黒豹陛下の溺愛生活

月城雪華

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四章

レオという男 1

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 城の奥まった場所には謁見の間がある。

 主に国王が政務を執り行い、時には後衛から衛兵らの指揮を執る重要な場所でもあった。

 百年前の世界戦争が起きた時であっても最後まで残っていた、と前王──父から聞いている。

 もっとも、その父は『もう疲れた』と言って十年前に旧国名であるロドリネス王国との戦争が終息した時に退位しているのだが。

 今はここから遠い他国へ移り住み、生涯でただ一人の愛妻と共に悠々自適に暮らしているらしい。

(早く父上みたいに自由に生きたいもんだ)

 定期的に父から手紙が舞い込み、周辺の街で祭りがあった、庭に植えていた作物が実をつけた、と嬉々とした筆跡で書かれていた。

 やはり玉座に昇るのは相当な覚悟と一筋縄ではいかない努力が必要なようで、レオ──ベイナードは胡乱うろんげな瞳を下段に向けた。

 その獣人はくだんのロドリネス王国の老臣で、今か今かと己の座る玉座を奪還しようと目論んでいる食えない男だった。

 スティルという男は、こちらが黙っていても何も尋ねていなくても、ぺらぺらとよく喋る。

 それもこれも、スティル側には弱冠十歳の王太子が居るからだった。

 まだ幼いが、今は亡き王国夫妻の忘れ形見でありロドリネス王国の最後の希望でもあった。

 生まれて間もなかった赤ん坊は老臣らの手によって戦火から逃れ、代わりに年若い国王夫妻を失う事を選んだ。

 しかし後になって後継者問題がやってきて、その場は勝者であるアルトワナ公国側が王を立てるとして終息を見せた。

 ただ、スティルら百年前の戦争の惨たらしさを伝え聞いている者達にとって、ベイナードが玉座に座しているのは我慢ならないのだろう。

(俺だって好き好んで座ってる訳じゃない)

 ベイナードは人知れず溜め息を吐く。

 紛争が起きた時、己はまだ十五やそこらの遊びたい盛りの少年だった。

 自分から『王になりたい』と言った訳でも、まして『民の為にこの身が朽ちるまで国に尽くしたい』と思った訳でもない。

 気付いた時には大勢の肉食系獣人をはべらせ、また気付いた時には危険な目に遭う事も少なくなかった。

 今は落ち着いた方だが、ほんの数年前までは気を張り詰めていなければ背後から刺されてしまいそうなほどだったのだ。

 毒を盛られた時もあれば、国王付きの使用人が襲ってきた時もあった。

 中にはしくじって生死を彷徨さまよった事もあったが、その度に奇跡的に一命を取り留めてきた。

 何か問題事がある度に衛兵に頼み、厳しく拷問に掛ければ刺客のどれもがスティルの放った者ばかりで、詳細を伝え聞いた時は怒りが脳裏を占めたものだ。

 けれど少し時間が経ってみると驚きこそあれ、やはりと嘆息した。

(どんな手を使ってでも、俺を殺したいんだろう)

 毒殺や奇襲以上に、何度となく闇夜に乗じて暗殺されそうになった。

 幸い他の獣人に比べて夜目は効く方で、それを抜きにしてもベイナードは普段から黒い系統の衣服に身を包んでいる。

 密かに街へ向かう時にも重宝しており、あとは履き慣れている下駄を持ってひっそりと城の門を潜るだけだ。

 頭の中には衛兵の交代時間が入っているため、少しずらせば容易に外へ出られる。

 もっとも、最近はほとんどの時間を城で過ごしているのだが。

「──予算ですが、こちらとしましてはあまり過度に……聞いておられるのですか、陛下!?」

 手元の紙に視線を落として口を動かしていたスティルが、怒気を孕んだ声を上げる。

 大きく唇を動かして何事かを言っているが、内容は少しも入ってこない。

 ただ、スティルが口を開く度にきらりと光る犬歯が見え隠れし、同じ肉食系獣人でもやや尖っている方だな、と少しも関係ないことを思う。

「へぇへぇ、聞いてますよ」

 ベイナードは玉座に身体を預けたまま、ゆるゆると頬杖を突いて言った。

 数段の階段を挟んだ下座には、スティルの他にも王国側の老臣がこちらをじっと見つめている。

 その全員が困惑した瞳で、口には出さないものの己がこの国の頂点に立っている事が疑問だ、とでも言いたいような表情だ。

 本音を言えばこんなものいくらでもくれてやるが、それではこちら側──背後で成り行きを見守っている側近が許さない。

(死ぬのは嫌だが、怒られるのは面倒くせぇな)

