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第7部 才能と現実の壁
3-3休日に連れていかれたのは予想外の場所だった……
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会社が休みの水曜日。朝起きると、首にタオルを引っ掛けて、屋根裏部屋の階段を下りる。そのまま、物置部屋の中を突っ切り、長い廊下を進んで行く。五階の階段に着くと早足で下って、一階の流しに、顔を洗いに向かった。
洗顔が終わってサッパリすると、次は、庭に出て準備体操だ。大きく息を吸い込みながら、体をゆっくり動かし温める。やっぱり、早朝の空気は清々しくて、最高に気持ちがいい。
相変わらず、休みの日も、早朝に起きている。なぜなら、これが、習慣になってしまったからだ。あと、朝市に行く目的もある。
だいぶ、生活にゆとりは出来たけど、倹約が、趣味みたいになってしまった。お買い得品を探すのって、結構、楽しいんだよね。見つけた時、凄く嬉しいし。色んなお店を回るので、仕事の勉強にもなって、一石二鳥だからだ。
ちなみに、今日は、ナギサちゃんたちと、会う約束がある。なので、朝市めぐりは、お休み。とりあえず、待ち合わせまでは、大人しく過ごす予定だ。
とはいえ、特に、やること無いんだよねぇ。待ち合わせは、十一時だから、まだ、かなり時間があるし。走りに行きたい気分だけど、友達と会う前に、汗だくになる訳にも行かない。スピでも見て、適当に、時間をつぶすかなぁ……。
私は、再び屋根裏部屋に戻ると、マナ・ケトルで、お湯を沸かす。愛用のマグカップで、インスタント・コーヒーを作ると、昨日、買ってきたパンの袋を開けた。パンをかじりながら、マギコンを操作して、スピをチェックする。
まずは、シルフィード関連のニュースから。主に、上位階級のシルフィードの話題だ。あとは、大手企業の株価や売上、新サービスなどについて。
そのあと、協会のホームページを開いて、お知らせやイベント関連を、全てチェックして行く。イベントの細かな概要や、開催日時について。また、セミナーや講演会の、講師や日程などが載っている。
昔は、全く見てなかったけど、今は毎朝の習慣になっていた。流石に、エア・マスターにもなって、業界のことを知らないと、マズイもんね。飛行技術だけでなく、知識や一般常識も、一人前には重要なので。
一通り確認が終わると、今度は、グルメ系の情報をチェックする。これは、主に、フィニーちゃんに、教えてもらったサイトだ。
観光案内には、飲食店の情報が、必須だった。美味しい物を目当てに、やって来る観光客も、かなり多いからだ。食べ歩きは、観光の醍醐味だもんね。
特に、スイーツ系の情報は、超重要。〈ホワイト・ウイング〉は、女性のお客様が多いので、人気のスイーツ情報は、とても喜ばれる。どこの世界も、女性がスイーツ好きなのは、変わらない。
次々と、サイトを移動しながら、知らない情報を、片っ端からチェックして行く。しばらくすると、私は、いったん手を止めた。ちょっと、目が疲れて来たし、情報収集は充分だ。私は、伸びをしながら、時計を確認する。
「って、まだ、八時かぁ。待ち合わせまで、三時間もあるじゃん――。うーむ、学習ファイルで、勉強でもしようかな。でも、出かける前って、あまり、集中できないだよねぇ……」
遊びに行く前は、ソワソワして集中できないのは、昔から変わらない。あと、インドアで、時間を潰すのも、相変わらず苦手だ。早く外に出て、体を動かしたい。
結局、時計とにらめっこしながら、部屋で悶々と過ごすのだった――。
