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事件を起こして差し上げますのよ
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いい加減付きまとうのをやめてほしいのですわ。
お父様やお母様、アストレアまで「仲が良い」などと言っていますが、ブラントンが勝手に私に付きまとっているだけなのよね。
「フィエナ?フィエナ、どこ行ったの?」
「フィエナお嬢様なら、さっきその辺にいましたよ?」
何を暴露してくれてんのよバカメイド!無能が。首にしますわよ!ほら、見つかったじゃないの!本当に子供って面倒だわ。私にはやらなきゃいけない事がありますのに。
ん?そうだわ……私、思いついてしまいましたわ。
「ブラントン。ちょっと面白い遊びしましょ♪」
◇◇◇◇◇
「ちょっとフィエナ!待ってよ……」
「ブラントン男の子でしょ?何でそんなの飛び降りられないのよ!」
「い、いけるよ!ちょっとまってろよ。そらっ!――――いって!」
まぁ情けないガキね。この程度の塀から飛び降りて着地に失敗するなんて。騒がしくするとバレちゃうじゃないの!
「いてて……こんなコソコソ城を抜け出してどこ行くんだ?」
「秘密の恋はコッソリやるほうが素敵でしょ♪その為には抜け出す所から始めなきゃ」
ちょっと思い悩んでいるであろうミレーナを放っておくのは勿体ないのよ。かといって他国の王子の息子であるブラントンを堂々と外出なんてさせられないですし。
ブラントンには、これは秘密の恋人ゴッコって言ってあるし、ミレーナの前で素性なんか明かさせないけれど。
「フィエナちゃん!どうしたの?一人で来たの?」
「いいえ。二人よ♪」
まぁ当然慌てるわよね。第二王子の娘が男を連れて城下町に来るのですもの。
バレたら大騒ぎだわ。まぁそれこそが狙いなのだけど。
「あら。フィエナちゃん。そちらはどなた?」
「僕はブラン……、いてっ! ――――あ、そっか。僕は、ぶ、ブレン。ブレンです!城下町に住んでます!」
「彼は私のダーリンだよ♪ミレーナ、お願いだから何も聞かないで私達をここに居させて」
何、ウッカリ名前言おうとしてるのよバカ!つい強く叩いちゃったじゃない。ミレーナにブラントンの立場がバレるのはマズイのよ!
ミレーナには、これが本当の秘密の恋だと思って貰わなきゃダメなんだから。
「ちょ、ちょっとまって!フィエナちゃん!これは一体どういう事なの?」
まぁたっぷり説明してあげますわ。シナリオですけどね。
彼は普通の男の子で、たまたま城下町で見た私と禁断の恋に落ちたのですわ。
でも悲しいかな、私と彼は身分の違いがあり簡単には会えない立場ですのよ。あら?どこかで聞いた話だわね。
まるで何処かの王子とメイドの恋物語のようですわ。
「そうなのね。でもフィエナちゃん。お父様やお母様が心配するから帰らなきゃダメよ」
「ミレーナ、私、ブレンと一緒にいちゃだめなの?私はお城に住んでるからブレンとは一緒にいられないの?」
「そ、それは……」
答えられないわよね。あなたは身分の違いを諦められなかったものねミレーナ!
私が話を付けると言ったにも関わらず、あなたはあの場に来たのですもの!私からアレクトスを奪い取るつもりで!あー、くわばらくわばら。
そして、私はアレクトスに突き飛ばされて死ぬ事になったのですものね!
「ぼ、僕はフィエナを好きなんだ!彼女と婚約したい!」
あらあら。ブラントンもスイッチが入ったわね。まぁほとんど本気で言ってるのでしょうけど。まぁこの際、都合がいいわ。
ごっこを続けましょう♪
「暫くしたら送っていきますからね?」
「ありがとうミレーナ♪」
もう二時間は経ったかしら?