 ベイナードは何度目とも分からない溜め息を吐いた。

 正直なところ、己の周囲は格式張った頭の硬い者達ばかりで窮屈極まりない。

(もっと楽に考えりゃいい……なんて言っても無駄か)

 この城には味方が圧倒的に少ない。

 加えて心から気を許している者が居るとは言い難く、街に出て民と話す方がずっと気楽だった。

「本当に聞いておられるのならば怠惰な姿勢を、民のような口調はお止めください! 国王ともあろうお方がみっともない……!」

 たしん、とスティルの長い尻尾が床を叩き付ける。

 いつもの事だが、この男の声は地獄の底から這ってくるようで頭が痛い。

 こちらをまっすぐに見据えてくる新緑の瞳も、正論を放つ声音も含めて嫌で嫌でたまらず、ベイナードは小さく舌打ちする。

「なっ、陛下……!」

 案の定スティルは更に目を釣り上げ、反論しようと唇を開いた。

「──おい」

 ベイナードは背後に立つ側近──ロイエを呼んだ。

 柔らかな金髪を後ろに撫で付け、優しげな目元には皺が刻まれている。

 父が王太子の時代から仕えているこの男は、普段は柔和な好々爺だ。

 しかしひとたび怒れば、素行の悪い獣人が可愛く見えるほど手が付けられなくなる時があった。

「なんでしょう、陛下」

 にこりと口元に笑みを浮かべ、ロイエが玉座の傍に進み出る。

 スティルの信じられないという顔を見たため機嫌が良いのか、背後で動く尻尾は楽しげに揺れている。

「ブライトを呼んでこい。あいつなら細かい事に気付くし、俺より適任だろう」

 ブライトは双子の弟だ。

 見た目はベイナードとそっくりだが、己とは真逆で穏やかな気性をしている。

 常に笑顔を絶やさないため影では使用人から怖がられているようで、時折部屋へ向かえば一人で塞ぎ込んでいるのを見ることがあった。

「……しかし貴方様はどうなさるのです? まさか、このまま退席するとは言いますまいな」

 ロイエが軽く眉間に皺を寄せて問い掛けてくる。

 その声音は己を批難するものだが、本音ではロイエもスティルの金切り声に近いそれが嫌なようだった。

 間近で見ると、額にかすかな青筋が立っている。

 確かに今は『大事な政務』の最中で、王が臣下を放って退席するなど許されない。

 けれどスティルらの他にも、公爵などの高位貴族が背後に控えている。

 今か今かと二人の動向を見守っている手前、ロイエとて下手な事は言えない。

 仮に謁見の間に王国側の獣人しかいないのであれば、今この場でスティルに嫌味の一つ二つは言うはずだ。

 そのどれもが相手のきょを衝くもので、沸点の低い者であればあれよあれよと口車に乗せられるのは必至だ。

 ベイナードとしては幼い頃から世話になっているためか、時々出てくる多少の嫌味も優しさだと気付けるのだが。

「そのまさかだよ」

 ロイエの言葉にベイナードはふっと片頬を上げ、笑みを浮かべる。

 実際、自分よりもブライトの方が円滑に進むのは事実なのだ。

 このままスティルと顔を合わせていても、必ずどこかで対立してしまう。

 そうなれば面倒極まりない政務が更に長引き、この窮屈な時間が永遠に続く気さえした。

「じゃあな、クソジジイ。せいぜい俺と瓜二つの、俺よりも大層寛大でお優しいブライトと今後について話し合ってくれ」

 そう言い終えると、ベイナードは玉座から立ち上がる。

 背中を優しく包み込む弾力が無くなってしまったのは惜しいが、高説じみた長ったらしい話を聞いているよりも遥かに楽だ。

 短い階段を降り、敢えてスティルの傍を通った。

 すれ違う間際、スティルは何も言わなかったものの瞳は爛々とした怒りで満ちていた。

 謁見の間を出る前に、ちらりと肩越しに振り返る。

