54 / 163
村を造ろう
しおりを挟む
次の日、俺とスーラで工房の建設を始めた。鍛治用の炉と練金台の設置、クレーンの設置と工作台の設置と進めていく。
「スーラ、炉の方はどうだ?」
「直ぐにでも使えるのです」
スーラが魔力を炉に取り付けられた魔石に注ぎ込み、炉に火を入れる。
「じゃあ、スーラは井戸のポンプをお願いしたいんだ」
俺はそう言って、ポンプの図面をスーラに渡す。
「……ふむふむ、なるほど、魔力に頼らず水を汲みあげる仕組みなのですな。よく出来た仕組みなのです。わかりました。スーラに任せて欲しいのです」
俺はスーラに、井戸の数だけポンプの製作を頼んで、俺は領主館の仕上げをする。
アイテムボックスに入れてあった、木材を使って、フローリング、ドア、鎧戸を作っていく。
領主館の建物は、2日ほどで完成した。
その後、俺は倉庫を幾つか土魔法で建造すると、兵舎にトイレやシャワーを設置していく。
公衆浴場も出来たので、派遣される兵士や大工、職人が来ても大丈夫だ。
平らに馴らされた土地をエル、アンナ、ルシエルが土魔法で畑にしていく。森から持って来た腐葉土を混ぜ込み、カイトが魔法で造った肥料を混ぜて耕す。
「お嬢様、畑はこの位で大丈夫だと思います」
「そうね、じゃあ帰ってお風呂にしましょう」
「「はい」」
エルレインの提案にアンナとルシエルが同意して、屋敷へと歩き出す。
王都から戻り、領地の開発を初めて10日目、王国とバスターク辺境伯から派遣された兵士達が到着した。
「ランカス団長!ご無事でしたか!」
バスターク辺境伯から派遣された兵士の中に、ランカスを知る人物が混ざっていたようだ。第一騎士団の団長を勤めていたのなら当然か。
「ゴードンか、久しいな。元気そうでなによりだ」
ランカスも久しぶりの部下との再会に嬉しそうだ。
「団長、生きていらっしゃったんですね。本当に良かった」
ゴードンと呼ばれた、身長が2メートルはある大男が涙ぐんでいる。ランカスは、部下に慕われていたんだな。
「俺もゴードンと此処で会えるとは思わなかった。俺は、半ば死んだも同然の状態を、カイト様に救われて臣下にして頂いたのだ」
「っ、カイト様!」
ガバッとゴードンと呼ばれた大男が、深く頭を下げる。
「ランカス団長を助けて頂いてありがとうございます!」
「いや、ランカスは俺が望んで雇ったんだから、お礼を言われる程の事でもないよ」
「それでゴードン、兵士の人数はこれで全員か?」
今回、ドラーク男爵家の武官として派遣されたのは、30人程だった。確かに話とは違い、少し少ない。
「いえ、我等は先遣隊です。工兵部隊として動ける者を中心に、先発隊として来ました。あと、10日後に残りの人員が合流します。総勢200名になる筈です」
「そうか、では明日からゴードンが兵士の半数を率いて工兵訓練の指揮をとれ。残りの半分は俺と魔物狩りに行く。今日の所は身体を休めるように」
ランカスがそう言ってその場は解散となった。
それから数日、大工や職人達が到着すると、早速住居の建築を始める。
下水管の位置や、浄化の魔導具取り付けを打ち合わせする。
寝泊まりは、兵舎にまだまだ空きがあるので、そこを使ってもらう事にした。
新たにドラーク男爵家の武官として、派遣された兵士達と、道路の整備や井戸へのポンプ設置、堀の掘削、治水工事を進める。
住居が数棟完成し始めた頃、入植者が到着し始める。
農業従事者が来た事により、畑の開墾が始まる。
ゴゴゴゴゴッーーーー!!
俺が地面に手をついて、土魔法を発動すると、地面がウネリ四角く平坦な畑が出来上がる。長年自給自足の生活を送って来た俺にとって、畑仕事は慣れたものだ。
土が深く掘り起こされた畑に、もう一度魔法を行使する。
ゴゴゴゴゴーーーー!!
