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第19章 近づく暗雲
第155話 本日は休憩予定
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朝起きる。足というか全身がだるくて痛い。
何とか回復魔法で歩ける程度に回復した。けれどやはり動くのがきつい。
今日は本当なら魔獣狩りに行くつもりだった。でもこの状態の俺には無理だ。
すり足で歩いて部屋を出て洗面所へ。
こういう時に研究室とかヨーコ先輩の家の別荘のように広い浴槽があるといいのだけれど。身体を伸ばしてゆっくりお湯の中でマッサージできるから。
この世界の浴槽は体育座りで何とか身体が浸かる程度の小さいものが普通。日常魔法でお湯を調達する以上大きい物に出来ないから仕方ない。でもこういう状態の時は入りたい代物では無い訳で。
洗面しながら今日はどうしようかなと考える。動くのが大変だしタカス君に本を借りて読んでいようかな。あとでこっそり頼んでおこう。
リビングにはもう皆さんが色々やっていた。ヨーコ先輩やシンハ君を始め狩りの準備をしている人が多い。やっぱり魔獣狩りは決行かな。
「おはよー」
「おはよー」
「おはようございます」
「おはよ。ミタキ、今日は動けなさそうね」
ミド・リーにずばり言われてしまった。
「ちょっと無理かな今日は」
「今日はそんなに数狙うつもりもないしね。ミタキ君は休んでいていいよ」
「そうそう。目標は猪魔獣2匹だしさ」
「そうですね。私も今日はお休みする予定です」
アキナ先輩もか。確かに俺と同じように昨日筋肉痛が始まっていたな。
「強化魔法に頼り過ぎるとそうなります。2人とも今日はおとなしくしていて下さい。そうすれば夕方には大分楽になると思いますわ」
「ミタキは多少筋肉がついていいんじゃないの。これを何回か繰り返せば筋繊維が太くなるみたいだから」
そうなのか。知らなかったけれどまあいい。そんなマゾな鍛え方はするつもりはないから。
「フルエさんを起こしてきましょうか。そろそろ朝ご飯の時間でしょう」
そう言えば彼女だけ姿が見えない。仕方ないなという表情でタカス君が歩いて行く。
一方で。
「そろそろ運びましょうか」
これはナカさんだ。
「お願い」
今日の朝食はフールイ先輩だな。キッチンに行こうとしたが上手く歩けない。
「今日は無理しない。どうせ明後日は肉祭りで色々作って貰うから」
そう言えばそうだ。猪魔獣《オツコト》を狩るなら当然だろう。
そんな訳で俺とアキナ先輩はちょっとバツの悪い顔で皆が運んでくるのを待つ。
「朝から酷いのだ。伝達魔法で激しい歌を歌われて頭に響くのだ」
フルエさんがふらふらという感じで起きてきた。
「そうしないとフルエは起きない」
その後ろから来たタカス君は何でも無いことのように言う。
なかなか凶悪な起こし方をした模様だ。それともそうでもしないと本当に起きないのだろうか。
さて、今日は今日でちょっと珍しい朝食だ。
各種野菜やゆで肉、卵焼き等が細切りになって並んでいる。そして以前も作って貰ったチャパティー風の薄焼きパンが更に重ねてある。更にドレッシングやソースが4種類ほど並んでいる感じだ。
他にスープがある程度。
「食べ方は簡単。パンの上に好きな具をのせて巻いて、好きなソースをつけて食べる。以上」
そんな訳で朝食開始。
チャパティー風のパンににキュウリとトマト、チーズと蒸し鶏をのせ、パリパリいわせながら巻いてドレッシングにつけてから食べる。
うん、なかなか美味しい。味は全然違うけれど手巻き寿司とかと似たような感覚だ。
そう言えば以前手巻きサンドイッチパーティみたいな事をしたこともあるな。あれにも似ているがこのパンがなかなか独特だ。薄くて軽くてパンよりこっちの方が色々のせて食べるのに適している。
食べながら俺はある事を思い出す。そうだ。今のうちにこっそり頼んでおこう。俺は伝達魔法でタカス君に頼み込む。
『食事中すまないタカス君。ミタキだけれど本日暇だから本を貸してくれないか』
『了解。後で俺の部屋のベッド脇棚の上に置いておく。自由に取ってくれ』
『ありがとう』
これで時間つぶしが出来たぞ。
◇◇◇
そんな訳で皆が出かけた後。
「ちょっと部屋で休んでいます」
アキナ先輩に声を掛ける。
「私もそうしますわ。ちょっとこれでは何も出来ませんから」
そうやってアキナ先輩がリビングから個室へと去った後。俺は音をたてないようタカス君の部屋へ。音をたてないようドアを開け、忍び足で侵入する。
見るとベッド脇の棚の上にごそっと本が置いてあった。この世界の漫画単行本は大きさだいたいB5くらい。糸で中心だけ綴じてあるタイプが主で厚さは薄い。
薄い本と言ったら前世では違う意味になるよな。取りあえずどんな本があるのだろう。ベッドの上にちょっと並べて見てみる。
おっとこれは! 昨日話題になった『ユリナちゃんは妄想症』が入っていた。しかも1巻から5巻まである。
ちょっと迷ったが結局手に取った。それ以外も含め10冊くらい痛まないよう両手で持って借りていく。
自分の部屋に戻り、本をベッド横の棚の上に置く。あと念の為万能魔法杖をベッド横に置いておく。これで万が一何かあっても色々魔法を使える筈だ。
ついでだから皆が帰ってくるのがわかるように魔法をかけておこう。気配察知、対象俺から半径20腕、実行! これで半径20腕に誰か来たらわかるぞ。
よしそれでは読書タイムだ。よいしょとベッドに転がる。
この辺の動作一つ一つがゆっくりでないと出来ないのが面倒だ。でも夕方にはなおるだろうとみど・リーが言っていた。それまでの辛抱だろう、きっと。
何とか回復魔法で歩ける程度に回復した。けれどやはり動くのがきつい。
今日は本当なら魔獣狩りに行くつもりだった。でもこの状態の俺には無理だ。
すり足で歩いて部屋を出て洗面所へ。
こういう時に研究室とかヨーコ先輩の家の別荘のように広い浴槽があるといいのだけれど。身体を伸ばしてゆっくりお湯の中でマッサージできるから。
この世界の浴槽は体育座りで何とか身体が浸かる程度の小さいものが普通。日常魔法でお湯を調達する以上大きい物に出来ないから仕方ない。でもこういう状態の時は入りたい代物では無い訳で。
洗面しながら今日はどうしようかなと考える。動くのが大変だしタカス君に本を借りて読んでいようかな。あとでこっそり頼んでおこう。
リビングにはもう皆さんが色々やっていた。ヨーコ先輩やシンハ君を始め狩りの準備をしている人が多い。やっぱり魔獣狩りは決行かな。
「おはよー」
「おはよー」
「おはようございます」
「おはよ。ミタキ、今日は動けなさそうね」
ミド・リーにずばり言われてしまった。
「ちょっと無理かな今日は」
「今日はそんなに数狙うつもりもないしね。ミタキ君は休んでいていいよ」
「そうそう。目標は猪魔獣2匹だしさ」
「そうですね。私も今日はお休みする予定です」
アキナ先輩もか。確かに俺と同じように昨日筋肉痛が始まっていたな。
「強化魔法に頼り過ぎるとそうなります。2人とも今日はおとなしくしていて下さい。そうすれば夕方には大分楽になると思いますわ」
「ミタキは多少筋肉がついていいんじゃないの。これを何回か繰り返せば筋繊維が太くなるみたいだから」
そうなのか。知らなかったけれどまあいい。そんなマゾな鍛え方はするつもりはないから。
「フルエさんを起こしてきましょうか。そろそろ朝ご飯の時間でしょう」
そう言えば彼女だけ姿が見えない。仕方ないなという表情でタカス君が歩いて行く。
一方で。
「そろそろ運びましょうか」
これはナカさんだ。
「お願い」
今日の朝食はフールイ先輩だな。キッチンに行こうとしたが上手く歩けない。
「今日は無理しない。どうせ明後日は肉祭りで色々作って貰うから」
そう言えばそうだ。猪魔獣《オツコト》を狩るなら当然だろう。
そんな訳で俺とアキナ先輩はちょっとバツの悪い顔で皆が運んでくるのを待つ。
「朝から酷いのだ。伝達魔法で激しい歌を歌われて頭に響くのだ」
フルエさんがふらふらという感じで起きてきた。
「そうしないとフルエは起きない」
その後ろから来たタカス君は何でも無いことのように言う。
なかなか凶悪な起こし方をした模様だ。それともそうでもしないと本当に起きないのだろうか。
さて、今日は今日でちょっと珍しい朝食だ。
各種野菜やゆで肉、卵焼き等が細切りになって並んでいる。そして以前も作って貰ったチャパティー風の薄焼きパンが更に重ねてある。更にドレッシングやソースが4種類ほど並んでいる感じだ。
他にスープがある程度。
「食べ方は簡単。パンの上に好きな具をのせて巻いて、好きなソースをつけて食べる。以上」
そんな訳で朝食開始。
チャパティー風のパンににキュウリとトマト、チーズと蒸し鶏をのせ、パリパリいわせながら巻いてドレッシングにつけてから食べる。
うん、なかなか美味しい。味は全然違うけれど手巻き寿司とかと似たような感覚だ。
そう言えば以前手巻きサンドイッチパーティみたいな事をしたこともあるな。あれにも似ているがこのパンがなかなか独特だ。薄くて軽くてパンよりこっちの方が色々のせて食べるのに適している。
食べながら俺はある事を思い出す。そうだ。今のうちにこっそり頼んでおこう。俺は伝達魔法でタカス君に頼み込む。
『食事中すまないタカス君。ミタキだけれど本日暇だから本を貸してくれないか』
『了解。後で俺の部屋のベッド脇棚の上に置いておく。自由に取ってくれ』
『ありがとう』
これで時間つぶしが出来たぞ。
◇◇◇
そんな訳で皆が出かけた後。
「ちょっと部屋で休んでいます」
アキナ先輩に声を掛ける。
「私もそうしますわ。ちょっとこれでは何も出来ませんから」
そうやってアキナ先輩がリビングから個室へと去った後。俺は音をたてないようタカス君の部屋へ。音をたてないようドアを開け、忍び足で侵入する。
見るとベッド脇の棚の上にごそっと本が置いてあった。この世界の漫画単行本は大きさだいたいB5くらい。糸で中心だけ綴じてあるタイプが主で厚さは薄い。
薄い本と言ったら前世では違う意味になるよな。取りあえずどんな本があるのだろう。ベッドの上にちょっと並べて見てみる。
おっとこれは! 昨日話題になった『ユリナちゃんは妄想症』が入っていた。しかも1巻から5巻まである。
ちょっと迷ったが結局手に取った。それ以外も含め10冊くらい痛まないよう両手で持って借りていく。
自分の部屋に戻り、本をベッド横の棚の上に置く。あと念の為万能魔法杖をベッド横に置いておく。これで万が一何かあっても色々魔法を使える筈だ。
ついでだから皆が帰ってくるのがわかるように魔法をかけておこう。気配察知、対象俺から半径20腕、実行! これで半径20腕に誰か来たらわかるぞ。
よしそれでは読書タイムだ。よいしょとベッドに転がる。
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