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幼女二人
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「「キャハハハッーー!!」」
草原で淡いブルーに黒い縞模様の巨大な虎が駆けまわっている。その背には、二人の幼女が乗っていた。一人はその虎型ゴーレム【ルフト】の主人で、揺れる兎耳が可愛い、今では俺の娘になったルキナ。そのルキナにしがみついているのが、サーメイヤ王国の王女クララ様だ。
俺とエルやイリア、ルシエルとの間に生まれた子供達を見るという、名目でドラーク領に訪れたアレクシア王太后様、ロマーヌ王太后様、クララ王女様達はもう一つの目的があった。
故バージェス王の後を継いだクレモン王が、政に興味を失い、諫言する者を遠ざけ、自身の周りには耳障りの良い言葉しか言わない者を集めている。それを煽り、あわよくば取って代わろうとする者がいるという。
母の言葉さえ届かなくなったクレモン王を憂いたアレクシア王太后様とロマーヌ王太后様が俺を頼ってきた。
俺は今後どう動くかを考える時間が必要だった。バスターク辺境伯である義父とも相談しないといけないし、なにより、現時点では諫言する以外の方法がみつからない。取り敢えずアレクシア王太后様達にはゆっくりとして頂いて、少しでも気持ちが楽になれば良いんだけど…………。
ルフトに乗り駆けまわって遊んでいるルキナとクララ様を、少し離れた場所に日除けのタープとテーブルに椅子を並べて俺達はお茶を飲んでいた。
アレクシア様付きの侍女と、エルの専属侍女であるアンナさんがお茶を淹れている。
この場には、アレクシア様、ロマーヌ様、エル、イリアと俺で、クララ様の気がまぎれるようにと遊びに来ていた。
「ふふっ、久しぶりに見るわ。あの子のあんなにはしゃいだ姿……」
「そうね、幼いクララに、随分と我慢させていたのね」
我が子の楽しそうにはしゃぐ姿を、慈愛の瞳で見つめるロマーヌ様と、幼い王女に気をつかってあげれていなかった事に反省するアレクシア様。俺とエルも、クララ様が楽しそうに遊んでいる姿を見て、何とかしてあげたい気持ちが強くなる。だけど、何をしてあげれば良いのかが思いつかない。この辺りは俺も脳筋なんだろう。戦争なら蹴散らせば良いけど、若い王の意識を変えるなんて荷が重過ぎる。
「アレクシア様、ロマーヌ様、一度メルコム宰相とノーラン殿下と会って来ようと思います」
何が出来るか分からないけど、出来ることはなんでもしてみようと思った。
「ドラーク卿、ベルトルト公爵に見つかると、陛下に悪影響がありませんか?ドラーク卿はただでさえ目立つ存在なのですから」
「…………そうですね、まぁ、心配いらないでしょう。私とイリアなら誰にも気付かれる事なく王城の陛下の自室にでも忍び込めますから、メルコム宰相と秘密裏に面会するくらいどうとでもなります」
アレクシア様の懸念を俺は問題ないと安心させる。実際、俺とイリア、フーガ、サンク辺りならその位は朝飯前だ。
「…………そうですね、でしたらメルコムと騎士団長のランクスと一度会って話をして下さい。それで良い方向に向かえば良いのですが……。
難しいでしょうね、クレモン、いえ、陛下は耳を閉ざしていますから」
アレクシア様はそう言って俯いた。多分、劇的に好転する事はないと思われているのだろう。
「おかあしゃま~~!」
クララ様がルフトから降りて駆けてくる。
「はい!アレクシアおかあしゃまとロマーヌおかあしゃまに、お花つんだですぅ!」
「まぁ、とても綺麗ね。ありがとうクララ」
「私にもくれるのね、ありがとうクララ」
両手に色とりどりの花を摘んだ物を、アレクシア様とロマーヌ様に手渡した。
アレクシア様とロマーヌ様が花を受け取り、笑顔でクララ様の頭を撫でる。
「ルキナちゃんに手伝ってもらったのです!今度は、えいゆうしゃまのぶんもつんでくるの!」
クララ様はそう言うと、ルキナが待つ場所に走って行った。
「あとでアレクシア様やロマーヌ様とクララ様に魔導具を渡します」
「魔導具というと、クララが着けてる結界を張るペンダント?」
「ええ、それに毒耐性を付与した物を用意します」
「毒耐性…………、わかりました、お願いします」
モーティスの様に王を弑虐するような事はないと思うけど、アレクシア様やクララ様へ危害が及ぶ可能性がないわけじゃない。本当は陛下にも献上するべきなんだろうけど、俺に会ってくれるのかという問題もある。
(はぁ~、俺はこんなの苦手なんだよなぁ)
草原で淡いブルーに黒い縞模様の巨大な虎が駆けまわっている。その背には、二人の幼女が乗っていた。一人はその虎型ゴーレム【ルフト】の主人で、揺れる兎耳が可愛い、今では俺の娘になったルキナ。そのルキナにしがみついているのが、サーメイヤ王国の王女クララ様だ。
俺とエルやイリア、ルシエルとの間に生まれた子供達を見るという、名目でドラーク領に訪れたアレクシア王太后様、ロマーヌ王太后様、クララ王女様達はもう一つの目的があった。
故バージェス王の後を継いだクレモン王が、政に興味を失い、諫言する者を遠ざけ、自身の周りには耳障りの良い言葉しか言わない者を集めている。それを煽り、あわよくば取って代わろうとする者がいるという。
母の言葉さえ届かなくなったクレモン王を憂いたアレクシア王太后様とロマーヌ王太后様が俺を頼ってきた。
俺は今後どう動くかを考える時間が必要だった。バスターク辺境伯である義父とも相談しないといけないし、なにより、現時点では諫言する以外の方法がみつからない。取り敢えずアレクシア王太后様達にはゆっくりとして頂いて、少しでも気持ちが楽になれば良いんだけど…………。
ルフトに乗り駆けまわって遊んでいるルキナとクララ様を、少し離れた場所に日除けのタープとテーブルに椅子を並べて俺達はお茶を飲んでいた。
アレクシア様付きの侍女と、エルの専属侍女であるアンナさんがお茶を淹れている。
この場には、アレクシア様、ロマーヌ様、エル、イリアと俺で、クララ様の気がまぎれるようにと遊びに来ていた。
「ふふっ、久しぶりに見るわ。あの子のあんなにはしゃいだ姿……」
「そうね、幼いクララに、随分と我慢させていたのね」
我が子の楽しそうにはしゃぐ姿を、慈愛の瞳で見つめるロマーヌ様と、幼い王女に気をつかってあげれていなかった事に反省するアレクシア様。俺とエルも、クララ様が楽しそうに遊んでいる姿を見て、何とかしてあげたい気持ちが強くなる。だけど、何をしてあげれば良いのかが思いつかない。この辺りは俺も脳筋なんだろう。戦争なら蹴散らせば良いけど、若い王の意識を変えるなんて荷が重過ぎる。
「アレクシア様、ロマーヌ様、一度メルコム宰相とノーラン殿下と会って来ようと思います」
何が出来るか分からないけど、出来ることはなんでもしてみようと思った。
「ドラーク卿、ベルトルト公爵に見つかると、陛下に悪影響がありませんか?ドラーク卿はただでさえ目立つ存在なのですから」
「…………そうですね、まぁ、心配いらないでしょう。私とイリアなら誰にも気付かれる事なく王城の陛下の自室にでも忍び込めますから、メルコム宰相と秘密裏に面会するくらいどうとでもなります」
アレクシア様の懸念を俺は問題ないと安心させる。実際、俺とイリア、フーガ、サンク辺りならその位は朝飯前だ。
「…………そうですね、でしたらメルコムと騎士団長のランクスと一度会って話をして下さい。それで良い方向に向かえば良いのですが……。
難しいでしょうね、クレモン、いえ、陛下は耳を閉ざしていますから」
アレクシア様はそう言って俯いた。多分、劇的に好転する事はないと思われているのだろう。
「おかあしゃま~~!」
クララ様がルフトから降りて駆けてくる。
「はい!アレクシアおかあしゃまとロマーヌおかあしゃまに、お花つんだですぅ!」
「まぁ、とても綺麗ね。ありがとうクララ」
「私にもくれるのね、ありがとうクララ」
両手に色とりどりの花を摘んだ物を、アレクシア様とロマーヌ様に手渡した。
アレクシア様とロマーヌ様が花を受け取り、笑顔でクララ様の頭を撫でる。
「ルキナちゃんに手伝ってもらったのです!今度は、えいゆうしゃまのぶんもつんでくるの!」
クララ様はそう言うと、ルキナが待つ場所に走って行った。
「あとでアレクシア様やロマーヌ様とクララ様に魔導具を渡します」
「魔導具というと、クララが着けてる結界を張るペンダント?」
「ええ、それに毒耐性を付与した物を用意します」
「毒耐性…………、わかりました、お願いします」
モーティスの様に王を弑虐するような事はないと思うけど、アレクシア様やクララ様へ危害が及ぶ可能性がないわけじゃない。本当は陛下にも献上するべきなんだろうけど、俺に会ってくれるのかという問題もある。
(はぁ~、俺はこんなの苦手なんだよなぁ)
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