59 / 363
第2部 母と娘の関係
3-1もうすぐ蒼海祭がはじまるのでウキウキが止まらない
しおりを挟む
今回は風歌の勉強回(説明回)なので
心の声がメインです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夜、二十二時過ぎ。自室の屋根裏部屋にて。小さな古びた机の前に、百均で買ってきた小さな座布団をしき、私はその上に正座していた。マギコンで空中に表示されたモニターを凝視しながら、時折、頭をかいたり唸り声を上げる。
そう、毎晩恒例の、私の最も苦手な『お勉強タイム』だ。しかし、苦手とはいえ、やらない訳には行かないんだよね。
学生時代は、赤点を取っても、ちょっと怒られたり、補習を受ければ済む話だった。しかし、シルフィードの場合『昇級試験』に受からないと、いつまで経っても一人前にはなれない。
階級によって、全然お給料が違うので、物凄く死活問題だ。いつまでも、このギリギリの生活が続けられるとは限らない。せめて、普通の部屋を借りて、お腹いっぱいご飯が食べられぐらいは、お金が必要だ。
それに、ナギサちゃんとは、学力で大きく差がついていた。普段は、ボーっとしているフィニーちゃんも、成績は結構いいらしい。つまり、勉強ができないのは、三人の中では、私だけなんだよね……。
そんなわけで、多少の焦りもあった。もし、私一人だけ取り残されたら、悲し過ぎるからね。だから、一緒に昇級するために、どんなに疲れていても、毎晩、地道に勉強しているのだった。
今、勉強しているのは『蒼海祭』の歴史について。『蒼海祭』は、毎年九月に行われる、年間イベントの一つだ。『ブルー・フェスティバル』とも呼ばれ、若者たちは略して『ブルフェス』と言っている。
これは、海産物や海のレースなどの、海をテーマにしたお祭りで〈グリュンノア〉創成期から行われていた、最も歴史の古い、伝統的な行事だ。
この町は、最初は何もない無人島だった。土地は痩せ、特に資源もなく、常に物資不足の状態。
ただ、海に囲まれていたため、海産物だけは豊富にあり、魚介類を主食にしていた。そのため『蒼海祭』は元々、海の恵みに感謝する『神聖な儀式』だった。
でも、今は海産物などの屋台がたくさん出たり、海上レースを行ったりと、ごく普通のイベントになっていた。『魔法祭』ほどではないが、結構な観光客が集まり、かなり盛り上がるらしい。
実は私も、この『蒼海祭』は物凄く楽しみ。今年の夏は、新生活や仕事を覚えるのに精一杯で、海に遊びに行けなかったからだ。
まぁ、食べるのが一杯一杯で、遊んでるどころじゃなかったからね。なので、このお祭りで、海を思いっ切り満喫するつもりだ。
『蒼海祭』の期間は、海水浴場が再び解禁される。あと何といっても、一番の楽しみは『出店』だった。私、魚介類が超大好きなので。
肉も好きだけど、私は魚派。実家にいた時は、毎食、魚が出てたし、肉と魚どちらかを選べと言われると、私は魚を選ぶかな。まぁ、基本的には、好き嫌いがないので、何でも好きなんだけどね。
〈グリュンノア〉は、海に囲まれているため、魚料理の種類がとても豊富だった。〈北地区〉の漁港で水揚げされた新鮮な魚が、町中のお店に供給されている。
私がこの町にすぐに馴染めたのも、食文化が結構、似ているのが大きかった。主食はパンだけど、その他の料理は私の住んでいた世界に近く、みんな魚をよく食べる。それに、どちらも同じ島国だから、色々似てるのかもね。
パンにも魚介類を使ったものが多い。魚のフライを挟んだバーガーや、マリネやカルパッチョの入ったサンド。貝や魚卵をのせたカナッペ。他にも、魚貝類をたっぷり使った、タルトやピザなど。
加熱調理したものはもちろん、生魚の料理も沢山ある。スーパーや魚屋に行けば、普通にお刺身も売ってるんだよね。
元々ご飯派だった私は『魚にパンとかあり得ないでしょ』と思っていたけど、食べてみたら凄く美味しくて、すっかりハマってしまった。特に、タルタルソースがたっぷり掛かった、フィッシュ・バーガーは、大好物だ。
食べ物はこれぐらいにして……。『蒼海祭』には、もう一つ目玉イベントがある。それは『サファイア・カップ』という、海上のコースを走るレースだった。
これは、普段、乗っている『エア・ドルフィン』と違い、水上を走る『ウォーター・ドルフィン』で競われる。元いた世界の『ジェット・スキー』と、ほぼ同じものだ。
私は『ウォーター・ドルフィン』は、まだ一度も乗ったことがない。でも、レースには参加する予定だ。なぜなら、優勝すれば、シルフィードの実績にもなるからだ。
各種試合やコンテストでの優勝は、昇級の際の選考ポイントにもなる。実際に『スカイ・プリンセス』以上の人たちは、何らかの賞を持っていたり、一芸に秀でた人が多かった。
