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おまけのお話
だいすき
ヴァデルザ領に帰ってきました!
両親は一緒じゃありません。
ということは、この巌のお城には、ロダとヴィルとノィユしか、いないということで──!
いちゃいちゃし放題です──!
「きゃ──!」
もだもだするノィユを、ロダが懸命に止める。
「ノィユさま! ヴィルさまをくれぐれも! くれぐれも! くれぐれも! 犯罪者にしないようにお願いしますぅう──!」
3回言われました。
信用が、なさすぎる……!
「ちゅうは、いいですか!」
「場所によってはだめです!」
目をむくロダが、こわい。
「も、問題ない、ロダ、ちゃんと、我慢、する」
もしゃもしゃの雪の髪で、こっくり、うなずいてくれるヴィルが、やさしい!
「いえヴィルさまの忍耐については、微塵も心配しておりません」
ヴィルの信頼度が、Maxだ!
ノィユの信頼度はミニマムなんですね、わかります。
「だ、だいじょうぶです、ロダさん! ヴィルを犯罪者に決してしないことを、ここにお誓いします!」
胸に手をあててみました。
ロダの目を、じっと見つめてみました。
「お願いしますよ……!」
信頼が、なさすぎる──!
「ふにゃー、僕、そんなにえろい?」
しょんぼりするノィユに、ヴィルが首を振る。
「かわいー」
照れ照れの紅い頬で微笑んでくれる伴侶が、今日も最高に可愛いです。
「えへへ、今日は一緒にお風呂に入ろうね」
「わたくしもご一緒してよろしいでしょうか」
ロダが乗りこんできてくれたよ。
防波堤ですね、わかります。
信用が、ない──!
さすがにしょんぼりしたノィユは、真白な寝台で反省した。
「僕、ヴィルが、だいすきなだけなのに、心配かけて、ごめんなさい」
きょとんとしたヴィルが首を振る。
「皆、心配、してくれる、けど、俺は、心配、してない。
ノィユを、信じてる」
「うわあん! ヴィル、あいしてる──!」
ぎゅうぎゅう抱きついたら、やさしく抱きとめてくれる。
涼やかなのに、ほのかに甘いヴィルの香りを胸いっぱいに吸いこんだら、さみしい気持ちも消えてゆく。
「ヴィルの傍にいたい気持ちも、えっちなこと、したい気持ちも、ヴィルを絶対に犯罪者にしたりしないっていう気持ちも、ぜんぶ、ほんとう。
皆が心配してくれるの、わかる、けど……僕、絶対、しないから」
ぎゅうぎゅう抱きしめて、ささやいたら、ヴィルの大きなごつごつのてのひらが、頭をなでてくれた。
「それは、ちょっと、さみしい」
藍の瞳が、いたずらっぽく閃いて、ノィユが笑う。
「僕の誘惑、いやじゃ、なかった?」
「うれしい」
抱きしめて、笑ってくれる。
指が、からまって。
瞳が、かさなって。
ちゅ
くちびるが、やさしくふれた。
それだけで、吐息が燃える。
ヴィルのこと以外、見えなくなって。
熱く潤んでゆく視界で、ヴィルだけが輝いた。
「ヴィル、だいすき」
「だいすき、ノィユ」
抱きしめて、熱い頬で笑って
ちゅ
あまいくちびるが、やさしく、やさしく重なって
ちゅ
ふわふわ、ふわふわ、熔けてゆく
「ヴィルが、だいすきで、おかしくなっちゃいそう」
「俺はとっくに、おかしく、なってる」
とろけるかんばせで、笑ってくれる。
「ちっちゃなノィユが、こんなに、すきなんだから」
ささやいてくれたら
抱きしめてくれたら
口づけてくれたら
もっと、もっとヴィルが、だいすきになって
毎日が、あまく、あまく、とろけてゆくのです。
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