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第7章 イベントが多すぎる
第45話 一回戦後の舞台裏
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もう一度第3待機室に入る。ちょうどいい事に誰もいなかった。なのでこれ幸いとベンチに横にならせてもらう。
未来視モードも魔力不足なので解除した。ただし相手からの攻撃不能モードは続行中だ。これなら基本的に俺の邪魔が出来る奴は誰もいない筈。
なので魔力が回復するまでおやすみなさい……
「おーいチャールズ君」
眠い、邪魔するな。
「チャールズ君いやアシュノール君、そろそろ此処は閉めるよ」
だから眠いのだ。そう思って気付く。今のモードの俺に話し掛けられるような奴は1名しかいない事に。
しかも俺をアシュノール君と呼ぶなんて、もう誰か確定だ。仕方ない、心ならずも起きるとするか。
「どうしました、陛下」
間違いなく国王陛下だった。
「いやね。こんな処で寝ていて万が一正体がバレたら大変だろ。だから起こしに来たんだ」
なるほど。
「どうもすみません。調子に乗り過ぎて魔力を使い果たしてしまったもので」
「だな」
陛下が苦笑している。
「あれでもナディアちゃん、魔法騎士団の期待の星だったんだよ。それをあそこまで派手に破ったんじゃ、もうこの先注目株から外れる事は無いよね」
ナディアちゃん? そう思って気付く。最後に俺が倒したあの魔法使いか。
「確かにまさかあんな伝説の化け物、召喚されるとは思いませんでしたね」
殿下の視線が痛いものを見る目になった。
「一般的な目でみればそれを一撃で倒す方が余計にどうかしていると思われるよ。どうだい、違うかい?」
うっ、確かに否定できない……。
「一応ナディアちゃん、あれでも今回の優勝候補筆頭だったんでね。そんな訳で出版社や図書館の取材陣から騎士団スカウト部隊まで含めてアシュノール君、いやチャールズ君を探している訳だ。まさかここで気配を隠して昼寝しているとは誰も思わなかったようだけれどね」
確かに魔力がほぼ0だし気づかれなかっただろうけれどな。危なかったと思いつつつい疑問に思った事を尋ねてみる。
「陛下はどうやって俺の居場所を知ったんですか」
「君と同じ空間操作魔法さ。未来と違って過去はある程度確定しているからね。君が歩いた後を順に追ってみた訳だ」
なるほど。
「とりあえずここからゼノアのあの部屋まで送る。次の試合とかについては後程ヴィットリオに連絡しておくから」
「すみません、お願いします」
何せまだ魔力がほとんど回復していない。
「それじゃ、次の試合もこの調子で頼むよ」
おい待てそれは皮肉か! なんて言い返す間も無く俺の足元の感覚が消える。
次の瞬間俺はあのゼノアの国王庁の部屋に戻っていた。
「お疲れさまでした。第1回戦は快勝だったそうで」
「もう聞いたのか?」
「陛下が自らここまで探しに来ましたから」
何だかなあ。そう思いながら半ば崩れるように腰掛ける。
疲れた。半ば自分のせいだけれどもとにかく疲れた。
「陛下が言っていましたよ。これで魔法武闘会も今までと違った緊張感や迫力が出るだろうって。最近マンネリになっていましたからね。ちょうどいい刺激になって良かったと」
何だかなあ。その辺まで含めて陛下の手の内って奴か。なんて思っても終わった事は仕方ない。
そうだ、飯でも食べて落ち着くとするか。俺は自在袋から弁当を取り出して広げる。
本日のメニューはクラブハウスサンド風サンドイッチ。だがパンは市販品でなくサラ特製の美味しいパンだ。更におやつ兼用らしいあんパンも入っている。
うん、うちのメイドの飯はやっぱり美味しそうだな。実際に美味しいのだけれどさ。
これだけが今日の救いだ。そう思いつつ口に運ぶ。
◇◇◇
翌日。同様にヴィットリオ氏に出迎えて貰って昨日と同じ部屋へ。
「本日は第1回戦の残りの試合ですからアシュノール殿の試合はございません。ですが陛下から伝言があります。昼12時30分過ぎにラツィオ、イモータルの練兵場までお願いしますとの事です」
何だろう。イモータルの練兵場なら場所はわかるから問題はないけれど。何せ在籍していた国立高級学校の隣だからな。
勿論陛下も知っていてその場所を選んだのだろう。
「練兵場は当日空いています。屋外の一番広い区画へお願いしますとの事です。なお直接中まで魔法移動していただいて構わないそうです」
