133 / 202
第26章 私が楽しい理由~夏の旅行・前編
132 夜のお散歩
しおりを挟む
俺達がテーブルについておよそ1時間半後。
全員、何とかホテルにたどり着くことが出来た。
何とか、というのは例によって食べすぎて動きにくくなった輩が出たせいである。
まあジェニーとソフィーはいつもの事。
しかし今回は、何故か風遊美さんまでかなりやばい状態だ。
本人は大変にご機嫌麗しいのだけれど、食べ過ぎで動けないのである。
それでもタクシーのおかげで、無事ホテルへと到着した。。
なお70貫以上食べた筈の詩織ちゃんは、相変わらずぴんしゃんしている。
何処に入ったのか食べたふりして異空間に放り込んでいるのか、謎だ。
いずれにせよ、風遊美さんがこうなるのは珍しい。
香緒里ちゃんに頼んで、風遊美さんに部屋まで付き添ってもらって様子を見た。
でも特に心配は無く、本当に単に食べすぎただけらしい。
「一応お茶とスポーツドリンクも置いてきたし、本人もちょっとハイですけれど意識はちゃんとあるので、大丈夫だと思います」
との事だ。
なので俺も自分の部屋に入り、寝ることにする。
電気を消して、おやすみなさい……
◇◇◇
と、いきなり辺りが眩しくなった。
目を開けると消した筈の照明がついている。
その犯人は眼の前にいた。
「修先輩、目がさめたので買い出しに行くですよ」
勿論犯人は詩織ちゃんだ。
俺は眠い目でベッド付属の時計を見る。
まだ午後10時。
「もう店閉まっているだろ。夜中だし」
「コンビニなら開いているのですよ。実はちょっとお腹が減ってきたのです」
それはあまりに燃費が悪すぎないか。
あと胃腸が強靭すぎるだろ。
「賛同者も1人いるのです。なので私は幹事に買い出しの同行を要求するのです」
何なんだ、もう。
仕方ないので出かける準備をしよう。
「じゃあ着替えるからちょっと待ってくれ。この部屋の外で5分後」
「了解であります」
すっと詩織ちゃんの姿が消える。
全くもう。
賛同者って誰だよ。
どうせジェニー辺りだろうと思って、考え直す。
ジェニーは食べ過ぎで動けない筈だし、買い物くらい1人で行くよな。
とすると誰なんだろう。
そう思いながら着替えて財布とカードキーを確認し、部屋を出る。
俺の部屋のドアの開閉音で気づいたのだろう、隣の部屋のドアが開く。
出てきたのは詩織ちゃんと、風遊美さんだった。
「風遊美さん、もう大丈夫なんですか」
「大丈夫です。何かちょっと眠れなくて、ちょっとお散歩したい気分です」
今に限らず、今回の旅行中の風遊美さんは、何かいつもと違う。
悪い感じはないのでいいけれど。
「という訳で行くですよ」
はいはい。
俺達3人は夜の買い出しに出かける。
確か左へ少し歩いて角曲がれば、全国区の青色のコンビニがあった筈だ。
◇◇◇
「風遊美さんは遠慮なく買って下さい。詩織ちゃんは少し自重しろ」
「ぶーぶー、差別ですヘイトです謝罪を要求するのです」
「これは差別ではなく区別。既に人の3倍以上食べているだろ」
そんな感じでコンビニで買い物をしていく。
詩織ちゃんがカゴに入れるのは、唐揚げとかお好み焼きとか、がっつり惣菜系。
風遊美さんが遠慮しながら入れてきたのは、ヨーグルトとバナナクリームケーキとチョコレート菓子。
ちなみにこの辺りの費用、皆の旅行費で出すのは申し訳ないので俺の自費だ。
まあ学校にいてもお金が貯まるだけなので、ここで少し位使ってもかまわない。
その辺は2人には言わないけれど。
何か上機嫌で見ているこっちも楽しい位なので。
確かに2人共、コンビニで買い食いという経験も無いんだろうしな。
俺が3人分のドリンクとしてお茶の2Lペットボトルを取ろうとしたところで、詩織ちゃんに止められる。
「わかっていないですね。こういう時はジャンクにコーラが定番なのです」
何だよその定番。
「いいですね。でも少しカロリー気になるのでダイエットコークで」
風遊美さんも変なノリになっている。
まあいいか。
俺はダイエットコーラのでかいペットボトルをカゴに入れる。
すると。
「コーラと言えばポテチも定番なのですよ」
「いいですね、それ」
ポテチの袋が追加された。
いい加減に止まりそうもないので、俺はこの時点でレジに向かう。
もう十分買っているだろうし。
レジにカゴを乗せる。
「あと唐揚げくん、チーズとホット」
