118 / 125
第22章 外出予定が続く週
118 セールの現場から
しおりを挟む
20日の第1曜日。
朝食を食べて朝8時半前に家を出る。
真っ直ぐ公設市場に行って、お金を下ろして、ささっと買物をしてから行けば、ちょうどヌローラ商業施設の開店時間。
二階入口への40人くらいの列の最後に、ニナとフインがいた。
あとカタリナとケイト、ヒナリは開店待ち列の先の方にいるのが見える。
なお他にも4人ほど、同じ第二施設の生徒がいた。
様式4の服を着ているのですぐわかる。
「思ったより来ていますね」
「週払いの給与は、概ね第5曜日締めの第1曜日払いです。きっと15日に安くなったことに気付いた人が、給料を今日下ろして来たのでしょう」
ニナの言葉になるほどと思いつつ、進んでいく列に従って、店の中へ。
「それではそれぞれ自分のものを探して、相談したいことがあったら話すという形でいいでしょうか」
「そうだね。それじゃ私も自分のを探してくる」
「私も探してきます」
ニナやフインと別れ、何にしようか頭を整理するために左端へ。
魔法で売り場全体を俯瞰するように見てみる。
何と売っている水着の8割はビキニだ。
少なくともマネキンが着ているのは、そうなっている。
バーゲン前に見た時は、普通の服っぽいものも結構あった気がする。
でもセール会場はビキニがメインで、ワンピース系は袖有りセパレートとかと長くてちょいマタニティっぽいのと一緒に、その他扱いになっている。
『以前見た服っぽい水着は、ラッシュガードと組み合わせた例として展示されていたものと思われます。なおラッシュガード兼用の上着は、1階にて展示・販売されています。またペルリアの女性用水着は、セパレート型が一般的です』
そうだったのか。
しかし地球ではほぼセパレート式スクール水着(上半身袖あり、下はショートパンツ形状)の水着にしかお世話になっていない私には、正直ハードルが高い。
待てよ、セパレート主体ということは、ああいった露出の少ない形状の水着もあるということでは……
『腹や腰回りが出ていない水着は、少なくとも若い女性が着るものとしては、ペルリアでは一般的ではありません』
今回の知識魔法、妙に厳しい気がする。気のせいだろうか。
うん、悩んでいる時に1人だけで考えると泥沼にはまる。
せっかく皆で買いに来ているのだ。
ここは皆さんの意見を聞く事にしよう。
ただヒナリとケイトのペアに聞いた場合、私が求めていない意見が返ってきそうだ。
ここはニナの良識的だろう意見に期待してみよう。
偵察魔法でニナを探すと……
いた、けれど何かかなり強烈なコーナーにいるような……
具体的には、肩紐はあるけれど上が細めのチューブ状で、下のショーツもかなり短めのタイプを確認している。
色は黒色が好みのようだ。
つまり色と肩紐以外は、前に私がケイトに薦められたものとほぼ同じ。
なぜこれを選んだのか、それとも別の意図があるのか。
私の期待とは異なるけれど、個人的興味がある。
ということで近づいて、質問だ。
「どれがいいか分からなくなったんだけれど、ニナはもう決まった?」
露出が多いのは苦手で決められない。
そんな本音は隠して聞いてみる。
「ええ。おそらくこれにすると思います。本当は肩紐も無い方がすっきりしていいと思うのですけれど、少しは泳ぎたいと考えると、この程度は固定できた方がいいと思いますから」
良識派だと思っていたニナが、まさかこんな露出多めのを選ぶとは。
確かにニナは私より胸が成長しているけれど……
なんて思ったのを察したのか、ニナが苦笑っぽい笑みを浮かべる。
「体型的にはまだ早いと言われそうです。でもそうして地味なのばかり選んでいると、後悔というか、あの時思い切っておけばよかったと後に思ったりするんです。思い切ったのって、時期を逃すと二度と着られなくなりますから。せっかく若返ったんだから、今度は少し思い切ってみようと思って」
なるほど、そういう考え方もあるのか。
「なので迷った場合、オーソドックスなデザインで、かつ攻め気味のものがお勧めです。あくまで私の意見ですけれど」
「わかった。ありがとう」
でもだからと言って、ここまで布地少なめのものに挑戦する勇気は私にはない。
だいたい水浴場開きの日は、アキトと一緒に演劇を観に行く約束をしているのだ。
その際にこのビキニは……
うん、私には無理。少なくとも今は。
それではフインの動向を見に行こう。
あとはカタリナの動向も。
◇◇◇
フインの見ていたのは、ビキニでも胸側にフリルというか大きめのフレアが付いているデザインで、色は赤に近いピンク。
フインも私より胸があるので、ビキニでいい気がする。
それにフレア系は私には似合わない気がするので、パスということで。
カタリナは、まずは問題なく動けることを重視するそうだ。
なので候補は上がタンクトップのブラより下部分を切ったような形、下がショートパンツのセパレートで、色は白のセパレートタイプ。
セパレートタイプとしては露出もやや少なめで、これくらいが妥協点として正しいのだろうか。
ついでということで、ヒナリ&ケイト組の方も様子見に行ってみる。
すぐに発見したので近づいてみると、先に声をかけられた。
「やっほ~チアキ! もう選んだ~?」
「迷い中。それでこれは、ヒナリの水着?」
手に取ったように見えたのは、ブラが白のフレアタイプでやや細め肩紐なし、ショーツも少しフレアが入っているけれど細め小さめというデザイン。
「これウチの~。いろいろ迷ったけど、これが妥協ラインって感じ! ヒナリはまだ決まんなくてさ~。だから先にウチの決めちゃおって思って~」
なるほど、確かにこれ、あのチューブトップの白い水着と似ている。
チューブトップの部分に大きめのフレアをつけ、ショーツの上部分にささやかなフレアをつけただけという感じだ。
「なるほどね、でも似合っていると思うよ」
そう、確かに似合っているし、ケイト自身の要望通り露出も多め。
だからきっと、問題はない。
「じゃあヒナリのやつ見に行こっか~! 一緒に見る?」
確かにあれこれ意見を聞きながら見れば、少しは私も考えがまとまるかもしれない。
「そうだね。なら一緒していい?」
「もちろん~! じゃあ候補その1からもう一回見に行こ~♪」
私はヒナリとケイトについて、水着売り場を歩いて行く……
朝食を食べて朝8時半前に家を出る。
真っ直ぐ公設市場に行って、お金を下ろして、ささっと買物をしてから行けば、ちょうどヌローラ商業施設の開店時間。
二階入口への40人くらいの列の最後に、ニナとフインがいた。
あとカタリナとケイト、ヒナリは開店待ち列の先の方にいるのが見える。
なお他にも4人ほど、同じ第二施設の生徒がいた。
様式4の服を着ているのですぐわかる。
「思ったより来ていますね」
「週払いの給与は、概ね第5曜日締めの第1曜日払いです。きっと15日に安くなったことに気付いた人が、給料を今日下ろして来たのでしょう」
ニナの言葉になるほどと思いつつ、進んでいく列に従って、店の中へ。
「それではそれぞれ自分のものを探して、相談したいことがあったら話すという形でいいでしょうか」
「そうだね。それじゃ私も自分のを探してくる」
「私も探してきます」
ニナやフインと別れ、何にしようか頭を整理するために左端へ。
魔法で売り場全体を俯瞰するように見てみる。
何と売っている水着の8割はビキニだ。
少なくともマネキンが着ているのは、そうなっている。
バーゲン前に見た時は、普通の服っぽいものも結構あった気がする。
でもセール会場はビキニがメインで、ワンピース系は袖有りセパレートとかと長くてちょいマタニティっぽいのと一緒に、その他扱いになっている。
『以前見た服っぽい水着は、ラッシュガードと組み合わせた例として展示されていたものと思われます。なおラッシュガード兼用の上着は、1階にて展示・販売されています。またペルリアの女性用水着は、セパレート型が一般的です』
そうだったのか。
しかし地球ではほぼセパレート式スクール水着(上半身袖あり、下はショートパンツ形状)の水着にしかお世話になっていない私には、正直ハードルが高い。
待てよ、セパレート主体ということは、ああいった露出の少ない形状の水着もあるということでは……
『腹や腰回りが出ていない水着は、少なくとも若い女性が着るものとしては、ペルリアでは一般的ではありません』
今回の知識魔法、妙に厳しい気がする。気のせいだろうか。
うん、悩んでいる時に1人だけで考えると泥沼にはまる。
せっかく皆で買いに来ているのだ。
ここは皆さんの意見を聞く事にしよう。
ただヒナリとケイトのペアに聞いた場合、私が求めていない意見が返ってきそうだ。
ここはニナの良識的だろう意見に期待してみよう。
偵察魔法でニナを探すと……
いた、けれど何かかなり強烈なコーナーにいるような……
具体的には、肩紐はあるけれど上が細めのチューブ状で、下のショーツもかなり短めのタイプを確認している。
色は黒色が好みのようだ。
つまり色と肩紐以外は、前に私がケイトに薦められたものとほぼ同じ。
なぜこれを選んだのか、それとも別の意図があるのか。
私の期待とは異なるけれど、個人的興味がある。
ということで近づいて、質問だ。
「どれがいいか分からなくなったんだけれど、ニナはもう決まった?」
露出が多いのは苦手で決められない。
そんな本音は隠して聞いてみる。
「ええ。おそらくこれにすると思います。本当は肩紐も無い方がすっきりしていいと思うのですけれど、少しは泳ぎたいと考えると、この程度は固定できた方がいいと思いますから」
良識派だと思っていたニナが、まさかこんな露出多めのを選ぶとは。
確かにニナは私より胸が成長しているけれど……
なんて思ったのを察したのか、ニナが苦笑っぽい笑みを浮かべる。
「体型的にはまだ早いと言われそうです。でもそうして地味なのばかり選んでいると、後悔というか、あの時思い切っておけばよかったと後に思ったりするんです。思い切ったのって、時期を逃すと二度と着られなくなりますから。せっかく若返ったんだから、今度は少し思い切ってみようと思って」
なるほど、そういう考え方もあるのか。
「なので迷った場合、オーソドックスなデザインで、かつ攻め気味のものがお勧めです。あくまで私の意見ですけれど」
「わかった。ありがとう」
でもだからと言って、ここまで布地少なめのものに挑戦する勇気は私にはない。
だいたい水浴場開きの日は、アキトと一緒に演劇を観に行く約束をしているのだ。
その際にこのビキニは……
うん、私には無理。少なくとも今は。
それではフインの動向を見に行こう。
あとはカタリナの動向も。
◇◇◇
フインの見ていたのは、ビキニでも胸側にフリルというか大きめのフレアが付いているデザインで、色は赤に近いピンク。
フインも私より胸があるので、ビキニでいい気がする。
それにフレア系は私には似合わない気がするので、パスということで。
カタリナは、まずは問題なく動けることを重視するそうだ。
なので候補は上がタンクトップのブラより下部分を切ったような形、下がショートパンツのセパレートで、色は白のセパレートタイプ。
セパレートタイプとしては露出もやや少なめで、これくらいが妥協点として正しいのだろうか。
ついでということで、ヒナリ&ケイト組の方も様子見に行ってみる。
すぐに発見したので近づいてみると、先に声をかけられた。
「やっほ~チアキ! もう選んだ~?」
「迷い中。それでこれは、ヒナリの水着?」
手に取ったように見えたのは、ブラが白のフレアタイプでやや細め肩紐なし、ショーツも少しフレアが入っているけれど細め小さめというデザイン。
「これウチの~。いろいろ迷ったけど、これが妥協ラインって感じ! ヒナリはまだ決まんなくてさ~。だから先にウチの決めちゃおって思って~」
なるほど、確かにこれ、あのチューブトップの白い水着と似ている。
チューブトップの部分に大きめのフレアをつけ、ショーツの上部分にささやかなフレアをつけただけという感じだ。
「なるほどね、でも似合っていると思うよ」
そう、確かに似合っているし、ケイト自身の要望通り露出も多め。
だからきっと、問題はない。
「じゃあヒナリのやつ見に行こっか~! 一緒に見る?」
確かにあれこれ意見を聞きながら見れば、少しは私も考えがまとまるかもしれない。
「そうだね。なら一緒していい?」
「もちろん~! じゃあ候補その1からもう一回見に行こ~♪」
私はヒナリとケイトについて、水着売り場を歩いて行く……
59
あなたにおすすめの小説
力は弱くて魔法も使えないけど強化なら出来る。~俺を散々こき使ってきたパーティの人間に復讐しながら美少女ハーレムを作って魔王をぶっ倒します
枯井戸
ファンタジー
──大勇者時代。
誰も彼もが勇者になり、打倒魔王を掲げ、一攫千金を夢見る時代。
そんな時代に、〝真の勇者の息子〟として生を授かった男がいた。
名はユウト。
人々は勇者の血筋に生まれたユウトに、類稀な魔力の才をもって生まれたユウトに、救世を誓願した。ユウトもまた、これを果たさんと、自身も勇者になる事を信じてやまなかった。
そんなある日、ユウトの元へ、ひとりの中性的な顔立ちで、笑顔が爽やかな好青年が訪ねてきた。
「俺のパーティに入って、世界を救う勇者になってくれないか?」
そう言った男の名は〝ユウキ〟
この大勇者時代にすい星のごとく現れた、〝その剣技に比肩する者なし〟と称されるほどの凄腕の冒険者である。
「そんな男を味方につけられるなんて、なんて心強いんだ」と、ユウトはこれを快諾。
しかし、いままで大した戦闘経験を積んでこなかったユウトはどう戦ってよいかわからず、ユウキに助言を求めた。
「戦い方? ……そうだな。なら、エンチャンターになってくれ。よし、それがいい。ユウトおまえはエンチャンターになるべきだ」
ユウトは、多少はその意見に疑問を抱きつつも、ユウキに勧められるがまま、ただひたすらに付与魔法(エンチャント)を勉強し、やがて勇者の血筋だという事も幸いして、史上最強のエンチャンターと呼ばれるまでに成長した。
ところが、そればかりに注力した結果、他がおろそかになってしまい、ユウトは『剣もダメ』『付与魔法以外の魔法もダメ』『体力もない』という三重苦を背負ってしまった。それでもエンチャンターを続けたのは、ユウキの「勇者になってくれ」という言葉が心の奥底にあったから。
──だが、これこそがユウキの〝真の〟狙いだったのだ。
この物語は主人公であるユウトが、持ち前の要領の良さと、唯一の武器である付与魔法を駆使して、愉快な仲間たちを強化しながら成り上がる、サクセスストーリーである。
【完結】能力が無くても聖女ですか?
