木山楽斗

木山楽斗

twitterを始めました。 ※2020/03/02 改名しました。 N420→木山楽斗
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恋愛 連載中 短編
ラフィティアは夫であるアルフェルグとおしどり夫婦を演じていた。 あくまで割り切った関係である二人は、自分達の評価を上げるためにも、対外的にはいい夫婦として過ごしていたのである。 実際の二人は、仲が悪いという訳ではないが、いい夫婦というものではなかった。 食事も別なくらいだったし、話すことと言えば口裏を合わせる時くらいだ。 しかしともに過ごしていく内に、二人の心境も徐々に変化していっていた。 二人はお互いのことを、少なからず意識していたのである。 そんな二人に、転機が訪れる。 ラフィティアがとある友人と出掛けることになったのだ。 アルフェルグは、その友人とラフィティアが特別な関係にあるのではないかと考えた。 そこから二人の関係は、一気に変わっていくのだった。
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文字数 15,981 最終更新日 2024.03.19 登録日 2024.03.15
恋愛 連載中 短編
子爵令嬢であるイルリアは、婚約者から婚約破棄された。 彼は、イルリアの妹が婚約破棄されたことに対してひどく心を痛めており、そんな彼女を救いたいと言っているのだ。 混乱するイルリアだったが、婚約者は妹と仲良くしている。 そんな二人に押し切られて、イルリアは引き下がらざるを得なかった。 当然イルリアは、婚約者と妹に対して腹を立てていた。 そんな彼女に声をかけてきたのは、公爵令息であるマグナードだった。 彼の助力を得ながら、イルリアは婚約者と妹に対する抗議を始めるのだった。
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文字数 35,403 最終更新日 2024.03.19 登録日 2024.03.06
生まれつき顔に大きな痣があるエレティアは、社交界において決して有利ではなかった。 しかし彼女には心強い味方がいた。エレティアの家族は、痣を気にすることなく、彼女のことを一心に愛していたのである。 偉大なる両親や兄姉の影響によって、エレティアは強い令嬢になっていた。 そんな彼女はある時、舞踏会で一人の同じ伯爵令息のルベルスと出会った。 ルベルスはエレティアにひどく同情的だった。 彼はエレティアのことをどこか見下し、対応してきたのである。 そんなルベルスに、エレティアはあまり好感を抱いていなかった。 だが彼は、後日エレティアに婚約を申し込んできた。 ルベルスはエレティアに他に婚約を申し込む者などいないと彼女を侮辱して、自分が引き取ると主張したのである。 ただ、そんな主張をエレティアの家族は認めなかった。 彼らはエレティアのことを大切に思っており、ルベルスのようなふざけた者に渡す気などなかったのである。 そんな折、エレティアにもう一人婚約を申し込んでくる者がいた。 彼の名は、ジオート。エレティアが舞踏会で会っていた侯爵令息である。
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文字数 20,252 最終更新日 2024.02.28 登録日 2024.02.23
伯爵令嬢であるイルメアは、独善的な父親の支配に弟とともに苦しんでいた。 父親でありながら、子供を歯牙にもかけない彼は、二人のことを利益を得るための道具としか思っていなかったのである。 そんな父親によって、イルメアは同じ伯爵家の令息と婚約を結ぶことになった。 しかしその婚約者も、人格面に問題がある人物だったのである。 過激な思想を持っており、女癖も悪かった婚約者は、多くの者から恨みを買っていた。 そんな彼は、ある日その報いを受けることになった。恨みを買っていた者達から、糾弾されることになったのである。 一方で、イルメアの父親の横暴もいつまでも続かなかった。 二人に対するひどい扱いなどが、社交界に広まっていたのだ。 結果的に孤立することになった父親は、失脚することになったのである。
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文字数 19,067 最終更新日 2024.02.21 登録日 2024.02.16
平民であるため、類稀なる魔法の才を持つアルエリアは聖女になれなかった。 しかしその実力は多くの者達に伝わっており、聖女の部下となってからも一目置かれていた。 その事実は、聖女に選ばれた伯爵令嬢エムリーナにとって気に入らないものだった。 彼女は、アルエリアを排除する計画を立てた。王都を守る結界をアルエリアが崩壊させるように仕向けたのだ。 だが、エムリーナは理解していなかった。 部下であるアルエリアの失敗の責任を取るのは、自分自身であるということを。 ある時、アルエリアはエムリーナにそれを指摘した。 それに彼女は、ただただ狼狽えるのだった。 さらにエムリーナの計画は、第二王子ゼルフォンに見抜かれていた。 こうして彼女の歪んだ計画は、打ち砕かれたのである。
