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第33章 詩織ちゃんの新魔法と裏切りの黒魔女
173 元々俺は雑用担当
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そんな訳で、妹なり釣り組なり、色々待ちながら4人でのんびりとお茶をする。
「ところでさっき気になったんだけれども、お風呂に入っている筈の2人が何故そこの部屋から出てきた訳?」
「見ればわかるですよ」
詩織ちゃんがあっさりとそう言って、立ち上がった。
どれどれとついて行く世田谷さん。
世田谷なら問題ないだろうなと、俺も黙って見送る。
「なにこれー」
声が聞こえた。
すぐに帰ってこないところをみると、色々中を確認しているらしい。
そして5分位した後。
「何なのよあれ」
戻ってきた。
「何なのよと言われても、見た通りです」
俺にはそうとしか答えられない。というか答えたくない。
「よし、急いで妹に、私の着替えも持ってくるよう連絡する」
世田谷、入る気満々のようだ。
そこまで一気に順応するな! そう言いたいが、言える立場にない気がするので黙っている。
「その心配は無いのです。タオルと浴衣と羽織も完備しているのです」
詩織ちゃんがにやっと笑って、そう告げた。
洗い替え用も含めて浴衣等は購入しているので、数人程度分は余裕がある。
世田谷さんは、ふっとため息をついた。
「何かもう、完全に温泉旅館ね。卓球台とかカラオケ装置らしいのも、その路線よね」
「後はソファー型マッサージ機を作れば完璧なのですよ。何なら本土から取り寄せてもいいのです」
「何かあさっての方向に豪華よね、ここ」
そんな話をしていると、インターホンが鳴った。
どうやら世田谷さんの妹が到着したようだ。
「世田谷さんが出た方が安心するだろ。ボタン操作は俺がするから」
俺も立ち上がって、2人でインタホンの処へ。
「あ、エイダ。入口が開いたら右のエレベーターで10階行って。10階でエレベータを降りたら見える場所にいるから」
俺はインターホンを操作して、入口扉を開ける。
「じゃあ出て待っているわ」
基本的には世田谷にお願いして、一応俺も玄関のところで待機。
すぐにエレベーターが動き始め、そして到着してドアが開いた。
どちらかと言うと小柄な世田谷より頭半分背が高い、スラッとした感じの女の子が出てくる。
「ありがとう」
俺が押さえていた玄関の扉を、世田谷が引き継ぐ。
なので俺は再び座卓方面へ。
その間にキッチンで、香緒里ちゃんが新しいお茶を入れている。
詩織ちゃんはいつの間にか姿が見えなくなっていた。
詩織ちゃんがいないまま、4人で挨拶。
「初めまして。世田谷・バートン・エイダと言います。美南の義理の妹で、攻撃魔法科1年です」
との事だ。
エイダさんはジェニーや香緒里ちゃんより背が高く、俺よりは背が低い。
目鼻立ちの、はっきりした顔と浅黒い肌。ウェーブかかりまくりの長い髪。
見た感じでは、黒人系とアジア系のハーフかな。
そう思ったあたりで、詩織ちゃんが帰ってきた。
手に紙袋を下げている。
「折角のお客様なので、美味しいお菓子なのですよ」
きっととんでもない処まで行って買ってきたのだろう。
「今日はリリエンベルグのケーキなのです」
そう言っていかにもケーキという白い箱を取り出した。
香緒里ちゃんがダッシュで、キッチンから小皿とケーキフォークを取ってくる。
「まずはお客様から好きなのを選ぶですよ。ここのケーキ屋は基本的にどれもお薦めなのです」
「1つ聞きたいんだけど、ケーキ屋なんてこの島にないよね」
世田谷さんが俺に尋ねる。
「深く追求しないでくれ。基本的に学生会は常識が間違っている奴が多いんだ」
「買ってきた訳か、本土で」
世田谷、察してくれたようだ。
何度も対戦しているようだから、詩織ちゃんの能力も特異性も充分わかっているのだろう。
「神奈川の新百合ヶ丘のお店なのですよ。癖が無いので万人向きだけど、間違いないお店なのです。特にアレルギーが無いですよね」
エイダちゃんはちょっと考えて、イチゴのタルトを選ぶ。
そして次に箱を回された世田谷が、茶色と白が交互に乗っているケーキを選択。
詩織ちゃんはロールケーキ、香緒里ちゃんはザッハトルテ、俺はチーズケーキだ。
もう1個、一番上がピンク色で層が色々重なったケーキが残っている。
「ジェニーも呼んでくるです」
詩織ちゃんがジェニーの部屋に入り、そして案外簡単にジェニーが出てくる。
製作中は鉄の集中力のジェニーだが、食べ物で釣ると弱いようだ。
「あれ、お客様れしたか」
全く把握していなかったようなので、簡単に状況を説明。
そしてお茶会が6人で再スタートする。
「そう言えばジェニー、ルイス達の方は状況わかるかい」
「少し釣りすぎて、学生会工房で作業をしているようれす。学校中に回すほどは釣れていないので、ある程度捌いて向こうの大きい冷蔵庫に入れたらこっちに向かうようれす。予想到着時間あと40分位れす」
相変わらずジェニーの魔法は便利だ。
「とすると、もう御飯をたき始めた方がいいでしょうか。工房で捌いているなら、こっちへ来てからは早いですよね」
「そうだな。なら米はやっておくから、学生会についての説明宜しく」
俺はチーズケーキ3分の1のところで立ち上がり、キッチンへ。
何せ3升つまり30合の米を研いで炊飯器にセットするには、それなりの腕力が必要だ。
米だけで4.5kg。水を入れたら10kgをこす。
だから炊飯関係は、男性3人か鈴懸台先輩の仕事になっている。
まあいつもは3升フルには炊かないけれど、今日はおかずが美味しそうだしな。
ついでに大鍋を出して、刻んである目盛りのところまで熱湯を入れて、コンロにおいておく。
「汁用の鍋とお湯もセットしたから、到着してからでいいんで頼むな」
どうせ腹を空かせて帰ってくるだろうから、準備だけでもしておいた方がいい。
本格的な料理は夜に回すとしても。
「出来れば冷蔵庫の乾燥海藻を一袋と、だしパック2個を入れておいてなのれす。そうすれば味付けだけで汁になるのれす」
「ほいほい」
「何か長津田、こき使われているわね」
「本来はこの家の雑用担当だからな」
そう言いつつジェニーの命令通り、乾燥海藻とだしパックを鍋に放り込んでおく。
「ところでさっき気になったんだけれども、お風呂に入っている筈の2人が何故そこの部屋から出てきた訳?」
「見ればわかるですよ」
詩織ちゃんがあっさりとそう言って、立ち上がった。
どれどれとついて行く世田谷さん。
世田谷なら問題ないだろうなと、俺も黙って見送る。
「なにこれー」
声が聞こえた。
すぐに帰ってこないところをみると、色々中を確認しているらしい。
そして5分位した後。
「何なのよあれ」
戻ってきた。
「何なのよと言われても、見た通りです」
俺にはそうとしか答えられない。というか答えたくない。
「よし、急いで妹に、私の着替えも持ってくるよう連絡する」
世田谷、入る気満々のようだ。
そこまで一気に順応するな! そう言いたいが、言える立場にない気がするので黙っている。
「その心配は無いのです。タオルと浴衣と羽織も完備しているのです」
詩織ちゃんがにやっと笑って、そう告げた。
洗い替え用も含めて浴衣等は購入しているので、数人程度分は余裕がある。
世田谷さんは、ふっとため息をついた。
「何かもう、完全に温泉旅館ね。卓球台とかカラオケ装置らしいのも、その路線よね」
「後はソファー型マッサージ機を作れば完璧なのですよ。何なら本土から取り寄せてもいいのです」
「何かあさっての方向に豪華よね、ここ」
そんな話をしていると、インターホンが鳴った。
どうやら世田谷さんの妹が到着したようだ。
「世田谷さんが出た方が安心するだろ。ボタン操作は俺がするから」
俺も立ち上がって、2人でインタホンの処へ。
「あ、エイダ。入口が開いたら右のエレベーターで10階行って。10階でエレベータを降りたら見える場所にいるから」
俺はインターホンを操作して、入口扉を開ける。
「じゃあ出て待っているわ」
基本的には世田谷にお願いして、一応俺も玄関のところで待機。
すぐにエレベーターが動き始め、そして到着してドアが開いた。
