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ぴかぴか
しおりを挟む『きー、畑、するの?』
キーアの髪の後ろから、闇さまが顔を覗かせる。
いつも髪が、もしょもしょして、ふわふわ闇さまが現れるんだよ。
かわいい。
キーアの顔が、ほわほわ溶ける。
「トマとヨニと一緒に造りあげた、自慢の畑なのです!」
突然胸を張るキーアに、レォとルゥイとネィトが不思議そうな顔をしてるので、手を挙げる。
「精霊さまがいらっしゃったよ」
3人の目がまるくなる。
『いらっしゃってないの。僕、きーと、一緒にいるの』
「……へ……?」
『きーと、お話、したくなると、出てくるの』
「……な、なるほど……?」
畑を耕してくれていた手を止めた皆に、キーアはふたたび手をあげる。
「なんか、俺、闇さまと一緒にいるみたい……?」
顔を見あわせたルゥイ、レォ、ネィトが飛びあがる。
あわあわ傍に来てくれた。
「あまり言わないほうがいい、キーア。人体実験されたら大変だから!」
ルゥイに、肩を掴んで揺さぶられました。
「しー」
レォが唇のうえに指をたててくれる。
かわいい……!
尊い──!
拝みました。
勿論です。
「すごいなあ、きーちゃん。僕、闇さま、見えない」
キーアの肩のあたりを見つめて、しょぼんと肩を落とすネィトに、闇さまはこっくりうなずいた。
『波長、ちがう』
「波長が違うんだって。気にしなくていいよ、ネィト」
ぽふぽふネィトの頭を撫でたら、紅い頬でうれしそうに笑ってくれる。
「キーア、僕のも」
ちょっと赤い頬で、はちみつの髪をさしだすルゥイが、輝いてる!
「俺も」
すねたみたいな唇で、頭を寄せてくれるレォの青磁の長い髪が、さらっさらだよ!
皆の頭を、なでなでしました。
朝から、皆が、かわいーです。
『よい畑だが、せまいな』
キーアの頭のうえに降り立った地さまが、残念そうに眉をさげた。
……あんまり精霊さまが来たって、言わないほうがいいのかな?
思いながら、キーアは頭のうえを見あげる。
「びんぼーなんです。土地を買うお金がなくて」
『なるほど』
うむうむした地さまのちっちゃな手に、きらきらの玉があらわれる。
『これを売ればよい』
「……は?」
『国が買える』
びよんと飛びあがったキーアは、ぶんぶん首を振った。
「だ、だだだだめです! 大金を急に持つと、頭がぱーん! てしちゃうのです。身の丈にあったお金でいいんですよ」
キーアは胸を張る。
「自分の手で、一生懸命稼いだお金が、いちばん、ぴかぴかなんです」
地さまと闇さまの大きな瞳が、瞬いた。
突然虚空に向かって話しだしたように見えるだろうキーアに、目をまるくしていたネィトとルゥイとレォがやさしく微笑む。
皆で、頭をなでなでしてくれました。
おかえしだよ。
うれしい。
「キーアおぼっちゃま、朝ご飯、できましたよー!」
トマの声に、ぴょこんとキーアは跳びあがる。
「ぎゃ──! お手伝いしようとして、忘れてた!」
ちっちゃな家から顔を覗かせたトマが、笑顔で手を振ってくれる。
「だいじょうぶです、キーアおぼっちゃま! もぎたてお野菜を、お願いしますー!」
「はあい!」
よい子のお返事で、大きく手を振ったキーアは皆を振りかえった。
「じゃあ、レォ、ルゥイ、ネィト、ぴかぴかでつやつやのお野菜、食べたいのを、一個ずつ、もいでみよう!」
顔をみあわせた皆が、緊張の面持ちでうなずいた。
「う、うん!」
「わ、わかった」
「そーっと、やってみる」
真剣な顔で、お野菜をもぐ悪役令息と攻略対象が、輝いてる。
「もげた!」
「つやつやだね」
「ぴかぴかだ」
皆で、自分の手でもいだお野菜で、朝ご飯です。
つやつや、ぴかぴか、もぎたてお野菜は
「うま──!」
ほっぺの落ちるおいしさです。
種から育てたら、感動もひとしおだよ!
「……野菜というのは、こんな味がするんだな」
レォの切れ長の青磁の瞳が、まるくなってる。
「……こんなお野菜、はじめて食べた」
ルゥイの若葉の瞳も、まんまるだ。
「きーちゃんのお野菜、おいしー!」
ネィトの紫の瞳は、きらきらです。
「トマのご飯は、いつだって最高だよ!」
「おいしー!」
皆で絶賛したら、出勤、じゃなかった、登校です!
「馬と馬車を持ってきたよ」
にこにこするルゥイが示すのは、大公家の家紋が入った、真っ白のぴかぴかの馬車と白馬たちだ。
BLゲームで見たことある!
最終盤でルゥイがお迎えにきてくれるときの馬車と白馬だよ。
……まさかもうお終いだったりするのかな?
ロデア大公立学園、はじまったばっかりなんですけど──!
……まだ、二日目です。
ちょっと信じられない。
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