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文字数 17,370 最終更新日 2024.02.13 登録日 2024.02.09
小さな村で母親とともに暮らしていアリシアは、突如ランベルト侯爵家に連れて行かれることになった。彼女は、ランベルト侯爵の隠し子だったのである。 侯爵に連れて行かれてからのアリシアの生活は、幸福なものではなかった ランベルト侯爵家のほとんどはアリシアのことを決して歓迎しておらず、彼女に対してひどい扱いをしていたのである。 一緒に連れて行かれた母親からも引き離されたアリシアは、苦しい日々を送っていた。 そしてある時彼女は、母親が亡くなったことを聞く。それによって、アリシアは深く傷ついていた。 そんな彼女は、若くしてアルバーン侯爵を襲名したルバイトの元に嫁ぐことになった。 ルバイトは訳アリの侯爵であり、ランベルト侯爵は彼の権力を取り込むことを狙い、アリシアを嫁がせたのである。 ルバイト自身は人格者であり、彼はアリシアの扱われた方に怒りを覚えてくれた。 そのこともあって、アリシアは久方振りに穏やかな生活を送れるようになったのだった。 そしてある時アリシアは、ルバイト自身も知らなかった彼の出自について知ることになった。 実は彼は、王家の血を引いていたのである。 それによって、ランベルト侯爵家の人々は苦しむことになった。 アリシアへの今までの行いが、国王の耳まで行き届き、彼の逆鱗に触れることになったのである。
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文字数 22,800 最終更新日 2024.02.03 登録日 2024.01.29
「僕はさ、博愛主義者なんだよ」 「……はあ?」 夫であるジグルドが浮気をしていることを把握したアルリナは、彼にそのことを問い詰めた。 するとジグルドは、訳のわからないことを言い出した。 彼は自らを博愛主義者と称し、故に浮気も仕方ないことだと主張してきたのである。 当然のことながら、アルリナはそんな彼の主張を受け入れなかった。 彼女はジグルドに離婚を言い渡し、彼の元から去ったのである。 その後アルリナは、ジグルドの様々な悪行を知ることになった。 そしてジグルドは、その報いを受けることになったのである。
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文字数 17,824 最終更新日 2024.01.27 登録日 2024.01.23
目覚めると私は、かつてプレイしたゲームの世界の侯爵夫人になっていた。 そんな私には、娘がいる。アトラという名前のその少女は、ゲームにおいて悪役だった女性の過去の姿だ。 悪役令嬢であるアトラは、自業自得ではあるが悲惨な末路を迎える。 多少素直ではないだけで悪い子ではない今のアトラに、私はそのような末路を迎えさせたくはなかった。 今の私は、私という人格が入り込む前はわがままな性格だったらしい。 娘のことも疎ましく思っているような母親が、アトラを歪めたのは明だ。 故に私は、アトラのことを溺愛することにした。 彼女を悪役令嬢にしないためには、そうするしかないと思ったのである。
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文字数 25,728 最終更新日 2024.01.23 登録日 2024.01.15
聖女の親衛隊の一員であるアメリアは、聖女ファルティアの振る舞いに辟易していた。 王女でもあるファルティアは、魔法に関する才能がないにも関わらず、王国の権威の象徴として聖女に任命されている。それなのに彼女は、非常にわがままに振る舞っていたのだ。 ある時ファルティアは、アメリアにクビを言い渡してきた。 些細なことからアメリアに恨みを抱いたファルティアは、自らの権力を用いて、アメリアを解雇したのである。 ファルティアの横暴は止まらなかった。 彼女は、自分が気に入らない者達をどんどんと排除していったのである。 しかしそれによって、聖女ファルティアという存在は瓦解することになった。 彼女は自分を親衛隊が必死の思いで支えていたということを、まったく理解していなかったのである。
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恋愛 完結 長編
父親同士の仲が良いレミアナとアルペリオは、幼少期からよく一緒に遊んでいた。 二人はお互いのことを兄や妹のように思っており、良好な関係を築いていたのである。 そんな二人は、婚約を結ぶことになった。両家の関係も非常に良好であったため、自然な流れでそうなったのだ。 気心のしれたアルペリオと婚約できることを、レミアナは幸いだと思っていた。 しかしそんな彼女に、アルペリオはある日突然婚約破棄を告げてきた。 「……君のことは妹としか思えない。そんな君と結婚するなんて無理だ」 アルペリオは、レミアナがいくら説得しても聞き入れようとしなかった。両家が結んだ婚約を、彼は独断で切り捨てたのである。 そんなアルペリオに、レミアナは失望していた。慕っていた兄のあまりのわがままさに、彼女の気持ちは冷めてしまったのである。 そうして婚約破棄されたレミアナは、しばらくして知ることになった。 アルペリオは、とある伯爵夫人と交際していたのだ。 その事実がありながら、アルペリオはまだレミアナの兄であるかのように振る舞ってきた。 しかしレミアナは、そんな彼を切り捨てる。様々な要素から、既に彼女にはアルペリオを兄として慕う気持ちなどなくなっていたのである。 ※あらすじを少し変更しました。(2023/11/30) ※予想以上の反響に感想への返信が追いついていません。大変申し訳ありません。感想についてはいつも励みになっております。本当にありがとうございます。(2023/12/03) ※誤字脱字などのご指摘ありがとうございます。大変助かっています。
