【完結】お義父さんが、だいすきです

うさちゃんとリルとトェルとももちゃんのしあわせ暮らし

ももちゃん

　僕がうさちゃんを抱っこして、リィフェルが僕を抱っこして、魔界を探検です！

「重くない？」

　心配で聞いたら、リィフェルが笑う。

「トェルもうさちゃんも、羽のように軽いよ」

　にこにこしてくれる、おとうさんの腕が、ぷるぷるしていないことを確かめた。

　……だいじょうぶ、みたいです？

　たおやかな見た目に反して、意外にとっても力持ちな、おとうさんなのです。


「ももちゃん、ちょっと魔界を探検に行ってくるね」

　桃の樹の幹を、やさしくなでたら、緑の葉っぱがきらきら揺れる。


　桃の樹だから『ももちゃん』

　うさぎさんだから『うさちゃん』

　聞いたリヴァリゼは、びみょうなお顔をしてた。
　リィフェルは、とろけるように微笑んでくれる。


『ももちゃん』呼ぶたびに、ももちゃんの緑の葉っぱが、きらきら揺れるから

『うさちゃん』呼ぶたびに、うさちゃんの瞳も、ちいさな角もきらきらしてるから

　喜んでくれてるみたいだよ！

　僕も、とってもうれしいです。



「ももちゃん、今日の調子はどう？」

　緑の葉っぱをさやさや揺らして、ももちゃんが答えてくれる。

「おぉ！　今日は調子がいいんだね。じゃあリル、今日はいっぱい行けるかも！」

「が、がんばる」

　両手を握ろうとして、僕を落としたら大変だと、慌てたようにやめるリィフェルが、今日もとっても可愛いです。



　魔界の瘴気は、清淨の頂点に君臨する月のきみの息子であるリィフェルには、特につらいものらしい。

　ももちゃんが、魔界の瘴気を中和して清めてくれる範囲だけ、リィフェルは行くことができる。

　ももちゃんの力は、ももちゃんの成長とごきげんと、体調によるので、遠くまで行ける日もあれば、ものすごく近くで終わってしまう時もある。

　ちょっとずつ瘴気に身体を慣らそうとしているリィフェルだけれど、月の力が弱まってしまいそうで、僕は全力で止めている。

「無理したら絶対に絶対に絶対にだめだからね！
　気もちわるくなったら、すぐ帰ろうね！」

　僕の言葉に、うさちゃんが、こくこくうなずいて、リィフェルの頬は、うれしそうに、きらきら輝いた。


「瘴気で、つらくなったら、トェルが、ちゅうしてくれる……？」

　きらきらの月の瞳の上目遣いなおとうさんが、今日も世界一可愛いです！


「気もちわるくならないで、元気に帰ってきたら、ちゅうしてあげる」

　きゅ

　抱っこしたら、きらきらのリィフェルが笑ってくれる。


「がんばる！」

「いい子いい子」

　背伸びして、なでなでしたら、月の瞳を細めて笑ってくれた。


「トェル、だいすき」

「あいしてる、リル」


　ちゅっちゅが、はじまってしまいそうで

「きゅー！」

　ふわふわのおっきい耳で、うさちゃんが、もじもじしてる。


　かわい──！






「じゃあ、いってきます！」

　ももちゃんに手を振って、魔界の探検、はじまりです！

　魔界の生き物は、精霊界の生き物と、全然違う。

　真っ暗な瘴気をまとっていたり、巨大だったり、葉っぱや翼の形が変わっていたり、動物だと目が多かったり手足が多かったり色々してる。

　最初は僕もリィフェルもびっくりした。
　僕を襲ってきた魔精を思いだした。

　でも、魔界で暮らすみんなは、奇怪に思える見た目をしていても、穏やかで、やさしい。


　うさちゃんみたいに。


　うさちゃんは、とってもとっても、かわいいです！
　精霊界でも見たことないくらい、かわいいです！

　ちっちゃな手をにぎってしまう僕に

「きゅ？」

　首をかしげる、うさちゃんも、とっても、とっても、かわいいです！









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　ずっと読んでくださって、ほんとうに、ありがとうございます！

　インスタに、かわいい？？　たっぷりうさちゃん（笑）載せたので、たぶんアカウントなくても、絵は見えると思うので、もしよかったらー！
　@siro0088


　御礼申しあげるの忘れてた！　と思って（ごめんなさい……！）カクヨムさまのファンタジーBL大賞さまに応募してみたのですが、見に来てくださった方、フォローや♡や☆で応援してくださった方、ほんとうに、ほんとうに、ありがとうございました！

　感謝の気もちでいっぱいです！

　応募してるのにアルファポリスさまが先行で（笑）おまけのお話もアルファポリスさまだけなので（笑）楽しんでくださったら、とてもうれしいです！