魔剣士「お姫様の家出に付き合うことになった」【現在完結】

Naminagare-波流-

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第二章【強者と弱者】

2-3 予想外な衝突

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――――【 次の日の朝 】

…コンコン

魔剣士「…へーい、どうぞ」

ガチャッ…
宿屋の主人「…うっす、おはよう」フワァ

魔剣士「あぁ、オヤジさん。」
魔剣士「……って、すげぇクマだな!?」

宿屋の主人「寝てない次の日はこんなもんだ…。」
宿屋の主人「アンタらはゆっくり寝れたかい?」

魔剣士「あぁ、めちゃくちゃグッスリ寝れたよ。なぁ?」
白姫「うんっ。ありがとう、主人さんっ!」ピョンッ
宿屋の主人「うはは、姫様にお礼言われるとはぁ…長生きしてみるもんだなぁ」シミジミ
魔剣士「いやいや、そんな歳じゃねぇだろアンタ…」
宿屋の主人「はっはっは、気にするな」
魔剣士「はは…」
宿屋の主人「それよか、良いモンを持ってきてやったぜ」
魔剣士「ん?」
宿屋の主人「…おらっ」グイッ
…ドスンッ!!!ガシャガシャァンッ!!

白姫「わっ!?」

魔剣士「おわっ、なんだそのでっけぇ袋っ!金属音もうるせっ……!」

宿屋の主人「うちに泊まった、冒険者たちの忘れモンだ」
宿屋の主人「特別大サービス、使えるものもあるはずだから、必要なの持っていっていいぜ」

魔剣士「も、持ってけって…」
魔剣士「忘れ物だろ、いいのかよ……」

宿屋の主人「冒険者なんかな、うちの宿は通り道にすぎねぇし、忘れモンしたところで戻ってこねぇよ」
宿屋の主人「現に、今まで取りに来たのは…2、3人くらいだぜ」

魔剣士「…その4人目が来たらどうするんだ」
宿屋の主人「忘れモンはありませんでしたって言うから気にするな」
魔剣士「…それでいいのかよ、経営者」

宿屋の主人「…いいぜいいぜ、つうか早く選べ。」
宿屋の主人「そろそろバイトくんも来るころだし、俺は寝たいから部屋を空けてほしいからな……」

魔剣士「あ、あぁ……。じゃ、遠慮なく……」
白姫「どんなのがあるのかな~♪」
魔剣士「んーと…」ゴソッ…

ゴソゴソッ……キランッ

魔剣士「錆びた短剣に、壊れかけのイヤリング、魔力の切れた魔石に…ねじ曲がった金属の破片…」

白姫「…金メッキの剥がれ落ちた指輪に、羽根がぼさぼさの羽根ペン…?」

魔剣士「穴の開いた鉄のヘルム、少し臭うツギハギだらけの冒険服……」

白姫「……わわっ!何これ、人の指をイメージした置物かな…!?」

魔剣士「…」
魔剣士「……まともなのがねぇぞ、オヤジッ!!」

宿屋の主人「あ、あら…そうか……?」
魔剣士「使えるのが1個もねぇぞ!」
宿屋の主人「…はっはっは、マジか!」ハハハ!
魔剣士「忘れモンつーか、ゴミじゃねえのかこれ……」ピクピク
宿屋の主人「……しゃあねぇなぁ、じゃあ俺がとっておきのやつをやろう」
魔剣士「あん?」

宿屋の主人「…これさ」
ゴソッ…チャリンッ!!!

