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第13話 海向こうからの侵略⑵
57 アルツァーヤの予想
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待てよ、そこまで住民から嫌われているなら、ひょっとして……
私の思考を捉えた全知が情報を伝えてくる。
『目前にいるモ・トーの神力値は、30,000程度です。ただし複数顕現しているうちの1体ですので、倒しても滅ぼす事は出来ません。
また現在のビシューの人口は11万人程度です。支持が最低の常態であっても、モ・トーが保持可能な神力は11万程度はあると推測されます』
神力が30,000程度なら、今の私の全力とほぼ同等だ。
それに此処で倒しても、顕現が他にいる限りは滅ぼすことは出来ない。
そして正面から戦った場合は、神力的に勝ち目はないようだ。
戦闘を前提に考えているなんて、我ながら喧嘩っ早い性格になったなと思う。
しかし私よりもっと喧嘩っ早い神様が、実は横にいらっしゃった。
「なるほど。貴殿の神となりが理解できた。言葉で答えて貰おうと思ったのは、どうやら私の誤りだったようだ」
言い終わると同時に、巨大な波が立ち上がった。
背後を振り返ったモ・トーを瞬時に飲みこみ、そして私達の手前で消え去る。
『モ・トーの顕現が消滅しました』
……ちょっと待って欲しい。
此処はモ・トーの領域では無い。
目視出来なければ移動できないから、波で背後を見えなくしたのは理解できる。
しかしいくら何でも、波にのまれた程度で神力30,000ある存在があっさり消滅させられるというのは、どういう事だろう。
『キンビーラは今の高波でモ・トーの顕現のいる場所を自領扱いにしました。その上で顕現を出現させるのと同じ方法でモ・トーの顕現に対し、顕現以上の神力を直接叩き込み、消滅させました』
同等以上の神力ということは、キンビーラは今の攻撃に神力30,000以上を使ったという事か。
『その通りです。神力を35,000程消費しています』
私の教えた土地収奪方法を応用した上で、私の全力以上の神力をたたき込んだ攻撃だった訳か。
なんというか、洒落にならない。
キンビーラはふうっと息をついて、私の方へ向き直った。
「くだらない事に付き合わせて済まなかった。しかしもう、奴がセート海域から見える場所に出現することは許さない。
それでも遠方の高所から目視して、島や島との間の海に手出しをする事は考えられる。コトーミには申し訳ないが、もう少し島の警戒をお願いしたい」
「わかりました。こちらこそよろしくお願いいたします」
「頼む。私はこれからセート領域の沿海神として、ビシューを追い詰める」
キンビーラ、相当頭にきているようだ。
この感じでは、交易船の寄港停止以外にも手をうつつもりだろう。。
◇◇◇
「事情説明だけしてこの食事会に来ないという事は、キンビーラは本気でビシューを叩くつもりなのでしょうね」
いつものセキテツとの境。
キンビーラは何が起こったかを説明した後、姿を消した。
だから今日は、私とアルツァーヤの2柱だけだ。
本日昼食は私の番で、メニューは肉うどん。
今のケカハは、猪肉がある程度定期的に手に入る。
だからいろいろと工夫してみた結果、猪肉でもそれなりに満足出来る肉うどんをつくれるようになった。
さっと出汁で煮たバラ肉切り落としを、別皿に並べて表面をあぶって、香ばしく仕上がった状態でうどんに乗せる。
更にネギとショウガをたっぷりのせ、いりこ出汁やや強めの温かい出汁をかけていただく。
ロシュならネギ多め&ショウガ普通、ブルージュならネギ普通ショウガ無しなのだけれど、此処ではとりあえずどっちも多めという私の好みで。
「キンビーラはどういう対策をとるつもりなのでしょうか? あと私はどういう対策をとればいいでしょうか」
アルツァーヤの方が私より、この世界についてよく知っている筈だ。
だからこれから起こる事や注意点等について聞いてみたところ……
「まずは領民や元領民である島の民に、ビシューへの交易停止を呼びかけるでしょう。
同時にビシューの西隣に位置するゲーシューの土地神カディシュに協力を求めると思いますわ。どういう神か私は知りませんけれど、モ・トーよりはましだと思いますから」
ビシューの東側はモ・トーの言葉からしてタケヤ側の領域。
北側はセート海域に面していないから、キンビーラの行動範囲外。
なら西隣の土地神に協力を求めるのは当然だ。
「西隣に協力を求めたら、おそらくはセート海域から5里以内の人間に対し、領地を捨て西へ逃げるように神託を下すと思います。
あとは海の神として、土地を削っていくだけですわ。コトーミに教わった方法を使えば、海沿いの平地の多くはビシューから消え去るでしょう。
セート領域全体の沿海神であるキンビーラの神力は一介の土地神とくらべれば、遙かに強大です。人的被害を無視すれば、1ヶ月経たないうちに、モ・トーの神力は衰え、脅威ではなくなるでしょう」
やはりキンビーラの神力はかなり高いようだ。
しかし『人的被害を無視すれば』か。
もちろんキンビーラがそこまでの事をするとは思わない。