見る見るうちに、畑に畝が出来上がる。
あとは種蒔きを待つばかりとなった畑を見て、俺は一人呟く。
「はぁ~、お米が食べたい」
この領地は、温暖で平野部も広く水も豊富で米作りに適しているんだけど、肝心のお米を見た事がないんだよな。
目の前に広がる広大な農地を見て切実に思う。
「無い物を思うより、目の前の仕事を片付けないとな」
海岸の一画に、流下式塩田が造られていた。ただ、稼働して間もない為、当座の必要量を俺が魔法で用意する。海水から塩を取り出す簡単なお仕事だ。
次々に出来上がる塩を、これも魔法で作った壺に入れて、アイテムボックスに収納していく。
スタートは、俺達や兵士を含めて300人程度の人口を数年支えるだけの分量を精製しておく。
塩作りが始まれば、余剰分は王国へ販売する契約を結んでいる。戦略物資である塩を他国に頼らない事は王国発展の為に必要な事なのだから。
流下式塩田では、早速王国から送り込まれた人員により塩作りが続けられ、その横では新たな流下式塩田の建設が始まっていた。
エルは、アンナさんとルシエルを連れて、東の山脈に続く丘陵地で、果樹の苗を植え付けている。
スーラは工房に籠り魔導具を作っていた。灯りの魔導具や浄化の魔導具を量産している。最低限住民には、灯りの魔導具と浄化の魔導具は支給する事にしているからだ。
コレットは、村に建てられた教会で神官の仕事をしている。作業中怪我をした大工や職人の治癒もコレットの仕事だ。
ただ、変に立派な教会を建ててしまったせいか、王都の教会本部から神職を数人派遣する旨連絡を受けた。まだまだ小さな村だから、コレットだけで十分なのだが、宗教はややこしい。
ルキナは、一杯遊んで、一杯勉強している。やっぱり子供は元気じゃないとだめだ。母親のイリアには、ルキナに勉強を教える事を頼んである。
それといつの間にか、イリアとコレットが俺の妾になっていた。エルとイリア、コレットで話し合ったらしい。そこに俺が口を挟む事は許されなかった。それに、ルキナが俺の事を『パパ』と呼ぶようになっている。エルがニヤニヤしていたから、エルの差し金だろう。
イリアにしても、旦那さんを亡くしてそんなに時間が経ってないけど、獣人の本能が俺を求めているそうだ。……よく分からん。イリアもコレットも美人でスタイルも抜群なので文句などないが。
まぁ、でも俺の領地は、良いスタートを切れたと思おう。
「スーラ、炉の方はどうだ?」
「直ぐにでも使えるのです」
スーラが魔力を炉に取り付けられた魔石に注ぎ込み、炉に火を入れる。
「じゃあ、スーラは井戸のポンプをお願いしたいんだ」
俺はそう言って、ポンプの図面をスーラに渡す。
「……ふむふむ、なるほど、魔力に頼らず水を汲みあげる仕組みなのですな。よく出来た仕組みなのです。わかりました。スーラに任せて欲しいのです」
俺はスーラに、井戸の数だけポンプの製作を頼んで、俺は領主館の仕上げをする。
アイテムボックスに入れてあった、木材を使って、フローリング、ドア、鎧戸を作っていく。
領主館の建物は、2日ほどで完成した。
その後、俺は倉庫を幾つか土魔法で建造すると、兵舎にトイレやシャワーを設置していく。
公衆浴場も出来たので、派遣される兵士や大工、職人が来ても大丈夫だ。
平らに馴らされた土地をエル、アンナ、ルシエルが土魔法で畑にしていく。森から持って来た腐葉土を混ぜ込み、カイトが魔法で造った肥料を混ぜて耕す。
「お嬢様、畑はこの位で大丈夫だと思います」
「そうね、じゃあ帰ってお風呂にしましょう」
「「はい」」
エルレインの提案にアンナとルシエルが同意して、屋敷へと歩き出す。
王都から戻り、領地の開発を初めて10日目、王国とバスターク辺境伯から派遣された兵士達が到着した。
「ランカス団長!ご無事でしたか!」
バスターク辺境伯から派遣された兵士の中に、ランカスを知る人物が混ざっていたようだ。第一騎士団の団長を勤めていたのなら当然か。
「ゴードンか、久しいな。元気そうでなによりだ」
ランカスも久しぶりの部下との再会に嬉しそうだ。
「団長、生きていらっしゃったんですね。本当に良かった」
ゴードンと呼ばれた、身長が2メートルはある大男が涙ぐんでいる。ランカスは、部下に慕われていたんだな。
