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第33章 詩織ちゃんの新魔法と裏切りの黒魔女
171 珍しく静かな午前中?
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本日は5月2日土曜日。
ゴールデン・ウィーク後半戦は怒涛の5連休。
天気がいいので、学生会の連中は釣りに行っている。
ロビーが魚探を作ったそうで、ジェニーも今日は留守番組だ。
1年2人と2年3人、そしてルイスとソフィーが飛行漁船で出ているそうだ。
詩織ちゃんは何か用事があるらしく、別行動との事。
香緒里ちゃんと前述のとおりジェニーが留守番で、風遊美さんを含む卒業組は東京へお買い物にお出かけ中。
風遊美さん単独でも例の杖があれば、4人位は余裕で東京へ往復出来るそうだ。
いいのかなと思うが、まああの連中相手に戦えるようなトンデモ連中がいるとは思えないので、大丈夫だろう。
だから今日はとっても、
「静かですね」
と香緒里ちゃんが言うような状態になっている。
ジェニーは何やらお絵かきをしていて部屋から出てこないので、リビングにいるのは俺と香緒里ちゃんだけだ。
「この部屋に引っ越して以来最高の静けさだよな、確かに」
俺もパソコン画面から目を外す。
この部屋も最近、だいぶ様変わりした。
客間が完全に和室になったり、リビングも軽量畳敷仕様になったりと、まあ色々だ。
カーテンだった窓も障子になっているし。
家具もかなり改修した。
応接セットはバネ工場へと移動し、メインはダイニングテーブルを改造した折りたたみ式の座卓になった。
卓球台として活躍しているテーブルも、当然座卓仕様に変更したり折り畳んだりが可能だ。
結果、収容可能人員が大幅に増えた。
由香里姉の代から、日吉美雨ちゃんや綱島沙知ちゃんまで、総計16人。
この人数でもその気になれば就寝可能な状態だ。
現に金曜の夜はリビングの家具を全部俺の部屋に運び込み、大広間状態にして夜通し宴会モードになっていたりするし。
このまま放っておけば温泉旅館ではなく簡易宿泊所になるのではないかと、俺は密かに不安だったりする。
実は工場移転の時と同様、香緒里ちゃんと2人で住民増に対する策を考えてはいる。
でもその案で全てうまくいくという保証はない。結構出たとこ任せの面もあるし。
でもまあその対策の実施はまだまだ先、早くても今年の冬以降になる予定だ。
「会計処理は今月分まで終わり。税金支払を考えても悲しいくらいに黒字だな」
「ですよね」
俺と香緒里ちゃんがやっているのは、バネ工場の会計だの在庫だの注文だの処理。
今では俺も複製魔法を使えるので、香緒里ちゃん制作のバネを複写する形で同じようにバネを作れる。
それに働き手も増えたので、月に2日程度フル操業すればノルマはこなせる状態だ。
まあ働き手というのは勿論、この部屋にたむろしている学生会関係者の事なのだが。
「今年の旅行はもう取ったんだよな。相当豪勢にしても大丈夫そうだけど」
「今回はお盆明けからなので、予約もそれほど難しく無かったです。ただこの人数ですと、全員入ってかつ集まれる部屋も取れる宿を探すのが大変ですね。下手な団体並の人数ですから」
そう、俺もかなり苦労して探した覚えがある。
古い旅館だと畳部屋が多くて融通がきくのだが、都会だとホテルで洋室タイプが多いので、人数集まれる部屋の確保が難しいのだ。
「今はこの部屋もこんな環境になったしさ、全員が常に集まれるというのはあまり意識しなくてもいいかもしれないな。人数多すぎるから自由行動もグループ毎だし」
「そうですね。それにあと1人空間魔法の使い手が入れば、電車やバスの手配すらいらなくなるかもしれないですね」
確かに。
まあ詩織ちゃんなら、『駅弁を食べるためにだけでも電車には乗る価値があるのですよ!』と言うかもしれないけれど。
