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三章
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マルムフォーシュ伯爵が盾になってくれてよかった。叩かれた甲斐もあったというものだ。
いつ出てくるかと待っていたファロンも、やっとチェルシーを守りに姿を現した。チェルシーはファロンに縋り付き子どものように泣きじゃくっている。
本当に、マルムフォーシュ伯爵の存在が心強い。
チェルシーを抱きかかえるファロンの瞳には、静謐な殺意が宿っている。彼女にそんなことをさせるわけにはいかない。
マルムフォーシュ伯爵が、全て丸く収めてくれる。
私はそう信じている。
「お前は……!」
忌々しいイヴリンがファロンを驚愕の表情で認識する。それはすぐに侮蔑と怒りに変わる。
「よくもまあ、のこのこと姿を現したわね」
「俺の連れだが」
「……え?」
マルムフォーシュ伯爵の一言に、どうやらイヴリンの思考が追いついてはいないらしい。
「俺が、メリーポート伯爵令嬢を伴い、遠路遥々やってきた。この意味が、わからないのか」
「マルムフォーシュ伯爵……ど、どういう意味ですか……?」
「チェルシーとクレア。虐げられた母子を救いに来た」
王族に連なるノルディーン公爵の末子、マルムフォーシュ伯爵の口から告げられた意味は大きい。
イヴリンもついに蒼褪めた。見栄を張る為の急なパーティーに呼び出されたつまらない貴族たちも緊迫感に固唾を飲んでいる。
「ごめんなさい、ファロン……私が悪かったの……っ」
泣き声の狭間で絞り出される悔恨と謝罪が、痛々しく耳に届いた。
ファロンは言葉では答えなかった。黙ってチェルシーを抱いていた。それで充分なのかもしれない。
「ウィリアムズ侯爵。俺が、貴殿の奥方と一人娘を預かろう。今すぐ、小さなレディ・クレアを此処に」
「お待ちください、マルムフォーシュ伯爵……!」
イヴリンはしぶとかった。
ところが、息子のほうはそうではなかった。
「母上。閣下が仰るなら、従うべきです」
「……アーヴィン……!」
従順に育て上げた息子だもの。
母親より更に権威も権力も上回る相手には、服従するでしょうよ。
同じだけ、下と見た者への扱いは散々なものだろうと思うと気が狂いそうなほど頭にくる。事実、チェルシーに対する仕打ちは度が過ぎている。異常だ。
「素直に応じてくれたら、俺も、寛大になれる気がするが」
普段は見せない真剣さでマルムフォーシュ伯爵が静かにウィリアムズ侯爵家の悪を追い詰めていく。王家の密偵。本来の姿を垣間見ているのだと、私は少しだけ、感慨に耽る。
助手として、役に立てただろうか。
沈黙が落ちた。
イヴリンは迷っているのかもしれない。拒んでいるのかもしれない。わからない。
マルムフォーシュ伯爵が、改めてウィリアムズ侯爵に命じた。
「クレアを、此処に」
併し、ウィリアムズ侯爵の口から放たれた言葉は返答ではなかった。
「母上。クレアを此処へ、お願いします」
「……?」
違和感があった。
誰よりも先に察したのは、ウィリアムズ侯爵夫人チェルシーその人だった。
チェルシーはファロンの腕の中から滑り出ると、喉を震わせて今度は夫に縋り付いた。
「アーヴィン様、クレアは何処にいるの……!?会わせてくれるって仰ったのに……!」
「!」
母親チェルシーから引き離し、祖母であるイヴリンが事実上人質にとっているのは判明していた。父親のウィリアムズ侯爵さえその居場所を正確に把握していないなんて、ありえない。でも、あり得ないことが今、起きているのだ。
「母上」
ウィリアムズ侯爵はこの期に及んで母親に助けを求めている。
ファロンを見遣ると、既に沈黙の中で人質奪還の手順を推し量っている雰囲気が感じ取れた。
一人で遣らなくていい。
チェルシーの傍にいていいのよ、ファロン。
マルムフォーシュ伯爵が片付けてくれる。
「……」
私はそっとマルムフォーシュ伯爵の袖を掴み、それとなく注意を引いた。目が合った。私が次の一手を促していると、わかってくれる。そう信じていた。
マルムフォーシュ伯爵は頷かない。それでも、不安はない。
二度も、私に任せてくれた。
信頼されているのだから、私も、この人を信頼する。
ところが、マルムフォーシュ伯爵の次の一手の前に事態は思わぬ方向へと角度と変えた。
唐突に、そして派手に広間の入口で声が上がった。
その姿も、言動も、激しく私たちを混乱させる。
もう一人、チェルシーがいた。
「皆様!」
健康的な顔色、歌うようなどこか高慢な声。
まるで女王の如く着飾ったその姿には、呆気に取られるしかなかった。
「私はソレル・ハーン。アーヴィン様の妻です!私が本当のウィリアムズ侯爵夫人です!!」
え、なに?
「そこの女は出来損ない。跡継ぎを産めない女など貴族を名乗る価値もありません。私は身篭っています!絶対に、男の子を産みます!!」
「嘘でしょう?」
つい、口から本音が洩れる。
「産むまで孕み続けます!私には、それができるのです!!」
両手を叩く掲げ、ソレルと名乗ったチェルシーそっくりの女性は高らかに宣言した。恐ろしいのは、どうやら本気でそう思い込んでいるらしいということ。
なるほど。
あの調子でチェルシーのふりをしていたのであれば、目に余ると言われても何ら不思議はない。
「……」
イヴリンとウィリアムズ侯爵が絶句している。
くだらない。無責任にも程がある。
「甘やかし、つけあがらせた末路ですね」
そっと現実を突き付けてあげた。
ただ、人でなしの二人が泡を吹くのは胸がすくものの、心配なのはチェルシーだ。只でさえ憔悴して痩せて蒼白くなってしまっているのに、これ以上の苦しみは背負わせたくない。
チェルシーは縋り付いている相手がファロンでないことも忘れたかのように、愕然と身代わりの侯爵夫人を見つめたまま固唾を飲み硬直してしまっている。
いっそ、失神してしまったほうが楽なのではないかしら。
見ていられない。
「庶子を跡継ぎにするには、相応の手続きが必要だ。だが、今回の件では、国王陛下が許可する理由は見つからない」
マルムフォーシュ伯爵もウィリアムズ侯爵家の愚か者にしっかり現実を突き付ける。
「更に、庶子であることを隠匿するつもりであったのなら、処罰対象だ」
聞いたことが無いほどマルムフォーシュ伯爵の声が低くざらついている。相当、怒っているようだ。遊び人のふりといっても常日頃から軽薄な態度ばかりだったマルムフォーシュ伯爵にも、正しい精神が宿っているのだと知れて嬉しい。
でも喜んでいる場合ではない。
「離縁し、あの愛人と正式に結婚した後に男児が産まれるなら、最悪の事態は免れるかもしれないが……」
マルムフォーシュ伯爵が暗にチェルシーの全面的な解放を示唆している。ウィリアムズ侯爵家の人でなし二人が心を入れ替えるとは到底思えない状況だし、事情を知るマルムフォーシュ伯爵がチェルシーとクレアを無碍にするわけもないのだから、絶対にそれがいちばんいい結末だ。
「いえ、まさか」
ウィリアムズ侯爵が簡素な声で反論した。
「あれは借り腹です。平民と結婚など、ありえません」
「…………」
忌々しさに舌打ちしそうだ。
そんなはしたない真似はしないけれども。
「なるほど」
マルムフォーシュ伯爵の声が硬い。
どうやら怒りの感情に関しては直情的な性格ではないようだとわかってきた。
「では、貴殿は国王陛下の目を欺き、正妻以外の相手と儲けた庶子を後継ぎに据え遂せる心積もりであったと。そういう事か?」
「はい。大変申し訳ございませんでした。改めます。あの女も片付けます。いずれクレアに遠縁から婿を取らせれば問題ありませんので」
ウィリアムズ侯爵は本当に気色悪い男だ。
チェルシーのみならず、誰の心も慮らない。今の返答でマルムフォーシュ伯爵に納得してもらえると考えているのだろうから、正気を疑いさえする。
マルムフォーシュ伯爵が軽蔑の目を向けているのを見て、私は少しだけ恐くなった。
イヴリンは一つ、正しいことを言った。
私はマルムフォーシュ伯爵に甘やかされている。絶大な権力と権威を併せ持つ超上級貴族の懐でつけあがり、格上の侯爵家に盾突いた。それが許されるとわかっていて、守られると高を括って、思いきりやった。
マルムフォーシュ伯爵の庇護下を離れた時、或いは、飽きられたり嫌われたりした時、私は、今、目の前で軽く切り捨てられようとしているソレルと同じ末路を辿るかもしれない。
ステファンから捨てられた、あの時のように。
全てを失う。
「そうよ……!ソレル!身の程知らずの大馬鹿者!!お前なんか出てお行き!!」
「……っ」
イヴリンの言葉が妙に堪えた。
少しばかり震えた私に、マルムフォーシュ伯爵は気付いただろうか。けれど弱気になっている暇はないのだと知る。
「いいえ!私は結婚して侯爵夫人になってアーヴィン様の子を産みます!」
「誰か、あの婢を抓み出してちょうだい!!」
「できません!イヴリン様!あなたにはもう私しかいないのです!!」
いつ出てくるかと待っていたファロンも、やっとチェルシーを守りに姿を現した。チェルシーはファロンに縋り付き子どものように泣きじゃくっている。
本当に、マルムフォーシュ伯爵の存在が心強い。
チェルシーを抱きかかえるファロンの瞳には、静謐な殺意が宿っている。彼女にそんなことをさせるわけにはいかない。
マルムフォーシュ伯爵が、全て丸く収めてくれる。
私はそう信じている。
「お前は……!」
忌々しいイヴリンがファロンを驚愕の表情で認識する。それはすぐに侮蔑と怒りに変わる。
「よくもまあ、のこのこと姿を現したわね」
「俺の連れだが」
「……え?」
マルムフォーシュ伯爵の一言に、どうやらイヴリンの思考が追いついてはいないらしい。
「俺が、メリーポート伯爵令嬢を伴い、遠路遥々やってきた。この意味が、わからないのか」
「マルムフォーシュ伯爵……ど、どういう意味ですか……?」
「チェルシーとクレア。虐げられた母子を救いに来た」
王族に連なるノルディーン公爵の末子、マルムフォーシュ伯爵の口から告げられた意味は大きい。
イヴリンもついに蒼褪めた。見栄を張る為の急なパーティーに呼び出されたつまらない貴族たちも緊迫感に固唾を飲んでいる。
「ごめんなさい、ファロン……私が悪かったの……っ」
泣き声の狭間で絞り出される悔恨と謝罪が、痛々しく耳に届いた。
ファロンは言葉では答えなかった。黙ってチェルシーを抱いていた。それで充分なのかもしれない。
「ウィリアムズ侯爵。俺が、貴殿の奥方と一人娘を預かろう。今すぐ、小さなレディ・クレアを此処に」
「お待ちください、マルムフォーシュ伯爵……!」
イヴリンはしぶとかった。
ところが、息子のほうはそうではなかった。
「母上。閣下が仰るなら、従うべきです」
「……アーヴィン……!」
従順に育て上げた息子だもの。
母親より更に権威も権力も上回る相手には、服従するでしょうよ。
同じだけ、下と見た者への扱いは散々なものだろうと思うと気が狂いそうなほど頭にくる。事実、チェルシーに対する仕打ちは度が過ぎている。異常だ。
「素直に応じてくれたら、俺も、寛大になれる気がするが」
普段は見せない真剣さでマルムフォーシュ伯爵が静かにウィリアムズ侯爵家の悪を追い詰めていく。王家の密偵。本来の姿を垣間見ているのだと、私は少しだけ、感慨に耽る。
助手として、役に立てただろうか。
沈黙が落ちた。
イヴリンは迷っているのかもしれない。拒んでいるのかもしれない。わからない。
マルムフォーシュ伯爵が、改めてウィリアムズ侯爵に命じた。
「クレアを、此処に」
併し、ウィリアムズ侯爵の口から放たれた言葉は返答ではなかった。
「母上。クレアを此処へ、お願いします」
「……?」
違和感があった。
誰よりも先に察したのは、ウィリアムズ侯爵夫人チェルシーその人だった。
チェルシーはファロンの腕の中から滑り出ると、喉を震わせて今度は夫に縋り付いた。
「アーヴィン様、クレアは何処にいるの……!?会わせてくれるって仰ったのに……!」
「!」
母親チェルシーから引き離し、祖母であるイヴリンが事実上人質にとっているのは判明していた。父親のウィリアムズ侯爵さえその居場所を正確に把握していないなんて、ありえない。でも、あり得ないことが今、起きているのだ。
「母上」
ウィリアムズ侯爵はこの期に及んで母親に助けを求めている。
ファロンを見遣ると、既に沈黙の中で人質奪還の手順を推し量っている雰囲気が感じ取れた。
一人で遣らなくていい。
チェルシーの傍にいていいのよ、ファロン。
マルムフォーシュ伯爵が片付けてくれる。
「……」
私はそっとマルムフォーシュ伯爵の袖を掴み、それとなく注意を引いた。目が合った。私が次の一手を促していると、わかってくれる。そう信じていた。
マルムフォーシュ伯爵は頷かない。それでも、不安はない。
二度も、私に任せてくれた。
信頼されているのだから、私も、この人を信頼する。
ところが、マルムフォーシュ伯爵の次の一手の前に事態は思わぬ方向へと角度と変えた。
唐突に、そして派手に広間の入口で声が上がった。
その姿も、言動も、激しく私たちを混乱させる。
もう一人、チェルシーがいた。
「皆様!」
健康的な顔色、歌うようなどこか高慢な声。
まるで女王の如く着飾ったその姿には、呆気に取られるしかなかった。
「私はソレル・ハーン。アーヴィン様の妻です!私が本当のウィリアムズ侯爵夫人です!!」
え、なに?