******
時間は、十一時ちょっと前。私は〈新南区〉に来ていた。集まったのは、ナギサちゃんとフィニーちゃんと私の、いつものメンバーだ。今日は、フィニーちゃんも、時間通りに来ている。いつも遅れて来るので、約束通りって、珍しいんだよね。
しかも、フィニーちゃんは、人が多い場所が、大の苦手なのに。呼び出されたのは〈新南区〉の、メイン・ストリートだった。繁華街の中の、大通りなので、かなり混雑している。
なお、今回、私たちを誘ったのは、フィニーちゃんだ。何をするかは、まだ聴かされていなかった。
「ところで、今日は、何をするのよ?」
「まずは、軽く腹ごしらえ」
「昼食には、流石に、時間が早いでしょ? それに、まだ、肝心の目的を、聴いていないじゃない」
「それは、食べたあと話す」
ナギサちゃんは、少し不機嫌そうな表情を浮かべている。でも、フィニーちゃんは、気にせず歩き始めた。
今日のフィニーちゃんは、何かおかしい気がする。自分から誘うなんて、まず無いし。いつもは、私たちのあとに、ボーッと、ついて来るだけなのに。今日は、自分から積極的に動いている。
それに、フィニーちゃんって素直だから、口数は少ないけど、隠し事はしないんだよね。でも、今日は今一つ、何がしたいんだか、ハッキリしない。
「ねぇ、どこに行くか、分かる?」
「知らないわよ。ただ『大事な用がある』としか、聴いてないのだから」
私は、隣にいたナギサちゃんに、小さな声で訊いてみる。でも、彼女も全く知らないようだ。
このメンバーだと、毎回ナギサちゃんが、細かくスケジュールを組むから、時間も目的も、ハッキリしている。こんなふうに、何となくぶらつくのは、初めてかもしれない。
「いつもは、こっちから誘ってるし。たまには、付き合ってあげるのも、いいよね」
「どうせ、食べ物関連じゃないの? あまり、いい予感がしないわ」
「あははっ……」
確かに、フィニーちゃんと言えば、食べ物のこと以外に、何も浮かんでこない。でも『先に腹ごしらえをする』と、言ってるんだから。メインは、そっちじゃなさそうだけど――。
私たちは、フィニーちゃんに連れられ、ハンバーガー・ショップに入った。私は、ハンバーガーとポテト、あと、アイスコーヒー。ナギサちゃんは、サラダサンドとアイスティー。
フィニーちゃんは、トレーに、ピラミッドのごとく積み上げられた、ハンバーガー。加えて、メガサイズのフライドポテト。どう見ても、軽く腹ごしらえのレベルじゃない。いつものことなので、ナギサちゃんも、もう突っ込まなかった。
二十分後。あれだけの量があったにもかかわらず、フィニーちゃんは、あっさり完食。体の大きさは、二年前と全く変わってないのに、食欲は、確実に増してるような気がする。いったい、どんな体の構造をしているのだろうか……?
食事が終わると、私たちは、再びフィニーちゃんのあとをついて、移動を開始する。でも、何度、尋ねても『行けば分かる』の一点張り。今一つ、要領を得ない。
隣を歩いているナギサちゃんが、かなりイライラしてるので、そろそろ教えて欲しい――。ナギサちゃんって、何でも計画的に動くから。こういう、行き当たりばったりなの、ダメなんだよね。
しばらく歩いて行くと、たどり着いたのは、色んなお店が入っている、雑居ビルだった。フローターに乗って向かったのは、ビルの七階。フローターを降りると、目の前には〈エアリア〉という、お店の看板がついていた。
「ねぇ、フィニーちゃん。これ、何のお店?」
「VSカフェ」
「んっ、何それ?」
初めて聴く言葉だ。MVカフェとは、違うのかな?
