【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ

文字の大きさ
150 / 152
ヴィルの夢

なかよし大作戦!

しおりを挟む



 ヴァデルザ領に帰ったら、さっそくなかよし大作戦、決行です!

 ちっちゃいこぶしを掲げるノィユを、ヴィルが心配してくれる。

「ノィユは、城に、いて」

 ヴィルを見あげたノィユは、髪を揺らして微笑んだ。


「ヴィルが、絶対に守ってくれるでしょう?」

 かすかに瞳を見開いたヴィルが、しっかり、うなずいてくれる。


「守る」

 ぎゅっと抱きしめてくれるヴィルの香りと、ぬくもりと、たくましい筋肉に包まれたら、うっとりしちゃう──!


「おっきくなったら、僕がヴィルを守れるようになるからね。
 もうちょっと待っててね」

 抱きしめたら、やさしく瞳をほそめて笑ってくれる。


「楽しみ、に、してる」

 ……本気にしてない……?

「ほんとに、ほんとに、僕がヴィルを守ってあげるんだから!」

「信じてる、ノィユ」

 ぎゅうぎゅう抱っこしてくれる伴侶が、今日も世界一やさしいです!





 さあ、魔物となかよし大作戦、はじめるよ──!


 まず魔物さんが

「キシャァアアアァ──!!」

 ってなってる森へ向かう。

 今までは、向こうが攻撃してきたら、攻撃し返す、殺しに来たら、仕方なく屠る形式でした。

 今度からは
 ①攻撃してくる魔物は、ヴィルが速攻でぽこる。

 ②気絶させたら、餌と一緒に目覚めるのをお待ちする。

 ③目覚めた魔物に餌をすすめる。

 ④なかよしに!

 作戦だよ!
 攻撃してこない魔物は③から、はじまります。

 ヴィルの鉄拳万端、餌の準備万端、ノィユの見守りも万端だよ!



「キシャァアアアァ──!」

 来た──!

 爆速で、弱いノィユに向かってこようとする魔物を、ヴィルが一撃で昏倒させた。

 ドォオオォン──!

 一瞬で倒れる魔物のそばで、餌を持って待機です。

 …………………………。

 ………………目覚めないね。

「だ、だいじょうぶ──!?」

 ヴィルは、めちゃくちゃ手加減したみたいなんだけど、やばい感じでした……


 ヴィルに、かるーく、かるーく、小指の先でさわるくらいの感覚で、ぽこってもらうように説得してみたよ。

「わ、わかった」

 こっくりするヴィルが、今日もとびきり可愛い伴侶です!



「キシャァアアアァ──!」

 はい来たよ──!

 僕に向かってくる魔物を、ヴィルが小指の先で、ちょこん!

「ぐはあ──!」

 飛んで行ったけど、そこまでやばくはなさそう?

 慌てて駆け寄って、餌タイムをしてみました!

「きゃぅううう──!」

『ころさないで──!』 ……って言ってる……?

 めちゃくちゃ、おびえてるみたいです?



「そっか、ヴィルが強すぎて、だから殺されるなら一矢報いたいと思って頑張ってるのかもしれないね」

 うんうんうなった僕は、ぽんと手を打つ。

「ゾホおじいちゃんに……間違った、お兄さんに気絶させるような魔法をこめた魔導具を作ってもらえばいいんじゃない!?」

 全力で頼ったら、全力で応えてくれました。

「ほっほっほ。できましたぞー」

「ありがとう、ゾホおじいちゃ……お兄ちゃん!」


 完成品を持って、再び挑戦です!

「キシャァアアアァ──!!」

 ヴィルが魔導具、発射──!


「きゃううん!」

 魔物が倒れたよ!

 餌を持って、待機!

 10分くらいして、目が覚めました!


「きゃぅううう──!」

『ころさないで──!』 ……って言ってる……?

 めちゃくちゃ、おびえてるみたいです?


 へ、変化なし!

 ヴィルが強すぎて、こわいのかなー??


 なかよしの道は、1日にしてならずなのです!







しおりを挟む
感想 335

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

記憶を無くしたら家族に愛されました

レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない… 家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…

【完結】僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました

楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。 ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。 喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。   「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」 契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。 エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。 ⭐︎表紙イラストは針山糸様に描いていただきました

【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!

煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。 処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。 なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、 婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・ やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように 仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・ と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」 と言いやがる!一体誰だ!? その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・ ーーーーーーーー この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に 加筆修正を加えたものです。 リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、 あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。 展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。 続編出ました 転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668 ーーーー 校正・文体の調整に生成AIを利用しています。

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

禁書庫の管理人は次期宰相様のお気に入り

結衣可
BL
オルフェリス王国の王立図書館で、禁書庫を預かる司書カミル・ローレンは、過去の傷を抱え、静かな孤独の中で生きていた。 そこへ次期宰相と目される若き貴族、セドリック・ヴァレンティスが訪れ、知識を求める名目で彼のもとに通い始める。 冷静で無表情なカミルに興味を惹かれたセドリックは、やがて彼の心の奥にある痛みに気づいていく。 愛されることへの恐れに縛られていたカミルは、彼の真っ直ぐな想いに少しずつ心を開き、初めて“痛みではない愛”を知る。 禁書庫という静寂の中で、カミルの孤独を、過去を癒し、共に歩む未来を誓う。

処理中です...