「そんな人間が増えたら飛行機も鉄道も破産だよな。まあ風遊美さんや詩織ちゃんみたいな空間操作魔法の使い手はかなり少ないから、そういう心配も無いだろうけれど」
そう俺が言った時だ。
「呼ばれて飛び出でじゃじゃじゃじゃーん、なの、です……」
詩織ちゃんが玄関口に姿を見せた。
扉を開けた気配は無いから、怪しい空間経由で直帰したのだろう。
ただ、ちょっと声に元気がない。何だろう。
詩織ちゃんは入ってきて、そのまま俺達の横を通り過ぎ客間方面に向かう。
「疲れたのです。筋肉疲労の為、露天風呂プリーズなのです」
俺達が始めて見るような疲れた感じで、ずるずると客間に消える。
「どうしたんだろう。あんなに疲れた様子は初めて見るけれど」
「私もです。ちょっと様子を見てきましょうか」
確かに俺も心配だ。
「お願いしていいか」
「ええ」
香緒里ちゃんは一度自分の部屋に戻り、浴衣とタオルを持って客間に消える。
風呂に入りながら様子を見るつもりらしい。
同行するのはちょっと憚られるので、俺は一人だだっ広いリビングに残される。
会社関係の作業は終わったので、やることはない。
しょうが無いのでネット閲覧をやっていると、スマホがメッセージ着信を告げた。
見るとSNSに、世田谷からメッセージが入っている。
相談があるから、これから行ってもいいか、という内容だ。
研究室の連中は俺がこのマンションに住んでいること、薊野姉妹やジェニーと同居していて学生会のたまり場になっている事を知っている。
なので来ても問題ないだろう。
一応香緒里ちゃんと詩織ちゃんにも聞いてみよう。
俺の部屋に入って窓を開ける。
「これからここに研究室の同僚が来たいと言っているけれど、呼んでいいか」
「大丈夫です」
「大丈夫なのですよ」
2人から返事が返ってくる。
あと詩織ちゃんの返事、大分いつもと近い状態になっている。よしよし。
俺はSNSで世田谷に返事をして、一応台所でお湯を沸かしておく。
何にも無いけど。紅茶くらいは飲むだろう。
菓子は、代わりに適当なのをプリン貯蔵庫から出せばいいか。
考えてみれば、この部屋に学生会関係者以外が来るのは始めてかな。
そんな事を思いながら、適当に準備をすすめる。
ゴールデン・ウィーク後半戦は怒涛の5連休。
天気がいいので、学生会の連中は釣りに行っている。
ロビーが魚探を作ったそうで、ジェニーも今日は留守番組だ。
1年2人と2年3人、そしてルイスとソフィーが飛行漁船で出ているそうだ。
詩織ちゃんは何か用事があるらしく、別行動との事。
香緒里ちゃんと前述のとおりジェニーが留守番で、風遊美さんを含む卒業組は東京へお買い物にお出かけ中。
風遊美さん単独でも例の杖があれば、4人位は余裕で東京へ往復出来るそうだ。
いいのかなと思うが、まああの連中相手に戦えるようなトンデモ連中がいるとは思えないので、大丈夫だろう。
だから今日はとっても、
「静かですね」
と香緒里ちゃんが言うような状態になっている。
ジェニーは何やらお絵かきをしていて部屋から出てこないので、リビングにいるのは俺と香緒里ちゃんだけだ。
「この部屋に引っ越して以来最高の静けさだよな、確かに」
俺もパソコン画面から目を外す。
この部屋も最近、だいぶ様変わりした。
客間が完全に和室になったり、リビングも軽量畳敷仕様になったりと、まあ色々だ。
カーテンだった窓も障子になっているし。
家具もかなり改修した。
応接セットはバネ工場へと移動し、メインはダイニングテーブルを改造した折りたたみ式の座卓になった。
卓球台として活躍しているテーブルも、当然座卓仕様に変更したり折り畳んだりが可能だ。
結果、収容可能人員が大幅に増えた。
由香里姉の代から、日吉美雨ちゃんや綱島沙知ちゃんまで、総計16人。
この人数でもその気になれば就寝可能な状態だ。
現に金曜の夜はリビングの家具を全部俺の部屋に運び込み、大広間状態にして夜通し宴会モードになっていたりするし。
このまま放っておけば温泉旅館ではなく簡易宿泊所になるのではないかと、俺は密かに不安だったりする。