それは大変助かる。何せあの黒子姿で街を歩くわけにはいかないからな。
何せあの恰好、目立ちすぎる。あの試合でやらかした後だし。
「ところで何の用件なのかわかりますか」
「それは行けばわかるそうです」
つまり行くまで不明と。
まあ仕方ない。ヴィットリオ氏を責めても仕方ない。相手は陛下だし。
そんな訳で時間までは集められた資料とか時間潰し用に持ってきた本とかを読んで過ごす。
資料によると昨日対戦したナディアさん、やはり本来は無茶苦茶強いらしい。オッズも一昨日の昼の時点で2倍程度。優勝候補バリバリの大本命だったようだ。
まあ中立古龍召喚なんてされたらまともに戦って勝ち目は無いよな。中立古龍の隙を見て術士本人を狙うしかない。
しかし実際はそれもかなり厳しいだろう。咆哮一発でやられる未来しか見えない。中立古龍の咆哮は威力高すぎて抵抗なんて無理だから。
ただその場合、闘技場全体にかかっている魔法で無事復活出来るのだろうか。流石に咆哮直撃の即死・消し炭状態からの復活は無理な気がするけれど。
まあそういう事態にならなかったから深く考えないでおこう。
なお資料にはナディアさんのパーソナルデータも記載されている。俺と同じくらいに見えたけれど実は5歳上。近衛魔法騎士団第一連隊第一魔導士隊所属。一代男爵という事は平民出身か。
この年齢で既に一代男爵というあたりその実力が伺える。実際召喚魔法なしで俺以外の参加者は倒していたしな。それであの召喚魔法まで使えるんじゃ単独で勝てる相手はいないだろう。なんとかなるとしたら陛下とか俺のような特殊な魔法使いくらいだ。
しかしそうだとしたら悪い事をしたかもしれない。今までは最強負けなしという事で平民出身でも騎士団でやってこれたのだろうけれど、今回俺に負けた事で圧力だの何だのかかるかもしれない。
そんな重い相手と闘わせるなよな、陛下。なんて思ってももう遅いのだけれども。
他にも出場者についての資料を読んでみる。知らない世界だったがこうやって読んでみると結構面白い。
ただ普通に魔法戦士として総合的に強いだけじゃない。超速の魔法使いとかゴーレムの天才とか変わった連中もいる。
ついつい夢中になって読んでいると鐘の音が聞こえた。1、2、3……12時の鐘だな。なら飯食べてちょっと着替えて行ってくるとするか。
本日のお弁当はサラ特製のカツサンド。このボリュームがなんともイイ!
しっかり食べて口を漱いで、黒子衣装に着替えて出発だ。
未来視モードも魔力不足なので解除した。ただし相手からの攻撃不能モードは続行中だ。これなら基本的に俺の邪魔が出来る奴は誰もいない筈。
なので魔力が回復するまでおやすみなさい……
「おーいチャールズ君」
眠い、邪魔するな。
「チャールズ君いやアシュノール君、そろそろ此処は閉めるよ」
だから眠いのだ。そう思って気付く。今のモードの俺に話し掛けられるような奴は1名しかいない事に。
しかも俺をアシュノール君と呼ぶなんて、もう誰か確定だ。仕方ない、心ならずも起きるとするか。
「どうしました、陛下」
間違いなく国王陛下だった。
「いやね。こんな処で寝ていて万が一正体がバレたら大変だろ。だから起こしに来たんだ」
なるほど。
「どうもすみません。調子に乗り過ぎて魔力を使い果たしてしまったもので」
「だな」
陛下が苦笑している。
「あれでもナディアちゃん、魔法騎士団の期待の星だったんだよ。それをあそこまで派手に破ったんじゃ、もうこの先注目株から外れる事は無いよね」
ナディアちゃん? そう思って気付く。最後に俺が倒したあの魔法使いか。
「確かにまさかあんな伝説の化け物、召喚されるとは思いませんでしたね」
殿下の視線が痛いものを見る目になった。
「一般的な目でみればそれを一撃で倒す方が余計にどうかしていると思われるよ。どうだい、違うかい?」
うっ、確かに否定できない……。
「一応ナディアちゃん、あれでも今回の優勝候補筆頭だったんでね。そんな訳で出版社や図書館の取材陣から騎士団スカウト部隊まで含めてアシュノール君、いやチャールズ君を探している訳だ。まさかここで気配を隠して昼寝しているとは誰も思わなかったようだけれどね」
確かに魔力がほぼ0だし気づかれなかっただろうけれどな。危なかったと思いつつつい疑問に思った事を尋ねてみる。
「陛下はどうやって俺の居場所を知ったんですか」
「君と同じ空間操作魔法さ。未来と違って過去はある程度確定しているからね。君が歩いた後を順に追ってみた訳だ」
なるほど。
「とりあえずここからゼノアのあの部屋まで送る。次の試合とかについては後程ヴィットリオに連絡しておくから」