私の場合、学力で勝負はできないし、リリーシャさんや、ツバサさんのように、容姿端麗という訳でもない。だからこそ、何らかの実績を作っておきたかった。
実は、もう一つ大事な理由があって、レースには『優勝賞品』があるんだよね。優勝すれば『十万ベル』の商品券がもらえる。私のお給料は、月に四万ベルだから、二ヵ月分以上だ。
これは、何がなんでもゲットしたい! そして、おなか一杯、美味しいご飯が食べたい!! なんて、ささやかな野望も秘めた、とっても楽しみなイベントだ。
「おっと――いけない、いけない」
私は頭を振って、余計な妄想を振り払った。
どうにも、お祭りが近づいてくると、ソワソワしてしまう。でも、今は勉強に集中集中……。
〈グリュンノア〉と言えば『空の町』のイメージが強い。なぜなら、シルフィードが、この町の一番の象徴だからだ。
ただ、シルフィード以外の、沢山のスカイ・ランナーたちも、町の上空を飛び回っていた。今は、交通や輸送手段の多くが、空を使っている。そのため『空の町』のイメージが強かった。
しかし『空の町』のイメージが定着したのは『第四次水晶戦争』が終わって、かなりあとの話だ。それまでは、移動も物流も、水路と海路を使っていたため『水の町』と言われていた。
今は水路はだいぶ減り、ほとんど普通の道になっている。ただ、元々水路だった上に道を作ったので、町の地下には、水路が張り巡らされていた。
この、地下水路にちなんだ、怪談や伝説なども、結構あったりする。何でも、戦時中の隠し財産が、地下水路に眠ってるとか、戦死者の霊がさまよっているとかなんとか――。
それはさておき、まだ『マナフローター・エンジン』が開発されていなかったころは、水路を使った移動や輸送が当り前だった。特に、町中に物資を供給するために、とても重要な役割を果たしていた。
この水路は『水竜の魔女』アルティナの考案で作られ、町中に張り巡らせたお蔭で、食料などの供給が安定したと言われている。
中でも、魚介類の輸送には、とても重要だった。なぜなら、迅速に運ばないと、鮮度が落ちたり傷んでしまうからだ。ただ、今は『保存庫』があり、空輸でより迅速に運べるようになっている。
ちなみに、保存庫は〈グリュンノア〉で作られた、偉大な発明品の一つだ。この保存庫も『水竜の魔女』の考案によるものらしい。保存庫は『冷却の魔法』が使われているけど、これって元々『水魔法』なんだよね。
なお、水揚げされた魚は全て〈セベリン市場〉に集まって来る。〈北地区〉の〈セベリン出島〉にある、巨大な魚市場で、一日に『二千トン』を超える魚介類が取引されていた。
〈グリュンノア〉近海だけでなく、大陸や遠洋でとれた魚も、ここに運ばれてくる。世界最大級の魚市場で『世界の台所』とも言われていた。
向こうの世界だと『豊洲市場』みたいな感じだね。ちなみに、この市場を作ったのも『水竜の魔女』アルティナだ。彼女は、この町の食文化や商業に、多大な影響を与えており、今なおそのシステムが運用されていた。
こうして歴史を学んでみると『水竜の魔女』アルティナが、いかに偉大だったかよく分かる。この町では『商売の女神』として信仰されており、経済学では『近代流通システムの祖』とも言われていた。
ちなみに〈セベリン市場〉は、普段は市場関係者しか立ち入りができない。しかし『蒼海祭』の時だけは、一般人も自由に出入り可能だ。さらに、敷地内には、新鮮な魚介類を使った出店や『蒼海祭』限定の、激安販売もやるらしい。
いやー、色んな意味で超楽しみー。レースで商品券がもらえるし、美味しいお魚が一杯食べられるし。ナギサちゃんたちを誘って、思いっ切り楽しもう。でも、その前に、勉強を頑張らないとね――。
時間は、二十三時三十分。眠くなってきたけど、もう少しだけやっておこう。
「よーし、頑張りまっしょい!」
頬を叩いて気合を入れると、静まり返る屋根裏部屋で、深夜の勉強を続けるのだった……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『昔の人の名前を覚えられないから歴史は苦手なんだよね』
毎日の小さな努力のつみ重ねが、歴史を作っていくんだよ
心の声がメインです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夜、二十二時過ぎ。自室の屋根裏部屋にて。小さな古びた机の前に、百均で買ってきた小さな座布団をしき、私はその上に正座していた。マギコンで空中に表示されたモニターを凝視しながら、時折、頭をかいたり唸り声を上げる。
そう、毎晩恒例の、私の最も苦手な『お勉強タイム』だ。しかし、苦手とはいえ、やらない訳には行かないんだよね。
