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第4章 二度目の外出
30 特別科目の詳細
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2月16日第4曜日、お昼過ぎ。
『通知が届いています』
来たな。そう思いつつ、タップしてみる。
『特別科目『ペルリア自然観察』詳細について』
読み進めたところ、内容はこんな感じだ。
① 当日朝集合までに、特別科目『ペルリア自然観察』の1と2を履修しておくこと
② 2月20日第2曜日の朝7時に、共用棟2階の第1教室に集合
朝食・昼食は外出先で食べるため、食堂で受け取らないこと
③ 出席予定者は10名
④ 自然公園までは各自で向かう。徒歩の他、身体強化魔法を使用して走路を走る等しても可
⑤ 配られた券で自然公園に入園し、最低限次の場所を回ること
ⅰ 自然公園(本園)
ⅱ 自然公園(附属動物園)
⑥ 食事については、次の場所で次の内容の物に対し、引換券を使用可能。なお引換券は2枚(2食分)配布する
ⅰ 公園内各売店
・ 弁当、飲み物セット各種
ⅱ バイキングレストラン『ヘーラニフト』
・ ランチバイキング
ⅲ カヘイ『リハホルタ』
・ モーニングセット
・ ランチセット
⑦ 16時までに施設に戻り、共用棟2階の学習相談室へ行って帰校報告をすること
この前の『ペルリア共和国・生活実習』とパターンは一緒だ。
集まって指示の後、自由に出かけて、食事をして、自由に帰ってきて、帰校報告をする。
ただ違う点、気になる点が結構ある訳で……
10人ということは、前回の5人が全員参加するとしても、あと5人増えているという計算になる。
他にも外出許可証が出るような特別学習が、私の知らない間にあったのだろうか。
それともこの『ペルリア自然観察』も、外出許可に繋がるイベントなのだろうか。
「『ペルリア自然観察』は外出許可証を発行する特別授業です。いままで外出出来なかった生徒に対しては、『ペルリア共和国・生活実習』と同様に通帳が作成され、週に300Cの奨学金が支給されるようになります。ただし既に外出許可証を持っている者に追加奨学金等はありません」
つまり似たような位置づけのイベントという訳か。
もちろん内容が違うから、条件も異なるのだろうけれど。
誰が来るかは、ニナ以外はわからない。
前回の特別実習に参加したうち、アキトやカタリナとは話が出来ていない状態だ。
食堂にはゾンビみたいな連中が常駐しているから、話が出来るような環境にない。
私もニナとよく一緒にいるせいか、ゾンビのターゲットになっているから。
運動の時にも出会えていない。
外の運動場は食堂の窓から見えるので、行きたくない。
そして室内運動場へは、食堂の横の廊下を通る必要がある。
3回ほど運動に行った時は、それっぽい集団が運動場にいない事を知識魔法で確認後、隠蔽魔法を起動して室内運動場まで移動した。
何人か生徒はいたけれど、会話するところまでは至らなかった。
母国語が同じ2~3人組にか、1人だけれど話しかけにくい感じの人という感じで。
私も1人で話しかけにくい人と見られている可能性は高いけれど。
考えても仕方ない事は、ここまでにしよう。
あと気になるのは食事のメニュー。
でもその前に、知らない単語があったので確認しておきたい。
『『走路』とは、遠距離を高速で移動する為の専用道路です。主要な街と街の間、または街の外周等に設置されており、時速60km以上で移動する際に使用します。
ポアノンの場合は外周道路として、ニトレ大通りの北端と南端を、西側の南分水路分岐上流を経由する形で走っています。またこの外周路から北のネテフ、東のナヒコ、南東のエネト、南南西のフレーオルへ走路が設けられています。
施設からニトレ大通り南端まで200m、そこから外周道路東分岐まで2.2km、東分岐から自然公園入口までが2kmです』
時速60km以上か。
身体強化魔法を使えばそれくらい出せるかもしれないけれど、長時間その速度で走り続けるのは辛そうだ。
『遠距離陸上輸送業者等の業務で移動する者は、通常は自分の身体で走るより自転車を使用する事が多いです。独自魔法を動力として、平坦な区間を最高時速100kmで走行します』
それはもう、自転車ではなくオートバイだろうと思うのだけれど。
『付属している動力機構が足で漕ぐ形式のみなので、自転車です。実際は漕がず、魔法で走らせる事が多い様です。オートバイや自動車等、内燃機関や電動動力機を使用する交通機関は存在しません』
確かに外出中に自動車を見なかったけれど、やっぱり存在しなかったようだ。
そして自転車が陸上最速の交通機関。
でもそれなら、魔力で走る三輪や四輪の車はないのだろうか。
街では人力の荷車しか見ていないけれど。
『四輪車以上は路上で場所を取る事から、走路ではなく一般道を使用します。また走行に魔力を必要とする為、それほど長距離を走らせる事はありません。
四輪車でしか陸上を運べないような荷物は、基本的には運河や河川で近くの河川港まで運ばれ、そこから運ぶ形となります。
ペルリアは船運の為、河川や運河が整備されています。ですので陸上部分は比較的低速の運用でも、問題が出る事はありません』
生物以外は人が収納魔法で運ぶ方が早くて楽。
生物だけは港で見たような檻で、基本的には船で、船で行けない部分は四輪車と、場合によっては人力の荷車で運ぶと。
何というか、日本の常識と大分異なる。
そう思った時、気づいてしまった。
あれこれ調べる間に、随分と脱線してしまった事に。
とりあえず夕食までは、科目を進めるとしよう。
そして最優先は、『ペルリア自然観察』の1と2だ。
それではやるとしよう。
