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舞踏会編
なかよくしたい
リトが大切なお話をしてくれるらしい。
しゃんと座ったノィユを、ヴィルが抱っこしてくれる。
「だ、だめだよ、ヴィル。ちゃんと聞くんだから」
ヴィルの腕のなかから降りたら、ヴィルのもしゃもしゃの髪までしょんぼりしてる。
今日も伴侶がとびきり、かわいーです!
でもでも、大事なお話だからね。ちゃんと聞くんだよ。
きちんと座りなおしたノィユとヴィル、ロロァと透夜を見つめて、リトはかわいい唇を開いた。
「僕、日本、で、生きた、記憶、ある、でし。
ジゼしゃま、BLゲーム、の、僕の、最愛、の、推しでし」
!
ノィユはぴょこんと跳びあがる。
「そ、そうなの!?」
「あい」
「え、え、リトたんも、BLゲームの登場人物? 攻略対象なの? あ、わかった、主人公だ! めちゃくちゃかわいー!」
ふあもふ獣人リトたんが主人公のBLゲームとか最高かよ!
くねくねしちゃったノィユに、リトは首をふった。
「僕、出てこなぃ、でし。モブ、ですら、ない、でし」
ノィユは目をみはる。
「僕、この世界、獣人、として、生まれ、て、強制、労働、されられ、ましあ。
ジゼしゃま、僕、たすけ、くれ、ましあ」
──強制労働。それは、前世の国が他国の民にさせたことだ。
聞くだけで、身をえぐられるように、痛かった。
……こんなにちいさなリトが。
思うだけで、涙がにじむ。
「……っ たすけてもらえたんだね……!」
泣きだしそうなノィユの隣で、透夜がぎゅっと唇を噛んだ。
「……つらかったな」
「透夜、しゃんも」
微笑んだリトは、ひきずる足をそっとなでる。
「僕の、身体、わるい、魔素、入り、ましあ。死ぬ、ところ、ジゼしゃまと、治癒士、テデ、いしょ、けんめ、治癒して、くれて、命、つながり、ましあ。でも、足、と口は、神経、変性、だめ、でしあ」
「リト……!」
あふれる涙で、リトのちいさな身体を、抱きしめた。
「……よく、がんばったな」
透夜の声が、ふるえた。
ずっと心配そうに瞳を揺らしていたヴィルが、いたましそうに唇を噛んだ。
「僕、リトの言葉、とっても、とってもかわいーと思ってたよ、ごめんなさい……!」
申しわけなくて、涙が出る。
「皆、やさし、してくれ、ましあ。僕、すごく、すごく、うれしかた、でし」
ぽふぽふのしっぽと、笑ってくれる。
「ずと、言えなくて、ごめなしあ。
……僕、前世、話したら、ジゼしゃま、きらわれゆ、の、こぁ、くて……」
「どんなリトも、あいしてる」
ジゼの透きとおる蒼の瞳に涙が滲んで、リトはジゼを抱きしめた。
「ジゼしゃま、あいしてゆ」
ぎゅうぎゅう抱きしめあうふたりが、めちゃくちゃお似合いで、かわいくて、涙まで出た。
「ジゼさま、リトを救ってくれて、ほんとに、ほんとに、ありがとう……!」
泣きながらお礼を言うノィユに、ジゼは氷のように透きとおる目をほそめて、微笑んでくれた。
「リトを思ってくれて、ありがとう。
ヴィルさまも、ロロァも、透夜も」
皆で涙をぬぐって、皆で笑った。
まだお話があるらしくて、しっぽをしゃんとするリトが、かわいすぎる。
悶えるしかない。
「あ、あの、それで、僕、も、前世の、記憶、ある、でし。色んな、お話、聞きたぃ、でしあ。
ドディア帝国、ネメド王国、関係なぃ、本音のお話、地球人として、聞きたぃ、でし」
瞬いたノィユは、笑う。
「僕はいつだって本音だよ!」
ノィユの後ろで、ヴィルが、うむうむしてる。
「僕は、いちおうネメド王国の使者で、敵国認定されちゃってるし、色々駆け引きとか必須なのかもしれないけど、でもでも、ネメド王国は、ドディア帝国と、なかよくしたいです!」
手をあげるノィユに、ヴィルも、うむうむしてる。
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