実は工場移転の時と同様、香緒里ちゃんと2人で住民増に対する策を考えてはいる。
でもその案で全てうまくいくという保証はない。結構出たとこ任せの面もあるし。
でもまあその対策の実施はまだまだ先、早くても今年の冬以降になる予定だ。
「会計処理は今月分まで終わり。税金支払を考えても悲しいくらいに黒字だな」
「ですよね」
俺と香緒里ちゃんがやっているのは、バネ工場の会計だの在庫だの注文だの処理。
今では俺も複製魔法を使えるので、香緒里ちゃん制作のバネを複写する形で同じようにバネを作れる。
それに働き手も増えたので、月に2日程度フル操業すればノルマはこなせる状態だ。
まあ働き手というのは勿論、この部屋にたむろしている学生会関係者の事なのだが。
「今年の旅行はもう取ったんだよな。相当豪勢にしても大丈夫そうだけど」
「今回はお盆明けからなので、予約もそれほど難しく無かったです。ただこの人数ですと、全員入ってかつ集まれる部屋も取れる宿を探すのが大変ですね。下手な団体並の人数ですから」
そう、俺もかなり苦労して探した覚えがある。
古い旅館だと畳部屋が多くて融通がきくのだが、都会だとホテルで洋室タイプが多いので、人数集まれる部屋の確保が難しいのだ。
「今はこの部屋もこんな環境になったしさ、全員が常に集まれるというのはあまり意識しなくてもいいかもしれないな。人数多すぎるから自由行動もグループ毎だし」
「そうですね。それにあと1人空間魔法の使い手が入れば、電車やバスの手配すらいらなくなるかもしれないですね」
確かに。
まあ詩織ちゃんなら、『駅弁を食べるためにだけでも電車には乗る価値があるのですよ!』と言うかもしれないけれど。
「そんな人間が増えたら飛行機も鉄道も破産だよな。まあ風遊美さんや詩織ちゃんみたいな空間操作魔法の使い手はかなり少ないから、そういう心配も無いだろうけれど」
そう俺が言った時だ。
「呼ばれて飛び出でじゃじゃじゃじゃーん、なの、です……」
詩織ちゃんが玄関口に姿を見せた。
扉を開けた気配は無いから、怪しい空間経由で直帰したのだろう。
ただ、ちょっと声に元気がない。何だろう。
詩織ちゃんは入ってきて、そのまま俺達の横を通り過ぎ客間方面に向かう。
「疲れたのです。筋肉疲労の為、露天風呂プリーズなのです」
俺達が始めて見るような疲れた感じで、ずるずると客間に消える。
「どうしたんだろう。あんなに疲れた様子は初めて見るけれど」
「私もです。ちょっと様子を見てきましょうか」
確かに俺も心配だ。
「お願いしていいか」
「ええ」
香緒里ちゃんは一度自分の部屋に戻り、浴衣とタオルを持って客間に消える。
風呂に入りながら様子を見るつもりらしい。
同行するのはちょっと憚られるので、俺は一人だだっ広いリビングに残される。
会社関係の作業は終わったので、やることはない。
しょうが無いのでネット閲覧をやっていると、スマホがメッセージ着信を告げた。
見るとSNSに、世田谷からメッセージが入っている。
相談があるから、これから行ってもいいか、という内容だ。
研究室の連中は俺がこのマンションに住んでいること、薊野姉妹やジェニーと同居していて学生会のたまり場になっている事を知っている。
なので来ても問題ないだろう。
一応香緒里ちゃんと詩織ちゃんにも聞いてみよう。
俺の部屋に入って窓を開ける。
「これからここに研究室の同僚が来たいと言っているけれど、呼んでいいか」
「大丈夫です」
「大丈夫なのですよ」
2人から返事が返ってくる。
あと詩織ちゃんの返事、大分いつもと近い状態になっている。よしよし。
俺はSNSで世田谷に返事をして、一応台所でお湯を沸かしておく。
何にも無いけど。紅茶くらいは飲むだろう。
菓子は、代わりに適当なのをプリン貯蔵庫から出せばいいか。
考えてみれば、この部屋に学生会関係者以外が来るのは始めてかな。
そんな事を思いながら、適当に準備をすすめる。
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