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両親にあいさつにゆくのです
がんばるよ!
あんぐりしてるカティとクヒヤに、ルティは胸を張る。
「平民が差別されない、平民による、平民のための、平民の国をつくろうと思って!
カティ、国民第一号になってよ」
にこにこ笑うルティに、ぽかんとしていたカティが吹きだして笑った。
「なる!」
笑って手をあげてくれたカティに、目をむいたのはクヒヤだ。
「……は!? と、トロテ王国はどうするんだ、カティ!」
泣きだしそうなクヒヤに揺さぶられたカティが、なでなでしてあげたら、紅くなったクヒヤが、すぐに黙った。
ちょろい。
ちがう、カティの主人公ぱわー、いや、愛されカティ、すごい!
「ルティ国の国民の僕が、トロテ王国のクヒヤの伴侶ってことでしょ。何か問題ある?」
「トト国だよ」
ルティの突っこみは、さらっと皆にスルーされた。ひどい。
しばらく沈黙したクヒヤは、首をふる。
「…………ない。
……その、いっしょに国民になろうと、誘ってはくれないのか」
ぽそぽそ呟くクヒヤが、しょんぼりしてる。
目をまるくしたカティのちいさなてのひらが、クヒヤの頬をやさしく包んだ。
「こんな豪華な生活をしてたクヒヤが、建国まもない、貧乏まっしぐらな生活とか、辛いでしょう。無理しなくていい」
やさしいカティの微笑みに、クヒヤは首をふる。
「カティといられたら、苦しいことも、うれしい。
……求められないことのほうが、つらい」
ぎゅうぎゅうカティを抱きしめるクヒヤを、カティのちいさな腕が抱きしめる。
「王子の身分を捨てて、僕とくる?」
「カティと一緒なら、どこまでも行く。何にでもなる」
ぎゅうぎゅう抱きしめられたカティが笑う。
「じゃあ、僕とクヒヤがルティ国の国民、第一号だよ。
おかあさんと、おとうさんは?」
「おお! じゃあ第二号だな!」
おおお! これで国民が5人になったよ。順調だ!
「でも国をつくるって、どうするんだ?」
心配そうな両親に、ルティは胸を叩いた。
「どこの国でもない荒れ地があるからさ、俺の氷魔法で開墾するよ。
硬い氷で掘ったあとは水になるから、水やりもできて最高じゃない?」
えへんと胸を張るルティ、ちいさなことからコツコツとなルティに、カティが笑った。
「ルティって、意外にチートだよね」
「主人公の双子の弟だからな」
おでこをくっつけて、ふたりで笑う。
「農耕ができて自給自足できるようになったら、ドディア帝国の属国になって庇護を求めたら、やっていけるんじゃないかって」
王太子の受け売りだよ。
「なるほど」
顔をみあわせたカティとクヒヤ、両親が納得してくれたみたいだ。
「俺も、がんばる!」
トトが剣を振りおろしてくれるだけで、大地が裂けそうだ。
「建国か。
王子より、よほど楽しそうだ」
さらさらの水の髪を揺らして、クヒヤが笑う。
「僕も、主人公チートで人を呼んであげるよ!」
カティが笑ってくれる。
夢物語だと思う。
でも、どんな国も、最初の一歩からはじまった。
理想の国がないなら、つくればいい。
皆が笑って暮らせる国を。
自分の手で。
主人公で双子の兄カティと一緒なら
最愛のトトといっしょなら
どんな夢だって、叶う気がするんだ。
「どこまでも、一緒にいこうね」
抱きついたら、ぎゅうぎゅう抱きしめてくれる。
「どこまでも、ルティについてく!」
とろけるしあわせに、笑ってくれる。
双子の兄が主人公で、困りましたが
主人公な双子の兄と、両親と、伴侶(予定)といっしょに、とびきりしあわせになりました。
「国づくりだよー!」
夢は、大きく羽ばたいて
どんな苦難も、きっと、トトといっしょなら
とろけるしあわせに、変えてゆけるのです。
────────────────
両親にごあいさつ編、完結です!
また何かお話を思いついたときに、更新できたらいいなと思います。
ご感想で励ましてくださった皆さま、ほんとうにありがとうございました!
元気でましたー!(笑)
これからも、楽しくお話を書いてゆけたらと思います。
青春BL小説カップにもお話を投稿する予定なので、もしよかったら覗いてくださったら、とてもうれしいです!
ぴゅあぴゅあなお話になる、はず……?(笑)
ルティとトトに、お気に入りや、いいねやエール、ご感想で応援してくださった方、ずっと読んでくださったあなたさまに、感謝の気もちでいっぱいです。
心から、ありがとうございます!
またお目にかかれたら、とてもとてもうれしいです!
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