魔剣士「お姫様の家出に付き合うことになった」【現在完結】

Naminagare-波流-

文字の大きさ
54 / 176
第七章【氷山帝国】

7-6 監視

しおりを挟む
………………………………………………
―――数分後。
ロビーから東側の廊下を抜けると、階段を何度か上がった後、4階客室フロアと到着した。客室フロアといっても、それだけで他の町に存在する宿場に匹敵する大きさだったのだが。

魔剣士「広ぇなぁしかし」
セージ「当たり前でしょう。ここは氷山帝国で最大のホテルなんだから」
魔剣士「こんな場所で宿泊する許可が降りるなんて、やっぱ連合の人間は偉いんだな」
セージ「言ったでしょ、この国は連合本部が政府で力を持ってるんだって。何度説明すれば分かるのよ?」
魔剣士「クソババァが」
白姫「口が悪いよ、魔剣士っ!」
魔剣士「お、おう……悪い……」

相変わらずの暴言雑談をしているうち、三人が宿泊する場所へと着いたようで、セージは足を止めると鍵を取り出して猛竜騎士へと手渡した。

セージ「それじゃ、この部屋だから。406号室ね、覚えておいて」
猛竜騎士「分かった」
セージ「三人部屋で良かったの?二人分、それぞれ部屋を確保できたのに」
猛竜騎士「これ以上の迷惑もかけられん。三人部屋で充分だ」
セージ「魔剣士クンは外で寝るとして、大型の一人部屋が余ってたし…二人分ならもっとスウィートな部屋を別に準備できたんだけどな」
魔剣士「ここまでくると芸術的だなソーセージババァ」
猛竜騎士「三人部屋で充分だと言っただろう。それじゃ、今日は部屋で休むとするか。セージ、魔剣士と白姫のことはいつからだ?」
セージ「少しはゆっくり休んでいいわよ。そうね、明日の19時からとかどう?」
猛竜騎士「分かった、部屋にいればいいな」
セージ「それじゃ、よろしく~」
猛竜騎士「あぁ」

セージは約束の時間をメモに取ると、廊下から下の階段へと消えて行った。

魔剣士「……っけ、やっと消えたか」
白姫「も~、魔剣士ったらセージさんにそんなことばっか」
魔剣士「あの悪女を見てそう思える白姫も凄いと思うぜ…」
白姫「優しいところもいっぱいあると思うよっ。ものすごく綺麗な人だしっ!」
魔剣士「そうかね?」
白姫「うん、凄く綺麗だよっ!」
魔剣士「……そうかねぇ?」
白姫「そう思わないの?」
魔剣士「俺から見たら、悪女の塊だがな。それならよっぽどババァ版のウィッチのほうが綺麗だと思うが」
白姫「え、あっ……う~……」
魔剣士「だろ?」
白姫「……って、またそんなウィッチさんのこともお婆さんって使う!」
魔剣士「い、いやだってな……」

猛竜騎士「……おい。イチャイチャしてないで、さっさと部屋に入れ」

魔剣士「し、してねぇよっ!!」
白姫「ご、ごめんなさいっ!」

…………
……


………………………………………………

"ボフンッ!"
魔剣士は、持っていた荷物を入口で男性の既に運んでいたと思われる並べられた荷物の前に投げると、すぐにベッドの上へと寝っころがった。

魔剣士「ぬぉぉ…身体が沈む……良いベッドだ……」

高級感溢れる広めの部屋に、堂々たる王室造りのようなベッドがドンと構え、魔剣士はそのフカフカ感へと酔いしれた。

白姫「わぁ、凄い柔らかそうなベッド!」
魔剣士「寝てみろって…。すげぇ眠気を誘うぞこれ……」
白姫「うんっ!」

ピョンと跳ねると、白姫は魔剣士のベッドへと飛び乗った。

魔剣士「ぬおぁっ!?」
白姫「ひゃっ!?」
魔剣士「なんで俺のベッドに飛び乗った!?」
白姫「えっ、違うの?」
魔剣士「三人部屋でベッドが三つあるんだから、そっちだろーが!」
白姫「あ、そっか!てっきり、一緒に寝てみろ~ってことかと…えへへっ」
魔剣士「はぁ~ん?俺と一緒に寝たいのか、お前は」
白姫「え、私が?」
魔剣士「しゃあねぇなぁ、添い寝してやるか?おぉ?」

白姫「…」
白姫「……あったかそう!うんっ!一緒に寝ようよっ♪」

魔剣士「おいっ!?」

"ずるっ!"思わず魔剣士はベッドから転げ落ちる。

猛竜騎士「お前らな、少しは静かに出来ないのか…」
魔剣士「俺は悪くないぞ!」
猛竜騎士「ちったぁ落ち着け。ちょっと考え事をしたいんだ」
魔剣士「考え事だ?」

猛竜騎士は窓から見える、見下ろすようにいくつも並ぶ建物に目をやりながら話をした。

猛竜騎士「この街…いや、この国のことだ。大きく、変わってしまったと思ってな」
魔剣士「変わってるって…確かに変わってるけどよ」
猛竜騎士「そうじゃない。俺は昔、この国に来たことがあると知ってるだろう」
魔剣士「あぁ、そういえば」

猛竜騎士「うる覚えだが、その時はこの特級だの何だのという制度はなかったはずなんだ」
猛竜騎士「この急速な発展に、敷かれた警備のラインにランク……」
猛竜騎士「強固たる技術者を中心に集めるような仕組みに、この国はずいぶんと変わってしまったな」

魔剣士「難しい話は苦手だぜ」

猛竜騎士「要は、俺が訪れた時はここまでの発展をしていなかったんだ」
猛竜騎士「なのに、今日は驚くほどの発展をしたことを目の当たりにした」
猛竜騎士「それは恐らく、このランク制度で弱者は外へと追いやり、強者は優越感と幸せな暮らしを迎える制度となった」
猛竜騎士「故に、"強き者"になるため国の中で壮絶な争いが起きているハズだ」
猛竜騎士「その競争精神が今日の発展を生んだのだろうが、弱者を完全に捨てる姿勢はおかしいと思わないか?」

魔剣士(弱者を外に、か。セントラル王国と一緒だってことだな)
魔剣士(っと、さすがに二度目はそんな言葉は……)

白姫「せ、セントラルと一緒ということですね」
魔剣士「おいっ!?」
白姫「魔剣士、そうやって隠されるほうが苦しいよ…。もう分かってることだから……」
魔剣士「白姫……」

猛竜騎士「傷つけるやもしれんが、この国は少しおかしい」
猛竜騎士「セントラル王国のように広大な土地もなく、忠誠な民がいるわけでもなし、弱者を捨てるということはありえないんだ」

魔剣士「そうなのか?」
猛竜騎士「この国の錬金術、魔法の発展はその厳しい土地柄からのことであって、セントラルのような発展とは違う」
魔剣士「はぁ?」
猛竜騎士「魔剣士、この国の強さとは何だ?」
魔剣士「魔法による技術力とか、錬金術とかだから…要は頭の良さってことだったか」
猛竜騎士「では、その技術力発展した理由は?」
魔剣士「確かオッサンが言ってたな…厳しい土地だったからだろ?」
猛竜騎士「では、厳しい土地で民を見捨てる、弱者を捨てる理由は?」
魔剣士「…いらないから?」
猛竜騎士「なぜ?」
魔剣士「そりゃもちろん、使えない奴はいらないだろ。発展のためなら捨てるってことだろ」
猛竜騎士「この大地は厳しく、セントラルのようには自然と人が集まらない。恵まれた大地ではないのに、民を捨てるのか?」
魔剣士「そ、それは…」

猛竜騎士「この国のトップは相当に頭がいいのか悪いのか…」
猛竜騎士「民なくして国の未来はありえないというのに、目先の発展に欲をかいて未来を捨ててるに等しい」

魔剣士「……難しいけど、それを知ったところで俺らに関係もないだろ」
猛竜騎士「まぁな」
魔剣士「この国の行く先はどうなったところで知らねぇよ」
猛竜騎士「冒険者として、旅先の滞在場所がより良いものだと知っていれば苦労も減るんだぞ」
魔剣士「そりゃそうだが…俺らにどうこう出来る問題じゃねーし」
猛竜騎士「ま、この発展を続けるようならいずれ国は滅ぶ。二度と足を運ばないと考えるだけだ」
魔剣士「あぁ…」
猛竜騎士「……しかしそうだな、今は魔剣士の言う通りだ。今は俺らの目的のために、セージとの取引を上手くしよう」
魔剣士「おうよ、技術を盗んでもっと強くなってやるっての」
猛竜騎士「うむ」