「VSカフェは、バーチャル・シミュレーターの店。MMAで使われてる『LLVS』と、似たシステムを使ってる」
「へぇー……そうなんだ? で、何するの――?」
なるほど、さっぱり分からない。そもそも、私、横文字系は、超苦手なんで。
「今、大人気の『SWS』をやる」
フィニーちゃんは、目を輝かせながら、壁際にあった空中モニターを、指さした。
そこには『スカイ・ワールド・ストーリー』の文字と、背中に羽をはやして、空を飛び回っているキャラクターたちの、デモ映像が流れている。
「って、これ、ゲームじゃない?! こんな、くだらない事のために、私たちを呼んだの?」
「ゲームじゃなくて、バーチャル・シミュレーター。くだらなくない」
「でも、似たようなものじゃないのよ!」
ナギサちゃんは、あからさまに、不快な表情を浮かべた。そうとう苛立っており、今にも、怒りが爆発しそうだった。
そりゃ、真面目なナギサちゃんが、ゲームなんか、やる訳ないよね。休日も、部屋で一日中、勉強してるような性格なんだから。
私も、あまりゲームとかは、詳しくないけど。向こうの世界では、たまに、友人たちとゲームセンターに行ったり、スマホアプリぐらいは、たしなんでいた。
「まぁまぁ。せっかく来たんだから、やって行こうよ。人気みたいだし、何事も経験が大事だし。それに、新しいことは、勉強になるんじゃない? 私たち、空の仕事をしてる訳だし、何か発見があるかもよ?」
私は、キレる寸前だったナギサちゃんを、なだめるために、必死に言葉を並べ立てた。何か、色々と苦しい部分もあるけど。勉強や仕事の言葉が出てくると、ナギサちゃんの表情が変わった。
「はぁ……。しょうがないわね、ちょっとだけよ。まったく、こういうことは、最初から、言っておきなさいよね」
ナギサちゃんは、納得のいかない表情をしながらも、何とか了解してくれた。
何だかんだで、ナギサちゃんは、付き合いがいいんだよね。最初は、ブーブー言っても、必ず付き合ってくれるんだから。
でも、最初から、ここに来ると言ってたら、絶対に断られていたと思う。なるほど、どうりで、フィニーちゃんが、ハッキリ言わなかったわけだ――。
私たちは、店に入ると、受付で手続きをする。魔力登録をしたあと、指定された番号の部屋に向かった。部屋に入ると、リクライニング・シートが、三台ならんでいた。その隣のテーブルには、ヘアバンドのようなものが置いてある。
「どうすればいいの?」
「これ、頭につける。そしたら、横になる」
フィニーちゃんは、装置を頭につけると、サッと横になって目を閉じた。
「本当に、それだけでいいの? これって、気持ちよくて、寝ちゃわない?」
「寝て大丈夫。VS中は、仮眠状態になる」
「へぇー、そうなんだ。じゃ、安心して、寝ちゃっていいね」
私も、フィニーちゃんの真似をして、横になった。シートがふかふかしてるし、体にフィットして、とても気持ちいい。でも、ナギサちゃんは、立ったままだった。
「ナギサちゃんも、早くやろうよ」
「こんな、真昼間から寝るなんて。物凄く、だらしない感じがするわね……」
えっ?! 気にしてるの、そっち?
「そんなこと無いって、こういうシステムなんだから。それにほら、フィニーちゃんはもう、あんなだし」
フィニーちゃんは、早くも、安らかな寝息を立てていた。
「はぁ――。まったく、しょうがないわね」
ナギサちゃんも、頭に装置を付けると、渋々シートに横になった。
ほどなくして、部屋の照明が薄暗くなる。それと共に、私も夢の中に、いざなわれて行くのだった……。
******
ふと、目を開けると、そこは見知らぬ世界だった。周囲には、たくさんの木々が生い茂っている。どうやら、森の中の小さな広場にいるようだ。
「えーっと。あれ――みんなは?」
ナギサちゃんたちの姿が見えない。周囲をきょろきょろ見回すが、人っ子一人いなかった。
まさか、置いて行かれちゃった? それとも、全員、違う場所からスタート? うーん、これ、どうやって操作すればいいの……?
ゲームとはいえ、一人ぼっちになり、ちょっと不安になって来た。ふと、初めてこちらの世界に、来た時のことを思い出す。家出して、一人きりで、何一つ分からず、本当に心細かった――。
しばし、周囲を見回していると、
「風歌、こっち」
「えっ? どこっ?」
「上みて」
フィニーちゃんの声が、聞こえて来る。
視線を上に向けると、そこには、フィニーちゃんが、フワフワと宙に浮いていた。薄緑色のローブを着て、背中には、薄っすら光る、妖精のような羽が生えている。
「おぉー! 空飛べるの? その衣装、ファンタジーっぽくて、素敵だね」
「SWSは、空を飛ぶゲーム。風歌も、衣装、変わってる」
「ん……本当だ。いつの間に?!」
私は、白い鎧を着ていた。触ってみると、ちゃんとした、金属の質感と硬さがある。自分の体は、触ると感覚があるし、頬をつねると、普通に痛かった。
「うわぁー、凄いっ! 感覚も、リアルと全然、変わらないんだね」
「LLVSと同じ。全ての感覚が再現される。オプションで、感覚をオフにすることもできる。デフォルトでは、戦闘時は、最小設定になってる」
「へぇー、そうなんだ。てか、凄く詳しいね」
「攻略サイト、軽く目を通して来た。システム周りは、だいたい理解してる」
今日は、いつになく饒舌だ。興味のあることに対しては、物凄く真剣なんだよね。仕事でも、これぐらい、積極的だといいんだけど――。
「そういえば、ナギサちゃんは、どこ?」
「寝ないと、インできない。一応、VSヘッドに、睡眠導入機能は付いてる」
「あぁ、なるほどね。それで、すぐに眠くなったんだ」
真面目な、ナギサちゃんのことだ。昼間から寝るのに、抵抗があって、無理矢理、眠気に耐えているのかもしれない。
しばらくして、私のすぐ横に、スッとナギサちゃんが現れた。彼女は、赤い鎧を着ている。
「……ん、ここは?」
「ナギサ、遅い。不眠症?」
「そんな事ないわよ。こんな時間から寝るなんて、普段、あり得ないだけで」
「私は、いつでも寝れる。仕事中でも、寝れるし」
「って、仕事中に寝て、どうするのよ!」
結局、いつもの言い合いが始まる。どこに来ても、二人は変わらない。
「まぁまぁ、折角のゲームなんだから、楽しもうよ。それで、何をすればいいのかな?」
私は、サッと話題を変えた。
「まずは、最初の町に行く。空飛べば、すぐ」
「飛ぶって、どうやるの?」
「飛ぼうと思えば、飛べる」
「えっ?! それだけ――?」
私は、意識を集中して、いつも、エア・ドルフィンで、空を飛ぶ時をイメージした。すると、フワッと、体が浮き上がった。まるで、無重力になったような感覚だ。
「うわぁー、本当だっ!! 自力で浮いてる!」
「意外と簡単なのね」
ナギサちゃんも、私のすぐ横で、フワフワと浮いていた。
「じゃ、町行く」
そう言うと、フィニーちゃんは、一気に高度を上げて行った。
私たちも、そのあとに続いて、上空に向かっていく。どんどん高度を上げ、かなり高いところまでやって来た。先ほどまでいた森が、とても小さく見える。
驚くことに、風の感覚も、リアルと全く同じだ。気持ちよい風が、体を吹き抜けていく。でも、エア・ドルフィンに乗っている時とは、少し違う。機体に乗っている時は、上半身だけだが、今は、全身の指先まで風が当たる。
うーん、最高に気持ちいいー! 自分で飛ぶって、こんなに爽快なんだ。まるで、鳥になった気分。
私は、くるくるとツイストしたり、ターンしたりして、自力で飛ぶ感覚を楽しんだ。フィニーちゃんは、あおむけになって、ぷかぷか浮きながら飛んでいる。まるで、ラッコみたいだ。
「あははっ、なにコレ。超楽しー」
