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物理系魔法少女、最期の一撃は重かった
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激しい衝撃音、辺りの白い闇の海をも吹き飛ばす程の勢い。
全身を利用した正真正銘の俺の全力のパンチ。
その破壊力はドラゴンゾンビを粉々に吹き飛ばす程だった。
「はぁ。疲れた」
俺はその場に大の字で倒れた。
プシューっと力が抜けた気がする。
今までのどんな魔物よりも強かった。
一体だけにここまで苦戦したんだ。
「俺もレベルが上がって、強くなっていると思うんだけどな」
嘆いていてもしかたないのだけど。
魔石を回収して、配信を終えたら今日は帰ろう。疲れたマジで。
「お疲れ様ですわ」
「ああ。本当に助かったよ」
『終わったな』
『お疲れ様!』
『時間的にはそこまで経ってないけど、迫力がすげぇあったわ』
『神回確定』
『めっちゃ拡散されてるお』
『既にトレンド入りしてる』
『魔石も一緒に壊しちゃったんじゃね?』
『ありえるな』
『マジで良くやったね。尊敬する』
シロエさんは周囲を見渡して、魔物が近くに居ない事を確認してから、一緒に寝そべった。
大きなため息と共に。
「ここまで白熱した戦いをしたのは久しぶりですわ」
「そうなの?」
「ええ。少しだけプライベートの話になりますわね。マイクを遮断しますわ」
感傷に浸りたいのか、シロエさんはドローンカメラの音を闇で遮断する。
コメントではそれを認める声が多くあり、視聴者も休憩に入るらしい。
「お姉様やシルバーお姉様、ミドリお姉様と、まだレベル2だった時ですわね。イレギュラーにあって、とても厳しい戦いをしましたの」
信用されてないって前に言っていたけど、その時はお姉さんと仲が良かったのだろうか?
「強敵と命懸けで戦って、勝った後は、皆でこのように地べたに寝てましたね。勝ったぞーって」
それはちょっと羨ましいかもな。
既にそんな青春を楽しめる年齢は過ぎ去ってしまった。今更そんな青春は取り戻せない。
取り戻したいとも思わない。今の俺は一番幸せだと思うから。
青春は振り返らない。前を見て、今後の生活を考えるんだ。
紗奈ちゃんと死ぬまで楽しむつもりだ。人生を。
その為には困らないくらいには金が欲しい。
いずれは家を建てたい。山の中でひっそりと暮らしたい。
都会に慣れた今、山の中の生活は大変かな?
ただ、のんびりと暮らしたいんだ。
「お姉様や皆様と、昔の様に探索したいですわ」
「できるんじゃないか? まだ高校生なんだ。今からでも全然楽しめるよ」
「⋯⋯ふふふ」
シロエさんが軽く笑った。
おかしな事を言ったかな?
「そうですわね。もしかしたら、今からでも楽しめるかもしれませんわね」
「だろ?」
一旦目を閉じて、戦いを振り返る。
振り返ったところで何かがある訳じゃないのだけど。
そうだな。
「ゾンビって、どこまで削ったら倒せるんだ?」
「え?」
「魔物は倒すと黒い霧のような粒子になるよな?」
「え、ええ。そうですわね」
俺が全力で殴ってもそれは一緒だ。
いや、むしろおかしな点があるぞ。
俺の全力のパンチを完璧に受けているのに、脚と胴体が切り離せてない。
全部一緒に吹き飛んで砕けた⋯⋯なぜ?
足に力を入れていたら、胴体の部分だけが吹き飛んでないとおかしいのだ。
少なくとも今までの魔物はそんな感じである。
ドラゴンだけが例外なんてのはないだろう。同じ魔物だ。
倒せているのなら、杞憂に終わって良いのだが、もしも違う場合⋯⋯。
もっと単純な結果な場合⋯⋯。
「まさかな」
俺の攻撃で倒されたレッドドラゴンはドラゴンゾンビとして再び攻撃を仕掛けて来た。
シロエさんの考察が正しければ、俺の攻撃で倒れた事により物理攻撃耐性はかなり高い。
再生能力、戦っていた時の記憶もしっかりと引き継いでいる。
ドラゴンの想定を上回るシロエさんの攻撃で今回は倒せた⋯⋯本当にそうか?
一度考えてしまったら、拭えない不安が押し寄せて来る。
不安と言う鎖が心臓を強く締め付けて来る。
「シロエさん。魔石を探そう」
杞憂で終わってくれ。頼むから。
俺はそう祈って、ドラゴンの魔石を探す為に歩き出した。
「そんなに焦らなくても良いではありませんか」
少し軽めの文句を言いながらもシロエさんは魔石を探すために歩き出す。
吹き飛んだとしても、魔石は見つかる。特徴的な色をしているからだ。
だが、見渡しても魔石らしき物は見当たらない。
「ッ!」
刹那、背中に突き刺さるような殺気を感じ取った。
シロエさんに向かって来る緑と黒の混ざった火球。
頭が全てを理解するよりも速く、足は動いていた。
ドラゴンは知っている。俺達が一番油断するタイミングを。
それは倒したと思っている時だ。
最大のチャンスをドラゴンは狙って来た。アイツは賢い。
ただ今回は俺の不安があったから、その不意打ちを防げる。
「アカツキさんっ!」
『何事!』
『歩き出したと思ったら攻撃魔法が来たんだけど!』
『え、なんで?』
シロエさんに当たるよりも前にキャッチした。
手が、腐って焼ける。チョー痛い。
「でも、魔法少女は、そんなんじゃ止まんねぇ!」
頭だけになっているドラゴンに向かって俺は、魔法を返した。
「ふっとべええええ」
全身を再生させたのではなく、頭だけを再生させたようだな。
これで確実に終わるだろう。あいつは自分の魔法でも攻撃を受けるから。
「ぐっ」
最期の一撃、それは強烈だった。
数秒しか持ってないのに、全身に腐食が回っている。
立つ事もできず、俺は前のめりに倒れた。
「アカツキさんっ! ダメです! こんなところで死んでは、ダメですわよ!」
全身を利用した正真正銘の俺の全力のパンチ。
その破壊力はドラゴンゾンビを粉々に吹き飛ばす程だった。
「はぁ。疲れた」
俺はその場に大の字で倒れた。
プシューっと力が抜けた気がする。
今までのどんな魔物よりも強かった。
一体だけにここまで苦戦したんだ。
「俺もレベルが上がって、強くなっていると思うんだけどな」
嘆いていてもしかたないのだけど。
魔石を回収して、配信を終えたら今日は帰ろう。疲れたマジで。
「お疲れ様ですわ」
「ああ。本当に助かったよ」
『終わったな』
『お疲れ様!』
『時間的にはそこまで経ってないけど、迫力がすげぇあったわ』
『神回確定』
『めっちゃ拡散されてるお』
『既にトレンド入りしてる』
『魔石も一緒に壊しちゃったんじゃね?』
『ありえるな』
『マジで良くやったね。尊敬する』
シロエさんは周囲を見渡して、魔物が近くに居ない事を確認してから、一緒に寝そべった。
大きなため息と共に。
「ここまで白熱した戦いをしたのは久しぶりですわ」
「そうなの?」
「ええ。少しだけプライベートの話になりますわね。マイクを遮断しますわ」
感傷に浸りたいのか、シロエさんはドローンカメラの音を闇で遮断する。
コメントではそれを認める声が多くあり、視聴者も休憩に入るらしい。
「お姉様やシルバーお姉様、ミドリお姉様と、まだレベル2だった時ですわね。イレギュラーにあって、とても厳しい戦いをしましたの」
信用されてないって前に言っていたけど、その時はお姉さんと仲が良かったのだろうか?