でも私としては、何とかならないかと思ってしまう。
私の思考を捉えた全知が情報を伝えてくる。
『目前にいるモ・トーの神力値は、30,000程度です。ただし複数顕現しているうちの1体ですので、倒しても滅ぼす事は出来ません。
また現在のビシューの人口は11万人程度です。支持が最低の常態であっても、モ・トーが保持可能な神力は11万程度はあると推測されます』
神力が30,000程度なら、今の私の全力とほぼ同等だ。
それに此処で倒しても、顕現が他にいる限りは滅ぼすことは出来ない。
そして正面から戦った場合は、神力的に勝ち目はないようだ。
戦闘を前提に考えているなんて、我ながら喧嘩っ早い性格になったなと思う。
しかし私よりもっと喧嘩っ早い神様が、実は横にいらっしゃった。
「なるほど。貴殿の神となりが理解できた。言葉で答えて貰おうと思ったのは、どうやら私の誤りだったようだ」
言い終わると同時に、巨大な波が立ち上がった。
背後を振り返ったモ・トーを瞬時に飲みこみ、そして私達の手前で消え去る。
『モ・トーの顕現が消滅しました』
……ちょっと待って欲しい。
此処はモ・トーの領域では無い。
目視出来なければ移動できないから、波で背後を見えなくしたのは理解できる。
しかしいくら何でも、波にのまれた程度で神力30,000ある存在があっさり消滅させられるというのは、どういう事だろう。
『キンビーラは今の高波でモ・トーの顕現のいる場所を自領扱いにしました。その上で顕現を出現させるのと同じ方法でモ・トーの顕現に対し、顕現以上の神力を直接叩き込み、消滅させました』
同等以上の神力ということは、キンビーラは今の攻撃に神力30,000以上を使ったという事か。
『その通りです。神力を35,000程消費しています』
私の教えた土地収奪方法を応用した上で、私の全力以上の神力をたたき込んだ攻撃だった訳か。
なんというか、洒落にならない。
キンビーラはふうっと息をついて、私の方へ向き直った。
「くだらない事に付き合わせて済まなかった。しかしもう、奴がセート海域から見える場所に出現することは許さない。
それでも遠方の高所から目視して、島や島との間の海に手出しをする事は考えられる。コトーミには申し訳ないが、もう少し島の警戒をお願いしたい」
「わかりました。こちらこそよろしくお願いいたします」
「頼む。私はこれからセート領域の沿海神として、ビシューを追い詰める」
キンビーラ、相当頭にきているようだ。
この感じでは、交易船の寄港停止以外にも手をうつつもりだろう。。
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「事情説明だけしてこの食事会に来ないという事は、キンビーラは本気でビシューを叩くつもりなのでしょうね」
いつものセキテツとの境。
キンビーラは何が起こったかを説明した後、姿を消した。
だから今日は、私とアルツァーヤの2柱だけだ。
本日昼食は私の番で、メニューは肉うどん。
今のケカハは、猪肉がある程度定期的に手に入る。
だからいろいろと工夫してみた結果、猪肉でもそれなりに満足出来る肉うどんをつくれるようになった。
さっと出汁で煮たバラ肉切り落としを、別皿に並べて表面をあぶって、香ばしく仕上がった状態でうどんに乗せる。
更にネギとショウガをたっぷりのせ、いりこ出汁やや強めの温かい出汁をかけていただく。
ロシュならネギ多め&ショウガ普通、ブルージュならネギ普通ショウガ無しなのだけれど、此処ではとりあえずどっちも多めという私の好みで。
「キンビーラはどういう対策をとるつもりなのでしょうか? あと私はどういう対策をとればいいでしょうか」
アルツァーヤの方が私より、この世界についてよく知っている筈だ。
だからこれから起こる事や注意点等について聞いてみたところ……
「まずは領民や元領民である島の民に、ビシューへの交易停止を呼びかけるでしょう。
同時にビシューの西隣に位置するゲーシューの土地神カディシュに協力を求めると思いますわ。どういう神か私は知りませんけれど、モ・トーよりはましだと思いますから」
ビシューの東側はモ・トーの言葉からしてタケヤ側の領域。
北側はセート海域に面していないから、キンビーラの行動範囲外。
なら西隣の土地神に協力を求めるのは当然だ。
「西隣に協力を求めたら、おそらくはセート海域から5里以内の人間に対し、領地を捨て西へ逃げるように神託を下すと思います。
あとは海の神として、土地を削っていくだけですわ。コトーミに教わった方法を使えば、海沿いの平地の多くはビシューから消え去るでしょう。
セート領域全体の沿海神であるキンビーラの神力は一介の土地神とくらべれば、遙かに強大です。人的被害を無視すれば、1ヶ月経たないうちに、モ・トーの神力は衰え、脅威ではなくなるでしょう」
やはりキンビーラの神力はかなり高いようだ。
しかし『人的被害を無視すれば』か。
もちろんキンビーラがそこまでの事をするとは思わない。
でも私としては、何とかならないかと思ってしまう。
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