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第15章 新学期を迎えて
第119話 門外不出絶対秘密
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「これは成功なのかな。何か魔法の感触がいつもと違ってピリピリするんだけど」
魔法を使う感触でもわかるのか。そう言えば日常魔法で熱とか水とか使った時、それぞれの感触とかあるものな。
「成功だ。電気魔法が出ている」
「ならこれと全く同じ装置を作れば、僕も電気魔法が使えるんだね」
まあそうだけれど問題がある。
「まだ大きすぎて実用的じゃないけれどさ」
「そうかもしれないけれどね。僕でも攻撃魔法が使えるというのは大きいよ」
そう言うとシモンさんはひょいっと歩いて行っていつものシモンさん専用アンテナを構える。いきなり魔法アンテナとコンデンサーやコイルを練成した。相変わらずチートだ。
「つまりこれを使えば誰でも電撃魔法を撃てる訳だよね。ちょっとコンデンサーと呼んでいた部分が大きさ的に邪魔だけれど」
「コンデンサー部分は丸めても大丈夫だぞ。他と接触しなければ」
「ならこんな感じかな」
巻物のようにコンデンサー部分がぐるぐる丸まり棒状になった。鑑定魔法で見るとコンデンサーとコイル部分は俺の実験装置と性能が全く同じ。つまりこの魔法アンテナは『誰でも電撃魔法が撃てる魔法杖』として完成した訳だ。
「何々、何を作っているの?」
ミド・リーがやってきた。いや、ミド・リーに限らずこの場にいる全員が何だ何だという感じで集まる。
「誰でも電気魔法の攻撃魔法が使える魔法杖だよ」
「えっ……」
滅多な事では動じないアキナ先輩が固まった。一方でミド・リーやフールイ先輩は興味津々という感じだ。
「ねえ、これ私でも使えるの?」
「使えるけれど攻撃魔法用だからなあ。試すのは結構危険な気が……」
「何か安全な場所に目標物を立ててそれを狙えば大丈夫だよ。例えばさ」
シモンさんが再び自分の魔法アンテナで練成をかける。台のついた丸太が研究室の端付近に練成された。
「あれを狙えば大丈夫だよ。あの近辺は他に燃える物も無いしね」
「じゃあ試してみる。使い方はあの魔法杖と同じだよね」
ミド・リーがそう言いながら電撃魔法専用の魔法杖を構える。
ドーン! バリバリバリ!丸太が真っ二つに裂けた。一部が黒くなって煙をプスプスとふいている。
「何かいつもと違う感触だけど簡単だね。でもこれ本当に電気魔法なのかな」
「間違いない。今鑑定魔法で電気魔法と出た」
現在俺は鑑定魔法を常時発動中だ。本来は鏡製作の為なのだが今の魔法の鑑定もついでに出る。間違いなく電気魔法、それも攻撃型の電撃魔法だ。
「私も試したい」
「なら目標を作り直すよ」
そんな感じでフールイ先輩、それにナカさん、アキナ先輩も試した。
全員見事に電撃成功。この距離なら誰でもかなりの威力の電撃魔法を使えるようだ。
「これは……ちょっと危険過ぎます。でもきっと軍、特に海軍は喉から手が出る位ほしがると思いますわ」
「どうしてですか」
特に海軍というところが気になったので聞いてみる。
「海戦で使う魔法で一番効果が高いのが電撃魔法なのです。海水で濡れた船には電撃がよく効きますから。中型船くらいまでなら一撃で乗員の過半数を無力化する事も可能です。威力は風魔法や熱魔法の比ではありませんわ。
ただ電気魔法系統の攻撃魔法を使える者は非常に少ないので、普通は風魔法や炎魔法、氷魔法で戦闘をするのです。それがこんな、誰でも電撃魔法を使える杖なんであったら……それこそ海戦が変わってしまいますわ。
個人的にはこれは一切表に出さない方がいいと思います。真に必要になる時まで、こっそり隠しておくべきです」
なるほど。電気の性質を知らなくても、海水で濡れた場所は電撃魔法が通るという知識はある訳か。その知識がどうやって得られたかはちょっと考えたくはないけれど。
でも確かにこれを海戦に使うと無敵だよな。誰が使っても電撃魔法を使える訳だから。
「ところでこの魔法杖は何の目的で作られたのですか?」
アキナ先輩、警戒気味だな。
「本来は、誰でもどんな魔法でも使える魔法杖。その研究の第一歩として作ってみたんです。電撃魔法になったのは鹿魔獣の魔石があるから実験しやすかったからで、それ以上の意味は特にありません。あとはこの応用で治療魔法や風魔法、熱魔法、工作系魔法の魔法杖を作って、最後にそれを統合した装置を作るのが目的です」
「そうでしたか」
アキナ先輩はほっとしたという表情を見せる。
「船乗り、特に外洋船の船乗りにとっては電撃魔法というのは恐怖の対象なのです。ですから今回に関しては、絶対に他に話が漏れないようにした方がいいですわ。これがあるだけで余計な事を考える者も出るでしょう。下手をしたらミタキ君とシモンさんの身柄が危険になる可能性すらありますから」
なるほど、そんなに危険な物だったのか。俺は全然気づかなかったな。
「ならこの杖は仕舞っておこうか」
「そうだね。この後の試作は他の魔法でやるという事で」
「風魔法にしておこう。あれは猿魔獣《ヒバゴン》の魔石が使えるからやりやすい」
「それがいいですわ。風魔法なら使える人が多くて無難ですから」
魔法を使う感触でもわかるのか。そう言えば日常魔法で熱とか水とか使った時、それぞれの感触とかあるものな。
「成功だ。電気魔法が出ている」
「ならこれと全く同じ装置を作れば、僕も電気魔法が使えるんだね」
まあそうだけれど問題がある。
「まだ大きすぎて実用的じゃないけれどさ」
「そうかもしれないけれどね。僕でも攻撃魔法が使えるというのは大きいよ」
そう言うとシモンさんはひょいっと歩いて行っていつものシモンさん専用アンテナを構える。いきなり魔法アンテナとコンデンサーやコイルを練成した。相変わらずチートだ。
「つまりこれを使えば誰でも電撃魔法を撃てる訳だよね。ちょっとコンデンサーと呼んでいた部分が大きさ的に邪魔だけれど」
「コンデンサー部分は丸めても大丈夫だぞ。他と接触しなければ」
「ならこんな感じかな」
巻物のようにコンデンサー部分がぐるぐる丸まり棒状になった。鑑定魔法で見るとコンデンサーとコイル部分は俺の実験装置と性能が全く同じ。つまりこの魔法アンテナは『誰でも電撃魔法が撃てる魔法杖』として完成した訳だ。
「何々、何を作っているの?」
ミド・リーがやってきた。いや、ミド・リーに限らずこの場にいる全員が何だ何だという感じで集まる。
「誰でも電気魔法の攻撃魔法が使える魔法杖だよ」
「えっ……」
滅多な事では動じないアキナ先輩が固まった。一方でミド・リーやフールイ先輩は興味津々という感じだ。
「ねえ、これ私でも使えるの?」
「使えるけれど攻撃魔法用だからなあ。試すのは結構危険な気が……」
「何か安全な場所に目標物を立ててそれを狙えば大丈夫だよ。例えばさ」
シモンさんが再び自分の魔法アンテナで練成をかける。台のついた丸太が研究室の端付近に練成された。
「あれを狙えば大丈夫だよ。あの近辺は他に燃える物も無いしね」
「じゃあ試してみる。使い方はあの魔法杖と同じだよね」
ミド・リーがそう言いながら電撃魔法専用の魔法杖を構える。
ドーン! バリバリバリ!丸太が真っ二つに裂けた。一部が黒くなって煙をプスプスとふいている。
「何かいつもと違う感触だけど簡単だね。でもこれ本当に電気魔法なのかな」
「間違いない。今鑑定魔法で電気魔法と出た」
現在俺は鑑定魔法を常時発動中だ。本来は鏡製作の為なのだが今の魔法の鑑定もついでに出る。間違いなく電気魔法、それも攻撃型の電撃魔法だ。
「私も試したい」
「なら目標を作り直すよ」
そんな感じでフールイ先輩、それにナカさん、アキナ先輩も試した。
全員見事に電撃成功。この距離なら誰でもかなりの威力の電撃魔法を使えるようだ。
「これは……ちょっと危険過ぎます。でもきっと軍、特に海軍は喉から手が出る位ほしがると思いますわ」
「どうしてですか」
特に海軍というところが気になったので聞いてみる。
「海戦で使う魔法で一番効果が高いのが電撃魔法なのです。海水で濡れた船には電撃がよく効きますから。中型船くらいまでなら一撃で乗員の過半数を無力化する事も可能です。威力は風魔法や熱魔法の比ではありませんわ。
ただ電気魔法系統の攻撃魔法を使える者は非常に少ないので、普通は風魔法や炎魔法、氷魔法で戦闘をするのです。それがこんな、誰でも電撃魔法を使える杖なんであったら……それこそ海戦が変わってしまいますわ。
個人的にはこれは一切表に出さない方がいいと思います。真に必要になる時まで、こっそり隠しておくべきです」
なるほど。電気の性質を知らなくても、海水で濡れた場所は電撃魔法が通るという知識はある訳か。その知識がどうやって得られたかはちょっと考えたくはないけれど。
でも確かにこれを海戦に使うと無敵だよな。誰が使っても電撃魔法を使える訳だから。
「ところでこの魔法杖は何の目的で作られたのですか?」
アキナ先輩、警戒気味だな。
「本来は、誰でもどんな魔法でも使える魔法杖。その研究の第一歩として作ってみたんです。電撃魔法になったのは鹿魔獣の魔石があるから実験しやすかったからで、それ以上の意味は特にありません。あとはこの応用で治療魔法や風魔法、熱魔法、工作系魔法の魔法杖を作って、最後にそれを統合した装置を作るのが目的です」
「そうでしたか」
アキナ先輩はほっとしたという表情を見せる。
「船乗り、特に外洋船の船乗りにとっては電撃魔法というのは恐怖の対象なのです。ですから今回に関しては、絶対に他に話が漏れないようにした方がいいですわ。これがあるだけで余計な事を考える者も出るでしょう。下手をしたらミタキ君とシモンさんの身柄が危険になる可能性すらありますから」
なるほど、そんなに危険な物だったのか。俺は全然気づかなかったな。
「ならこの杖は仕舞っておこうか」
「そうだね。この後の試作は他の魔法でやるという事で」
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