おい詩織。流石にやりすぎだろう。
店員さんが素直に復唱してしまったので、しょうがないから買うけれど。
袋2つみっしりになった戦利品を下げ、ホテルへ帰る。
当然、宴会モードになる。
会場は俺の部屋。
ここが全員の部屋の中央なので、多少騒いでも関係ないお客さんにかかる迷惑が少しは減るかなと思ってだ。
テーブルをベッド脇に運んで、椅子とベッドでとりあえず宴席を作る。
そして広げる戦利品。
当然テーブルに乗り切れず、ベッドの上にも広げられる。
一応テーブルから借りたカバーを広げて寝具にシミが出来ないように配慮はした。
あとは……まあ、成り行きだ。
「それでは、とりあえず乾杯!」
部屋備え付けの紙コップで、コーラで乾杯。
詩織ちゃんは早速お好み焼きを食べ始める。
「詩織ちゃん本当に胃袋大丈夫か」
「お好み焼きは植物性なので健康食品なのです」
そういう問題じゃない。
「まあ私もまた買ってしまいましたしね。お寿司でも頼みすぎて迷惑かけたのに」
「迷惑では無いですよ。一つのお皿を分け合うのは複数でくれば当然ですしね」
でも、いつも控えめで、マンションで食べる時でさえ食べ過ぎるなんて事はない風遊美さんが、自分で食べ切れない量を注文してしまうというのは意外だ。
本当に今回の旅行中の風遊美さんは、ちょっといつもと違う。
何というか、微妙に詩織化しているというか。
まあ今までの風遊美さんから考えると、決して悪い事じゃないと思うのだけれど。
全員、何とかホテルにたどり着くことが出来た。
何とか、というのは例によって食べすぎて動きにくくなった輩が出たせいである。
まあジェニーとソフィーはいつもの事。
しかし今回は、何故か風遊美さんまでかなりやばい状態だ。
本人は大変にご機嫌麗しいのだけれど、食べ過ぎで動けないのである。
それでもタクシーのおかげで、無事ホテルへと到着した。。
なお70貫以上食べた筈の詩織ちゃんは、相変わらずぴんしゃんしている。
何処に入ったのか食べたふりして異空間に放り込んでいるのか、謎だ。
いずれにせよ、風遊美さんがこうなるのは珍しい。
香緒里ちゃんに頼んで、風遊美さんに部屋まで付き添ってもらって様子を見た。
でも特に心配は無く、本当に単に食べすぎただけらしい。
「一応お茶とスポーツドリンクも置いてきたし、本人もちょっとハイですけれど意識はちゃんとあるので、大丈夫だと思います」
との事だ。
なので俺も自分の部屋に入り、寝ることにする。
電気を消して、おやすみなさい……
◇◇◇
と、いきなり辺りが眩しくなった。
目を開けると消した筈の照明がついている。
その犯人は眼の前にいた。
「修先輩、目がさめたので買い出しに行くですよ」
勿論犯人は詩織ちゃんだ。
俺は眠い目でベッド付属の時計を見る。
まだ午後10時。
「もう店閉まっているだろ。夜中だし」
「コンビニなら開いているのですよ。実はちょっとお腹が減ってきたのです」
それはあまりに燃費が悪すぎないか。
あと胃腸が強靭すぎるだろ。
「賛同者も1人いるのです。なので私は幹事に買い出しの同行を要求するのです」
何なんだ、もう。
仕方ないので出かける準備をしよう。
「じゃあ着替えるからちょっと待ってくれ。この部屋の外で5分後」
「了解であります」
すっと詩織ちゃんの姿が消える。
全くもう。
賛同者って誰だよ。
どうせジェニー辺りだろうと思って、考え直す。
ジェニーは食べ過ぎで動けない筈だし、買い物くらい1人で行くよな。
とすると誰なんだろう。
そう思いながら着替えて財布とカードキーを確認し、部屋を出る。
俺の部屋のドアの開閉音で気づいたのだろう、隣の部屋のドアが開く。
出てきたのは詩織ちゃんと、風遊美さんだった。
「風遊美さん、もう大丈夫なんですか」
「大丈夫です。何かちょっと眠れなくて、ちょっとお散歩したい気分です」
今に限らず、今回の旅行中の風遊美さんは、何かいつもと違う。
悪い感じはないのでいいけれど。
「という訳で行くですよ」
はいはい。
俺達3人は夜の買い出しに出かける。
確か左へ少し歩いて角曲がれば、全国区の青色のコンビニがあった筈だ。
◇◇◇
「風遊美さんは遠慮なく買って下さい。詩織ちゃんは少し自重しろ」
「ぶーぶー、差別ですヘイトです謝罪を要求するのです」
「これは差別ではなく区別。既に人の3倍以上食べているだろ」