「俺もゴードンと此処で会えるとは思わなかった。俺は、半ば死んだも同然の状態を、カイト様に救われて臣下にして頂いたのだ」
「っ、カイト様!」
ガバッとゴードンと呼ばれた大男が、深く頭を下げる。
「ランカス団長を助けて頂いてありがとうございます!」
「いや、ランカスは俺が望んで雇ったんだから、お礼を言われる程の事でもないよ」
「それでゴードン、兵士の人数はこれで全員か?」
今回、ドラーク男爵家の武官として派遣されたのは、30人程だった。確かに話とは違い、少し少ない。
「いえ、我等は先遣隊です。工兵部隊として動ける者を中心に、先発隊として来ました。あと、10日後に残りの人員が合流します。総勢200名になる筈です」
「そうか、では明日からゴードンが兵士の半数を率いて工兵訓練の指揮をとれ。残りの半分は俺と魔物狩りに行く。今日の所は身体を休めるように」
ランカスがそう言ってその場は解散となった。
それから数日、大工や職人達が到着すると、早速住居の建築を始める。
下水管の位置や、浄化の魔導具取り付けを打ち合わせする。
寝泊まりは、兵舎にまだまだ空きがあるので、そこを使ってもらう事にした。
新たにドラーク男爵家の武官として、派遣された兵士達と、道路の整備や井戸へのポンプ設置、堀の掘削、治水工事を進める。
住居が数棟完成し始めた頃、入植者が到着し始める。
農業従事者が来た事により、畑の開墾が始まる。
ゴゴゴゴゴッーーーー!!
俺が地面に手をついて、土魔法を発動すると、地面がウネリ四角く平坦な畑が出来上がる。長年自給自足の生活を送って来た俺にとって、畑仕事は慣れたものだ。
土が深く掘り起こされた畑に、もう一度魔法を行使する。
ゴゴゴゴゴーーーー!!
見る見るうちに、畑に畝が出来上がる。
あとは種蒔きを待つばかりとなった畑を見て、俺は一人呟く。
「はぁ~、お米が食べたい」
この領地は、温暖で平野部も広く水も豊富で米作りに適しているんだけど、肝心のお米を見た事がないんだよな。
目の前に広がる広大な農地を見て切実に思う。
「無い物を思うより、目の前の仕事を片付けないとな」
海岸の一画に、流下式塩田が造られていた。ただ、稼働して間もない為、当座の必要量を俺が魔法で用意する。海水から塩を取り出す簡単なお仕事だ。
次々に出来上がる塩を、これも魔法で作った壺に入れて、アイテムボックスに収納していく。
スタートは、俺達や兵士を含めて300人程度の人口を数年支えるだけの分量を精製しておく。
塩作りが始まれば、余剰分は王国へ販売する契約を結んでいる。戦略物資である塩を他国に頼らない事は王国発展の為に必要な事なのだから。
流下式塩田では、早速王国から送り込まれた人員により塩作りが続けられ、その横では新たな流下式塩田の建設が始まっていた。
エルは、アンナさんとルシエルを連れて、東の山脈に続く丘陵地で、果樹の苗を植え付けている。
スーラは工房に籠り魔導具を作っていた。灯りの魔導具や浄化の魔導具を量産している。最低限住民には、灯りの魔導具と浄化の魔導具は支給する事にしているからだ。
コレットは、村に建てられた教会で神官の仕事をしている。作業中怪我をした大工や職人の治癒もコレットの仕事だ。
ただ、変に立派な教会を建ててしまったせいか、王都の教会本部から神職を数人派遣する旨連絡を受けた。まだまだ小さな村だから、コレットだけで十分なのだが、宗教はややこしい。
ルキナは、一杯遊んで、一杯勉強している。やっぱり子供は元気じゃないとだめだ。母親のイリアには、ルキナに勉強を教える事を頼んである。
それといつの間にか、イリアとコレットが俺の妾になっていた。エルとイリア、コレットで話し合ったらしい。そこに俺が口を挟む事は許されなかった。それに、ルキナが俺の事を『パパ』と呼ぶようになっている。エルがニヤニヤしていたから、エルの差し金だろう。
イリアにしても、旦那さんを亡くしてそんなに時間が経ってないけど、獣人の本能が俺を求めているそうだ。……よく分からん。イリアもコレットも美人でスタイルも抜群なので文句などないが。
まぁ、でも俺の領地は、良いスタートを切れたと思おう。
84
あなたにおすすめの小説
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる