんし。ちょっと出てみるか?」
白姫「いいのっ!?」
魔剣士「声でけぇって」
白姫「あぅっ」
魔剣士「湯冷めしないように、顔も隠せるよう深くフード被って行くか。財布持って、すぐ帰ってくりゃいいだろ」
白姫「うんっ♪」
魔剣士「ほんじゃ行きますか。上着ちゃんと着ろよ~」
白姫「はーいっ♪」

二人は厚手のシャツに、脱ぎ捨ててあった防寒具を改めて着用すると、顔がバレないように深くフードを被る。そして、念のため白姫は置手紙で「ちょっと出ます」と一言残し、二人は部屋から出て行った。

猛竜騎士(……ふむ)
猛竜騎士(寝たふりをすれば、セージか何かが俺らに何かをしようと企んでいないかと動きがないか確認したが)
猛竜騎士(まさか、あの二人が引っかかるとは)
猛竜騎士(それにしても、俺に有難う、か。魔剣士も起きてから言えとか、ちょっとは俺に恩も感じてるか?ククッ……)
猛竜騎士(……つーか余計な仕事増やしやがるのは変わらないがな)
猛竜騎士(しゃあなし、たまのデートと見逃すが、お前らの後ろから護衛の一つも見てやるか。特別だからな)

…………
……


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