【完結】双子の兄が主人公で、困る

おまけのお話

建国だよ！

　建国だよ──！

　といっても、まずは、目の前の荒れ地を耕すところからはじまるのです！

　やる気に満ちあふれるルティの隣で、トトの口が、あんぐりしてる。

「……え、いや、ほんとに何にもないな……！」

　見渡すかぎりの、寂寞たる、岩地……？

　岩石砂漠みたいな。
　あんまり草も生えてませんみたいな。

　そりゃ、みんな放置するよな──！　という荒れ地です……

　でもルティは、主人公の双子の弟だ。
　ぴんくの髪の主人公の猛進具合を引き継ぎながらも、質実剛健ができる、はず！


「不可能を可能に変えるのが、主人公の弟なんだよ！」

　むんとちっちゃな腕で力こぶを作ってみた。

　全然もりあがらなかった。

　トトが肩をたたいてくれる。やさしい。


「俺が耕そうか？　いや、耕す前に家をつくろう！」

　トトが頼もしいよ！


「そうだね、ずっとテント暮らし……野営は、きっついよね」

「カティとクヒヤ殿下は色々片付けてから、こっちに来てくれるそうだ。ついでに建材もお願いしよう」

　ちゃっかり頼む気満々のトトを、あわてて止める。

「頼ったら、だめだよ！　平民の、平民による、平民のための国なんだよ。クヒヤの財力にすがるとか、絶対だめ！」

　トトの眉がさがる。


「……お金、どうしよう？」

　……なかったね。


「トトが冒険者になって、かせぐ！　僕は、開墾！　どう？」

「ルティと一緒にいられないなんて、泣いちゃう！」

　最愛のトトに泣かれました。


「……じゃあ、まず一緒に冒険者になって、お金をかせいで、家を建てようか」

「うん！」

　とろけるようにトトが笑ってくれるから。

　コツコツ開墾したいルティでしたが！
　コツコツ冒険者なルティにジョブチェンジです！



　……と、思ったのに……！

　BLゲームの世界だから、冒険者ギルドくらいあるだろうと思ったけれど『冒険者』という職業がなくてですね……ダンジョンとか、魔物とか、あんまりいない世界でした……
　BLゲームだから。バトルじゃないから。恋だから！

　仕方がないので、国境警備の傭兵みたいな感じで、トロテ王国の国境警備隊に雇ってもらって、トトと一緒に警備を頑張りました！

「……いや、きみは無理なんじゃ……」

　ぴんくの髪をふわふわ揺らす、おっきなぴんくの目の、愛くるしい主人公にそっくりな、ちっちゃな双子の弟だからって、嘗めてはいけない。

　主人公の弟ルティは、必殺氷魔法が使えるのです！


　キュアァアァオォオ──！

　国境を越えて略奪を働こうとした夜盗を、さっくり氷の槍で刺しました。


「可愛い顔して、強すぎて、こわい──！」

　ビビられました。


「ルティ、かっこいー♡」

　トトは惚れなおしてくれたみたいです。うれしい！



「いやあ、最近、ココ王国側から、いやがらせみたいに盗賊とか多くて困ってたんだよ。ありがとう」

　トトの魔人みたいな強さと、ルティの氷魔法で、盗賊団を粉砕！

　お給金と報奨金をもらったので、建材を買って、荒れ地にちっちゃな家をふたりで建てました！


「すごい！　さすがトト！」

　怪力だからね。家が建つよね。
　主人公よりチートな気がする……！


「ルティとの、愛の家だから♡♡♡」

　てれてれの真っ赤なトトが、世界でいちばん可愛い伴侶（予定）です！












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　ちょこっとお久しぶりなのに、読んでくださって、ありがとうございます！

　ルティとトトの動画とか、ご覧になりたい方、いらっしゃいますか？？（笑）
　もしいらっしゃったら、作ってみますー！（笑）というより、ここを読んでくださる方はいらっしゃるのかのほうを、先に心配しろというお話ですね……！（笑）
　見てくださる方、いらっしゃったら、ほんとうに、ありがとうございます！

　ご感想で、更新を待ってくださるという、とてもとてもありがたいお言葉をいただけたので、建国のお話を、ちょこっと書いてみました！（笑）

　楽しんでくださったら、とてもとてもうれしいです！