「空の昼寝も、気持ちいい」
「ちょっと、遊んでないで、さっさと行くわよ!」
ナギサちゃんが先頭になると、スーッとスピードを上げ、勢いよく飛んでいく。前方の地上には、大きな町が見えて来た。
私は全身に風を浴び、ワクワクしながら、最初の町に向かうのだった……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『たまには全力で遊ぶのもいいかもね』
遊ぶときはしっかり遊べ。働くときは少しも遊んではいけない
洗顔が終わってサッパリすると、次は、庭に出て準備体操だ。大きく息を吸い込みながら、体をゆっくり動かし温める。やっぱり、早朝の空気は清々しくて、最高に気持ちがいい。
相変わらず、休みの日も、早朝に起きている。なぜなら、これが、習慣になってしまったからだ。あと、朝市に行く目的もある。
だいぶ、生活にゆとりは出来たけど、倹約が、趣味みたいになってしまった。お買い得品を探すのって、結構、楽しいんだよね。見つけた時、凄く嬉しいし。色んなお店を回るので、仕事の勉強にもなって、一石二鳥だからだ。
ちなみに、今日は、ナギサちゃんたちと、会う約束がある。なので、朝市めぐりは、お休み。とりあえず、待ち合わせまでは、大人しく過ごす予定だ。
とはいえ、特に、やること無いんだよねぇ。待ち合わせは、十一時だから、まだ、かなり時間があるし。走りに行きたい気分だけど、友達と会う前に、汗だくになる訳にも行かない。スピでも見て、適当に、時間をつぶすかなぁ……。
私は、再び屋根裏部屋に戻ると、マナ・ケトルで、お湯を沸かす。愛用のマグカップで、インスタント・コーヒーを作ると、昨日、買ってきたパンの袋を開けた。パンをかじりながら、マギコンを操作して、スピをチェックする。
まずは、シルフィード関連のニュースから。主に、上位階級のシルフィードの話題だ。あとは、大手企業の株価や売上、新サービスなどについて。
そのあと、協会のホームページを開いて、お知らせやイベント関連を、全てチェックして行く。イベントの細かな概要や、開催日時について。また、セミナーや講演会の、講師や日程などが載っている。
昔は、全く見てなかったけど、今は毎朝の習慣になっていた。流石に、エア・マスターにもなって、業界のことを知らないと、マズイもんね。飛行技術だけでなく、知識や一般常識も、一人前には重要なので。
一通り確認が終わると、今度は、グルメ系の情報をチェックする。これは、主に、フィニーちゃんに、教えてもらったサイトだ。
観光案内には、飲食店の情報が、必須だった。美味しい物を目当てに、やって来る観光客も、かなり多いからだ。食べ歩きは、観光の醍醐味だもんね。
特に、スイーツ系の情報は、超重要。〈ホワイト・ウイング〉は、女性のお客様が多いので、人気のスイーツ情報は、とても喜ばれる。どこの世界も、女性がスイーツ好きなのは、変わらない。
次々と、サイトを移動しながら、知らない情報を、片っ端からチェックして行く。しばらくすると、私は、いったん手を止めた。ちょっと、目が疲れて来たし、情報収集は充分だ。私は、伸びをしながら、時計を確認する。
「って、まだ、八時かぁ。待ち合わせまで、三時間もあるじゃん――。うーむ、学習ファイルで、勉強でもしようかな。でも、出かける前って、あまり、集中できないだよねぇ……」
遊びに行く前は、ソワソワして集中できないのは、昔から変わらない。あと、インドアで、時間を潰すのも、相変わらず苦手だ。早く外に出て、体を動かしたい。
結局、時計とにらめっこしながら、部屋で悶々と過ごすのだった――。
