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二章 その後の俺は
2‐09 プレゼント
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龍冴の心配は杞憂だったようで、こうして浮き足立っている華月を見るのは実に新鮮だった。
(ちょっと強引だと思ったけど……あとはクラスで何があったのか、聞き出せたらいいんだが)
無理かもな、と思う。
あまり不用意に首を突っ込んでも、それは華月が望んでいることではないのだ。
たとえいじめられているとして、助けられるかどうかなど保証はできない。
そうでなくても華月は病気がちで学校を休む日が多いため、真実かどうかなど本人に聞かなければ分からないのだが。
しかしそうだとは知らず喜んでいる華月を見ていると、こちらの心まで嬉しくなってくるから不思議だった。
するとポコン、と小気味よい音と共にメッセージアプリに通知が届く。
見ればアイコンの猫と同じく、茶トラのスタンプが送られていた。
にっこりと笑って、手でハートマークを作った猫は今の華月の心情を表しているようだ。
デフォルメされた猫は本物には敵わないが愛嬌があり、図らずもふっと口角が上がるのが分かった。
しかし自分のスタンプ欄を見れば、なんと貧相なラインナップなのか。
「……俺もなんかスタンプ返そうとしたけど無いわ」
すまん、と華月に向けて小さく頭を下げる。
元々メッセージに顔文字や絵文字はもちろん、スタンプはアプリに備え付けられているものしかない。
あってもそれは桜雅から一方的に送られてくる、至極可愛らしいものだった。
正直なところ、使いたくても用途に困るものばかりで辟易しているが、何か返すのが礼儀だろうと思う。
「え、じゃあさ、これ! これあげる!」
「いやそこまでは」
さすがにそれは悪くて断ろうとするも、そうこうしているうちに、プレゼントの箱らしきものを抱えているクマのスタンプが送られた。
「……もらっとくよ」
どう表現していいか分からないが、頬に笑みを浮かべながら龍冴はプレゼントされたスタンプを開く。
それは先程華月が送ってきたものとよく似ており、ひとまず黒猫が親指を立てているスタンプを送った。
(ちょっと強引だと思ったけど……あとはクラスで何があったのか、聞き出せたらいいんだが)
無理かもな、と思う。
あまり不用意に首を突っ込んでも、それは華月が望んでいることではないのだ。
たとえいじめられているとして、助けられるかどうかなど保証はできない。
そうでなくても華月は病気がちで学校を休む日が多いため、真実かどうかなど本人に聞かなければ分からないのだが。
しかしそうだとは知らず喜んでいる華月を見ていると、こちらの心まで嬉しくなってくるから不思議だった。
するとポコン、と小気味よい音と共にメッセージアプリに通知が届く。
見ればアイコンの猫と同じく、茶トラのスタンプが送られていた。
にっこりと笑って、手でハートマークを作った猫は今の華月の心情を表しているようだ。
デフォルメされた猫は本物には敵わないが愛嬌があり、図らずもふっと口角が上がるのが分かった。
しかし自分のスタンプ欄を見れば、なんと貧相なラインナップなのか。
「……俺もなんかスタンプ返そうとしたけど無いわ」
すまん、と華月に向けて小さく頭を下げる。
元々メッセージに顔文字や絵文字はもちろん、スタンプはアプリに備え付けられているものしかない。
あってもそれは桜雅から一方的に送られてくる、至極可愛らしいものだった。
正直なところ、使いたくても用途に困るものばかりで辟易しているが、何か返すのが礼儀だろうと思う。
「え、じゃあさ、これ! これあげる!」
「いやそこまでは」
さすがにそれは悪くて断ろうとするも、そうこうしているうちに、プレゼントの箱らしきものを抱えているクマのスタンプが送られた。
「……もらっとくよ」
どう表現していいか分からないが、頬に笑みを浮かべながら龍冴はプレゼントされたスタンプを開く。
それは先程華月が送ってきたものとよく似ており、ひとまず黒猫が親指を立てているスタンプを送った。
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