 見ればロイエが何事かをスティルに耳打ちしているところで、癪に障ることを伝えられたらしい獣人の尻尾が大きく床を叩いた。

「……にしてもあのジジイ、元気だなぁ」

 窮屈極まりない謁見の間を出てしばらく。

 廊下をゆったりとした足取りで歩き、腕を組みながら誰にともなくぼやく。

 スティルはロイエより二つ上らしいが、その容姿は六十を優に超えているように見えた。

 やはり幼い王太子が居るからか、こちらでは到底計り知れない心労があるのだろう。

 しかし、そのほとんどはロイエと口論に発展するからだと知っている。

 スティルよりもずっと口が達者なため、怒りを通り越して顔に出てしまったのだと推察した。

(ま、俺には関係ないことだが)

 それでもあまり関わりたくない獣人の一人には変わりなく、早いところ隠居して欲しいものだった。

 すると、数十メートル離れた先で何かが慌ただしく走っていったのが視界に入る。

「アレン……?」

 この城で白に近い髪、そして似た色をした尻尾を持つ獣人はそういない。

 加えてアレンの透き通ったような真白い肌が映えるよう、薄手の衣服を着せているからすぐに分かった。

(どこに行くんだ……?)

 城の中は広い。

 加えて空き部屋もいくつかあるため、城務めの者でなれけば高確率で迷ってしまう。

 ただ、ベイナードですらどこが空き部屋でそうでないのか、しっかりと把握出来ていないのだが。

 それでもアレンが迷子になってしまう可能性の方が高く、あの急ぎようでは城から出ようと目論んでいるのかもしれない。

 衛兵が定期的に巡回しているためそんな事にはならないと思うが、念のためにこっそりと後を尾けた。

 お忍びに慣れているからか、気配を消すのが上手くなったなとこんな時なのに自嘲する。

はたから見りゃあ俺の方がおかしいが)

 仮にも国王ともあろう者が忍び歩きで、誰かを尾けている挙動をしているのだ。

 これでマナと鉢合わせようものなら不思議がられるのは必至で、最悪馬鹿にされるだろう。

 まだ付き合いこそ浅いが、あの少女は役目が無ければ基本的によく喋りよく笑う。

 それは付き従えているフクロウも同様で、言葉こそ分からないもののお喋りだった。

 今日も政務へ向かう前ばったり出会い、背後にロイエが笑みを浮かべているのも構わず十分ほどその場で喋り続け、軽く叱責されていた。

『貴方にも職務があるように、陛下にも大切なお役目がございます。……本当ならば私が変わって欲しいものですが』

『あ、そうですね! 私、衛兵のみんなと鍛錬をしようと思ってたんです。では!』

 ロイエがあまりにも心底嫌そうな声音で言うため、マナは挨拶もそこそこに一目散に反対側の廊下へ足早に歩いていく。

 その後を小さなフクロウが追い、ついでにロイエの金髪に白い羽を落とすまでがお約束だった。

 スティルはもちろんのこと、マナは王国側の老臣が苦手なようでひとたびその名を聞けば逃げていくのだ。

 逃げられる身分にあるだけ羨ましいが、いち使用人でないだけでなく女というだけで目立つ。

(男と結婚は駄目、女は衛兵の真似事をするな、そんなの百年前は何も言わなかったんだろうに)

 つくづく今の時代は窮屈で、何かと制限ばかりだ。

 やはり自分が法律から変えるべきかと思いつつも、一人の力では無理だと分かっている。

 するとアレンはある部屋の前で立ち止まり、きょろきょろと辺りを見回した。

「っ」

 目が合った気がして思わず隠れてしまったが、アレンは周囲に他の獣人の気配がないと分かると、そっと部屋の中に入る。

 アレンが入ったであろう部屋の前に、こちらも衛兵や使用人を警戒しつつベイナードは扉に耳を近付けた。

 物音一つ聞こえてこないが、中で何をしているのだろうか。

(確かここは空き部屋だったよな)