魔剣士「…なんだこの小さい袋」
宿屋の主人「20万ゴールド分の紙幣ないし、小銭が入ってる。使え」
魔剣士「何?」
宿屋の主人「質屋で引き取ってもらったんだよ。これから先、使うだろ?」
魔剣士「だけど、20万って…!」

宿屋の主人「いるのか、いらないのか、それだけだ。」
宿屋の主人「いらないなら、宿泊費用としてー……」
…パシッ!
魔剣士「…遠慮なくもらう」
宿屋の主人「…うむ」
魔剣士「でも、本当にいいのか?」
宿屋の主人「まぁな。自己満足の偽善的かもしれんがな…」ククク
魔剣士「はは……」

白姫「…」
ゴソゴソ……

魔剣士「…おい、まだ探してるのか?」

白姫「んー…」
ゴソゴソ…
白姫「なんかないかなーって…」
…チクッ!
白姫「いたっ…!?」
魔剣士「ど、どうした!?」バッ!
白姫「なんか、指がチクって……」
魔剣士「…大丈夫かよ。ほら、指見せてみろ」
白姫「うん…。血がちょっと出ちゃった……」
タラッ……
魔剣士「…針かなんかで刺したのか。昨日から、血ぃ出してばっかだな」
白姫「あうぅ…」
魔剣士「…怪我して覚えることは大事だ。ヒールっ…」パァァッ
シュウウッ…!
白姫「…っ」

宿屋の主人「…そういやお前、魔剣士って名前だったな。」
宿屋の主人「魔術使いと剣術士をもじったんだろうが、ヒールを使えるとは大したもんだな」

魔剣士「簡単な魔法から、得意な火魔法はそのへんの魔術使いに負けないくらいの自信はあるぜ」
魔剣士「当たり前だが、剣術も…自信はあるがな」

宿屋の主人「…自信はあろうが、この先は楽な道のりじゃねぇぞ。頑張れよ」
魔剣士「当たり前だ」
宿屋の主人「おう」

シュウウッ……
白姫「…ありがとう、魔剣士。血が止まったよ」

魔剣士「ういっす」
魔剣士「だけど、今の怪我でわかった。ちょっとこの町で買い込みをしていこう」

白姫「買い込み?」
 
魔剣士「薬や、防護能力のある魔法衣を買うべきだな」
魔剣士「それに、俺はこの奪った盗人の服じゃ問題もあるしよ…。」
魔剣士「お互いセントラル兵士に顔割れしたらヤバイし、もっと深く顔が隠せるローブ的なもんも欲しいし……」

白姫「なんか買うのがいっぱいだね~…」

魔剣士「ま、冒険の始まりなんてこういう感じじゃないのか?」
魔剣士「まだ朝は早いし、いきなりセントラル兵士が動いていることはあるまい…」
魔剣士「この時間から開いてる店で、次の地点まで行けるアイテムを揃えておこう」

白姫「うんっ!」

宿屋の主人「…なぁ、お前らの目的地っつーか、どこに行きたいとかあるのか?」

魔剣士「とりあえず、このまま南へ下って海へ行くつもりだ。」
魔剣士「姫様がどーしても海ってのを見てみたいらしくてな」

白姫「えへへ、よろしくお願いしますっ」

宿屋の主人「なるほどな。んじゃ、この町の南門から道なりに進めばいずれは着くはずだ。」
宿屋の主人「特別荒れた道じゃなし、問題もないはずだぞ」

魔剣士「そっか、ありがとよ」
宿屋の主人「おうよ。また泊まりに来いよ。今度は…きちんとした客でな」ニカッ
魔剣士「来れたら、是非もてなしてくれよ!」
宿屋の主人「くはは、最高のビップルームへご案内してやるよ!」

魔剣士「…うしっ!!」
魔剣士「それじゃ、白姫っ!出発すんぞっ!」

白姫「うんっ!」
タタタッ…、ガチャッ!

魔剣士「お、おい!はえぇよ!お前先走り過ぎ……!」ダッ…

宿屋の主人「…おっと、待て魔剣士!」
宿屋の主人「姫様も向こう側だし、最後にちょっと言わせてくれ」

魔剣士「んあ?」クルッ

宿屋の主人「…"女"と知り合った男はな。」
宿屋の主人「どんな一瞬の出会いだろうが、守りたくなるもんだ。悩むなよ?」

魔剣士「…」

宿屋の主人「…あの姫様、お前にとって今はどう見える?」

宿屋の主人「まぁ要は、短い付き合いの女でも、守りたい気持ちが出てくるのは不思議じゃないっつーことさ」

宿屋の主人「逆に、あの姫様は必死でお前に気に入られようと、守ってもらおうと見せてることも理解しろよ」

宿屋の主人「あの姫様も、気丈に振舞っていても…心の奥底は怖いと思ってる事も多いはずだ」

宿屋の主人「守ってやれよ?勇者サマ…」ハハハ!