そんな感じでコンビニで買い物をしていく。
詩織ちゃんがカゴに入れるのは、唐揚げとかお好み焼きとか、がっつり惣菜系。
風遊美さんが遠慮しながら入れてきたのは、ヨーグルトとバナナクリームケーキとチョコレート菓子。
ちなみにこの辺りの費用、皆の旅行費で出すのは申し訳ないので俺の自費だ。
まあ学校にいてもお金が貯まるだけなので、ここで少し位使ってもかまわない。
その辺は2人には言わないけれど。
何か上機嫌で見ているこっちも楽しい位なので。
確かに2人共、コンビニで買い食いという経験も無いんだろうしな。
俺が3人分のドリンクとしてお茶の2Lペットボトルを取ろうとしたところで、詩織ちゃんに止められる。
「わかっていないですね。こういう時はジャンクにコーラが定番なのです」
何だよその定番。
「いいですね。でも少しカロリー気になるのでダイエットコークで」
風遊美さんも変なノリになっている。
まあいいか。
俺はダイエットコーラのでかいペットボトルをカゴに入れる。
すると。
「コーラと言えばポテチも定番なのですよ」
「いいですね、それ」
ポテチの袋が追加された。
いい加減に止まりそうもないので、俺はこの時点でレジに向かう。
もう十分買っているだろうし。
レジにカゴを乗せる。
「あと唐揚げくん、チーズとホット」
おい詩織。流石にやりすぎだろう。
店員さんが素直に復唱してしまったので、しょうがないから買うけれど。
袋2つみっしりになった戦利品を下げ、ホテルへ帰る。
当然、宴会モードになる。
会場は俺の部屋。
ここが全員の部屋の中央なので、多少騒いでも関係ないお客さんにかかる迷惑が少しは減るかなと思ってだ。
テーブルをベッド脇に運んで、椅子とベッドでとりあえず宴席を作る。
そして広げる戦利品。
当然テーブルに乗り切れず、ベッドの上にも広げられる。
一応テーブルから借りたカバーを広げて寝具にシミが出来ないように配慮はした。
あとは……まあ、成り行きだ。
「それでは、とりあえず乾杯!」
部屋備え付けの紙コップで、コーラで乾杯。
詩織ちゃんは早速お好み焼きを食べ始める。
「詩織ちゃん本当に胃袋大丈夫か」
「お好み焼きは植物性なので健康食品なのです」
そういう問題じゃない。
「まあ私もまた買ってしまいましたしね。お寿司でも頼みすぎて迷惑かけたのに」
「迷惑では無いですよ。一つのお皿を分け合うのは複数でくれば当然ですしね」
でも、いつも控えめで、マンションで食べる時でさえ食べ過ぎるなんて事はない風遊美さんが、自分で食べ切れない量を注文してしまうというのは意外だ。
本当に今回の旅行中の風遊美さんは、ちょっといつもと違う。
何というか、微妙に詩織化しているというか。
まあ今までの風遊美さんから考えると、決して悪い事じゃないと思うのだけれど。
50
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜
美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊
ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め…
※カクヨム様にも投稿しています
※イラストはAIイラストを使用しています
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
才能は流星魔法
神無月 紅
ファンタジー
東北の田舎に住んでいる遠藤井尾は、事故によって気が付けばどこまでも広がる空間の中にいた。
そこには巨大な水晶があり、その水晶に触れると井尾の持つ流星魔法の才能が目覚めることになる。
流星魔法の才能が目覚めると、井尾は即座に異世界に転移させられてしまう。
ただし、そこは街中ではなく誰も人のいない山の中。
井尾はそこで生き延びるべく奮闘する。
山から降りるため、まずはゴブリンから逃げ回りながら人の住む街や道を探すべく頂上付近まで到達したとき、そこで見たのは地上を移動するゴブリンの軍勢。
井尾はそんなゴブリンの軍勢に向かって流星魔法を使うのだった。
二日に一度、18時に更新します。
カクヨムにも同時投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる