私に悪役令嬢は荷が重い。

「……わかっているのかしら? 平民のあなたが、この学園にいるということが、そもそもおかしいということが」

平民であるメアリに対して、私はそう言った。
取り巻きとともに特別な平民である彼女を、いびっているのだ。

「フレーナ様の言う通りよ。あなたなんかね。この学園に通っていい存在ではないのよ。薄汚い平民の分際で貴族の領分に入ってこようなんて……」
「ちょっと、それは言い過ぎではないかな?」
「え? そうですか?」

しかし私は、取り巻きのサナーシャの言葉に思わず口を挟んでしまった。
薄汚いというのは言い過ぎなのではないか、そう思ってしまったのだ。

それからはもう、ぐだぐだだった。
もう一人の取り巻きのクレリアは言葉が出てこなかったし、結局第二王子であるイージス殿下が現れ、私達は退くことになってしまった。

わかっていたことではあるが、どうやら私に悪役令嬢は荷が重いらしい。
これから本当にやっていけるのか、私は不安でいっぱいだった。
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