私はタブレットを操作し、学科選択に新たに加わった『ペルリア自然観察』を選択する。
『通知が届いています』
来たな。そう思いつつ、タップしてみる。
『特別科目『ペルリア自然観察』詳細について』
読み進めたところ、内容はこんな感じだ。
① 当日朝集合までに、特別科目『ペルリア自然観察』の1と2を履修しておくこと
② 2月20日第2曜日の朝7時に、共用棟2階の第1教室に集合
朝食・昼食は外出先で食べるため、食堂で受け取らないこと
③ 出席予定者は10名
④ 自然公園までは各自で向かう。徒歩の他、身体強化魔法を使用して走路を走る等しても可
⑤ 配られた券で自然公園に入園し、最低限次の場所を回ること
ⅰ 自然公園(本園)
ⅱ 自然公園(附属動物園)
⑥ 食事については、次の場所で次の内容の物に対し、引換券を使用可能。なお引換券は2枚(2食分)配布する
ⅰ 公園内各売店
・ 弁当、飲み物セット各種
ⅱ バイキングレストラン『ヘーラニフト』
・ ランチバイキング
ⅲ カヘイ『リハホルタ』
・ モーニングセット
・ ランチセット
⑦ 16時までに施設に戻り、共用棟2階の学習相談室へ行って帰校報告をすること
この前の『ペルリア共和国・生活実習』とパターンは一緒だ。
集まって指示の後、自由に出かけて、食事をして、自由に帰ってきて、帰校報告をする。
ただ違う点、気になる点が結構ある訳で……
10人ということは、前回の5人が全員参加するとしても、あと5人増えているという計算になる。
他にも外出許可証が出るような特別学習が、私の知らない間にあったのだろうか。
それともこの『ペルリア自然観察』も、外出許可に繋がるイベントなのだろうか。
「『ペルリア自然観察』は外出許可証を発行する特別授業です。いままで外出出来なかった生徒に対しては、『ペルリア共和国・生活実習』と同様に通帳が作成され、週に300Cの奨学金が支給されるようになります。ただし既に外出許可証を持っている者に追加奨学金等はありません」
つまり似たような位置づけのイベントという訳か。
もちろん内容が違うから、条件も異なるのだろうけれど。
誰が来るかは、ニナ以外はわからない。
前回の特別実習に参加したうち、アキトやカタリナとは話が出来ていない状態だ。
食堂にはゾンビみたいな連中が常駐しているから、話が出来るような環境にない。
私もニナとよく一緒にいるせいか、ゾンビのターゲットになっているから。
運動の時にも出会えていない。
外の運動場は食堂の窓から見えるので、行きたくない。
そして室内運動場へは、食堂の横の廊下を通る必要がある。
3回ほど運動に行った時は、それっぽい集団が運動場にいない事を知識魔法で確認後、隠蔽魔法を起動して室内運動場まで移動した。
何人か生徒はいたけれど、会話するところまでは至らなかった。
母国語が同じ2~3人組にか、1人だけれど話しかけにくい感じの人という感じで。
私も1人で話しかけにくい人と見られている可能性は高いけれど。
考えても仕方ない事は、ここまでにしよう。
あと気になるのは食事のメニュー。
でもその前に、知らない単語があったので確認しておきたい。
『『走路』とは、遠距離を高速で移動する為の専用道路です。主要な街と街の間、または街の外周等に設置されており、時速60km以上で移動する際に使用します。
ポアノンの場合は外周道路として、ニトレ大通りの北端と南端を、西側の南分水路分岐上流を経由する形で走っています。またこの外周路から北のネテフ、東のナヒコ、南東のエネト、南南西のフレーオルへ走路が設けられています。
施設からニトレ大通り南端まで200m、そこから外周道路東分岐まで2.2km、東分岐から自然公園入口までが2kmです』
時速60km以上か。
身体強化魔法を使えばそれくらい出せるかもしれないけれど、長時間その速度で走り続けるのは辛そうだ。
『遠距離陸上輸送業者等の業務で移動する者は、通常は自分の身体で走るより自転車を使用する事が多いです。独自魔法を動力として、平坦な区間を最高時速100kmで走行します』
それはもう、自転車ではなくオートバイだろうと思うのだけれど。
『付属している動力機構が足で漕ぐ形式のみなので、自転車です。実際は漕がず、魔法で走らせる事が多い様です。オートバイや自動車等、内燃機関や電動動力機を使用する交通機関は存在しません』
確かに外出中に自動車を見なかったけれど、やっぱり存在しなかったようだ。
そして自転車が陸上最速の交通機関。
でもそれなら、魔力で走る三輪や四輪の車はないのだろうか。
街では人力の荷車しか見ていないけれど。
『四輪車以上は路上で場所を取る事から、走路ではなく一般道を使用します。また走行に魔力を必要とする為、それほど長距離を走らせる事はありません。
四輪車でしか陸上を運べないような荷物は、基本的には運河や河川で近くの河川港まで運ばれ、そこから運ぶ形となります。
ペルリアは船運の為、河川や運河が整備されています。ですので陸上部分は比較的低速の運用でも、問題が出る事はありません』
生物以外は人が収納魔法で運ぶ方が早くて楽。
生物だけは港で見たような檻で、基本的には船で、船で行けない部分は四輪車と、場合によっては人力の荷車で運ぶと。
何というか、日本の常識と大分異なる。
そう思った時、気づいてしまった。
あれこれ調べる間に、随分と脱線してしまった事に。
とりあえず夕食までは、科目を進めるとしよう。
そして最優先は、『ペルリア自然観察』の1と2だ。
それではやるとしよう。
私はタブレットを操作し、学科選択に新たに加わった『ペルリア自然観察』を選択する。
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