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第2章 ゼノアでの新生活
第11話 夕食とデザートと
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俺の部屋が片付いたら今度は事務所だそうだ。
居抜きに近い状態だったので事務机とか椅子とかは最初から揃っている。あとはレイアウトを決め机を動かし、文房具や紙をセットするだけだ。
レイアウトは
〇 4人分の机が田の字型に配置された翻訳作業部分
〇 応接セットを配置しパーテーションで区切った商談部分
に区切り、あとは残りのパーテーションで区切って倉庫代わりにした。
机の数からしてこの部屋は以前は10名くらいで使用していた模様。それが今は4人だから部屋の半分くらいが余っている状態だ。
しかし俺には野望がある。いずれこの空いているスペースを書棚で埋め書庫にしたいという野望が。
無論この世界では本の値段が高い。だから書庫と呼べるようになるまでには随分と時間がかかるだろうけれど。
今は取り敢えず食器棚を転用した書棚に今まで訳した本と日本から取り寄せた本が細々と入っている状態だ。
「これで明日からお仕事にかかれますわね」
確かに実家を出て家や事務所まで借りたからには仕事するしかないよな。何せ働かないと食べていけない。
俺1人ならまだしも4人もいるのだ。最低でも2か月に1冊以上は訳して出版してもらわないと。
まあその辺の売込みとか交渉系統はミランダさんがやってくれる予定。だから俺はとにかく翻訳をがんばらないと。
あと売れる本を選ぶというのも大切だよな。今はテオドーラさんお気に入りの作家さんの本の他、昔俺が読んだおすすめの本とかを訳している。
しかし他にも面白そうな本を探さないとならないだろう。以前政治倫理の教科書の一部を訳したけれど、そういった感じで他の分野の教科書を訳してみてもいいかもしれない。
飽きられないように小説と並行、あるいは交互に出した方がいいだろうか。その辺についてはまた後程、皆さんに相談してみよう。
「それじゃ今日はこれでお仕事終わりという事でのんびりしようか。浴槽つきの風呂なんてのもあるしさ。あとアシュノール君の料理手伝いをこれから皆で交互にやろう。そうすればいずれ誰もが料理を出来るようになるだろうし」
「そうすれば好きなお料理を自分で作れるようになりますわね」
「まあその辺はある程度長いスパンで見たほうがいいかもしれないけれどさ」
そんな訳で本日のお手伝いは話し合いの末フィオナさんに決定。
魚をさばいて魔法殺菌して切りそろえてカルパッチョ風の適当なもの完成。
それだけじゃちょい寂しいので牛肉にパン粉をつけてオリーブ油を塗ってさっと表面を魔法加熱した半生の牛カツも追加。
さばいて出たアラ部分を魔法で乾燥させて出汁を取り、温かいスープも作る。
「要は殺菌したり熱を通したりする訳ね」
「そういう事」
なんてフィオナさんに説明しつつ手伝ってもらい完成。
でも何かまだ寂しい。新生活スタートなのだからちょっとだけお祝い的なものがある方がいいだろうか。
簡単に作れてプレミアム感あるもの……
バスク風チーズケーキなら材料や分量いい加減でも何とか出来るかな。クリームチーズは無いけれど適当なチーズで代用できるだろう。砂糖は高価だから水飴で代用すればいいな。
そんな訳でチーズ多め甘みは水飴、生クリームの代わりにバターと牛乳に卵2個小麦粉適当という非常にいい加減なレシピでチーズケーキを作る。全体を加熱した後、表面をさっと高熱で焦がして冷やせば完成だ。
かなりいい加減なレシピだけれど何とか形になった。魔法だとすぐ結果が出てくれるから楽でいい。
「これは?」
「せっかくだからお祝い用のデザート」
ひっくり返して平べったい円筒形の状態で皿に盛れば今度こそ完成だ。
「おーい、夕食出来たぞ」
全員呼んで運んでもらって夕食開始。
夕食はなかなか評判良かった。カルパッチョも牛カツも好評だったがやはり一番人気だったのはチーズケーキだ。この国では上流階級でもチーズケーキなんてものは無いらしい。
「これは毎日でも欲しいな」
ミランダさんの台詞に残り2人がうんうんと頷く。
「でもこれを毎日だと太りますよ」
そう言ったところ諦めたけれど。
でもまあ、週1回くらいは作ってやるとするか。簡単だし。
さて、夕食を食べて片付けも終わったら明日に備えて睡眠だ。何せ暗いとする事が無い。本も魔法でわざわざ灯りをともなさいと読めないし。
色々やったけれど明日からは本格的にお仕事開始だ。頑張るしかないな、そう思って自室の広いベッドに横になった処だった。
トントントン。扉がノックされ、そして俺が反応する前に開く。
「失礼しますわ」
元御嬢様だ。
どうでもいいけれど若い男がベッドにいる時に来ないで欲しい。色々危険だ。ついでに言うとテオドーラさんの恰好そのものもかなり危険だ。
彼女は寝間着としてはよくあるガラパーという服を着ている。これは要するに足首丈まである長いシャツのような服だ。なおかつ下に何も着ていないようで胸のポツンが見えている。
繰り返すが非常に危険だ。
「どうされたんですか」
「ちょっと夜這いに参りました」
えっ! 何だって!