どちらかと言うと小柄な世田谷より頭半分背が高い、スラッとした感じの女の子が出てくる。
「ありがとう」
俺が押さえていた玄関の扉を、世田谷が引き継ぐ。
なので俺は再び座卓方面へ。
その間にキッチンで、香緒里ちゃんが新しいお茶を入れている。
詩織ちゃんはいつの間にか姿が見えなくなっていた。
詩織ちゃんがいないまま、4人で挨拶。
「初めまして。世田谷・バートン・エイダと言います。美南の義理の妹で、攻撃魔法科1年です」
との事だ。
エイダさんはジェニーや香緒里ちゃんより背が高く、俺よりは背が低い。
目鼻立ちの、はっきりした顔と浅黒い肌。ウェーブかかりまくりの長い髪。
見た感じでは、黒人系とアジア系のハーフかな。
そう思ったあたりで、詩織ちゃんが帰ってきた。
手に紙袋を下げている。
「折角のお客様なので、美味しいお菓子なのですよ」
きっととんでもない処まで行って買ってきたのだろう。
「今日はリリエンベルグのケーキなのです」
そう言っていかにもケーキという白い箱を取り出した。
香緒里ちゃんがダッシュで、キッチンから小皿とケーキフォークを取ってくる。
「まずはお客様から好きなのを選ぶですよ。ここのケーキ屋は基本的にどれもお薦めなのです」
「1つ聞きたいんだけど、ケーキ屋なんてこの島にないよね」
世田谷さんが俺に尋ねる。
「深く追求しないでくれ。基本的に学生会は常識が間違っている奴が多いんだ」
「買ってきた訳か、本土で」
世田谷、察してくれたようだ。
何度も対戦しているようだから、詩織ちゃんの能力も特異性も充分わかっているのだろう。
「神奈川の新百合ヶ丘のお店なのですよ。癖が無いので万人向きだけど、間違いないお店なのです。特にアレルギーが無いですよね」
エイダちゃんはちょっと考えて、イチゴのタルトを選ぶ。
そして次に箱を回された世田谷が、茶色と白が交互に乗っているケーキを選択。
詩織ちゃんはロールケーキ、香緒里ちゃんはザッハトルテ、俺はチーズケーキだ。
もう1個、一番上がピンク色で層が色々重なったケーキが残っている。
「ジェニーも呼んでくるです」
詩織ちゃんがジェニーの部屋に入り、そして案外簡単にジェニーが出てくる。
製作中は鉄の集中力のジェニーだが、食べ物で釣ると弱いようだ。
「あれ、お客様れしたか」
全く把握していなかったようなので、簡単に状況を説明。
そしてお茶会が6人で再スタートする。
「そう言えばジェニー、ルイス達の方は状況わかるかい」
「少し釣りすぎて、学生会工房で作業をしているようれす。学校中に回すほどは釣れていないので、ある程度捌いて向こうの大きい冷蔵庫に入れたらこっちに向かうようれす。予想到着時間あと40分位れす」
相変わらずジェニーの魔法は便利だ。
「とすると、もう御飯をたき始めた方がいいでしょうか。工房で捌いているなら、こっちへ来てからは早いですよね」
「そうだな。なら米はやっておくから、学生会についての説明宜しく」
俺はチーズケーキ3分の1のところで立ち上がり、キッチンへ。
何せ3升つまり30合の米を研いで炊飯器にセットするには、それなりの腕力が必要だ。
米だけで4.5kg。水を入れたら10kgをこす。
だから炊飯関係は、男性3人か鈴懸台先輩の仕事になっている。
まあいつもは3升フルには炊かないけれど、今日はおかずが美味しそうだしな。
ついでに大鍋を出して、刻んである目盛りのところまで熱湯を入れて、コンロにおいておく。
「汁用の鍋とお湯もセットしたから、到着してからでいいんで頼むな」
どうせ腹を空かせて帰ってくるだろうから、準備だけでもしておいた方がいい。
本格的な料理は夜に回すとしても。
「出来れば冷蔵庫の乾燥海藻を一袋と、だしパック2個を入れておいてなのれす。そうすれば味付けだけで汁になるのれす」
「ほいほい」
「何か長津田、こき使われているわね」
「本来はこの家の雑用担当だからな」
そう言いつつジェニーの命令通り、乾燥海藻とだしパックを鍋に放り込んでおく。
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