学生時代は、赤点を取っても、ちょっと怒られたり、補習を受ければ済む話だった。しかし、シルフィードの場合『昇級試験』に受からないと、いつまで経っても一人前にはなれない。
階級によって、全然お給料が違うので、物凄く死活問題だ。いつまでも、このギリギリの生活が続けられるとは限らない。せめて、普通の部屋を借りて、お腹いっぱいご飯が食べられぐらいは、お金が必要だ。
それに、ナギサちゃんとは、学力で大きく差がついていた。普段は、ボーっとしているフィニーちゃんも、成績は結構いいらしい。つまり、勉強ができないのは、三人の中では、私だけなんだよね……。
そんなわけで、多少の焦りもあった。もし、私一人だけ取り残されたら、悲し過ぎるからね。だから、一緒に昇級するために、どんなに疲れていても、毎晩、地道に勉強しているのだった。
今、勉強しているのは『蒼海祭』の歴史について。『蒼海祭』は、毎年九月に行われる、年間イベントの一つだ。『ブルー・フェスティバル』とも呼ばれ、若者たちは略して『ブルフェス』と言っている。
これは、海産物や海のレースなどの、海をテーマにしたお祭りで〈グリュンノア〉創成期から行われていた、最も歴史の古い、伝統的な行事だ。
この町は、最初は何もない無人島だった。土地は痩せ、特に資源もなく、常に物資不足の状態。
ただ、海に囲まれていたため、海産物だけは豊富にあり、魚介類を主食にしていた。そのため『蒼海祭』は元々、海の恵みに感謝する『神聖な儀式』だった。
でも、今は海産物などの屋台がたくさん出たり、海上レースを行ったりと、ごく普通のイベントになっていた。『魔法祭』ほどではないが、結構な観光客が集まり、かなり盛り上がるらしい。
実は私も、この『蒼海祭』は物凄く楽しみ。今年の夏は、新生活や仕事を覚えるのに精一杯で、海に遊びに行けなかったからだ。
まぁ、食べるのが一杯一杯で、遊んでるどころじゃなかったからね。なので、このお祭りで、海を思いっ切り満喫するつもりだ。
『蒼海祭』の期間は、海水浴場が再び解禁される。あと何といっても、一番の楽しみは『出店』だった。私、魚介類が超大好きなので。
肉も好きだけど、私は魚派。実家にいた時は、毎食、魚が出てたし、肉と魚どちらかを選べと言われると、私は魚を選ぶかな。まぁ、基本的には、好き嫌いがないので、何でも好きなんだけどね。
〈グリュンノア〉は、海に囲まれているため、魚料理の種類がとても豊富だった。〈北地区〉の漁港で水揚げされた新鮮な魚が、町中のお店に供給されている。
私がこの町にすぐに馴染めたのも、食文化が結構、似ているのが大きかった。主食はパンだけど、その他の料理は私の住んでいた世界に近く、みんな魚をよく食べる。それに、どちらも同じ島国だから、色々似てるのかもね。
パンにも魚介類を使ったものが多い。魚のフライを挟んだバーガーや、マリネやカルパッチョの入ったサンド。貝や魚卵をのせたカナッペ。他にも、魚貝類をたっぷり使った、タルトやピザなど。
加熱調理したものはもちろん、生魚の料理も沢山ある。スーパーや魚屋に行けば、普通にお刺身も売ってるんだよね。
元々ご飯派だった私は『魚にパンとかあり得ないでしょ』と思っていたけど、食べてみたら凄く美味しくて、すっかりハマってしまった。特に、タルタルソースがたっぷり掛かった、フィッシュ・バーガーは、大好物だ。
食べ物はこれぐらいにして……。『蒼海祭』には、もう一つ目玉イベントがある。それは『サファイア・カップ』という、海上のコースを走るレースだった。
これは、普段、乗っている『エア・ドルフィン』と違い、水上を走る『ウォーター・ドルフィン』で競われる。元いた世界の『ジェット・スキー』と、ほぼ同じものだ。
私は『ウォーター・ドルフィン』は、まだ一度も乗ったことがない。でも、レースには参加する予定だ。なぜなら、優勝すれば、シルフィードの実績にもなるからだ。
各種試合やコンテストでの優勝は、昇級の際の選考ポイントにもなる。実際に『スカイ・プリンセス』以上の人たちは、何らかの賞を持っていたり、一芸に秀でた人が多かった。
私の場合、学力で勝負はできないし、リリーシャさんや、ツバサさんのように、容姿端麗という訳でもない。だからこそ、何らかの実績を作っておきたかった。
実は、もう一つ大事な理由があって、レースには『優勝賞品』があるんだよね。優勝すれば『十万ベル』の商品券がもらえる。私のお給料は、月に四万ベルだから、二ヵ月分以上だ。
これは、何がなんでもゲットしたい! そして、おなか一杯、美味しいご飯が食べたい!! なんて、ささやかな野望も秘めた、とっても楽しみなイベントだ。
「おっと――いけない、いけない」
