悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ

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ちょろ?

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 僕も、セゥスも、カイも、皆であんぐり口を開けた。

 ……勝ったら、国がもらえるの……?

 福引の景品みたいに……?

 そんなの、あり……?


「…………は…………?」

 代表して「……は……?」を言ってくれたカイの肩を、ザイお兄ちゃんが、ぽんぽんしてる。

「詳しいことは、茶でも飲みながらな。お菓子もあるぞ」

 にこにこしながら、僕の頭をなでなでしてくれるザイお兄ちゃんは、ひどいことする人じゃ、なさそうです?


「ユィリ、その思考は、ちょろいからね」

 僕の頭の中身をあたりまえのように読んでくるセゥスに「め」されてしまいました。

「往来でする話じゃないから。丁重にお迎えするよ。
 おかえり、カェツァ。とそのおつき2名。
 カェザ大公国へ、ようこそ」

 そのおつき2名にされちゃった!
 僕はいいけど……!
 あわあわセゥスを見あげたら、ふつうの顔をしてた。

「あ、あのあの、セゥス、ぷりぷりしないの?」

「僕はもうただのセゥスだから。カイが大公になるなら、そのおつき……いや、僕はユィリのおつきがいいけど」

 ちょっと不服そうなセゥスに、カイが目をむく。

「いやそんなこと、ありえないでしょう! 孤児ですよ!?」

 あんぐりするカイを、ザイお兄ちゃんが、ぽんぽんした。

「まあまあ、茶を飲みにくると思って。お菓子もあるからな」

 お菓子を用意して、僕の頭をなでなでしてくれる、ザイお兄ちゃんが、いい人だ!

「ユィリ?」

 セゥスの目に刺されました!


 僕、ちょろいみたいです……?

 きゃ──!





 王族と高位貴族しか使えないという、長距離を一瞬で移動できる魔術の結晶、転移門を、あっさり使ってしまうところを見ると、ザイお兄ちゃんは、やっぱり本物の大公殿下みたいです?

 立派な白い宮に着くと、皆がうやうやしく、手を胸に膝を折ってくれる。
 かるく手をあげる仕草も、敬礼を受け慣れてる感じで堂に入ってるザイお兄ちゃん!

「カイのお兄ちゃん、かっこいーね!」

「……いや、兄とは思えないのですが……!」

 あわあわするカイの隣で

「……ユィリ……?」

 だんだんセゥスの、激おこゲージがたまってきたみたいです……?

 きゃ──!



 白い宮の奥にある、広やかなお庭で、白い円卓に従僕さんたちがお茶の用意をしてくれる。防音の魔導具を起動したザイお兄ちゃんが席に着き、長い足をもてあますように組んだ。

「どうぞ座ってくれ。毒は入ってないから、食べて」

「わーい! いただきまーす!」

 いそいそ手をのばす僕に、セゥスとカイの凛々しい目がつりあがる。

「ユィリ!」
「ゆりさま!」

 僕、さいきん、カイとセゥスを、ぷりぷりさせてるみたいです?
 ごめんなさい?

「でもでも、僕、毒が入ってたら、たぶんわかるよ。入ってないよ」

 お腹が痛くなってる人が、真っ暗なもやが掛かって見えるように、毒が入ってたら、なんか『みょーん!』ってなってると思うんだよ。真っ暗な紫とかのもやが見えるんじゃないかな?? 毒入りのお菓子を見たことがないから、わからないけど!

 謎の自信をもって手をのばす僕に、セゥスとカイの目が、さらに切れあがる。


「ユィリ!」

「ゆりさま!」

 ふたりの激おこゲージが、満タンになったようです……?


 きゃ──!





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