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面倒な奴が来ましたわよ
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私は腹を抱えて笑いたい気分ですわ。
アストレアもミレーナも私と約束した手前、本当の事が言えないのですもの。そして、真っ向から嘘をつかれたミレーナに至っては意気消沈ですわね。
そのまま地獄まで沈没してしまいなさいな!
「フィエナちゃん。今日のお勉強はこれでおしまいね」
「ありがとう♪ミレーナ」
「ミレーナ。今日は一緒に夕食を食べて行くといい」
「ごめんなさい、アストレア様。少し体調が悪いので本日は帰らせていただきますね」
「大丈夫か?では、誰かに送らせよう」
「いいえ。一人で大丈夫ですので」
いいわね。いいわよ。この感じ!完全にミレーナの心に戸惑いがありますわ。そもそも五年も付き合っているのだし倦怠期が訪れてもおかしくないのですものね。
そそくさと部屋を出ていくミレーナを見るのは清々しますわ。
◇◇◇◇◇
「――――それで。前から言っておったが、明日からはクリムゾアのパール王太子が一週間程滞在する事になるので宜しく頼むぞ」
パラスチア国王陛下。と、言っても今は私のお祖父様にあたるわね。突然何を言い出すかと思えば、すっかり忘れていましたわ!面倒なタイミングで来るのね。
いくら友好国とはいえ、少しお友達感覚が過ぎますわ。ほんの半年前に遊びに来たばかりじゃないの!
「フィエナ。またブラントンと遊べるぞ!嬉しいだろ♪」
「はい♪お祖父様。楽しみですわ」
やっぱりアイツも来るのですね!
全っ然、楽しみじゃないですわ!だってパール王子の息子ブラントンは私より一つ上なだけなのに凄く生意気だし、何よりも『変態』なのですから!
前回の訪問の時は酷い目にあわされましたわ!
「フィエナの将来の夫になるかもしれませんものね♪」
お母様はワインの飲み過ぎかしら!
自分の娘を変態に捧げるおつもり!?
これから少しずつアストレアとルアンナをくっ付ける為に私は忙しいのに、余計な者の相手をしている暇はないのよ。
全く不愉快な話を聞いたわね。美味しい夕食が台無しだったわ。
「フィエナお嬢様。寝る準備をいたします、ドレスをお脱ぎになりましょう」
「よろしく♪ルアンナ」
それにしても、ルアンナは私への扱いが完璧だわね。ドレスの脱がせ方も、着せ方も色々と配慮してくれるの。
その点、前のメイドは最悪だったわ。
私が子供だからってちゃちゃっと脱がして、強引に着せるだけなのだもの。締め付けがキツくて本当に苦しかったわ!
「ルアンナのお着替えは、とても優しくて好きよ♪」
「当然です♪大事なフィエナお嬢様の御体ですから!」
本当。彼女からは愛すら感じるわ。世の中の男は皆、女性の扱い方を彼女から習うべきね。
「ところでルアンナ。アストレアがとてもルアンナを気に入っていたの♪」
「え?そ、そんな事はないと思いますよ」
「そんな事あるのよ。だってルアンナはとても可愛いもの♪」
まぁ顔を赤くして可愛いらしいわ。彼女の中でも確実にアストレアが大きくなっているのは間違いないわね。
そしてアストレアとミレーナは今、少しギクシャクしているし。こういう時に他の女が近付くと男はコロッといくのよね!
「ルアンナ。また魚釣り連れていってね♪」
「はい。もちろんです!フィエナお嬢様」
こんな風に、ルアンナは私を喜ばせる為には全力を尽くしてくれる素晴らしいメイドなのよ。釣り以外でも何とかして二人が会う機会を設けたいものね。
しかし、これからの一週間は少し暇がないけども……
◇◇◇◇◇
「よく来たパール王太子殿。父上は変わりないかな?」
「これは国王陛下!父上は相変わらず落ち着きなく城中を飛び回っていますとも。ははは」
半年ごときで何が変わると言うのかしら。頻繁に来る意味が分からない。
アストレアと同い年で仲が良いのは分かるけど、庶民のお泊まり会じゃあるまいし。
「うちのブラントンが、フィエナお嬢ちゃんに会いたがってね。いつもその話をするのですよ。さぁ、ブラントン。ちゃんと挨拶するんだ」
「国王陛下。ならびに皆様。お久しぶりでございます。また厄介になりますが、宜しくお願いします」
おや?あれがあのブラントン?半年しか経っていないのに随分と印象が変わりましたわね。 顔も心なしか凛々しく感じますわ。
まぁ、いずれはクリムゾア王国の王子ですものね。
それにしても、クリムゾア王国とパルムドン王国が仲良いのは知っていましたが、まさかここまでとは……
アストレアとミレーナへの復讐は勿論だけど、私の今後の身の振り方を考えるとクリムゾア王国の妃殿下も悪くはないわね。
「ブラントン。フィエナと一杯遊んでやってくれよ」
「はい!」
お父様ったら何を言ってるのかしら。ガキ相手に遊んでやってるのはこっちの方ですわ!子供のふりも本当疲れますわね。
あら……なにこっちを見ているのかしら?ブラントンは。
ウインクしましたわ!やっぱりアイツは生意気ね!
「さぁさぁ。お茶も用意している。我々は向こうで話の続きをしようではないか。フィエナは久しぶりにブラントンと遊んでおいで♪」
アストレア。あなたはそんな余計な気遣いしてる場合じゃないのよ。必ず落としてあげますからね!
「フィエナ。フィエナの部屋に行こうよ♪」
「え? あ、うん……」
思わず返事しちゃったけど、このクソガキ。何を気安くレディーの部屋に入ろうとしてるのよ。
ってあっ!!
「フィエナ。まだそんなパンツ履いてるの?もっとセクシーなの履きなよ」
こいつ!本当にガキね!私のスカートを捲っただけでも失礼なのに、何という事を言うのよ! そもそも五歳でセクシーなショーツとか履いてたらおかしいでしょ、このエロガキ!
だから嫌いなのよ!
「相変わらずフィエナの部屋は質素だよなぁ」
「大人っぽいって言ってよね」
「そうか。確かにフィエナは他の女とは違うよね。ところでフィエナ、前の話ちゃんと考えてくれた?」
他の女って。六歳で何を言っているのかしらこのガキ!
しかし、前の話って。やっぱりそれを追及するのね。
「ま、まだ早いじゃない……」
「そんな事ないよ。僕の父上は五歳の時には母上と婚約したって言っていたもん。僕はフィエナが好きなんだ」
そうなの。私、前にブラントンが来た時にプロポーズされましたのよ。子供の戯れ言だと思って一旦は首を縦に振ってしまったのだけど。
彼は本気だったようで、王太子まで本気にしそうだったので慌てて『言ってない!』と拒否いたしましたが。
しかもこのエロガキったら、プロポーズした時に私のファーストキスまで奪いましたのよ!
「そ、それはそうかもしれないけど」
「僕の事が嫌いなのかい?」
好きな筈ないじゃない!何を勘違いしてるのかしら。ひっぱたいて分からせてやりたいわ!
でも、一応クリムゾアとの関係もあるし、下手な事も出来ないのよね。
「そ、そういうわけじゃな……ん。んんん……ぷふぁ!」
ちょ……このガキ!またキスを!しかも、前より上手くなってるじゃない!本当に腹立つわね!
「僕が居る一週間で答えを出してよ。フィエナは、お姫様になりたくないの?僕と一緒になればクリムゾアのお姫様だよ!」
六歳で権力を見せ付けるとは随分立派なガキに育ったわね。
確かに、クリムゾアはパルムドンを凌ぐ程の大国。まぁブラントンは、あの美形のパール王子の息子だから顔は悪くならないだろうし。権力はあるし。キスは上手いし……悪い話ではないのよね。
あぁ。キスは余計でしたわね。
「わかったわ。ブラントンが帰るまでに考える」
「ありがとうフィエナ♪」
って、何で抱き付いてくるのよ!まだ、OKなんて言ってませんわ!ほんと、今週は大変な日々になりますわね。
アストレアもミレーナも私と約束した手前、本当の事が言えないのですもの。そして、真っ向から嘘をつかれたミレーナに至っては意気消沈ですわね。
そのまま地獄まで沈没してしまいなさいな!
「フィエナちゃん。今日のお勉強はこれでおしまいね」
「ありがとう♪ミレーナ」
「ミレーナ。今日は一緒に夕食を食べて行くといい」
「ごめんなさい、アストレア様。少し体調が悪いので本日は帰らせていただきますね」
「大丈夫か?では、誰かに送らせよう」
「いいえ。一人で大丈夫ですので」
いいわね。いいわよ。この感じ!完全にミレーナの心に戸惑いがありますわ。そもそも五年も付き合っているのだし倦怠期が訪れてもおかしくないのですものね。
そそくさと部屋を出ていくミレーナを見るのは清々しますわ。
◇◇◇◇◇
「――――それで。前から言っておったが、明日からはクリムゾアのパール王太子が一週間程滞在する事になるので宜しく頼むぞ」
パラスチア国王陛下。と、言っても今は私のお祖父様にあたるわね。突然何を言い出すかと思えば、すっかり忘れていましたわ!面倒なタイミングで来るのね。
いくら友好国とはいえ、少しお友達感覚が過ぎますわ。ほんの半年前に遊びに来たばかりじゃないの!
「フィエナ。またブラントンと遊べるぞ!嬉しいだろ♪」
「はい♪お祖父様。楽しみですわ」
やっぱりアイツも来るのですね!
全っ然、楽しみじゃないですわ!だってパール王子の息子ブラントンは私より一つ上なだけなのに凄く生意気だし、何よりも『変態』なのですから!
前回の訪問の時は酷い目にあわされましたわ!
「フィエナの将来の夫になるかもしれませんものね♪」
お母様はワインの飲み過ぎかしら!
自分の娘を変態に捧げるおつもり!?
これから少しずつアストレアとルアンナをくっ付ける為に私は忙しいのに、余計な者の相手をしている暇はないのよ。
全く不愉快な話を聞いたわね。美味しい夕食が台無しだったわ。
「フィエナお嬢様。寝る準備をいたします、ドレスをお脱ぎになりましょう」
「よろしく♪ルアンナ」
それにしても、ルアンナは私への扱いが完璧だわね。ドレスの脱がせ方も、着せ方も色々と配慮してくれるの。
その点、前のメイドは最悪だったわ。
私が子供だからってちゃちゃっと脱がして、強引に着せるだけなのだもの。締め付けがキツくて本当に苦しかったわ!
「ルアンナのお着替えは、とても優しくて好きよ♪」
「当然です♪大事なフィエナお嬢様の御体ですから!」
本当。彼女からは愛すら感じるわ。世の中の男は皆、女性の扱い方を彼女から習うべきね。
「ところでルアンナ。アストレアがとてもルアンナを気に入っていたの♪」
「え?そ、そんな事はないと思いますよ」
「そんな事あるのよ。だってルアンナはとても可愛いもの♪」
まぁ顔を赤くして可愛いらしいわ。彼女の中でも確実にアストレアが大きくなっているのは間違いないわね。
そしてアストレアとミレーナは今、少しギクシャクしているし。こういう時に他の女が近付くと男はコロッといくのよね!
「ルアンナ。また魚釣り連れていってね♪」
「はい。もちろんです!フィエナお嬢様」
こんな風に、ルアンナは私を喜ばせる為には全力を尽くしてくれる素晴らしいメイドなのよ。釣り以外でも何とかして二人が会う機会を設けたいものね。
しかし、これからの一週間は少し暇がないけども……
◇◇◇◇◇
「よく来たパール王太子殿。父上は変わりないかな?」
「これは国王陛下!父上は相変わらず落ち着きなく城中を飛び回っていますとも。ははは」
半年ごときで何が変わると言うのかしら。頻繁に来る意味が分からない。
アストレアと同い年で仲が良いのは分かるけど、庶民のお泊まり会じゃあるまいし。
「うちのブラントンが、フィエナお嬢ちゃんに会いたがってね。いつもその話をするのですよ。さぁ、ブラントン。ちゃんと挨拶するんだ」
「国王陛下。ならびに皆様。お久しぶりでございます。また厄介になりますが、宜しくお願いします」
おや?あれがあのブラントン?半年しか経っていないのに随分と印象が変わりましたわね。 顔も心なしか凛々しく感じますわ。
まぁ、いずれはクリムゾア王国の王子ですものね。
それにしても、クリムゾア王国とパルムドン王国が仲良いのは知っていましたが、まさかここまでとは……
アストレアとミレーナへの復讐は勿論だけど、私の今後の身の振り方を考えるとクリムゾア王国の妃殿下も悪くはないわね。
「ブラントン。フィエナと一杯遊んでやってくれよ」
「はい!」
お父様ったら何を言ってるのかしら。ガキ相手に遊んでやってるのはこっちの方ですわ!子供のふりも本当疲れますわね。
あら……なにこっちを見ているのかしら?ブラントンは。
ウインクしましたわ!やっぱりアイツは生意気ね!
「さぁさぁ。お茶も用意している。我々は向こうで話の続きをしようではないか。フィエナは久しぶりにブラントンと遊んでおいで♪」
アストレア。あなたはそんな余計な気遣いしてる場合じゃないのよ。必ず落としてあげますからね!
「フィエナ。フィエナの部屋に行こうよ♪」
「え? あ、うん……」
思わず返事しちゃったけど、このクソガキ。何を気安くレディーの部屋に入ろうとしてるのよ。
ってあっ!!
「フィエナ。まだそんなパンツ履いてるの?もっとセクシーなの履きなよ」
こいつ!本当にガキね!私のスカートを捲っただけでも失礼なのに、何という事を言うのよ! そもそも五歳でセクシーなショーツとか履いてたらおかしいでしょ、このエロガキ!
だから嫌いなのよ!
「相変わらずフィエナの部屋は質素だよなぁ」
「大人っぽいって言ってよね」
「そうか。確かにフィエナは他の女とは違うよね。ところでフィエナ、前の話ちゃんと考えてくれた?」
他の女って。六歳で何を言っているのかしらこのガキ!
しかし、前の話って。やっぱりそれを追及するのね。
「ま、まだ早いじゃない……」
「そんな事ないよ。僕の父上は五歳の時には母上と婚約したって言っていたもん。僕はフィエナが好きなんだ」
そうなの。私、前にブラントンが来た時にプロポーズされましたのよ。子供の戯れ言だと思って一旦は首を縦に振ってしまったのだけど。
彼は本気だったようで、王太子まで本気にしそうだったので慌てて『言ってない!』と拒否いたしましたが。
しかもこのエロガキったら、プロポーズした時に私のファーストキスまで奪いましたのよ!
「そ、それはそうかもしれないけど」
「僕の事が嫌いなのかい?」
好きな筈ないじゃない!何を勘違いしてるのかしら。ひっぱたいて分からせてやりたいわ!
でも、一応クリムゾアとの関係もあるし、下手な事も出来ないのよね。
「そ、そういうわけじゃな……ん。んんん……ぷふぁ!」
ちょ……このガキ!またキスを!しかも、前より上手くなってるじゃない!本当に腹立つわね!
「僕が居る一週間で答えを出してよ。フィエナは、お姫様になりたくないの?僕と一緒になればクリムゾアのお姫様だよ!」
六歳で権力を見せ付けるとは随分立派なガキに育ったわね。
確かに、クリムゾアはパルムドンを凌ぐ程の大国。まぁブラントンは、あの美形のパール王子の息子だから顔は悪くならないだろうし。権力はあるし。キスは上手いし……悪い話ではないのよね。
あぁ。キスは余計でしたわね。
「わかったわ。ブラントンが帰るまでに考える」
「ありがとうフィエナ♪」
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