たまには城外でくつろぐのも悪くないわね。子供だから仕方ないけど、あそこは常に監視されてる感じが嫌なのよね。
「フィエナちゃん?さすがにそろそろ帰らないとダメよ」
チッ!さすがにミレーナも焦ってきたようね。でもまだ早いわ。 あら?誰か来たわ。どうやら城の者が気付いたようね。
「お願い!ミレーナ!もう少し!もう少しだけブレンと居させて!彼、もうすぐこの国から居なくなっちゃうの!」
「で、でも……」
仕方ないわね。不本意だけどブラントンに抱き付いてあげるわ。二人の愛を見せないとね……って、ちょっと!コイツ、何をシレッと首筋にキスしてるのよ!がまん、がまん……
「そうなんだ。僕は後一週間しかない。せめて今日だけでもフィエナとの時間を!」
「はぁ~。後少しだけですよ」
ブラントンの奴、ちょっと味をしめてるじゃない!なんてマセガキなのよ。もういいから離れなさいよね!
「ミレーナ様。こちらにフィエナお嬢様は来てらっしゃいませんか?」
「え、えぇ。見てませんが何か?」
「いえ。ならば良いのです。城でかくれんぼをしてたようなのですが見当たらないので。まだ何処かに隠れているのかもしれませんね。失礼しました」
「なぁフィエナ。そろそろ帰らなくて大丈夫か?暗くなってきたぞ?」
「あら?ブラントンは私と一緒に居たくないの?」
とは言え。ミレーナもソワソワしているし、そろそろ限界かしらね。今頃、城はどうなっているのかしら。
「ミレーナ!!ミレーナ、大変だ!」
「あ、アストレア様!急に、どうなさったのですか?」
「フィエナとブラントンが行方不明になった!何者かに拐われたかもしれん!」
「え!!フィエナちゃんなら……」
あら……外で、随分と沢山の兵士が動いてますのね。これはちょっとヤバいですわ。想定の範疇を超えましたわね。
◇◇◇◇◇
「フィエナ!!冗談ではすまされませんよ!!」
「リカーテ様。フィエナお嬢様も無事に帰ってきたんだし、もうその辺りで……」
「ルアンナ。あなたは黙りなさい!」
はぁ……やりすぎたわ。
でもこれで、直ぐに城へ報告しなかったミレーナもただでは済まないわね。子供の罪と大人の罪では大違い。
しかも、他国の王家の子供まで捲き込んでいるのですもの。
「いや。フィエナちゃんは何も悪くないんだよ」
「いいえ、王太子殿下!うちのフィエナが……」
「違うんだ。息子が白状しましたよ。全部息子が仕組んだ事でフィエナちゃんは何一つ悪くないのだと言ってました。なので彼女を許してあげてください。本当に息子が迷惑をかけた」
「そんな!王太子殿下が謝る所では御座いません。そもそも何も知らなかったとはいえ、一切報告しないミレーナが悪いわ!あの娘ったらやっぱり常識がないのよ!」
思った通り、そうなるのよね。お母様はメイド上がりのミレーナを心の中では良く思っていなかったのだから。
前世の私の時はとても良くしてくださったのに、ミレーナには少し冷たいもの。
アレクトスが若干ミレーナを気に入ってるのも、きっと勘にさわっているのですわね。
少しずつ落としていってあげますからねミレーナ♪
それにしてもブラントンの奴、私を庇ったのね……。
「それにしても今日は騒がしい1日だったな」
「国王陛下。息子が大変迷惑をかけました」
「何。気にする事はないパール殿。それだけフィエナとブラントン君が仲が良いという事だ」
まぁ夕食の話題は当然これになりますわね。アストレアなんて黙々とフォークを動かしているじゃない。そりゃ自分の婚約者の問題は否めないですものね。
「ところでアストレア様。やはりミレーナさんには少し王家は荷が重いのではないですか?」
「こら!よさないかリカーテ!」
ナイスですわね、お母様♪もっと言ってやってくださいな。お父様も、止める必要なんて全く無くてよ。
「子供の言う事に騙されるのもちょっとどうかと思いますが。それでも王家の……しかも他国の王族が城下町に出ているのを見過ごすなんて。ひとつ間違えば大事件ですのよ!」
「すまない、リカーテさん。ブラントンの事は、ミレーナも知らなかったらしいんだ。――――そうだろ?ブラントン?」
「うん。僕が嘘ついたから。その……ごめんなさい」
何よブラントン、その視線。
私に、言うなって命令されたと訴えればいいじゃない!守ってやったみたいな顔しないでほしいわ。
庇ってなんて一言も言っておりませんわ!
