夫に捨てられた私は冷酷公爵と再婚しました

 伯爵夫人のマリアーヌは「夜を共に過ごす気にならない」と突然夫に告げられ、わずか五ヶ月で離縁することとなる。
 これまで女癖の悪い夫に何度も不倫されても、役立たずと貶されても、文句ひとつ言わず彼を支えてきた。だがその苦労は報われることはなかった。

 実家に帰っても父から不当な扱いを受けるマリアーヌ。気分転換に繰り出した街で倒れていた貴族の男性と出会い、彼を助ける。

「離縁したばかり? それは相手の見る目がなかっただけだ。良かったじゃないか。君はもう自由だ」
「自由……」

 もう自由なのだとマリアーヌが気づいた矢先、両親と元夫の策略によって再婚を強いられる。相手は婚約者が逃げ出すことで有名な冷酷公爵だった。
 ところが冷酷公爵と会ってみると、以前助けた男性だったのだ。
 再婚を受け入れたマリアーヌは、公爵と少しずつ仲良くなっていく。
 ところが公爵は王命を受け内密に仕事をしているようで……。

 一方の元夫は、財政難に陥っていた。

「頼む、助けてくれ! お前は俺に恩があるだろう?」

 元夫の悲痛な叫びに、マリアーヌはにっこりと微笑んだ。

「なぜかしら? 貴方を助ける気になりませんの」



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