【完結】かわいい彼氏

  *  ゆるゆ

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 遥斗の目から、涙がこぼれる。

「……だめ、だよ……りょーくん、は、すっごく、頭が、よくて……輝く、未来、が……! 頭のわるい僕なんかに、つきあったら、だめ──!」

「なんかって言うな」

 のびた涼真の手が、遥斗のもこもこの手袋の手をにぎってくれる。
 あわてて手袋を外したら、寝起きであたたかな涼真の指が、遥斗の指と繋がった。


「俺は、ハルと、いっしょが、いい。……ハルは……?」

 夜空の瞳が、かすかに揺れる。

 遥斗はぎゅっと涼真の手をにぎった。


「りょーくんと、いっしょがいい……! でも──!」

 こぼれる涙を、涼真の指がぬぐってくれる。


「いっしょに、行こう、ハル」


 遥斗は、泣いた。


「ごめん、ごめんなさい、りょーくん。僕、がんばったんだ。めちゃくちゃ、めちゃくちゃ頑張った。でも全然、白王に届かなくて、白峰が精いっぱいで──」

 夜空の瞳が瞬いた。


「ハルと一緒なら、どこでもいー」

 のびた腕が、もこもこの遥斗をそっと、抱きしめる。


「いっしょに、いこう、ハル」


 涙が、あふれる。


「りょーくんの、足を引っ張って、ごめんなさい。……うれしくて、ごめんなさい……!」

 ふるふる首をふった涼真の唇の両端が、ほのかにあがる。


「俺も、うれしい」

 涼真の長い指が、遥斗の頭を、そっと、そっと、ぎこちなく撫でてくれた。






「応援に、来てくれた?」

 首をかしげる涼真に、遥斗は鼻をすすりながら、こくりとうなずく。

「りょーくんに、お菓子焼いてきたんだ。これ。笑って、元気がでたらいいなって……」

 ちいさな包みを差しだしたら、涼真がほんのり笑ってくれる。


「いっしょに食べよう、ハル」

 涼真が手をひいてくれる。
 扉を開けてくれた向こうで、涼真の両親が微笑んだ。

「まあまあ、はるちゃん、いらっしゃい」

「おはよう、はるくん。いっしょに朝ご飯を食べよう」

 涼真のおかあさんが、おとうさんが、笑ってくれる。


「僕のせいで、ごめんなさい……!」

 頭をさげる遥斗に、涼真の両親はきょとんとして、笑った。

「りょうくんが、白王、やだって言ったのよ。勉強ばっかりな高校だからって」

「りょーくん、勉強、だいすきなのに……!」

 きょとんとした涼真が首をふる。

「りょうくんは学ぶことはすきだけど、受験勉強とか、そういうのはすきじゃないみたいよ」

 涼真のおかあさんが笑ってくれる。

「朝はやくから、応援に来てくれたんだね。ありがとう、はるくん。さあ、座って」

 涼真のおとうさんが、椅子を引いてくれる。

「ごめんなさい……!」

 謝る遥斗に、一条家の皆が微笑んだ。

「こういうときは、謝るんじゃなくて?」

 凛々しいおかあさんにのぞきこまれた遥斗は、涙でぐしゃぐしゃの顔をぬぐった。

「……ありがとうございます?」

 そうっと聞いたら、皆で笑ってくれた。


「さあ、ご飯にしましょう。クロワッサン、焼き立てなのよ」

「わあ、すごい!」

「半分焼いて冷凍しておいて、朝に焼くんだ。ちょっと自慢なんだよ」

 やさしい涼真のおとうさんが、焼き立てのクロワッサンをオーブンから出してくれる。

「めしあがれ」

 しゃくりと歯を入れると、ぱりぱり幾層もの生地が音をたてて弾けた。じゅわっとあふれる熱いバターの香りが鼻に抜ける。

「わあ……! こんなおいしいの、はじめて食べた!」

 感動する遥斗に、涼真のおかあさんが誇らしげに笑った。

「ふふ、真のクロワッサンは世界一なの。毎朝焼いてくれるならって伴侶になったのよ」

「胃袋はしっかりつかんでおかないとね」

 とても仲良さそうに涼真の両親が笑う。
 こくこくうなずいた涼真は、遥斗があげた包みを抱きしめてくれる。

「つかまれてる」

「へ、へたっぴなのに……!」

 燃える頬で叫んだ遥斗に、涼真はほんのり笑った。


「ハルのきもちが、いちばん、おいしい」


 きゅうっと遥斗の胸が、音をたてる。

 頬が、鼓動が、燃えている。

 りょーくんが、あんまりすきで、めまいがする。


 ……どこまで、きみを、だいすきにさせるの……?











────────────────


 ずっと読んでくださって、ありがとうございます!

 お気に入りや、いいねや、エールや、ご感想、BETまで! おひとつおひとつが、応援してくださるお気もちが、とてもとてもうれしいです。ほんとうにありがとうございます!

 今日、やっと高校生になります、お待たせしました……! 本編入るまで5万字……!

 というわけで、ちょこっとフライングですが高校生の制服も見える(笑)動画をつくりました!

 遥斗と涼真の動画です。インスタは、ハートが飛びます(笑)Youtubeは音楽が切なめかな?(笑)

 インスタ @siro0088
 Youtube @BL小説動画

 もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!




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