天冨 七緒
恋愛
孤児院で育ったケイトリーン。
十二歳になった時特殊な能力が開花し、体調を崩していた王妃を治療する事に…
無事に王妃を完治させ、聖女と呼ばれるようになっていたが王妃の治癒と引き換えに能力を使い果たしてしまった。能力を失ったにも関わらず国王はケイトリーンを王子の婚約者に決定した。
周囲は国王の命令だと我慢する日々。
だが国王が崩御したことで、王子は周囲の「能力の無くなった聖女との婚約を今すぐにでも解消すべき」と押され婚約を解消に…
行く宛もないが婚約解消されたのでケイトリーンは王宮を去る事に…門を抜け歩いて城を後にすると突然足元に魔方陣が現れ光に包まれる…
「おぉー聖女様ぁ」
眩い光が落ち着くと歓声と共に周囲に沢山の人に迎えられていた。ケイトリーンは見知らぬ国の聖女として召喚されてしまっていた…
タイトル変更しました
召喚されましたが聖女様ではありません…私は聖女様の世話係です
【完結】悪役令嬢は何故か婚約破棄されない
miniko
恋愛
平凡な女子高生が乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった。
断罪されて平民に落ちても困らない様に、しっかり手に職つけたり、自立の準備を進める。
家族の為を思うと、出来れば円満に婚約解消をしたいと考え、王子に度々提案するが、王子の反応は思っていたのと違って・・・。
いつの間にやら、王子と悪役令嬢の仲は深まっているみたい。
「僕の心は君だけの物だ」
あれ? どうしてこうなった!?
※物語が本格的に動き出すのは、乙女ゲーム開始後です。
※ご都合主義の展開があるかもです。
※感想欄はネタバレ有り/無しの振り分けをしておりません。本編未読の方はご注意下さい。
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
【完結】平民聖女の愛と夢
ここ
ファンタジー
ソフィは小さな村で暮らしていた。特技は治癒魔法。ところが、村人のマークの命を救えなかったことにより、村全体から、無視されるようになった。食料もない、お金もない、ソフィは仕方なく旅立った。冒険の旅に。
転生魔法伝記〜魔法を極めたいと思いますが、それを邪魔する者は排除しておきます〜
凛 伊緒
ファンタジー
不運な事故により、23歳で亡くなってしまった会社員の八笠 美明。
目覚めると見知らぬ人達が美明を取り囲んでいて…
(まさか……転生…?!)
魔法や剣が存在する異世界へと転生してしまっていた美明。
魔法が使える事にわくわくしながらも、王女としての義務もあり──
王女として生まれ変わった美明―リアラ・フィールアが、前世の知識を活かして活躍する『転生ファンタジー』──
追放された公爵令息、神竜と共に辺境スローライフを満喫する〜無敵領主のまったり改革記〜
たまごころ
ファンタジー
無実の罪で辺境に追放された公爵令息アレン。
だが、その地では神竜アルディネアが眠っていた。
契約によって最強の力を得た彼は、戦いよりも「穏やかな暮らし」を選ぶ。
農地改革、温泉開発、魔導具づくり──次々と繁栄する辺境領。
そして、かつて彼を貶めた貴族たちが、その繁栄にひれ伏す時が来る。
戦わずとも勝つ、まったりざまぁ無双ファンタジー!
【完結】前世聖女のかけだし悪女
たちばな立花
ファンタジー
魔王を退治し世界を救った聖女が早世した。
しかし、彼女は聖女の能力と記憶を残したまま、実兄の末娘リリアナとして生まれ変わる。
妹や妻を失い優しい性格が冷酷に変わってしまった父、母を失い心を閉ざした兄。
前世、世界のために家族を守れなかったリリアナは、世間から悪と言われようとも、今世の力は家族のために使うと決意する。
まずは父と兄の心を開いて、普通の貴族令嬢ライフを送ろうと思ったけど、倒したはずの魔王が執事として現れて――!?
無表情な父とツンがすぎる兄と変人執事に囲まれたニューライフが始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる