101 / 220
激
ルゥイが連れてきてくれた馬たちは、真っ白だ。
傍にゆくキーアを、やさしい瞳で見つめてくれる。
「馬、かわいー」
「ヒヒン!」
まっしろなたてがみが、さらさらしてる。
かわいー!
うっとりなでなでしたら、キピア家の栗毛の馬さんが、すねてる!
「ご、ごめんね。いつもありがとう。今日はお休みね」
「ヒヒン」
頬と首をなでなでしたら、ちょっとふくれながらも、うなずいてくれました。よかった。
「おぉお……! こんな高そうな馬車と馬、はじめてです!」
御者席に乗りこもうとするトマの手が、ぷるぷるしてる。
「トマなら大丈夫だよ。よろしくね」
微笑んだルゥイが、馬車の扉を開けてくれる。
「どうぞ」
きらきらのはちみつの髪を揺らして手をとってくれるとか、さすが攻略対象! 輝いてる!
勿論、拝みました。
尊い──!
ちょっとぶっすりしたレォとネィトと一緒に、ロデア大公立学園へ登校です。
白馬が牽いてくれる白い馬車に乗って登校だよ。
ありえないよね?
ルゥイの馬車と馬っていうのもありえないけど。
レォとネィトと一緒っていうのも、さらにありえないよ!
「今日は僕の馬車だから、キーアは僕のおひざ抱っこね」
にこにこして、ひょいとキーアを抱きあげて、おひざに乗せてくれるルゥイが、誤作動してる。
「あ、あのあの、俺、もう元気だから!」
あわてて膝から降りようとするのに、しなやかな腕でがっちりホールドされてて、逃げられません。
おかしい。
でも、あったかくて、ルゥイのいー匂いがして、うっとりしちゃうよ。
これは攻略対象なルゥイに抱っこされた場合の仕様です。
悪役令息の伴侶(予定)も、うっとり!
さすが攻略対象!
とろけるキーアに、ぶっすりしたレォが、高い鼻を鳴らす。
「明日は、俺の馬車だから」
「明後日はうちの馬車を借りるつもりだけど、僕、きーちゃんを、おひざに乗っけたら潰れちゃうよ!
だからきーちゃんが、おひざだっこしてほしいな♡」
ルゥイにおひざ抱っこされているキーアの膝に、ネィトが乗ってきた!
「何やってるの、僕が潰れるから! 重いんだけど、ネィト!」
あ、ひどい!
はちみつポジと思えない発言だよ!
涙目になったネィトが、ぷっくりしてる。
「ぼ、僕、きーちゃんより、かるいもん! ……たぶん」
はっと、ルゥイが鼻で笑った。
………………。
鼻で笑った……!?
ルゥイが!?
あんぐりするキーアの前で、ルゥイの若葉の瞳がほそくなる。
「キーアは羽のようにかるいよ。ネィトは大岩より重いから、どいてくれないか」
涙目でぷるぷるするネィトの頭を、よしよしした。
「今度、ルゥイのおひざに乗ってない時にね」
「ほ、ほんと!? きーちゃん、ありがとー!」
ぎゅう、と抱きついてくるネィトをぽふぽふする。
まあ、伴侶(予定)だからね。
それくらいはね。
ひざは、ちょっとやばいと思うが。
たぶん同じくらいの体重じゃないかなー。
頑張って鍛えてるぶん、ニューキーアのほうが重いかも?
10キロの米袋を5つ、おひざに載せるのを想像してみてほしいな。
かるくしぼう。
耐えてるルゥイが、すごすぎる!
尊敬の目で見あげたら
「俺ものせて」
ひょいとネィトをどかしたレォが、キーアのおひざに乗ってきました!
「おっも──! 死ぬから! 潰す気か──!」
ルゥイが、ばたばたしてる。
た、たしかにこれは、重い──!
レォは身長が高いうえに、ほぼ全身が筋肉だからね。脂肪より筋肉のほうが重いらしいよ。
しかし、あったかいし、レォのいー匂いする!
思わず、手を回して抱っこしてしまいました。
「しあわせの重み?」
「キーア♡」
振り向いて抱きつくレォの耳が紅くて、とびきりかわいーです!
「だ、か、ら、降りろ──!」
いつもとろけるようにやさしいルゥイが、激おこです。
「ご、ごめんなさい!」
あわあわ降りたら、ルゥイの唇がすねたみたいに尖る。
「キーアはいいの」
またおひざに乗せてくれるルゥイが、激あまです。
あなたにおすすめの小説
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
【完結。一気読みできます!】悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!
はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。
本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる……
そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。
いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか?
そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。
……いや、違う!
そうじゃない!!
悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!!
【完結】悪役に転生したので、皇太子を推して生き延びる
ざっしゅ
BL
気づけば、男の婚約者がいる悪役として転生してしまったソウタ。
この小説は、主人公である皇太子ルースが、悪役たちの陰謀によって記憶を失い、最終的に復讐を遂げるという残酷な物語だった。ソウタは、自分の命を守るため、原作の悪役としての行動を改め、記憶を失ったルースを友人として大切にする。
ソウタの献身的な行動は周囲に「ルースへの深い愛」だと噂され、ルース自身もその噂に満更でもない様子を見せ始める。
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
* ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も
『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!
表紙は、Pexelsさまより、Abdalrahman Zenoさまによる写真をお借りしました。ありがとうございます!
文章にはAIを使用しておりません。校正も自力です!(笑)
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完結】転生した悪役令息は、お望み通り近付きません
カシナシ
BL
「お前など、愛す価値もない」
ディディア・ファントム侯爵令息が階段から落ちる時見たのは、婚約者が従兄弟を抱きしめている姿。
(これって、ディディアーーBLゲームの悪役令息じゃないか!)
妹の笑顔を見るためにやりこんでいたBLゲーム。引くほどレベルを上げた主人公のスキルが、なぜかディディアに転生してそのまま引き継いでいる。
スキルなしとして家族に『失敗作』と蔑まれていたのは、そのスキルのレベルが高すぎたかららしい。
スキルと自分を取り戻したディディアは、婚約者を追いかけまわすのを辞め、自立に向けて淡々と準備をする。
もちろん元婚約者と従兄弟には近付かないので、絡んでこないでいただけます?
十万文字程度。
3/7 完結しました!
※主人公:マイペース美人受け
※女性向けHOTランキング1位、ありがとうございました。完結までの12日間に渡り、ほとんど2〜5位と食い込めた作品となりました!あああありがとうございます……!。゚(゚´Д`゚)゚。
たくさんの閲覧、イイね、エール、感想は、作者の血肉になります……!(o´ω`o)ありがとうございます!(●′ω`人′ω`●)