居抜きに近い状態だったので事務机とか椅子とかは最初から揃っている。あとはレイアウトを決め机を動かし、文房具や紙をセットするだけだ。
レイアウトは
〇 4人分の机が田の字型に配置された翻訳作業部分
〇 応接セットを配置しパーテーションで区切った商談部分
に区切り、あとは残りのパーテーションで区切って倉庫代わりにした。
机の数からしてこの部屋は以前は10名くらいで使用していた模様。それが今は4人だから部屋の半分くらいが余っている状態だ。
しかし俺には野望がある。いずれこの空いているスペースを書棚で埋め書庫にしたいという野望が。
無論この世界では本の値段が高い。だから書庫と呼べるようになるまでには随分と時間がかかるだろうけれど。
今は取り敢えず食器棚を転用した書棚に今まで訳した本と日本から取り寄せた本が細々と入っている状態だ。
「これで明日からお仕事にかかれますわね」
確かに実家を出て家や事務所まで借りたからには仕事するしかないよな。何せ働かないと食べていけない。
俺1人ならまだしも4人もいるのだ。最低でも2か月に1冊以上は訳して出版してもらわないと。
まあその辺の売込みとか交渉系統はミランダさんがやってくれる予定。だから俺はとにかく翻訳をがんばらないと。
あと売れる本を選ぶというのも大切だよな。今はテオドーラさんお気に入りの作家さんの本の他、昔俺が読んだおすすめの本とかを訳している。
しかし他にも面白そうな本を探さないとならないだろう。以前政治倫理の教科書の一部を訳したけれど、そういった感じで他の分野の教科書を訳してみてもいいかもしれない。
飽きられないように小説と並行、あるいは交互に出した方がいいだろうか。その辺についてはまた後程、皆さんに相談してみよう。
「それじゃ今日はこれでお仕事終わりという事でのんびりしようか。浴槽つきの風呂なんてのもあるしさ。あとアシュノール君の料理手伝いをこれから皆で交互にやろう。そうすればいずれ誰もが料理を出来るようになるだろうし」
「そうすれば好きなお料理を自分で作れるようになりますわね」
「まあその辺はある程度長いスパンで見たほうがいいかもしれないけれどさ」
そんな訳で本日のお手伝いは話し合いの末フィオナさんに決定。
魚をさばいて魔法殺菌して切りそろえてカルパッチョ風の適当なもの完成。
それだけじゃちょい寂しいので牛肉にパン粉をつけてオリーブ油を塗ってさっと表面を魔法加熱した半生の牛カツも追加。
さばいて出たアラ部分を魔法で乾燥させて出汁を取り、温かいスープも作る。
「要は殺菌したり熱を通したりする訳ね」
「そういう事」
なんてフィオナさんに説明しつつ手伝ってもらい完成。
でも何かまだ寂しい。新生活スタートなのだからちょっとだけお祝い的なものがある方がいいだろうか。
簡単に作れてプレミアム感あるもの……
バスク風チーズケーキなら材料や分量いい加減でも何とか出来るかな。クリームチーズは無いけれど適当なチーズで代用できるだろう。砂糖は高価だから水飴で代用すればいいな。
そんな訳でチーズ多め甘みは水飴、生クリームの代わりにバターと牛乳に卵2個小麦粉適当という非常にいい加減なレシピでチーズケーキを作る。全体を加熱した後、表面をさっと高熱で焦がして冷やせば完成だ。
かなりいい加減なレシピだけれど何とか形になった。魔法だとすぐ結果が出てくれるから楽でいい。
「これは?」
「せっかくだからお祝い用のデザート」
ひっくり返して平べったい円筒形の状態で皿に盛れば今度こそ完成だ。
「おーい、夕食出来たぞ」
全員呼んで運んでもらって夕食開始。
夕食はなかなか評判良かった。カルパッチョも牛カツも好評だったがやはり一番人気だったのはチーズケーキだ。この国では上流階級でもチーズケーキなんてものは無いらしい。
「これは毎日でも欲しいな」
ミランダさんの台詞に残り2人がうんうんと頷く。
「でもこれを毎日だと太りますよ」
そう言ったところ諦めたけれど。
でもまあ、週1回くらいは作ってやるとするか。簡単だし。
さて、夕食を食べて片付けも終わったら明日に備えて睡眠だ。何せ暗いとする事が無い。本も魔法でわざわざ灯りをともなさいと読めないし。
色々やったけれど明日からは本格的にお仕事開始だ。頑張るしかないな、そう思って自室の広いベッドに横になった処だった。
トントントン。扉がノックされ、そして俺が反応する前に開く。
「失礼しますわ」
元御嬢様だ。
どうでもいいけれど若い男がベッドにいる時に来ないで欲しい。色々危険だ。ついでに言うとテオドーラさんの恰好そのものもかなり危険だ。
彼女は寝間着としてはよくあるガラパーという服を着ている。これは要するに足首丈まである長いシャツのような服だ。なおかつ下に何も着ていないようで胸のポツンが見えている。
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「どうされたんですか」
「ちょっと夜這いに参りました」
えっ! 何だって!
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