話を終えた猛竜騎士はカーテンを閉め、羽織っていた防寒具を脱いでハンガーへとかけると、彼もまたベッドへと横へとなったのだった。

…………
……


………………………………………………
―――同時刻、とある場所にて

セージ「それで、どうだったのかしら?」

魔剣士らと別れたセージは、既に自身の研究所のような場所であの「男性」と共にいた。

制研究員(ホテル員)「はい、言われておりました通りお荷物をお預かりした際に中味は拝見致しました」
セージ「彼は信用できそう?」
制研究員「冒険者としての各種道具や、西方大地で入手したと思われる製本等、彼らの言い分通りではあるでしょう」
セージ「私もこの目で魔剣士クンの闇魔法を見た。少なくとも嘘ではなさそうね」
制研究員「姫様のお荷物からも、セントラル周辺の街でしか入手できない道具の一部を発見済みです」

セージ「ってことは信用しても良さそう…か」
セージ「まっ、彼らに…というか猛竜騎士に私はどうも信用がないのが傷なんだけど」

ハァとため息をつくセージ。

制研究員「それと、お聞きしましたが国の情勢についてお話をしてよかったのですか?」
セージ「別にそれだけで何かを知るということはないでしょう」
制研究員「しかし、猛竜騎士という男はどこか鋭そうで…我々の計画に気が付く雰囲気があります」
セージ「伝えたのは断片的な部分、しかも情報収集をすれば簡単に入手できる程度の情報よ。それだけで計画に気づけるわけがないわ」
制研究員「セージ様が魔剣士様の情報の収集と、今の国の情報をパズルのピースのように組み合わせることはすると思いますが…」
セージ「そのくらいは気づくんじゃない?」
制研究員「そ、それでは!」

セージ「……あの男、何もかも首を突っ込むのは好きそうだけど分をわきまえることは出来るから大丈夫」
セージ「この国は技術者、研究者が全てという以上、この失われた闇魔法の研究結果を出せば私は上に登ることができる……」
セージ「魔剣士クンにもこっちがもってる闇魔法の扱い方も教えるし、条件としてはこれ以上ない取引でしょう?」

制研究員「セージ様がそう仰られるのならば……」
セージ「私の胸の内、この"秘密研究所"のあり方を知られてバラされるのは不味いけど、私自身の上層部への野心がバレるくらいは何ともないわ」
制研究員「そうですか……」
セージ「猛竜騎士や魔剣士クンは別にいいけど、どっちかっていうと本当の意味で不味いのはあの…姫様かしらねぇ」
制研究員「かのセントラルの、ですからね」
セージ「それもだけど、彼女は好奇心旺盛過ぎるのよ。厄介というか、おてんば過ぎる一面がありそうね」
制研究員「ハハ…そりゃ誘拐犯と旅に出ていますからね。おてんば極まりないというか」

セージ「……ま、いいわ」
セージ「それじゃあ、姫様たちの管理もきちんとしましょうか。現在位置の把握をお願いね」

制研究員「少々お待ちください。感知図に透過致します」

研究員は、近くにあった魔力を感知し地図へと表示させる錬金器具を起動すると、魔剣士らの現在位置を割り出した。

制研究員「彼らの宿泊部屋は406号室でしたよね。ただいま、一人がベッドに横になっているようですが」
セージ「一人だけですって?」
制研究員「えぇ、お出かけになられたんじゃないでしょうか」
セージ「いくら秘密を守る特級区といえども、姫と魔剣士クンだけで出かけるなんて危機感がない子たちねぇ」
制研究員「お待ちください、魔剣士様と白姫様の現在位置も割り出します」

研究員は慣れた様子で、巧みに錬金器具を使い魔剣士らと思わしき人物の位置を確認した。

制研究員「えぇと…魔剣士様と白姫様と思われるお二人を発見致しました」
セージ「位置は?」
制研究員「ココは…大浴場前の廊下ですね」
セージ「大浴場?ということは、部屋に置いてあった"銀の雪解け水、天然温泉「美肌の湯」"の案内パンフレットにでも惹かれたのかしら?」
制研究員「そうなのでしょうかー……って!あぁっ!?」
セージ「どうしたの?」
制研究員「ふ、二人とも大浴場の廊下を過ぎて……!」
セージ「あら温泉が目的じゃなかった?」
制研究員「その…!」
セージ「どうしたの?」
制研究員「か、貸し切りの湯のほうに……」