魔剣士「……あぁ」
ギィィッ…バタンッ……!!

……………
………

 



………
……………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 町中 商店通り 】

ガヤガヤ……!!

白姫「わぁ~!朝なのに、人がもう沢山いるんだぁ…」キョロキョロ
魔剣士「あんま目立つなよ、追っ手がいないとは限らないんだ」
白姫「わかってるよっ♪」ウキウキ
魔剣士「…わかってねぇな」

白姫「だ、だって商店街なんか滅多に来れないし……」
白姫「こんなに賑わって、人の笑顔が近くに沢山あるなんて…嬉しくなっちゃうよ♪」

魔剣士(…他人の笑顔を見て、幸せか)

魔剣士(俺は、他人の笑顔が疎ましかった。幸せな顔が、嫌いだった……)

魔剣士(……っ)

ワイワイ…!!
商店通り商人「…しゃいあせーっ!!安いよー、新鮮な果実、大安売りだよ~!」
朝一商人「さぁさぁどんどん買ってくれよ~!」
ガヤガヤッ……!!

白姫「あ、魔剣士!アカノミとかも売ってるよ!」
白姫「わわっ、青い実も売ってる…!もしかしてアオノミとかっていうのかな…?」

魔剣士「…」

白姫「…ねぇねぇ、魔剣士ってば!」
魔剣士「……あ?あ、あぁ…」
白姫「今度はあっち見てみようよ!何があるんだろ~っ!楽しいねっ!」
トタタタタッ……!

魔剣士「はは…。マジで子供じゃねえか……」
魔剣士(楽しませておいてやりたいが、長居するのも危険だし……。目的のもんだけサクッと買わないとな…)

白姫「みんな笑顔で、楽しそうだなぁ~…♪」
白姫「魔剣士もはやく~!」
タタタッ…!

魔剣士「へいへい…」
魔剣士「……って、ばかっ!前見ろ!」

白姫「えっ?」クルッ
…ドンッ!!
白姫「あうっ!」

魔剣士「あっ…!」

でかい男「…っつ」
でかい男「…………あァ?」ジロッ
白姫「あっ…!ご、ごめんなさい……!」
でかい男「痛ぇじゃねえか…」
白姫「ごめんなさい…。前を見てなくて……」
でかい男「…」

魔剣士「…お、おーいっ!」

魔剣士「す、すまん!俺の連れなんだ、俺も謝るから許してくれ!」

でかい男「…」

魔剣士「すまん…。この通りだ!」ペコッ
でかい男「…」

魔剣士(許してくれよ…。ことを荒立てたくないんだよ……)
魔剣士(騒ぎになれば、人が集まってきちまう……)

でかい男「…」
でかい男「……俺はな、平等って言葉が好きなんだ」

魔剣士「…う、うん?」
でかい男「この女ぁ、俺にぶつかって…つまり殴って来たのと一緒だよな?」
魔剣士「…え、いや」
でかい男「いいや、一緒だ。俺は、誰にでも平等でな…」ググッ
魔剣士「ちょっ、まっ……!」

…ビュンッ!!バシィンッ!!!!…
白姫「あぐっ!?」
ズザザァッ……!!
白姫「ひっ…ひぐっ……!?」ズキンズキンッ!!

魔剣士「なっ!?」

でかい男「…これで平等だ」ニコォッ
魔剣士「て、てめッ……!!」
でかい男「…ひひっ」ジロッ

白姫「ひっ……」ブルッ
 
魔剣士「…ッ!」ビキッ…
魔剣士(い、いや……!)
魔剣士(……だ、ダメだ。抑えろ、抑えろ、抑えろ……っ!)
魔剣士(ココで目立って駄目だ…。今は、抑えるんだ……!)
 