「すみません、お願いします」
何せまだ魔力がほとんど回復していない。
「それじゃ、次の試合もこの調子で頼むよ」
おい待てそれは皮肉か! なんて言い返す間も無く俺の足元の感覚が消える。
次の瞬間俺はあのゼノアの国王庁の部屋に戻っていた。
「お疲れさまでした。第1回戦は快勝だったそうで」
「もう聞いたのか?」
「陛下が自らここまで探しに来ましたから」
何だかなあ。そう思いながら半ば崩れるように腰掛ける。
疲れた。半ば自分のせいだけれどもとにかく疲れた。
「陛下が言っていましたよ。これで魔法武闘会も今までと違った緊張感や迫力が出るだろうって。最近マンネリになっていましたからね。ちょうどいい刺激になって良かったと」
何だかなあ。その辺まで含めて陛下の手の内って奴か。なんて思っても終わった事は仕方ない。
そうだ、飯でも食べて落ち着くとするか。俺は自在袋から弁当を取り出して広げる。
本日のメニューはクラブハウスサンド風サンドイッチ。だがパンは市販品でなくサラ特製の美味しいパンだ。更におやつ兼用らしいあんパンも入っている。
うん、うちのメイドの飯はやっぱり美味しそうだな。実際に美味しいのだけれどさ。
これだけが今日の救いだ。そう思いつつ口に運ぶ。
◇◇◇
翌日。同様にヴィットリオ氏に出迎えて貰って昨日と同じ部屋へ。
「本日は第1回戦の残りの試合ですからアシュノール殿の試合はございません。ですが陛下から伝言があります。昼12時30分過ぎにラツィオ、イモータルの練兵場までお願いしますとの事です」
何だろう。イモータルの練兵場なら場所はわかるから問題はないけれど。何せ在籍していた国立高級学校の隣だからな。
勿論陛下も知っていてその場所を選んだのだろう。
「練兵場は当日空いています。屋外の一番広い区画へお願いしますとの事です。なお直接中まで魔法移動していただいて構わないそうです」
それは大変助かる。何せあの黒子姿で街を歩くわけにはいかないからな。
何せあの恰好、目立ちすぎる。あの試合でやらかした後だし。
「ところで何の用件なのかわかりますか」
「それは行けばわかるそうです」
つまり行くまで不明と。
まあ仕方ない。ヴィットリオ氏を責めても仕方ない。相手は陛下だし。
そんな訳で時間までは集められた資料とか時間潰し用に持ってきた本とかを読んで過ごす。
資料によると昨日対戦したナディアさん、やはり本来は無茶苦茶強いらしい。オッズも一昨日の昼の時点で2倍程度。優勝候補バリバリの大本命だったようだ。
まあ中立古龍召喚なんてされたらまともに戦って勝ち目は無いよな。中立古龍の隙を見て術士本人を狙うしかない。
しかし実際はそれもかなり厳しいだろう。咆哮一発でやられる未来しか見えない。中立古龍の咆哮は威力高すぎて抵抗なんて無理だから。
ただその場合、闘技場全体にかかっている魔法で無事復活出来るのだろうか。流石に咆哮直撃の即死・消し炭状態からの復活は無理な気がするけれど。
まあそういう事態にならなかったから深く考えないでおこう。
なお資料にはナディアさんのパーソナルデータも記載されている。俺と同じくらいに見えたけれど実は5歳上。近衛魔法騎士団第一連隊第一魔導士隊所属。一代男爵という事は平民出身か。
この年齢で既に一代男爵というあたりその実力が伺える。実際召喚魔法なしで俺以外の参加者は倒していたしな。それであの召喚魔法まで使えるんじゃ単独で勝てる相手はいないだろう。なんとかなるとしたら陛下とか俺のような特殊な魔法使いくらいだ。
しかしそうだとしたら悪い事をしたかもしれない。今までは最強負けなしという事で平民出身でも騎士団でやってこれたのだろうけれど、今回俺に負けた事で圧力だの何だのかかるかもしれない。
そんな重い相手と闘わせるなよな、陛下。なんて思ってももう遅いのだけれども。
他にも出場者についての資料を読んでみる。知らない世界だったがこうやって読んでみると結構面白い。
ただ普通に魔法戦士として総合的に強いだけじゃない。超速の魔法使いとかゴーレムの天才とか変わった連中もいる。
ついつい夢中になって読んでいると鐘の音が聞こえた。1、2、3……12時の鐘だな。なら飯食べてちょっと着替えて行ってくるとするか。
本日のお弁当はサラ特製のカツサンド。このボリュームがなんともイイ!
しっかり食べて口を漱いで、黒子衣装に着替えて出発だ。
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