セージ「…」
セージ「……ハイ?」

………………………………………………


……
…………
………………………………………………
―――魔剣士サイド

その頃、魔剣士と白姫はというと。セージらの錬金器具による予想と感知図は正確で、部屋に置いてあった"温泉のパンフレット"を手に持って地図の通りそこへと向かっていたところであった。

魔剣士「そっちじゃねーっつってんだろ!」
白姫「でも、こっちは貸切温泉って書いてあるよ!」
魔剣士「俺らの目的は大浴場であって、こっちは家族風呂とかなんだろっての!」
白姫「家族風呂?」
魔剣士「…ほら、仲が良い人らで入るとかそういうやつだろ」
白姫「ふむふむっ!じゃあこっちで良いね♪」
魔剣士「バカ!混浴だろ!」
白姫「混浴って、一緒にお風呂に入るんだっけ?」
魔剣士「そうだよ!二人きりになっちまうし、だから男女に分かれてる大浴場でいいんだよ!」
白姫「……私たち、仲良しじゃないの?」
魔剣士「はい?」
白姫「折角だもん、二人っきりでお話ししながらお風呂に入ろうよっ!」
魔剣士「バッカ!お前だから…あれほど貞操概念を持てと!」
白姫「こんないい場所で、魔剣士と一緒に入りたいの!」
魔剣士「お前はマジで、アホか!!?」
白姫「あーっ、ひどい!」
魔剣士「酷いってな…!」

………………………………………………
―――セージサイド

セージ「何なに、どういうこと!?あの二人が貸切風呂、混浴ってこと!?」
制研究員「どういうことでしょうか…」
セージ「姫様と魔剣士クンが出来てたってこと!?」
制研究員「そうなのですかね…?」
セージ「えぇぇ、面白い!ちょっと待って、本当に!?」
制研究員「ハハ…ずいぶんと楽しそうですね……」

セージ「うっそだぁぁ、あり得ない~~!!」
セージ「白姫ちゃんってばすっごく可愛いのに、あんな魔剣士クンと一緒に!?」
セージ「混浴に抵抗がないってことは、もうそれなりの関係ってことでしょ!?」

制研究員「それは分かりませんが…」

セージ「あの娘、意外と清純そうな顔して…まっさか~!!」
セージ「でも、吊り橋効果っていうか、危険な冒険に違いないしそうだったり…」
セージ「むむむ、研究者として血が騒ぐ展開だわ~~!!」

………………………………………………
―――魔剣士サイド

白姫「一緒にお風呂入ったことあるし、だ…抱きしめられたし!今さらだと思うのになぁ」
魔剣士「違うだろ!一緒に風呂は入ってない!」
白姫「え~、あの最初の町で背中を流したよ!」
魔剣士「それは一緒に入ってないだろ!」
白姫「違うの?」
魔剣士「ふ、風呂っていうのは一緒の湯船に浸かってこそだ!だからお前とは風呂に入ってはいない!」
白姫「そっかぁ…。じゃっ、今から入ろうよ!」
魔剣士「なんでそうなるんだぁぁぁっ!」
白姫「今度は一緒に入って、背中を流してあげるっ!」
魔剣士「お前な…」
白姫「……ダメ?」

魔性のように、トロンとした上目使いで魔剣士を見つめる白姫。

魔剣士「うっ…」
白姫「魔剣士がそんなに嫌なら、私も諦めるけど…」
魔剣士「嫌とかそういう問題じゃねえんだよ…。何度も言っただろう、恥ずかしいことだって」
白姫「でも、私は魔剣士に見られても触られても嫌じゃないもん……」
魔剣士「うぐっ!いつも思うが、その言葉はマジで反則だぞテメー…!」

………………………………………………
―――セージサイド

セージ「これは大特番よ。世界が揺るぐ程の恋物語だわっ!!」
制研究員「た、楽しそうですねホント」
セージ「一国の姫様と、しがない冒険者の恋よ!?結ばれることのない、恋なのよ!?」
制研究員「もしかすると、姫様が洗脳されてそういう扱いを受けている可能性だって否定はできないのですが…」
セージ「馬鹿ねぇ!あの娘はそんなように見えなかったし…そういう類じゃないわ!これは禁断の恋なのよきっと!」

制研究員「そ、そうですか…」
制研究員「…」
制研究員「……って、あぁっ!?」

セージ「何、今度はどうしたのよ!?」
制研究員「魔法感知図によると、二人が急接近しました!この距離は、恐らくですが……」
セージ「キス…キターーーーッ!!?」
制研究員「セージさん、興味あることに対して我を忘れるのはやめてください……」