「強敵と命懸けで戦って、勝った後は、皆でこのように地べたに寝てましたね。勝ったぞーって」
それはちょっと羨ましいかもな。
既にそんな青春を楽しめる年齢は過ぎ去ってしまった。今更そんな青春は取り戻せない。
取り戻したいとも思わない。今の俺は一番幸せだと思うから。
青春は振り返らない。前を見て、今後の生活を考えるんだ。
紗奈ちゃんと死ぬまで楽しむつもりだ。人生を。
その為には困らないくらいには金が欲しい。
いずれは家を建てたい。山の中でひっそりと暮らしたい。
都会に慣れた今、山の中の生活は大変かな?
ただ、のんびりと暮らしたいんだ。
「お姉様や皆様と、昔の様に探索したいですわ」
「できるんじゃないか? まだ高校生なんだ。今からでも全然楽しめるよ」
「⋯⋯ふふふ」
シロエさんが軽く笑った。
おかしな事を言ったかな?
「そうですわね。もしかしたら、今からでも楽しめるかもしれませんわね」
「だろ?」
一旦目を閉じて、戦いを振り返る。
振り返ったところで何かがある訳じゃないのだけど。
そうだな。
「ゾンビって、どこまで削ったら倒せるんだ?」
「え?」
「魔物は倒すと黒い霧のような粒子になるよな?」
「え、ええ。そうですわね」
俺が全力で殴ってもそれは一緒だ。
いや、むしろおかしな点があるぞ。
俺の全力のパンチを完璧に受けているのに、脚と胴体が切り離せてない。
全部一緒に吹き飛んで砕けた⋯⋯なぜ?
足に力を入れていたら、胴体の部分だけが吹き飛んでないとおかしいのだ。
少なくとも今までの魔物はそんな感じである。
ドラゴンだけが例外なんてのはないだろう。同じ魔物だ。
倒せているのなら、杞憂に終わって良いのだが、もしも違う場合⋯⋯。
もっと単純な結果な場合⋯⋯。
「まさかな」
俺の攻撃で倒されたレッドドラゴンはドラゴンゾンビとして再び攻撃を仕掛けて来た。
シロエさんの考察が正しければ、俺の攻撃で倒れた事により物理攻撃耐性はかなり高い。
再生能力、戦っていた時の記憶もしっかりと引き継いでいる。
ドラゴンの想定を上回るシロエさんの攻撃で今回は倒せた⋯⋯本当にそうか?
一度考えてしまったら、拭えない不安が押し寄せて来る。
不安と言う鎖が心臓を強く締め付けて来る。
「シロエさん。魔石を探そう」
杞憂で終わってくれ。頼むから。
俺はそう祈って、ドラゴンの魔石を探す為に歩き出した。
「そんなに焦らなくても良いではありませんか」
少し軽めの文句を言いながらもシロエさんは魔石を探すために歩き出す。
吹き飛んだとしても、魔石は見つかる。特徴的な色をしているからだ。
だが、見渡しても魔石らしき物は見当たらない。
「ッ!」
刹那、背中に突き刺さるような殺気を感じ取った。
シロエさんに向かって来る緑と黒の混ざった火球。
頭が全てを理解するよりも速く、足は動いていた。
ドラゴンは知っている。俺達が一番油断するタイミングを。
それは倒したと思っている時だ。
最大のチャンスをドラゴンは狙って来た。アイツは賢い。
ただ今回は俺の不安があったから、その不意打ちを防げる。
「アカツキさんっ!」
『何事!』
『歩き出したと思ったら攻撃魔法が来たんだけど!』
『え、なんで?』
シロエさんに当たるよりも前にキャッチした。
手が、腐って焼ける。チョー痛い。
「でも、魔法少女は、そんなんじゃ止まんねぇ!」
頭だけになっているドラゴンに向かって俺は、魔法を返した。
「ふっとべええええ」
全身を再生させたのではなく、頭だけを再生させたようだな。
これで確実に終わるだろう。あいつは自分の魔法でも攻撃を受けるから。
「ぐっ」
最期の一撃、それは強烈だった。
数秒しか持ってないのに、全身に腐食が回っている。
立つ事もできず、俺は前のめりに倒れた。
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