お父様やお母様、アストレアまで「仲が良い」などと言っていますが、ブラントンが勝手に私に付きまとっているだけなのよね。
「フィエナ?フィエナ、どこ行ったの?」
「フィエナお嬢様なら、さっきその辺にいましたよ?」
何を暴露してくれてんのよバカメイド!無能が。首にしますわよ!ほら、見つかったじゃないの!本当に子供って面倒だわ。私にはやらなきゃいけない事がありますのに。
ん?そうだわ……私、思いついてしまいましたわ。
「ブラントン。ちょっと面白い遊びしましょ♪」
◇◇◇◇◇
「ちょっとフィエナ!待ってよ……」
「ブラントン男の子でしょ?何でそんなの飛び降りられないのよ!」
「い、いけるよ!ちょっとまってろよ。そらっ!――――いって!」
まぁ情けないガキね。この程度の塀から飛び降りて着地に失敗するなんて。騒がしくするとバレちゃうじゃないの!
「いてて……こんなコソコソ城を抜け出してどこ行くんだ?」
「秘密の恋はコッソリやるほうが素敵でしょ♪その為には抜け出す所から始めなきゃ」
ちょっと思い悩んでいるであろうミレーナを放っておくのは勿体ないのよ。かといって他国の王子の息子であるブラントンを堂々と外出なんてさせられないですし。
ブラントンには、これは秘密の恋人ゴッコって言ってあるし、ミレーナの前で素性なんか明かさせないけれど。
「フィエナちゃん!どうしたの?一人で来たの?」
「いいえ。二人よ♪」
まぁ当然慌てるわよね。第二王子の娘が男を連れて城下町に来るのですもの。
バレたら大騒ぎだわ。まぁそれこそが狙いなのだけど。
「あら。フィエナちゃん。そちらはどなた?」
「僕はブラン……、いてっ! ――――あ、そっか。僕は、ぶ、ブレン。ブレンです!城下町に住んでます!」
「彼は私のダーリンだよ♪ミレーナ、お願いだから何も聞かないで私達をここに居させて」
何、ウッカリ名前言おうとしてるのよバカ!つい強く叩いちゃったじゃない。ミレーナにブラントンの立場がバレるのはマズイのよ!
ミレーナには、これが本当の秘密の恋だと思って貰わなきゃダメなんだから。
「ちょ、ちょっとまって!フィエナちゃん!これは一体どういう事なの?」
まぁたっぷり説明してあげますわ。シナリオですけどね。
彼は普通の男の子で、たまたま城下町で見た私と禁断の恋に落ちたのですわ。
でも悲しいかな、私と彼は身分の違いがあり簡単には会えない立場ですのよ。あら?どこかで聞いた話だわね。
まるで何処かの王子とメイドの恋物語のようですわ。
「そうなのね。でもフィエナちゃん。お父様やお母様が心配するから帰らなきゃダメよ」
「ミレーナ、私、ブレンと一緒にいちゃだめなの?私はお城に住んでるからブレンとは一緒にいられないの?」
「そ、それは……」
答えられないわよね。あなたは身分の違いを諦められなかったものねミレーナ!
私が話を付けると言ったにも関わらず、あなたはあの場に来たのですもの!私からアレクトスを奪い取るつもりで!あー、くわばらくわばら。
そして、私はアレクトスに突き飛ばされて死ぬ事になったのですものね!
「ぼ、僕はフィエナを好きなんだ!彼女と婚約したい!」
あらあら。ブラントンもスイッチが入ったわね。まぁほとんど本気で言ってるのでしょうけど。まぁこの際、都合がいいわ。
ごっこを続けましょう♪
「暫くしたら送っていきますからね?」
「ありがとうミレーナ♪」
もう二時間は経ったかしら?
