138 / 163
コレット母になる
しおりを挟む
黄金色の三角に尖った耳がパタパタと小走りに走る度に揺れる。
「あっ!コレット!走っちゃダメよ!」
エルレイン様が慌てて声を掛けてくる。
「すいません。ジーク様の泣き声が聞こえたので」
「それなら私が行きますから、コレットさんはゆっくりしてて下さいね」
エルレイン様付きの侍女、アンナさんが子供部屋に早歩きで向かいました。
私は狐人族のコレット。
ドラーク伯爵領で神官をしています。
大火傷の後、捨て値で売られた私は、魔物の餌にでもなるしかないと絶望の中、偶然にもカイト様に助けられ、不自由になった身体も、醜くただれた火傷痕も、全てキレイに治していただいた。
それから解放された私は、生涯カイト様とともに生きる事を誓いました。
その後、カイト様は未開地を開き、領地を開発して、今では伯爵にまで登りつめました。
その過程で、私もカイト様のお陰で、レベルが上がり、スキルを獲得しスキルレベルを上げ、転職を繰り返し、本来の治癒の力を伸ばすと共に、戦う力も頂きました。
王弟の反乱から帝国との戦争でも、後方で治癒魔法を使い、多くの兵士の傷を癒す為に走り回りました。
そして領地の開発が進み、領都にも立派な教会が建てられ、私は教会の責任者に任命されました。
教会では、領民の病気や怪我の治療や、礼拝や炊き出し、忙しく過ごしています。
カイト様には、第一夫人でバスターク辺境伯の長女エルレイン様がおられます。
そしてカイト様に助けられ、カイト様と共に生きる事を決めた三人がいます。
一人目は、息を飲むほど美しいエルフ族のルシエル様。
エルフの国では、最年少の長老に選出されるかもと言われていた、人間的にも魔法の実力でも素晴らしいお方です。ルシエル様の精霊魔法は帝国との戦争でも大活躍していました。
二人目は、ルキナちゃんのお母さんで、兎人族の女性、イリアさん。
常にカイト様のお側で従者として付き従うイリアさんは、愛玩奴隷として人気があり、常に奴隷狩りから狙われる兎人族です。イリアさんも素晴らしいプロポーションと愛らしいお顔で、一児の母とは見えません。
三人が私コレットです。
獣人族の中では珍しい魔法適性の高い種族である狐人族です。そのお陰で多くの民や兵士を癒す事が出来ているのですが。
第一夫人のエルレイン様、ルシエル様、イリアさんの三人が、ほぼ同じ時期に御懐妊しました。
当然、カイト様のお子様です。
そしてエルレイン様が男の子、ルシエル様とイリアさんが女の子の赤ちゃんを出産しました。
出産から子供達のお世話にと、私も忙しくも楽しい日々が続きました。
それでも少し寂しい気持ちになるのは、仕方のない事です。私も女なのですから。
一度に全員が妊娠してしまうと、それはそれで大変だったと思いますから。今では、アラクネのエピルさん、ラミアのラヴィンさん、ハーピーのフィーネさん達が、子供達の護衛兼メイドとして屋敷で働いているので、随分楽になりましたけど。
そして、私にも待望の生命が宿りました。
今から楽しみで仕方がありません。
獣人族の中には、妊娠期間が短い種族も居ますが、私のような狐人族やイリアさんのような兎人族は、人族と同じ位の妊娠期間ですから、まだまだ先になります。
種族間差別の少ない、このサーメイヤ王国にあって、さらに様々な種族が伸び伸び暮らすこのドラーク伯爵領で、子供を産み育てる事が出来る幸せを噛み締めています。
この幸せがずっと続く事を祈って、まだ膨れ始めたばかりのお腹を撫でてしまいます。
「あっ!コレット!走っちゃダメよ!」
エルレイン様が慌てて声を掛けてくる。
「すいません。ジーク様の泣き声が聞こえたので」
「それなら私が行きますから、コレットさんはゆっくりしてて下さいね」
エルレイン様付きの侍女、アンナさんが子供部屋に早歩きで向かいました。
私は狐人族のコレット。
ドラーク伯爵領で神官をしています。
大火傷の後、捨て値で売られた私は、魔物の餌にでもなるしかないと絶望の中、偶然にもカイト様に助けられ、不自由になった身体も、醜くただれた火傷痕も、全てキレイに治していただいた。
それから解放された私は、生涯カイト様とともに生きる事を誓いました。
その後、カイト様は未開地を開き、領地を開発して、今では伯爵にまで登りつめました。
その過程で、私もカイト様のお陰で、レベルが上がり、スキルを獲得しスキルレベルを上げ、転職を繰り返し、本来の治癒の力を伸ばすと共に、戦う力も頂きました。
王弟の反乱から帝国との戦争でも、後方で治癒魔法を使い、多くの兵士の傷を癒す為に走り回りました。
そして領地の開発が進み、領都にも立派な教会が建てられ、私は教会の責任者に任命されました。
教会では、領民の病気や怪我の治療や、礼拝や炊き出し、忙しく過ごしています。
カイト様には、第一夫人でバスターク辺境伯の長女エルレイン様がおられます。
そしてカイト様に助けられ、カイト様と共に生きる事を決めた三人がいます。
一人目は、息を飲むほど美しいエルフ族のルシエル様。
エルフの国では、最年少の長老に選出されるかもと言われていた、人間的にも魔法の実力でも素晴らしいお方です。ルシエル様の精霊魔法は帝国との戦争でも大活躍していました。
二人目は、ルキナちゃんのお母さんで、兎人族の女性、イリアさん。
常にカイト様のお側で従者として付き従うイリアさんは、愛玩奴隷として人気があり、常に奴隷狩りから狙われる兎人族です。イリアさんも素晴らしいプロポーションと愛らしいお顔で、一児の母とは見えません。
三人が私コレットです。
獣人族の中では珍しい魔法適性の高い種族である狐人族です。そのお陰で多くの民や兵士を癒す事が出来ているのですが。
第一夫人のエルレイン様、ルシエル様、イリアさんの三人が、ほぼ同じ時期に御懐妊しました。
当然、カイト様のお子様です。
そしてエルレイン様が男の子、ルシエル様とイリアさんが女の子の赤ちゃんを出産しました。
出産から子供達のお世話にと、私も忙しくも楽しい日々が続きました。
それでも少し寂しい気持ちになるのは、仕方のない事です。私も女なのですから。
一度に全員が妊娠してしまうと、それはそれで大変だったと思いますから。今では、アラクネのエピルさん、ラミアのラヴィンさん、ハーピーのフィーネさん達が、子供達の護衛兼メイドとして屋敷で働いているので、随分楽になりましたけど。
そして、私にも待望の生命が宿りました。
今から楽しみで仕方がありません。
獣人族の中には、妊娠期間が短い種族も居ますが、私のような狐人族やイリアさんのような兎人族は、人族と同じ位の妊娠期間ですから、まだまだ先になります。
種族間差別の少ない、このサーメイヤ王国にあって、さらに様々な種族が伸び伸び暮らすこのドラーク伯爵領で、子供を産み育てる事が出来る幸せを噛み締めています。
この幸せがずっと続く事を祈って、まだ膨れ始めたばかりのお腹を撫でてしまいます。
78
あなたにおすすめの小説
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる