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舞踏会編
だだもれ?
ネメド王ザイアが真面目な顔になったので、ノィユも顔を引き締めた。
いや、いつも真面目だけど!
『ほいほい踊り』も全力で踊ってるけど!
「……いや、うん、ノィユが真面目に会話してくれてるのは、わかってる」
王がやさしい!
抱っこして、なでなでしてくれる伴侶も、やさしいです♡
「莫大な借金を返済しちゃっただろう、半年で」
ザイアの言葉に、ノィユはこっくり頷いた。
「両親の顔力で」
「……まあ、うん。それもあるんだが、発案はノィユだろう」
「でしたっけ?」
ほとんどが精霊みたいなアイドルさんな両親の宣伝映像と手売りと握手効果だよ。
莫大な借金を返せたのも、バチルタ領が発展しつつあるのも、ヴァデルザ領が仲良しになってきたのも
「両親の顔がなければ、無理でした」
ほいほい踊りをしてくれたヴァイ族の人たちも、他の部族の皆も、バチルタ領に遊びにきてくれた皆の感想を聞いて、両親と握手したくなっちゃって、魔導列車を繋げるのに賛成してくれたんだよ。
「こんなに早く達成できなかったかもしれないが、でもいずれは──」
「宣伝って大事なんですよ、ザイアさま! すんごくよい商品も、あることが分かってもらえないと、売れないんです。今ひとつな商品でも、きらっきらな両親が『買ってくれたら握手します♡』って笑ってくれたら、爆売れするんです!」
拳を握って力説するノィユに、ザイアがぽかんとしてる。
「……ほんとに3歳か」
「もうすぐ4歳です!」
ヴィルがなでなでしてくれる。やさしい♡
「だから僕の功績は大したことないんですよ」
にこにこするノィユに、ザイアは吐息した。
「いくらノィユの両親の容姿が尋常じゃなかろうと、売るものがないと売れないだろう。地獄のようなバチルタ領には、何もない。誰もが思っていたのを、宝の山に変えたのは、ノィユだ」
「ヴィルのお友達の皆さんです! 僕、ほんとに何にもしてないのですー」
申し訳なくなってきたよ!
「いやまあ、細かいことは置いておいて」
「細かくない!」
「大きなことも置いておいて、とにかくドディア帝国はバチルタ領の急速な発展の源がノィユだと思ったらしい。あの国の諜報院、やばいからな」
「……やばいんですか……」
ビビるノィユに、ザイアはこっくり頷いた。
「ふつーすぎて、ヴィルでさえ気づかないんだ」
「ほんとに?」
首を傾げるノィユに、ヴィルがこっくり頷く。
「強い、のは、わかる。弱い、のは、わからない」
なるほど!
「……え、でもそれ、ヴィルが索敵に向いてないってことじゃ……?」
「細かいことは置いておいて──」
「細かくない!」
「頼むから話を進めさせてくれ!」
王陛下に泣かれたので、ちょこっと黙りました。
空気の読める3歳児を目指しています。
「ノィユの情報はドディア帝国の諜報院が集めてるから向こうにはダダ洩れてるだろう」
「……だだもれ……」
「おそらく、舞踏会への招待は、ノィユがどんな天才なのか、逢ってみたいということだと思う」
「凡人ですから! 成長したら、ただの人です!」
拳を握るノィユに、ザイアは頷く。
「ノィユがそう言ってることも、たぶんドディアは知ってる」
こわい……!
カタカタするノィユを、ヴィルのしなやかでたくましい腕が包むように抱っこしてくれる。
「ノィユは、俺が、守る」
ぎゅう
最愛の伴侶が抱きしめてくれたら、こわいことなんて、何にもなくなる気がするのです。
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