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第19話 さらばザガート・ターン議員
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夜明け前、帝都は静けさに包まれていた。
けれど、わたしの胸の内は、不安と決意でざわめいていた。
レックスから聞かされた、“皇都混乱作戦”。
ザガート・ターン議員の最後の悪あがき――帝都に混乱を起こし、その責任を軍に押し付け、大提督の失墜を狙うという恐るべき陰謀。
「これで最後です。……もう、終わらせなくては」
そして、わたしたちは動いた。
未明。
南門の前で、奇妙な動きをする群衆が現れた。
一見するとただの市民の集まりに見えたが、レックスはすでに察知していた。
「この群衆の中に、武装した扇動者が混ざっている。排除しろ」
軍の精鋭部隊が即座に展開され、暴徒たちは即座に鎮圧された。
混乱は未然に防がれ、ザガートの計画は水泡に帰した。
その日の午後、元老院の特別審問会が開かれた。
「わたくし、ノア・クレメンタインは……元老院議員マグヌス・ローレンス殿および、ザガート・ターン殿の背信行為に関する証拠を提出いたします」
大理石の広間に、わたしの声が響いた。
貴族たちの視線が一斉に集まる。
違法薬物“黒鉄花”の密売、クレメンタイン辺境伯への脅迫、さらには帝都襲撃計画。
全てを、わたしとレックスは調査し、証拠を押さえていた。
そして、レックスが立ち上がる。
「帝国軍大提督として断言する。ザガート・ターンは国家反逆罪にあたる。……これは軍の意志ではない。帝国のための、裁きだ」
「ふざけるなッ!」
椅子を蹴って立ち上がったザガートが怒声を上げる。
「これは、軍の独裁だ! 私は正義のために動いただけだ!」
「正義……?」
わたしは静かに彼を見つめた。
「あなたが救おうとしたのは、帝国ではない。あなた自身の野心よ」
その瞬間、広間の空気が決定的に変わった。
かつて彼に賛同していた議員たちまでもが顔を背け、誰も彼に手を差し伸べなかった。
「やめろ……! お前たち……わたしを見捨てる気かっ!?」
護衛兵が彼の腕を押さえ、拘束する。
「まだ終わっていない……私は……私は帝国を……!」
「連行しろ」
レックス様の冷酷な命令とともに、ザガートは引きずられていった。
その顔は、もはや貴族の威厳も、理想も何も残っていなかった。
夕陽が差し込む皇都の高台。
風が静かに吹き抜ける中、わたしはレックスと並んでいた。
「これで……終わったんですね」
「いや。始まりだ、ノア」
彼の横顔は、どこか寂しげで、でも穏やかだった。
「私は……これまで任務として、お前を守ってきた。だが……」
彼がわたしの手を取る。
「今は、そうではない。ノア。お前を、帝国の大提督としてではなく……ひとりの男として守りたいと思っている」
胸が、熱くなった。
「それって……」
「正式な言葉ではない。だが……私は、お前を妻に迎えたいと、心から思っている」
答えは、まだ出せなかった。
でも、心が躍っていた。
「わたしも……レックス様のこと、大切に思っています」
彼の瞳が優しく細められた。
帝都を巡る闇は払われた。
けれど、まだ先がある。
けれど今は――この人の隣にいられることが、ただ嬉しかった。
けれど、わたしの胸の内は、不安と決意でざわめいていた。
レックスから聞かされた、“皇都混乱作戦”。
ザガート・ターン議員の最後の悪あがき――帝都に混乱を起こし、その責任を軍に押し付け、大提督の失墜を狙うという恐るべき陰謀。
「これで最後です。……もう、終わらせなくては」
そして、わたしたちは動いた。
未明。
南門の前で、奇妙な動きをする群衆が現れた。
一見するとただの市民の集まりに見えたが、レックスはすでに察知していた。
「この群衆の中に、武装した扇動者が混ざっている。排除しろ」
軍の精鋭部隊が即座に展開され、暴徒たちは即座に鎮圧された。
混乱は未然に防がれ、ザガートの計画は水泡に帰した。
その日の午後、元老院の特別審問会が開かれた。
「わたくし、ノア・クレメンタインは……元老院議員マグヌス・ローレンス殿および、ザガート・ターン殿の背信行為に関する証拠を提出いたします」
大理石の広間に、わたしの声が響いた。
貴族たちの視線が一斉に集まる。
違法薬物“黒鉄花”の密売、クレメンタイン辺境伯への脅迫、さらには帝都襲撃計画。
全てを、わたしとレックスは調査し、証拠を押さえていた。
そして、レックスが立ち上がる。
「帝国軍大提督として断言する。ザガート・ターンは国家反逆罪にあたる。……これは軍の意志ではない。帝国のための、裁きだ」
「ふざけるなッ!」
椅子を蹴って立ち上がったザガートが怒声を上げる。
「これは、軍の独裁だ! 私は正義のために動いただけだ!」
「正義……?」
わたしは静かに彼を見つめた。
「あなたが救おうとしたのは、帝国ではない。あなた自身の野心よ」
その瞬間、広間の空気が決定的に変わった。
かつて彼に賛同していた議員たちまでもが顔を背け、誰も彼に手を差し伸べなかった。
「やめろ……! お前たち……わたしを見捨てる気かっ!?」
護衛兵が彼の腕を押さえ、拘束する。
「まだ終わっていない……私は……私は帝国を……!」
「連行しろ」
レックス様の冷酷な命令とともに、ザガートは引きずられていった。
その顔は、もはや貴族の威厳も、理想も何も残っていなかった。
夕陽が差し込む皇都の高台。
風が静かに吹き抜ける中、わたしはレックスと並んでいた。
「これで……終わったんですね」
「いや。始まりだ、ノア」
彼の横顔は、どこか寂しげで、でも穏やかだった。
「私は……これまで任務として、お前を守ってきた。だが……」
彼がわたしの手を取る。
「今は、そうではない。ノア。お前を、帝国の大提督としてではなく……ひとりの男として守りたいと思っている」
胸が、熱くなった。
「それって……」
「正式な言葉ではない。だが……私は、お前を妻に迎えたいと、心から思っている」
答えは、まだ出せなかった。
でも、心が躍っていた。
「わたしも……レックス様のこと、大切に思っています」
彼の瞳が優しく細められた。
帝都を巡る闇は払われた。
けれど、まだ先がある。
けれど今は――この人の隣にいられることが、ただ嬉しかった。
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