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時間は、十一時ちょっと前。私は〈新南区〉に来ていた。集まったのは、ナギサちゃんとフィニーちゃんと私の、いつものメンバーだ。今日は、フィニーちゃんも、時間通りに来ている。いつも遅れて来るので、約束通りって、珍しいんだよね。
しかも、フィニーちゃんは、人が多い場所が、大の苦手なのに。呼び出されたのは〈新南区〉の、メイン・ストリートだった。繁華街の中の、大通りなので、かなり混雑している。
なお、今回、私たちを誘ったのは、フィニーちゃんだ。何をするかは、まだ聴かされていなかった。
「ところで、今日は、何をするのよ?」
「まずは、軽く腹ごしらえ」
「昼食には、流石に、時間が早いでしょ? それに、まだ、肝心の目的を、聴いていないじゃない」
「それは、食べたあと話す」
ナギサちゃんは、少し不機嫌そうな表情を浮かべている。でも、フィニーちゃんは、気にせず歩き始めた。
今日のフィニーちゃんは、何かおかしい気がする。自分から誘うなんて、まず無いし。いつもは、私たちのあとに、ボーッと、ついて来るだけなのに。今日は、自分から積極的に動いている。
それに、フィニーちゃんって素直だから、口数は少ないけど、隠し事はしないんだよね。でも、今日は今一つ、何がしたいんだか、ハッキリしない。
「ねぇ、どこに行くか、分かる?」
「知らないわよ。ただ『大事な用がある』としか、聴いてないのだから」
私は、隣にいたナギサちゃんに、小さな声で訊いてみる。でも、彼女も全く知らないようだ。
このメンバーだと、毎回ナギサちゃんが、細かくスケジュールを組むから、時間も目的も、ハッキリしている。こんなふうに、何となくぶらつくのは、初めてかもしれない。
「いつもは、こっちから誘ってるし。たまには、付き合ってあげるのも、いいよね」
「どうせ、食べ物関連じゃないの? あまり、いい予感がしないわ」
「あははっ……」
確かに、フィニーちゃんと言えば、食べ物のこと以外に、何も浮かんでこない。でも『先に腹ごしらえをする』と、言ってるんだから。メインは、そっちじゃなさそうだけど――。
私たちは、フィニーちゃんに連れられ、ハンバーガー・ショップに入った。私は、ハンバーガーとポテト、あと、アイスコーヒー。ナギサちゃんは、サラダサンドとアイスティー。
フィニーちゃんは、トレーに、ピラミッドのごとく積み上げられた、ハンバーガー。加えて、メガサイズのフライドポテト。どう見ても、軽く腹ごしらえのレベルじゃない。いつものことなので、ナギサちゃんも、もう突っ込まなかった。
二十分後。あれだけの量があったにもかかわらず、フィニーちゃんは、あっさり完食。体の大きさは、二年前と全く変わってないのに、食欲は、確実に増してるような気がする。いったい、どんな体の構造をしているのだろうか……?
食事が終わると、私たちは、再びフィニーちゃんのあとをついて、移動を開始する。でも、何度、尋ねても『行けば分かる』の一点張り。今一つ、要領を得ない。
隣を歩いているナギサちゃんが、かなりイライラしてるので、そろそろ教えて欲しい――。ナギサちゃんって、何でも計画的に動くから。こういう、行き当たりばったりなの、ダメなんだよね。
しばらく歩いて行くと、たどり着いたのは、色んなお店が入っている、雑居ビルだった。フローターに乗って向かったのは、ビルの七階。フローターを降りると、目の前には〈エアリア〉という、お店の看板がついていた。
「ねぇ、フィニーちゃん。これ、何のお店?」
「VSカフェ」
「んっ、何それ?」
初めて聴く言葉だ。MVカフェとは、違うのかな?
「VSカフェは、バーチャル・シミュレーターの店。MMAで使われてる『LLVS』と、似たシステムを使ってる」
「へぇー……そうなんだ? で、何するの――?」
なるほど、さっぱり分からない。そもそも、私、横文字系は、超苦手なんで。
「今、大人気の『SWS』をやる」
フィニーちゃんは、目を輝かせながら、壁際にあった空中モニターを、指さした。
そこには『スカイ・ワールド・ストーリー』の文字と、背中に羽をはやして、空を飛び回っているキャラクターたちの、デモ映像が流れている。
「って、これ、ゲームじゃない?! こんな、くだらない事のために、私たちを呼んだの?」
「ゲームじゃなくて、バーチャル・シミュレーター。くだらなくない」
「でも、似たようなものじゃないのよ!」
ナギサちゃんは、あからさまに、不快な表情を浮かべた。そうとう苛立っており、今にも、怒りが爆発しそうだった。
そりゃ、真面目なナギサちゃんが、ゲームなんか、やる訳ないよね。休日も、部屋で一日中、勉強してるような性格なんだから。
私も、あまりゲームとかは、詳しくないけど。向こうの世界では、たまに、友人たちとゲームセンターに行ったり、スマホアプリぐらいは、たしなんでいた。
「まぁまぁ。せっかく来たんだから、やって行こうよ。人気みたいだし、何事も経験が大事だし。それに、新しいことは、勉強になるんじゃない? 私たち、空の仕事をしてる訳だし、何か発見があるかもよ?」
私は、キレる寸前だったナギサちゃんを、なだめるために、必死に言葉を並べ立てた。何か、色々と苦しい部分もあるけど。勉強や仕事の言葉が出てくると、ナギサちゃんの表情が変わった。
「はぁ……。しょうがないわね、ちょっとだけよ。まったく、こういうことは、最初から、言っておきなさいよね」
ナギサちゃんは、納得のいかない表情をしながらも、何とか了解してくれた。
何だかんだで、ナギサちゃんは、付き合いがいいんだよね。最初は、ブーブー言っても、必ず付き合ってくれるんだから。
でも、最初から、ここに来ると言ってたら、絶対に断られていたと思う。なるほど、どうりで、フィニーちゃんが、ハッキリ言わなかったわけだ――。
私たちは、店に入ると、受付で手続きをする。魔力登録をしたあと、指定された番号の部屋に向かった。部屋に入ると、リクライニング・シートが、三台ならんでいた。その隣のテーブルには、ヘアバンドのようなものが置いてある。
「どうすればいいの?」
「これ、頭につける。そしたら、横になる」
フィニーちゃんは、装置を頭につけると、サッと横になって目を閉じた。
「本当に、それだけでいいの? これって、気持ちよくて、寝ちゃわない?」
「寝て大丈夫。VS中は、仮眠状態になる」
「へぇー、そうなんだ。じゃ、安心して、寝ちゃっていいね」
私も、フィニーちゃんの真似をして、横になった。シートがふかふかしてるし、体にフィットして、とても気持ちいい。でも、ナギサちゃんは、立ったままだった。
「ナギサちゃんも、早くやろうよ」
「こんな、真昼間から寝るなんて。物凄く、だらしない感じがするわね……」
えっ?! 気にしてるの、そっち?
「そんなこと無いって、こういうシステムなんだから。それにほら、フィニーちゃんはもう、あんなだし」
フィニーちゃんは、早くも、安らかな寝息を立てていた。
「はぁ――。まったく、しょうがないわね」
ナギサちゃんも、頭に装置を付けると、渋々シートに横になった。
ほどなくして、部屋の照明が薄暗くなる。それと共に、私も夢の中に、いざなわれて行くのだった……。
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ふと、目を開けると、そこは見知らぬ世界だった。周囲には、たくさんの木々が生い茂っている。どうやら、森の中の小さな広場にいるようだ。
「えーっと。あれ――みんなは?」
ナギサちゃんたちの姿が見えない。周囲をきょろきょろ見回すが、人っ子一人いなかった。
まさか、置いて行かれちゃった? それとも、全員、違う場所からスタート? うーん、これ、どうやって操作すればいいの……?
ゲームとはいえ、一人ぼっちになり、ちょっと不安になって来た。ふと、初めてこちらの世界に、来た時のことを思い出す。家出して、一人きりで、何一つ分からず、本当に心細かった――。
しばし、周囲を見回していると、
「風歌、こっち」
「えっ? どこっ?」
「上みて」
フィニーちゃんの声が、聞こえて来る。
視線を上に向けると、そこには、フィニーちゃんが、フワフワと宙に浮いていた。薄緑色のローブを着て、背中には、薄っすら光る、妖精のような羽が生えている。
「おぉー! 空飛べるの? その衣装、ファンタジーっぽくて、素敵だね」
「SWSは、空を飛ぶゲーム。風歌も、衣装、変わってる」
「ん……本当だ。いつの間に?!」
私は、白い鎧を着ていた。触ってみると、ちゃんとした、金属の質感と硬さがある。自分の体は、触ると感覚があるし、頬をつねると、普通に痛かった。
「うわぁー、凄いっ! 感覚も、リアルと全然、変わらないんだね」
「LLVSと同じ。全ての感覚が再現される。オプションで、感覚をオフにすることもできる。デフォルトでは、戦闘時は、最小設定になってる」
「へぇー、そうなんだ。てか、凄く詳しいね」
「攻略サイト、軽く目を通して来た。システム周りは、だいたい理解してる」
今日は、いつになく饒舌だ。興味のあることに対しては、物凄く真剣なんだよね。仕事でも、これぐらい、積極的だといいんだけど――。
「そういえば、ナギサちゃんは、どこ?」
「寝ないと、インできない。一応、VSヘッドに、睡眠導入機能は付いてる」
「あぁ、なるほどね。それで、すぐに眠くなったんだ」
真面目な、ナギサちゃんのことだ。昼間から寝るのに、抵抗があって、無理矢理、眠気に耐えているのかもしれない。
しばらくして、私のすぐ横に、スッとナギサちゃんが現れた。彼女は、赤い鎧を着ている。
「……ん、ここは?」
「ナギサ、遅い。不眠症?」
「そんな事ないわよ。こんな時間から寝るなんて、普段、あり得ないだけで」
「私は、いつでも寝れる。仕事中でも、寝れるし」
「って、仕事中に寝て、どうするのよ!」
結局、いつもの言い合いが始まる。どこに来ても、二人は変わらない。
「まぁまぁ、折角のゲームなんだから、楽しもうよ。それで、何をすればいいのかな?」
私は、サッと話題を変えた。
「まずは、最初の町に行く。空飛べば、すぐ」
「飛ぶって、どうやるの?」
「飛ぼうと思えば、飛べる」
「えっ?! それだけ――?」
私は、意識を集中して、いつも、エア・ドルフィンで、空を飛ぶ時をイメージした。すると、フワッと、体が浮き上がった。まるで、無重力になったような感覚だ。
「うわぁー、本当だっ!! 自力で浮いてる!」
「意外と簡単なのね」
ナギサちゃんも、私のすぐ横で、フワフワと浮いていた。
「じゃ、町行く」
そう言うと、フィニーちゃんは、一気に高度を上げて行った。
私たちも、そのあとに続いて、上空に向かっていく。どんどん高度を上げ、かなり高いところまでやって来た。先ほどまでいた森が、とても小さく見える。
驚くことに、風の感覚も、リアルと全く同じだ。気持ちよい風が、体を吹き抜けていく。でも、エア・ドルフィンに乗っている時とは、少し違う。機体に乗っている時は、上半身だけだが、今は、全身の指先まで風が当たる。
うーん、最高に気持ちいいー! 自分で飛ぶって、こんなに爽快なんだ。まるで、鳥になった気分。
私は、くるくるとツイストしたり、ターンしたりして、自力で飛ぶ感覚を楽しんだ。フィニーちゃんは、あおむけになって、ぷかぷか浮きながら飛んでいる。まるで、ラッコみたいだ。
「あははっ、なにコレ。超楽しー」
「空の昼寝も、気持ちいい」
「ちょっと、遊んでないで、さっさと行くわよ!」
ナギサちゃんが先頭になると、スーッとスピードを上げ、勢いよく飛んでいく。前方の地上には、大きな町が見えて来た。
私は全身に風を浴び、ワクワクしながら、最初の町に向かうのだった……。
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次回――
『たまには全力で遊ぶのもいいかもね』
遊ぶときはしっかり遊べ。働くときは少しも遊んではいけない
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「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
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手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
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召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~
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生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』
誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。
辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。
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異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
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よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
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俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
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話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
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