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ついに?
しおりを挟むまばゆい光があふれた、次の瞬間
バチィ……!
痛みが、僕の首から指先まで突き抜けた。
「──……っ!」
息ができなくなるほどの痛みに、冷たい汗がにじむ。
「こ、こら、くー!
何してる……!」
異変に気づいてくれたのだろうノゥスの叫びに、くーちゃんは涙目で叫び返した。
「き、きせいじじつだもん! ぼくと、もちもち、つながったもん!」
「だいじょうぶですか、ユィリおぼっちゃま……!」
かしぐ身体を、カイが抱きしめるように支えてくれる。
「……い、た……」
息ができなくて、ふるえる僕に、いつも冷静で余裕をにじませるカイが、 まっ青だ。
「くー、魔力を注いだのか!」
ノゥスの叫びに、くーちゃんの大きな藍の瞳に、大粒の涙がもりあがる。
「だ、だって、だって……! うわぁあん!」
泣きだしたクゥスを抱きしめたノクさまが、膝を折った。
「愛息が申しわけない……! すぐ医士を──!」
「ユィリ、だいじょうぶか……!」
心配そうにのぞきこんでくれるノゥスを見あげる。
ふるえる息で、ささやいた。
「……あ、あの、光の魔力って、バチバチして、痛い、の……?」
息をのんだノゥスが、首をふる。
「いや、雷撃魔法じゃないからな。そんなことはないと思うが……」
「……魔力の相性がよくないのではないでしょうか」
心配そうに眉をひそめるカイの言葉に、ちっちゃなくーちゃんが、絶望の顔になってる。
「りりしい、ひどいぃいい──!」
くーちゃんにとって僕は、もっちもっち、カイは、凛々しいみたいだよ……!
「ああ、もう、泣くな。ほら、ひどいことして、ユィリが倒れたんだぞ。ごめんなさいは?」
やさしいのーすちゃんが、おこです。
「だ、だって、だって、もちもち、ぼくの……!」
「ごめんなさいは──!」
叫ぶノゥスに、うりゅうりゅの目になったクゥスが、うなだれた。
「……ごめんなさい……」
涙といっしょに謝ってくれるクゥスに、まだちょっと痛い首で微笑む。
「もう大丈夫。でも無理やりは、だめだからね?」
「もっちもっちは、ぼくの……!」
うるうるの大きな瞳に、首をふる。
「僕は、誰のものにもならないよ」
伴侶(予定)契約を破棄された僕に伴侶ができる可能性は0だしね!
うむうむする僕に、カイとノゥスが絶望の顔になってる……?
僕の気のせいだと思うな!
「ユィリおぼっちゃま、光の魔力を注がれた感じはいかがですか?」
心配そうに聞いてくれるカイに、僕は眉をさげる。
「めちゃくちゃ痛い」
「あぅう……ごめんなさい……」
ぐしぐし泣くクゥスの頭を、なでなでした。
「もうだいじょうぶ。泣かないで」
こっくりうなずいて、こしこし目をぬぐうくーちゃんが、とっても、かわいーです!
ついなでなでしちゃう!
「回復した感じ、する?」
ノゥスに聞かれた僕は、ぷにぷに具合を確かめてみた。
「ぅうん? あんまり変わらない、かな?」
もっちもっちだよ。
「治癒魔法、使ってみな」
のーすちゃんの言葉に、固まった。
…………………………。
今世の僕が20%で、魔法なんて使ったことのない前世の僕が80%なんだよ!
で、できるのかな……?
…………あ、それ以前に!
「ちょこっとしたすり傷がある人をお願いします」
役に立たない僕なのです……!
────────────────
ずっと読んでくださってありがとうございます!
表紙にも書きましたが、骨折しました(笑)
骨折 なのでユィリに治してもらえません……!(笑)
肩の骨折で利き手が使えなくなり、残念ながら ストックも ほぼなく(笑)更新がゆっくりになったりするかもしれません。
せっかく 読んでくださっている方がたくさんいらっしゃるのに本当に申し訳ないのですが、無理すると骨がずれるらしいので(笑)あまり無理せずに頑張れたらいいなと思います。
のんびり ぼちぼち頑張りますー!(笑)
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