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伯爵令嬢であるエリーナは、伯爵令息ローガルと婚約していた。 お互いの家が懇意にしていたため、二人の結婚は幼い頃から決まっていた。二人は幼少期からお互いのことをよく知っており、幼馴染のような関係だったのだ。 しかしある時、エリーナはローガルがとある侯爵令嬢と懇意にしている事実を知る。ローガルは、エリーナを裏切っていたのだ。 ローガルの浮気相手である侯爵令嬢は、彼に心酔していた。 その愛が自分にだけ向けられていると信じており、エリーナのことを馬鹿にしてきたのである。 だが、そんな侯爵令嬢は知らなかった。ローガルが関係を持っていたのは、彼女一人ではないことを。 それを知ったエリーナは、侯爵令嬢に言った。 「私を裏切ったあの人が、あなたを裏切らないなんて本気で思っていたのですか?」
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伯爵令嬢であるアナティアは、父親から家に相応しい婚約者を見極めるように命じられていた。 そんな彼女は、舞踏会にて子爵令息ルライドと出会う。紳士的な好青年である彼こそ、伯爵家に相応しい相手だ。そう思ったアナティアは、父親に彼のことを伝えた。 しかし、父親は「人を見る目がない」とアナティアのことを罵倒した。 ルライドという青年は、彼が望んでいる伯爵家に相応しい結婚相手ではなかったのだ。 程なくして父親は、アナティアにとある侯爵家の令息を紹介する。 その男こそ、相応しい婚約者であると父親は思っていたのだ。 だが、アナティアにはすぐにわかった。その男が、悪意を持って伯爵家に近づいていると。 そして彼女は理解した。真に人を見る目がないのが、誰であるかということを。
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伯爵令嬢であるイルメティアは、伯爵令息のジョグラスと婚約することになった。 しかし彼は、彼女の妹であるウルティアに注目していた。社交界でも評判のウルティアの方が、自分の結婚相手として相応しいと思っていたのだ。 そこでジョグラスは、イルメティアと婚約破棄した。ウルティアに甘い言葉を囁き、彼女と婚約し直したのである。 しかしジョグラスは知らなかった。裏表のない無垢な令嬢と名高いウルティアが、わがままな令嬢であったということを。 次第に二人は、不仲になっていった。見識の違いがあった二人が、上手くいくはずなどなかったのである。 それをジョグラスから聞いたイルメティアは、彼に対してこう言い放った。 「妹が裏表のない性格だって本当に信じていたんですか?」
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聖女であるクレメリアは、謙虚な性格をしていた。 彼女は、自らの成果を誇示することもなく、淡々と仕事をこなしていたのだ。 そんな彼女を新たに国王となったアズガルトは軽んじていた。 彼女の能力は大したことはなく、何も成し遂げられない。そう判断して、彼はクレメリアをクビにした。 しかし、彼はすぐに実感することになる。クレメリアがどれ程重要だったのかを。彼女がいたからこそ、王国は成り立っていたのだ。 だが、気付いた時には既に遅かった。クレメリアは既に隣国に移っており、アズガルトからの要請など届かなかったのだ。
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侯爵令嬢であるラフェリアは、実家との折り合いが悪く、王城でメイドとして働いていた。 そんな彼女は優秀な働きが認められて、第一王子と婚約することになった。 しかしその婚約は、すぐに破談となる。 ラフェリアの妹であるメレティアが、王子を懐柔したのだ。 メレティアは次期王妃となることを喜び、ラフェリアの不幸を嘲笑っていた。 ただ、ラフェリアはわかっていた。甘やかされて育ってきたわがまま妹に、王妃という責任ある役目は務まらないということを。 その兆候は、すぐに表れた。以前にも増して横暴な振る舞いをするようになったメレティアは、様々な者達から反感を買っていたのだ。
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男爵令嬢であるエリシアは、親子ほど年が離れたヴォルダー伯爵と婚約することになった。 しかし伯爵は、息子や使用人達からも嫌われているような人物だった。実際にエリシアも彼に嫌悪感を覚えており、彼女はこれからの結婚生活を悲観していた。 だがそんな折、ヴォルダー伯爵が行方不明になった。 彼は日中、忽然と姿を消してしまったのである。 実家の男爵家に居場所がないエリシアは、伯爵が失踪してからも伯爵家で暮らしていた。 幸いにも伯爵家の人々は彼女を受け入れてくれており、伯爵令息アムドラとの関係も良好だった。 そんなエリシアの頭を悩ませていたのは、ヴォルダー伯爵の隠し子の存在である。 彼ととあるメイドとの間に生まれた娘ロナティアは、伯爵家に引き取られていたが、誰にも心を開いていなかったのだ。 エリシアは、彼女をなんとか元気づけたいと思っていた。そうして、エリシアと婚約者の家族との奇妙な生活が始まったのである。
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国の人々を苦しめる瘴気を払うために、村娘であるラーナは王城に呼び出された。 彼女は、王国の誰もが使える魔法とは異なる不思議な力妖術を使えたのだ。 そんなラーナの活躍によって、国を蝕む瘴気は払われた。 しかしそれから彼女は、王国から命を狙われることになった。強力な力を持つラーナは、国王を始めとする国の重鎮にとっては邪魔な存在だったのだ。 彼女は、兵士のユーラスの助けを借りて、なんとか隣国へと逃れた。 それから程なくして、彼女を用済みと切り捨てた国から再び力を貸して欲しいという要請があった。王国は、再び発生した瘴気に悩まされていたのだ。 だが彼女は、王国からのそんな要請を切り捨てた。 自分を用済みと切り捨てた国に、貸す力などなかったのである。
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公爵令嬢であるマルテリアは、婚約者である第二王子に対して疑念を抱いていた。 基本的には紳士的である彼には、裏の顔がある。様々な事柄から、マルテリアはそのように考えていたのだ。 ある時彼女は、第二王子から婚約破棄を告げられた。 困惑しながらもそれを受け入れたマルテリアは、その帰り道で襲われることになった。第二王子が、彼女を始末しようとしていたのである。 そんな彼女を助けたのは、第三王子であるウルドであった。 身を張ってマルテリアを助けた彼は、兄である第二王子が何を考えているかを知っていた。 彼は来たるべき王位争いに向けて準備をしていたのだ。 その関係でマルテリアが邪魔になり、凶行に及んだのである。 それを知ったマルテリアは、第二王子の王位継承を阻止することに決めた。 目的のためになら手段を選ばない悪辣な彼を、王にしてはいけないとマルテリアは考えたのだ。 その意見には、ウルドも同意してくれた。 こうしてマルテリアは、彼と協力して元婚約者を止めることになったのだった。
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侯爵令嬢であるフェリティアは、婚約者である第二王子の態度に辟易としていた。 彼は同盟国であるアルバラス王国に暮らす獣人のことを忌み嫌っており、堂々と批判していたのである。 ある時フェリティアは、第二王子に婚約破棄を告げた。彼女は身勝手な彼に、ついていけないと思ったのだ。 その一連の騒動を、アルバラス王国の王子であるライオンの獣人レオニアはその優れた聴覚で全て聞いていた。 そんな彼は、フェリティアを妻に迎えたいと申し出てきた。獣人を差別せず、毅然な態度を貫く彼女なら、二つの国に調査をもたらしてくれるとレオニアは考えたのである。 少し考えた後、フェリティアはその提案を受け入れることにした。 こうして彼女は、二つの国の平和のために奮闘することになったのである。 一方、元婚約者である第二王子は父親である国王からとあることを告げられていた。 人前で堂々と同盟国を批判する彼を、国王は許してくれなかったのである。
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侯爵令嬢であるイルフェリアは、優秀な姉を持っていたが故に両親から期待されていた。 二人は、彼女が姉と同じようにできるとそう考えていたのだ。 しかしながら、イルフェリアは姉程に優秀な能力を持っていなかった。彼女は平凡ではなかったが、天才ではなかったのである。 それを知った時、両親は「裏切られた気分だ」とイルフェリアに言ってきた。その身勝手な主張に、彼女はずっと苦しんでいたのである。 不慮の事故によって姉が亡くなってから、両親はイルフェリアを今までよりももっと罵倒するようになっていた。 姉を失った行き場のない怒りを、両親は彼女ににぶつけていたのである。 そんなイルフェリアは、姉との婚約を引き継ぐことになった。 しかしその婚約者も、また彼女を姉と比べるような人物であった。 「……勝手に期待しておいて、裏切られたなんて言わないでください」 「……なんだと?」 「別に私は、あなたを裏切ってなんかいません。あなたが勝手に期待しただけではありませんか。その責任を私に求めないでください」 ある時、イルフェリアは積もりに積もった不満を爆発させた。 それを機に、彼女は両親や婚約者といった人々の元から飛び立つことを決めたのである。 こうして、イルフェリアは侯爵家を去ったのだった。
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