62 / 75
しあわせのつづき
だいじなはなし
しおりを挟む「遥斗──! 大事な話がある──!」
放課後になった瞬間、思い出の資料室に連れこまれた遥斗は、達也に壁ドンされてしまった。
りょーくんの電車で扉ドンは、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ、めちゃくちゃどきどきして、きゅんきゅんしたけど、ごめん、達也のは、微塵もときめかない!
というより、どしたの? ってなるよ。
「いや、話って、ふつうにすれば……壁ドンいらなくない?」
突っこむ遥斗に、達也は首をふる。
「逃げられないために、壁ドンが必須なんだよ!」
達也の目が真剣すぎる。
……こわい。
「……なんの話をする気なの……」
うろんな目になる遥斗に、達也は叫んだ。
「正直に言ってくれ!『るーくんの恋小説』を書いてるのは、遥斗だな!?」
…………………………。
「…………え…………?」
ぽかんと口を開ける遥斗に、鼻息荒く達也はまくしたてる。
「なんか、めちゃくちゃかわいー恋小説っていうか日記? 書いてる人がいるーって、お気にいりするなって書いてあるけど、他の人もお気に入りにしてるし、いいよね! ってお気に入りにして、毎日楽しみに読んでたんだけど、これってもしかしてってずっと思ってたけど、おそろいのぬいぐるみが決定打だよ!」
達也は息を吸った。
「どう読んでも、遥斗と一条くんだろおぉおオ──!」
叫ばれた瞬間
バァン──!
資料室の扉が、音を立てて開いた。
「……何、してる……?」
涼真の秀麗な額に、青筋が浮きあがるのが見えた気がした。
「死にたいのか」
激おこな涼真に、壁ドンの手を払われそうになって、あわてたように腕をひいた達也は、涼真を見あげる。
眼鏡のフレームが夕陽のひかりを反射した。
「『りーくんの恋日記』書いてる?」
「………………っ」
涼真が、固まった。
「やっぱり! 絶対そうだと思った! すんげえ両想いじゃん! おめでとう!」
遥斗と涼真の手をつかんで、ぶんぶん振る達也に、涼真の目がまるくなる。
「……おめでとう……?」
ぶんぶん達也はうなずいた。
「僕、BL小説が大すきなんだ! オンラインで小説が読めるって遥斗に紹介したのも僕なんだぞ! 一条くんは僕に感謝するがよい!」
ふふんと達也は胸を張った。
「言いふらしたりしないから心配しないで。
あ、でも、皆、なんとなくわかってるみたいだけど。一条くんと遥斗がつきあってるって」
!?!???
「………………え………………」
ぼうぜんとつぶやく遥斗に、達也は微笑んだ。
「だって、おそろいのぬいぐるみ鞄につけて、手ぇつないで登下校してるんだぞ? 毎日いっしょに。誰の誘いにも一条くんはなびかないし、ずうっと遥斗だけを見てる。幼なじみ超えてるだろ」
「…………う…………」
う、うれしいけど……!
「最初は一条くんを狙ってた女の子たちが『ショックー!』『絶望ー!』って騒いでたけど、男子はさ、感謝してるぞ。『あの顔と身体と頭で佐倉がすきとか、なんてやさしい男なんだ!』って。ほら、女の子たちが、自分たちに回ってくるかもしれないから」
達也が、にやにやしてる。
448
あなたにおすすめの小説
ハッピーライフのために地味で根暗な僕がチャラ男会計になるために
ミカン
BL
地味で根暗な北斗が上手く生きていくために王道学園でチャラ男会計になる話
※主人公へのいじめ描写ありのため苦手な方は閲覧ご注意下さい。
地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛
中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。
誰の心にも触れたくない。
無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。
その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。
明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、
偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。
無機質な顔の奥に隠れていたのは、
誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。
気づいてしまったから、もう目を逸らせない。
知りたくなったから、もう引き返せない。
すれ違いと無関心、
優しさと孤独、
微かな笑顔と、隠された心。
これは、
触れれば壊れそうな彼に、
それでも手を伸ばしてしまった、
不器用な男たちの恋のはなし。
オレにだけ「ステイタス画面」っていうのが見える。
黒茶
BL
人気者だけど実は人間嫌いの嘘つき先輩×素直すぎる後輩の
(本人たちは気づいていないが実は乙女ゲームの世界である)
異世界ファンタジーラブコメ。
魔法騎士学院の2年生のクラウスの長所であり短所であるところは、
「なんでも思ったことを口に出してしまうところ。」
そして彼の秘密は、この学院内の特定の人物の個人情報が『ステータス画面』というもので見えてしまうこと。
魔法が存在するこの世界でもそんな魔法は聞いたことがないのでなんとなく秘密にしていた。
ある日、ステータス画面がみえている人物の一人、5年生のヴァルダー先輩をみかける。
彼はいつも人に囲まれていて人気者だが、
そのステータス画面には、『人間嫌い』『息を吐くようにウソをつく』
と書かれていたので、うっかり
「この先輩、人間嫌いとは思えないな」
と口に出してしまったら、それを先輩に気付かれてしまい・・・!?
この作品はこの1作品だけでも読むことができますが、
同じくアルファポリスさんで公開させていただいております、
「乙女ゲームの難関攻略対象をたぶらかしてみた結果。」
「俺が王太子殿下の専属護衛騎士になるまでの話。」
とあわせて「乙女ゲー3部作」となっております。(だせぇ名前だ・・・笑)
キャラクターや舞台がクロスオーバーなどしておりますので、
そちらの作品と合わせて読んでいただけたら10倍くらい美味しい設定となっております。
全年齢対象です。
BLに慣れてない方でも読みやすいかと・・・
ぜひよろしくお願いします!
好きな人がカッコ良すぎて俺はそろそろ天に召されるかもしれない
豆ちよこ
BL
男子校に通う棚橋学斗にはとってもとっても気になる人がいた。同じクラスの葛西宏樹。
とにかく目を惹く葛西は超絶カッコいいんだ!
神様のご褒美か、はたまた気紛れかは知らないけど、隣同士の席になっちゃったからもう大変。ついつい気になってチラチラと見てしまう。
そんな学斗に、葛西もどうやら気付いているようで……。
□チャラ王子攻め
□天然おとぼけ受け
□ほのぼのスクールBL
タイトル前に◆◇のマークが付いてるものは、飛ばし読みしても問題ありません。
◆…葛西視点
◇…てっちゃん視点
pixivで連載中の私のお気に入りCPを、アルファさんのフォントで読みたくてお引越しさせました。
所々修正と大幅な加筆を加えながら、少しづつ公開していこうと思います。転載…、というより筋書きが同じの、新しいお話になってしまったかも。支部はプロット、こちらが本編と捉えて頂けたら良いかと思います。
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
血のつながらない弟に誘惑されてしまいました。【完結】
まつも☆きらら
BL
突然できたかわいい弟。素直でおとなしくてすぐに仲良くなったけれど、むじゃきなその弟には実は人には言えない秘密があった。ある夜、俺のベッドに潜り込んできた弟は信じられない告白をする。
貧乏大学生がエリート商社マンに叶わぬ恋をしていたら、玉砕どころか溺愛された話
タタミ
BL
貧乏苦学生の巡は、同じシェアハウスに住むエリート商社マンの千明に片想いをしている。
叶わぬ恋だと思っていたが、千明にデートに誘われたことで、関係性が一変して……?
エリート商社マンに溺愛される初心な大学生の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる