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errare humanum est
novem
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意味ありげな微笑を斎に向けながら、呟くにそう言った。
「ですが、先生は恋人でもなんでもありませんし、僕がどこの誰に抱かれようとも関係無いですし、許可を取る必要もありませんよね?」
悪魔の囁きにも似た言葉が、天使のような顔から発せられる。
「待て!」
斎の言葉に、天弥は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「それだけは……」
人格が二つあるのは承知している。それぞれ、別の存在なんだと理解はしていても、はいそうですかと納得できることではなかった。
「分かった……取引する……」
苦渋の決断を伝える斎に向かって、天弥は左手を差し出した。その様子を、理解が出来ないという表情で斎が見つめる。
「指輪、はめてくれないのですか?」
握りしめた掌を開き、斎は指輪を見つめた。
「先生に縛られるっていう約束の印ですよ?」
空いた手で天弥の手を持ち、指を震わせながら薬指に指輪をはめた。嬉しそうに左手を掲げ、天弥は指輪を見つめる。
「これで、僕は先生のものです」
別人なのだと言われても、斎にとっては同じ顔、同じ声、同じ身体なのだ。自分以外の者が触れるのを容認できるはずがない。
「それで、俺は何をすればいいんだ?」
「キスしてください」
即座に答えた言葉に、その場で斎の意識は混乱を極める。
「僕としては、キスよりも抱いてくれる方が良いのですが、それはおまかせします」
返事を催促するように、天弥は斎に向かって手を差し出した。
「待ってくれ! それは一体どういうことなんだ?」
差し出された手を軽く振り払い、理由を尋ねる。
「今、まともに動くことができないので、手っ取り早く回復をしたいだけです」
「それがなぜキス……?」
天弥は両腕を斎の身体に回し、上半身を預ける。
「こうしているだけでも良いのですが、時間がかかりますし、手っ取り早く回復するには抱いて貰うのが一番なんです」
「回復となんの関係があるのか分からないんだが……」
「エネルギー補給です。今の僕にとっては、先生は無尽蔵のエネルギーみたいなものなんです」
斎の身体に回した腕に力を込める。
「先程、キスをしてくれたでしょう? あれで目覚めることが出来たんです」
「俺がエネルギーってどういうことなんだ?」
今の言い方だと、人の精気でも吸い取っているような印象を受けた。
「今の先生は僕に近い存在なんです。それに回復が早いというのもあります」
言われてみれば、先程は物凄い疲労感と倦怠感があったが、今では普通の状態に戻っている。
「分かった……」
尋ねたいことはあるが、今の自分は不利な状況にあることから心の中に押し留めた。斎の胸に伏せていた顔を上げ、天弥はねだるような視線を向けた後、ゆっくりと目を閉じる。一瞬、躊躇した後に斎は唇を重ねた。
「ですが、先生は恋人でもなんでもありませんし、僕がどこの誰に抱かれようとも関係無いですし、許可を取る必要もありませんよね?」
悪魔の囁きにも似た言葉が、天使のような顔から発せられる。
「待て!」
斎の言葉に、天弥は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「それだけは……」
人格が二つあるのは承知している。それぞれ、別の存在なんだと理解はしていても、はいそうですかと納得できることではなかった。
「分かった……取引する……」
苦渋の決断を伝える斎に向かって、天弥は左手を差し出した。その様子を、理解が出来ないという表情で斎が見つめる。
「指輪、はめてくれないのですか?」
握りしめた掌を開き、斎は指輪を見つめた。
「先生に縛られるっていう約束の印ですよ?」
空いた手で天弥の手を持ち、指を震わせながら薬指に指輪をはめた。嬉しそうに左手を掲げ、天弥は指輪を見つめる。
「これで、僕は先生のものです」
別人なのだと言われても、斎にとっては同じ顔、同じ声、同じ身体なのだ。自分以外の者が触れるのを容認できるはずがない。
「それで、俺は何をすればいいんだ?」
「キスしてください」
即座に答えた言葉に、その場で斎の意識は混乱を極める。
「僕としては、キスよりも抱いてくれる方が良いのですが、それはおまかせします」
返事を催促するように、天弥は斎に向かって手を差し出した。
「待ってくれ! それは一体どういうことなんだ?」
差し出された手を軽く振り払い、理由を尋ねる。
「今、まともに動くことができないので、手っ取り早く回復をしたいだけです」
「それがなぜキス……?」
天弥は両腕を斎の身体に回し、上半身を預ける。
「こうしているだけでも良いのですが、時間がかかりますし、手っ取り早く回復するには抱いて貰うのが一番なんです」
「回復となんの関係があるのか分からないんだが……」
「エネルギー補給です。今の僕にとっては、先生は無尽蔵のエネルギーみたいなものなんです」
斎の身体に回した腕に力を込める。
「先程、キスをしてくれたでしょう? あれで目覚めることが出来たんです」
「俺がエネルギーってどういうことなんだ?」
今の言い方だと、人の精気でも吸い取っているような印象を受けた。
「今の先生は僕に近い存在なんです。それに回復が早いというのもあります」
言われてみれば、先程は物凄い疲労感と倦怠感があったが、今では普通の状態に戻っている。
「分かった……」
尋ねたいことはあるが、今の自分は不利な状況にあることから心の中に押し留めた。斎の胸に伏せていた顔を上げ、天弥はねだるような視線を向けた後、ゆっくりと目を閉じる。一瞬、躊躇した後に斎は唇を重ねた。
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