 数ある部屋の中でもここ数年は使っていない場所だと、ベイナードは少ない記憶を頼りにそう結論付けた。

 小さな窓が一つあるだけで、部屋の中はほこりや蜘蛛の巣でまみれているはずだ。

 そんな場所にアレンが入ったなど信じたくもないが、この目で見たのだから間違いない。

 ここはアレンを半ば縛り付けている部屋から遠い。

 部屋の外側から鍵を掛けろと出入りする者達にきつく命じているため、その中の誰かに『ここから出してくれ』と懇願したか、使用人の不手際で鍵を落としたのだろう。

 経緯がどうあれ、アレンが部屋を出た事実は変えられない。

 そして何かから逃げるように、わざわざ与えた部屋から遠い所を選んだのは間違いなかった。

 その原因が自分にあることも、悲しいかなベイナードは薄々勘付いている。

(俺から逃げたいのか)

 アレンの気持ちも考えず、悪行を働いたと自分でも反省している。

 けれど、これはベイナード個人の我儘なのだ。

 早く世継ぎを、とうるさいロイエを含めた公国側の老臣を黙らせるには。

 しかし『男と婚姻関係を結ぶなど』と抗議が絶えず、この一ヶ月でアレンの身の上は『ただの友人を事情があってかくまっている』という、なんとも言えない立場になった。

 ロイエらに拒否された時アレンを城から出せば良かったが、寒空のもと放り出すのはどうしても出来なかった。

 その脚でセオドアの所へ向かっても、アレンには二度と会えない気がして。

 見た目よりもずっと儚い青年が、このまま消えてしまう気がして。

 一度でも誰かの温かさを知ってしまっては、それ以上は止めろというのは酷なものだった。

(……あまりここにいるのも良くないな)

 この廊下は他よりも空き部屋が多く、普段からここを通る者は少ない。

 しかし完全にいないとは言えないため、国王が何も無い部屋の前で扉に耳を近付けているとあっては事だ。

 加えてアレンが突然扉を開けてくる可能性もあり、どちらであっても面倒極まりなく、余計な苦労が増える。

 諦めて自室へ戻り、溜まりに溜まった書類を片付けた方が良さそうだった。

(面倒くせぇが)

 これも王になった務めだと自覚しているため、気乗りしないながらも元来た廊下を足取り重く戻ろうとした時、かすかな音を耳が拾った。

 ベイナードは踏み出そうとした体勢のまま立ち止まり、改めて扉に耳を近付ける。

(……なんだ?)

 意識を耳に集中させると、どうやらその音は空き部屋から聞こえてくるようだった。

(泣いて、いるのか……?)

 漏れ聞こえるそれは、あまりにもか細くはかない。

 声を出さないように我慢しているのか酷く苦しげで、こちらの胸までじくりと痛んだ。

 人知れず泣いている理由は、ある程度予想出来る。

 それもこれもベイナードが身分を隠した上で街へ向かい、アレンと出会ってしまったせいだ。

 縛り付けてはいけないと理解していても、アレンはいつしか己を嫌ってしまった。

 反抗する度に無理に留めたため、心を塞いでしまったのだ。

 それでも一ヶ月もの間、こうして城に居てくれただけで十分だ。

 そう何度目とも分からない言葉を言い聞かせても、理性は嫌だと言っていた。

(お前を好いてしまったから)

 本当ならばこのまま閉じ込め、誰の目にも触れさせたくなかった。

 しかし、アレンにとって他人の意思で『城に留まれ』というにはあまりにも自分勝手で、不快極まりないだろう。

 セオドアの店を出て以降アレンは笑顔一つ見せてくれず、悲しそうな顔ばかりが脳裏に浮かんでは消える。

 すべて己の自業自得でしかないが、ベイナードはぎゅうと唇を噛んだ。

(お母上のことは俺も力になる。だから泣かないでくれ……なんて、面と向かって言えたら苦労しない)

 壁に身体を預け、その場にずるずるとくずおれる。

 巡回に来た衛兵に声を掛けられるまで、ベイナードはそのまま床に座り込んでいた。
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