「そこの女は出来損ない。跡継ぎを産めない女など貴族を名乗る価値もありません。私は身篭っています!絶対に、男の子を産みます!!」
「嘘でしょう?」
つい、口から本音が洩れる。
「産むまで孕み続けます!私には、それができるのです!!」
両手を叩く掲げ、ソレルと名乗ったチェルシーそっくりの女性は高らかに宣言した。恐ろしいのは、どうやら本気でそう思い込んでいるらしいということ。
なるほど。
あの調子でチェルシーのふりをしていたのであれば、目に余ると言われても何ら不思議はない。
「……」
イヴリンとウィリアムズ侯爵が絶句している。
くだらない。無責任にも程がある。
「甘やかし、つけあがらせた末路ですね」
そっと現実を突き付けてあげた。
ただ、人でなしの二人が泡を吹くのは胸がすくものの、心配なのはチェルシーだ。只でさえ憔悴して痩せて蒼白くなってしまっているのに、これ以上の苦しみは背負わせたくない。
チェルシーは縋り付いている相手がファロンでないことも忘れたかのように、愕然と身代わりの侯爵夫人を見つめたまま固唾を飲み硬直してしまっている。
いっそ、失神してしまったほうが楽なのではないかしら。
見ていられない。
「庶子を跡継ぎにするには、相応の手続きが必要だ。だが、今回の件では、国王陛下が許可する理由は見つからない」
マルムフォーシュ伯爵もウィリアムズ侯爵家の愚か者にしっかり現実を突き付ける。
「更に、庶子であることを隠匿するつもりであったのなら、処罰対象だ」
聞いたことが無いほどマルムフォーシュ伯爵の声が低くざらついている。相当、怒っているようだ。遊び人のふりといっても常日頃から軽薄な態度ばかりだったマルムフォーシュ伯爵にも、正しい精神が宿っているのだと知れて嬉しい。
でも喜んでいる場合ではない。
「離縁し、あの愛人と正式に結婚した後に男児が産まれるなら、最悪の事態は免れるかもしれないが……」
マルムフォーシュ伯爵が暗にチェルシーの全面的な解放を示唆している。ウィリアムズ侯爵家の人でなし二人が心を入れ替えるとは到底思えない状況だし、事情を知るマルムフォーシュ伯爵がチェルシーとクレアを無碍にするわけもないのだから、絶対にそれがいちばんいい結末だ。
「いえ、まさか」
ウィリアムズ侯爵が簡素な声で反論した。
「あれは借り腹です。平民と結婚など、ありえません」
「…………」
忌々しさに舌打ちしそうだ。
そんなはしたない真似はしないけれども。
「なるほど」
マルムフォーシュ伯爵の声が硬い。
どうやら怒りの感情に関しては直情的な性格ではないようだとわかってきた。
「では、貴殿は国王陛下の目を欺き、正妻以外の相手と儲けた庶子を後継ぎに据え遂せる心積もりであったと。そういう事か?」
「はい。大変申し訳ございませんでした。改めます。あの女も片付けます。いずれクレアに遠縁から婿を取らせれば問題ありませんので」
ウィリアムズ侯爵は本当に気色悪い男だ。
チェルシーのみならず、誰の心も慮らない。今の返答でマルムフォーシュ伯爵に納得してもらえると考えているのだろうから、正気を疑いさえする。
マルムフォーシュ伯爵が軽蔑の目を向けているのを見て、私は少しだけ恐くなった。
イヴリンは一つ、正しいことを言った。
私はマルムフォーシュ伯爵に甘やかされている。絶大な権力と権威を併せ持つ超上級貴族の懐でつけあがり、格上の侯爵家に盾突いた。それが許されるとわかっていて、守られると高を括って、思いきりやった。
マルムフォーシュ伯爵の庇護下を離れた時、或いは、飽きられたり嫌われたりした時、私は、今、目の前で軽く切り捨てられようとしているソレルと同じ末路を辿るかもしれない。
ステファンから捨てられた、あの時のように。
全てを失う。
「そうよ……!ソレル!身の程知らずの大馬鹿者!!お前なんか出てお行き!!」
「……っ」
イヴリンの言葉が妙に堪えた。
少しばかり震えた私に、マルムフォーシュ伯爵は気付いただろうか。けれど弱気になっている暇はないのだと知る。
「いいえ!私は結婚して侯爵夫人になってアーヴィン様の子を産みます!」
「誰か、あの婢を抓み出してちょうだい!!」
「できません!イヴリン様!あなたにはもう私しかいないのです!!」
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