私は頭を振って、余計な妄想を振り払った。
どうにも、お祭りが近づいてくると、ソワソワしてしまう。でも、今は勉強に集中集中……。
〈グリュンノア〉と言えば『空の町』のイメージが強い。なぜなら、シルフィードが、この町の一番の象徴だからだ。
ただ、シルフィード以外の、沢山のスカイ・ランナーたちも、町の上空を飛び回っていた。今は、交通や輸送手段の多くが、空を使っている。そのため『空の町』のイメージが強かった。
しかし『空の町』のイメージが定着したのは『第四次水晶戦争』が終わって、かなりあとの話だ。それまでは、移動も物流も、水路と海路を使っていたため『水の町』と言われていた。
今は水路はだいぶ減り、ほとんど普通の道になっている。ただ、元々水路だった上に道を作ったので、町の地下には、水路が張り巡らされていた。
この、地下水路にちなんだ、怪談や伝説なども、結構あったりする。何でも、戦時中の隠し財産が、地下水路に眠ってるとか、戦死者の霊がさまよっているとかなんとか――。
それはさておき、まだ『マナフローター・エンジン』が開発されていなかったころは、水路を使った移動や輸送が当り前だった。特に、町中に物資を供給するために、とても重要な役割を果たしていた。
この水路は『水竜の魔女』アルティナの考案で作られ、町中に張り巡らせたお蔭で、食料などの供給が安定したと言われている。
中でも、魚介類の輸送には、とても重要だった。なぜなら、迅速に運ばないと、鮮度が落ちたり傷んでしまうからだ。ただ、今は『保存庫』があり、空輸でより迅速に運べるようになっている。
ちなみに、保存庫は〈グリュンノア〉で作られた、偉大な発明品の一つだ。この保存庫も『水竜の魔女』の考案によるものらしい。保存庫は『冷却の魔法』が使われているけど、これって元々『水魔法』なんだよね。
なお、水揚げされた魚は全て〈セベリン市場〉に集まって来る。〈北地区〉の〈セベリン出島〉にある、巨大な魚市場で、一日に『二千トン』を超える魚介類が取引されていた。
〈グリュンノア〉近海だけでなく、大陸や遠洋でとれた魚も、ここに運ばれてくる。世界最大級の魚市場で『世界の台所』とも言われていた。
向こうの世界だと『豊洲市場』みたいな感じだね。ちなみに、この市場を作ったのも『水竜の魔女』アルティナだ。彼女は、この町の食文化や商業に、多大な影響を与えており、今なおそのシステムが運用されていた。
こうして歴史を学んでみると『水竜の魔女』アルティナが、いかに偉大だったかよく分かる。この町では『商売の女神』として信仰されており、経済学では『近代流通システムの祖』とも言われていた。
ちなみに〈セベリン市場〉は、普段は市場関係者しか立ち入りができない。しかし『蒼海祭』の時だけは、一般人も自由に出入り可能だ。さらに、敷地内には、新鮮な魚介類を使った出店や『蒼海祭』限定の、激安販売もやるらしい。
いやー、色んな意味で超楽しみー。レースで商品券がもらえるし、美味しいお魚が一杯食べられるし。ナギサちゃんたちを誘って、思いっ切り楽しもう。でも、その前に、勉強を頑張らないとね――。
時間は、二十三時三十分。眠くなってきたけど、もう少しだけやっておこう。
「よーし、頑張りまっしょい!」
頬を叩いて気合を入れると、静まり返る屋根裏部屋で、深夜の勉強を続けるのだった……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『昔の人の名前を覚えられないから歴史は苦手なんだよね』
毎日の小さな努力のつみ重ねが、歴史を作っていくんだよ
0
あなたにおすすめの小説
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~
さとう
ファンタジー
生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』
誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。
辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。
だが十五歳になり、高位な召喚獣を宿す幼馴染のフェニアと共に召喚学園の『アースガルズ召喚学園』に通うことになる。
学園でも蔑まれるアルフェン。秀な兄や姉、強くなっていく幼馴染、そしてアルフェンと同じ最底辺の仲間たち。同じレベルの仲間と共に絆を深め、一時の平穏を手に入れる
これは、全てを失う少年が最強の力を手に入れ、学園生活を送る物語。
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる