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おまけのお話
ただいま!
ヴァイ族の皆さんのこともヴァデルザ領のことも沢山の人に知ってほしくて、できたらより豊かになってほしくて、先走っちゃったかもしれない、心配になったノィユはあわてて付け加える。
「あのでも、文化を守りたいとか、交流したくないとか、いろいろあられたら勿論、どうぞご遠慮なくおっしゃってください」
ふわふわのちっちゃなヴァイ族の皆が首を傾げる。
「いっしょ、おどる、たのしー」
「やって、も、いー?」
「天使も、いっしょ?」
「最初は勿論僕がご一緒します! こちらは皆さんがお暮らしのヴァイ族の村です、観光客の受け入れが難しそうでしたら、何人かバチルタ領にいらっしゃって、皆で踊ってくださいませんか? とても素敵な体験になりますし、ヴァデルザ領のことも、ヴァイ族のことも、皆に知ってもらう素晴らしい機会になると思います!」
拳を握ってみた。
ちっちゃなふわふわの皆さんが、あんぐりしてる。
「そ、外に、いく?」
「僕らが?」
「村のそと?」
顔を見合わせたふわふわの皆さんが、おでこをくっつけるように相談してる姿さえかわいい。
「魔物、いない」
「こわい!」
……なるほど、魔物がいないほうが怖いんですね。
いつもそこにあるものがないこわさ!
……コンビニがないみたいな? ちがう気がする……!
「あ、あの、僕の領地には温泉があるのです。ぬくぬくの温泉でゆっくりしてくださったら。魔導列車を頑張ってヴァデルザ領まで通してもらう予定なので、簡単に行き来できるようになると思うのです!」
胸を叩くノィユに、ふわふわさんたちが首を傾げる。
「おんせ?」
「まどー?」
「れっしゃ?」
「なになに?」
「おもしろい?」
「たのしーです!」
拳をにぎってみた!
「僕、行てみたい!」
「ぼ、僕も!」
「僕も!」
ふわふわの毛皮につつまれた手があがる。
「わかた、お前たち、視察、がんばれ!」
「外、こわい? 知る、大事!」
「しさつ!」
「しさつ!」
「がんばる、よー!」
ふわふわの皆が飛び跳ねてる。
「かわい──!」
熱い頬を押さえてうずくまるノィユの肩を、ロダがぽふぽふしてくれる。
「ノィユさまのほうが可愛いですよ」
「ノィユ、かわいー」
にこにこしてくれるふたりが、身内びいきです。
ヴァイ族の皆さんの手工芸品と武器と防具、ヴァデルザ領でツーとホーとロダとヴィルが襲ってくる魔物を倒して解体して凍結させた素材を積んで、バチルタ領へと出発です!
「重くなっちゃってごめんね、ツー、ホー。だいじょうぶ?」
「ブルルルン!」
魔物なツーとホーは勇ましくいなないて、軽々バチルタ領まで運んでくれた。
「ゆげ!」
「しろい!」
「ぬくい!」
「すごい!」
バチルタ領の温泉に、ヴァイ族の皆さんが飛び跳ねてる。
「かわいーのが来てくれた!」
ノィユの母ノチェも一緒に飛び跳ねて喜んでる。
「おっきー天使!」
「天使いた!」
「こっちも?」
「天使?」
わちゃわちゃ集まられたノィユの父ユィクが微笑んだ。
「天使はノィユとノチェだよ」
父の母子愛が高すぎる。
「おかえりなさい、ノィユ、ヴィルさま、ロダさん!」
にこにこ歓迎する両親に、恥ずかしそうな赤いまなじりでヴィルがぽそぽそ呟いた。
「……た、ただいま、帰り、ました」
「ただいまが言える場所が増えて、ようございましたね、ヴィルさま」
ロダの微笑みが、とろけるようにやさしい。
「ヴァデルザ領にお暮らしのヴァイ族の皆さんです! 一緒に踊っていただこうと思うのです!」
拳を握るノィユに
「天才か──!」
ノチェが感激してくれた。
まちがいなく感性が一緒のノィユの母だ。
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