………………………………………………
―――魔剣士サイド

白姫「ま、魔剣士っ!?」
魔剣士「お前ちょっと、後ろ…片側の首筋見せてみろ!」
白姫「ひゃっ!?」
魔剣士「……んだ、この青い傷」
白姫「あ、えっ?」
魔剣士「いつだ!何でこんな傷…」
白姫「傷が…?だから痛かったんだ…。なんかズキズキしてると思った…」
魔剣士「いつからだよ!?」

白姫「た、たぶん雪山の馬車の時、みんながパニック気味になったでしょ?」
白姫「あの時、私もちょっと押されて馬車のでっぱりにぶつけたから、それで…」

魔剣士「……はぁぁ、その程度の傷か」
白姫「うん、だから全然大丈夫だよ」
魔剣士「ったく、驚かせやがって。レイスの件もあったし、変な魔傷とかだったらヤベーと思って損したわ」
白姫「あ…ごめんね……」
魔剣士「いいって。何でもなかっただけで良い」
白姫「……ありがとう。いつも、本当に優しいね」
魔剣士「うっせ。余り言うともう守ってやらんぞ」
白姫「うぅ…。じゃあほら、温泉いこっ!」
魔剣士「何でそうなる!?だからお前さ、何度も言うけど……」

白姫「むぅ…」
白姫「…」
白姫「……じゃあ、魔剣士っ!」

魔剣士「あん?」
白姫「本当は、私と一緒にお風呂は嫌なのか、どうなのかだけ教えてくださいっ!」
魔剣士「…はぁ?」
白姫「それだけでいいですからっ!」
魔剣士「……だから、嫌じゃねぇって。ただ俺は、お前のことを思って」
白姫「嫌じゃない、私のことを思ってっていうなら…一緒に入ってほしいの。お願い」
魔剣士「……ハイ?」
白姫「けってー♪」

白姫は魔剣士の裾を掴むと、ズリズリと身体を引っ張った。

魔剣士「おま、待て!オイッ!引っ張るなって、おまっ……!」
魔剣士「どうしていつも以上にそんな活発に、待てってぇぇっ!」

………………………………………………
―――セージサイド

制研究員「た、大変です!貸切風呂にチェックイン致しました!」
セージ「音声機能は!?錬金器具の魔力感知に雷魔石の信号を接続して、音声を拾えるでしょう!」
制研究員「そこまでの設備はありませんよ……」
セージ「キィィィッ!今からお楽しみが控えているっていうのに!!使えないわねぇっ!!」
制研究員「あの、そこまでプライバシーに関わることはあまり……」
セージ「彼らの秘密を暴きたいでしょう!研究したいでしょう!?」
制研究員「さ、さすがにそこまで……」
セージ「白姫ちゃんは凄く可愛いし、制研究員にとってもパラダイスなことだと思うけど~…?」
制研究員「これがバレたら世界から追放されます。欲望で身を滅ぼしますよ」
セージ「上等!」
制研究員「セージさん、ちょっとそれは笑えません」
セージ「……フン。冗談よ、冗談」
制研究員「本音でしょう…」

セージ「……あーあ、つまんないわね!」
セージ「それに制研究員、アンタの言葉も耳に痛いわ!」
セージ「世界の追放に、欲望で身を滅ぼす。その結果にならないように、やってるんじゃないのよ…今この瞬間も」

制研究員「えぇ、分かってますよ……」
制研究員「これ以上は彼らのプライバシーですから、感知図を切りますね」

セージ「分かったわよ……」
セージ「ま、私には私の仕事があるし。いってきまーす♪」

制研究員「いってらっしゃいませー…」

…………
……


しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

ざまぁに失敗したけど辺境伯に溺愛されています

木漏れ日
恋愛
天才魔術師セディが自分の番である『異界渡りの姫』を召喚したとき、16歳の少女奈緒はそれに巻き込まれて、壁外という身分を持たない人々が住む場所に落ちました。 少女は自分を異世界トリップに巻き込んだ『異界渡り姫』に復讐しようとして失敗。なぜかロビン辺境伯は少女も『異界渡りの姫』だと言って溺愛するのですが…… 陰陽の姫シリーズ『図書館の幽霊って私のことですか?』と連動しています。 どちらからお読み頂いても話は通じます。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

処理中です...