白姫「ま…けん……し……」グスッ
魔剣士「だ、大丈夫だ。今すぐ痛みもとってやる…!」パァァッ

でかい男「ふん…。じゃあな……」
ザッザッザッ…
でかい男「…」
でかい男「……あぁ、そうだ」クルッ

魔剣士「…ま、まだ何かあるのかよ!」
 
でかい男「随分と可愛い娘のようだが、その泣き声も可愛らしくて好きかなぁ…?」
でかい男「もっと泣いてほしい…なぁ~んて…な」ニコォッ
 
白姫「ひっ…!」ビクッ!
白姫「ま、魔剣士っ……!」ギュッ!
 
魔剣士「…」
魔剣士「……」ブチッ
 
白姫「あ、あの人…こわいよっ……!」グスッ…!
魔剣士「…すまん白姫。ちょ~っとばかし、待っててくれるか?」スクッ
白姫「えっ…?」

魔剣士「…」
魔剣士「……待てよ、おい」
…グイッ!
でかい男「…あ?」
魔剣士「……ふざけんじゃねぇぞ、クソデカ」
でかい男「あァ…?」
魔剣士「今の言葉で、この子を傷つけたとしたら…平等じゃねぇよなぁ?」
でかい男「…はぁ?」
魔剣士「だったら、俺にも一発殴る権利…あるハズだよな?」
でかい男「しらねぇよ、バーカ!!」
魔剣士「…泣かせた分、謝ってもらうぞクソデカ!!」パァァッ!!
でかい男「やれるもんなら、やってみろっつーんだよ!!」ガハハ!

魔剣士「いい度胸だ、てめぇ……」パァァッ!!!
魔剣士「そのクソ図体、焼き豚にしてや……!」ゴッ…!!

???「…待て」
…ガシッ!!

魔剣士「…あ?」
???「…お前の技じゃ、ハデすぎて人が集まってくるから止めとけ」
魔剣士「あんだ、てめぇっ!邪魔すんな!!」
???「…ここはスマートに行けないと、姫様に迷惑かかるだろ?」
魔剣士「はっ…」
???「まぁ、任せとけって」
スタタタタタッ…!!!

でかい男「あァ?なんだテメェ、部外者はすっこんで……」

???「ふんっ!」
…ドゴッ!!!…
でかい男「へぎっ!?」
???「みぞおちへの深い一撃は、痛いだろ?」
でかい男「お…ま……」
???「…あとは、顎を軽く叩けば」ビュッ
コツンッ……!
でかい男「あ゛っ……?」グリンッ
???「頭ん中揺れて、かるーく気持ちのいいあの世だぜ?」
でかい男「…っ」グラッ
…ズズゥン……!!

???「…うし。かっこよく決まっただろ」ニヤッ

魔剣士「…!」
白姫「…あ、あの人は?」
 
???「……おっと。」
???「…」クルッ
トコトコトコ…
……ザッ!
???「…この町じゃ、こういうことは日常茶飯事だ。」
???「ああいう図体の男が倒れていても問題にゃならないが、お前の魔法じゃちょっと大事になるから注意しろ」
 
魔剣士「あ、アンタ…!?」
白姫「……魔剣士の知り合いなの?」
???「…っと、こちらが噂の姫様か。」
???「初めまして…美し可愛い姫君殿」ペコッ

魔剣士「し、知り合いっつーか……」
魔剣士「…な、なんでアンタがココに…!」
魔剣士「っていうか、なんでそこまで戦えて…!?」
魔剣士「い、色々と突っ込みが追い付かねぇよ、市場商人サン!?」

市場商人「…はっはっはっ!」
市場商人「とりあえず会えて良かったぜ…魔剣士クン」ニカッ

魔剣士「…!」
白姫「…?」

…………
……

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