たまには城外でくつろぐのも悪くないわね。子供だから仕方ないけど、あそこは常に監視されてる感じが嫌なのよね。
「フィエナちゃん?さすがにそろそろ帰らないとダメよ」
チッ!さすがにミレーナも焦ってきたようね。でもまだ早いわ。 あら?誰か来たわ。どうやら城の者が気付いたようね。
「お願い!ミレーナ!もう少し!もう少しだけブレンと居させて!彼、もうすぐこの国から居なくなっちゃうの!」
「で、でも……」
仕方ないわね。不本意だけどブラントンに抱き付いてあげるわ。二人の愛を見せないとね……って、ちょっと!コイツ、何をシレッと首筋にキスしてるのよ!がまん、がまん……
「そうなんだ。僕は後一週間しかない。せめて今日だけでもフィエナとの時間を!」
「はぁ~。後少しだけですよ」
ブラントンの奴、ちょっと味をしめてるじゃない!なんてマセガキなのよ。もういいから離れなさいよね!
「ミレーナ様。こちらにフィエナお嬢様は来てらっしゃいませんか?」
「え、えぇ。見てませんが何か?」
「いえ。ならば良いのです。城でかくれんぼをしてたようなのですが見当たらないので。まだ何処かに隠れているのかもしれませんね。失礼しました」
「なぁフィエナ。そろそろ帰らなくて大丈夫か?暗くなってきたぞ?」
「あら?ブラントンは私と一緒に居たくないの?」
とは言え。ミレーナもソワソワしているし、そろそろ限界かしらね。今頃、城はどうなっているのかしら。
「ミレーナ!!ミレーナ、大変だ!」
「あ、アストレア様!急に、どうなさったのですか?」
「フィエナとブラントンが行方不明になった!何者かに拐われたかもしれん!」
「え!!フィエナちゃんなら……」
あら……外で、随分と沢山の兵士が動いてますのね。これはちょっとヤバいですわ。想定の範疇を超えましたわね。
◇◇◇◇◇
「フィエナ!!冗談ではすまされませんよ!!」
「リカーテ様。フィエナお嬢様も無事に帰ってきたんだし、もうその辺りで……」
「ルアンナ。あなたは黙りなさい!」
はぁ……やりすぎたわ。
でもこれで、直ぐに城へ報告しなかったミレーナもただでは済まないわね。子供の罪と大人の罪では大違い。
しかも、他国の王家の子供まで捲き込んでいるのですもの。
「いや。フィエナちゃんは何も悪くないんだよ」
「いいえ、王太子殿下!うちのフィエナが……」
「違うんだ。息子が白状しましたよ。全部息子が仕組んだ事でフィエナちゃんは何一つ悪くないのだと言ってました。なので彼女を許してあげてください。本当に息子が迷惑をかけた」
「そんな!王太子殿下が謝る所では御座いません。そもそも何も知らなかったとはいえ、一切報告しないミレーナが悪いわ!あの娘ったらやっぱり常識がないのよ!」
思った通り、そうなるのよね。お母様はメイド上がりのミレーナを心の中では良く思っていなかったのだから。
前世の私の時はとても良くしてくださったのに、ミレーナには少し冷たいもの。
アレクトスが若干ミレーナを気に入ってるのも、きっと勘にさわっているのですわね。
少しずつ落としていってあげますからねミレーナ♪
それにしてもブラントンの奴、私を庇ったのね……。
「それにしても今日は騒がしい1日だったな」
「国王陛下。息子が大変迷惑をかけました」
「何。気にする事はないパール殿。それだけフィエナとブラントン君が仲が良いという事だ」
まぁ夕食の話題は当然これになりますわね。アストレアなんて黙々とフォークを動かしているじゃない。そりゃ自分の婚約者の問題は否めないですものね。
「ところでアストレア様。やはりミレーナさんには少し王家は荷が重いのではないですか?」
「こら!よさないかリカーテ!」
ナイスですわね、お母様♪もっと言ってやってくださいな。お父様も、止める必要なんて全く無くてよ。
「子供の言う事に騙されるのもちょっとどうかと思いますが。それでも王家の……しかも他国の王族が城下町に出ているのを見過ごすなんて。ひとつ間違えば大事件ですのよ!」
「すまない、リカーテさん。ブラントンの事は、ミレーナも知らなかったらしいんだ。――――そうだろ?ブラントン?」
「うん。僕が嘘ついたから。その……ごめんなさい」
何よブラントン、その視線。
私に、言うなって命令されたと訴えればいいじゃない!守ってやったみたいな顔しないでほしいわ。
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